島津家の天下取り物語   作:夢原光一

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幕間③は、諸事情により消去しました。


第20話改

2日後、島津は1万2千の大軍を集結させて、船を使って島原へ向かった。さいわい、海の上で龍造寺が出て来ることはなく、大軍を無事に島原へ上陸させた。

颯馬「何とか島原へ上陸したけど、なんか怪しくないか?」

歳久「そうですね。海で迎え撃つと予想はしましたけど・・・。まさか戦わずに島原へ簡単に上陸できるとは思っても見ませんでした」

歳ちゃんがそう言う。相手は、島津が島原から上陸してくることは予想ついていたはず。それなのに海上で1戦もなく、島津を島原へ上陸出来た。なんか怪しい・・・。

 

ダダダダタダーン

 

その時、火縄銃の音が聞こえた。

歳久「何事です!」

歳ちゃんがそう言うと島津兵がやって来る。

島津兵1「歳久様、軍師様!大変です!龍造寺家の奇襲です!その数、約7千です!」

島津兵がそう言う。

颯馬「どうやら、上陸してきた直後に襲って被害を出させようという気だな」

歳久「そのようですね。しかし、このような奇襲にひっくり返してやります」

そう言うと歳ちゃんが指示を出す。

歳久「今すぐ手の空いている兵は敵兵を迎え撃ちなさい!それから、鉄砲隊にはこれ以上敵が近づけさせないよう撃つように!」

島津兵1「わかりました!」

そう言うと兵は去っていく。

颯馬「歳ちゃん、ここは任せた。俺は義久と貴久様のところへ行って来る!」

歳久「歳ちゃんといわないでください!」

そんなことを言って俺は、貴久様と義久のところへ向かう。

 

 

 

 

貴久「まさか、奇襲されるなんて・・・」

お父さんがそう言う。

義久「お父さん。大将だから、そんな顔したら兵が不安がるでしょう」

貴久「そう言うけど、まだ上陸して間ならない時に奇襲だよ!こんな顔して当然だよ!」

お父さんたら~。

颯馬「貴久様、義久『様』!」

あ!あの声は、颯馬くんだわ。

義久「颯馬くん!」

颯馬「ご無事でしたか義久『様』、貴久様!」

颯馬くん、私とお父さんのことを心配していたんだね。

貴久「天城!この状況を何とかしてくれ~」

お父さんが颯馬にそう言う。

颯馬「わかりました。わかりましたから、貴久様は離れてください!」

そう言うとお父さんから離れた颯馬くんは兵士に指示を出した。

颯馬「今すぐにここら一体を固めるんだ!敵を貴久様と義久様のところまで行かすな!それから、残った部隊は敵陣の横を着け!」

島津兵達「はあ!」

そう指示をされて兵士さん達が行動をとる。

颯馬「さて、俺も行きますか」

颯馬くんがそう言う。

義久「気をつけてね颯馬くん~」

そう言うと颯馬くんは、前線へと向かっていった。

 

 

 

 

義弘「やあああああああああああ!!!!!!!!!!!」

龍造寺兵達「うわわわわわわわわわわ!!!!!!!!!!」

私は龍造寺兵を斬り捨てて行く。突然に奇襲に兵達は慌てたけど、何とか私の槍さばきで龍造寺兵を倒して行き、兵達に士気が高まり反転しそうだけど、兵の勢いがまだ向こうにありなかなかこちらの体勢が戻ることが出来ない。

「ほほ、ずいぶんと伊勢のいい女子が島津にいたもんだな」

そこに馬に乗った武将がやってきた。その武将は覇気が漂っていた。

義弘「何者!名を名乗りなさい!」

私がそう言う。

「これは失敬。私は、龍造寺四天王の筆頭、成松信勝である!」

龍造寺四天王の筆頭!?これは、とんだ大物と出会っちゃったみたいだわ。

義弘「私は、島津家次女、島津義弘よ!」

信勝「これはこれは、鬼島津と会うとは」

義弘「鬼って言うな!」

私は信勝に向けて攻撃をする。

信勝「いい槍だ。だが、四天王筆頭に勝てるほどのものではない!」

そう言うと信勝が反撃に出て私は槍で受け止める。

義弘「こっちだって負けてなるものか!」

 

 

 

 

島津と龍造寺が戦っているすぐ近くにとある一団がいた。

「島津が苦戦しているわね」

「はい。このままでは、島津に大なる被害が出る恐れがあります」

兵士が姫武将にそう言う。

「私たちが横腹をつけば龍造寺を倒せるかしら?」

「それは流石に無理ですが龍造寺が引くことは間違いないでしょう」

兵士が姫武将にそう言う。

「そうですか。なら!」

姫武将が後ろを振り向く。

「皆の者!これより龍造寺の横をつく!お家を再興するためにも父上が待っていた島津に加勢するわよ!私に続きなさい!」

「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

兵士が大声でそう言うと姫武将に続いて走り始める。

 

 

 

 

義弘「ハアハアハアハアハアハア・・・・」

息切れする私。流石四天王筆頭なのかな?ここまでやるとは・・・。

家久「あ、ひろねえ!?」

豊久「ひろねえちゃんが危ない!みんな、ひろねえちゃんを助けるんだ!」

向こうから豊ちゃんと家ちゃんの声が聞こえた。

そして、兵が私を助けようと向かって来る。

「おっと、そうは行くか!!!!!」

すると筋肉もりもりの男が現れて兵達の前に立ちふさがり、斬りかかって行く。

島津兵3「き、貴様!何者だ!」

「俺は、龍造寺隆信様の家臣であり、龍造寺四天王の1人、百武賢兼だ!さあ、誰でも言いかかって来い!信勝の前にはいかせんぞ!」

筋肉もりもりの男――百武賢兼って男も四天王の1人!?これは、ちょっとやばいかもしれない。

家久「豊ちゃん!どうしよう!?」

豊久「ええい、こうなったら強行だ!進め!!!!」

豊ちゃんの指示に兵が突っ込み始めるけど・・・。

賢兼「おりゃああああああああああ!!!!!!!!!!!」

島津兵達「うわわわわわわわわわ!!!!!!!!!!」

あの賢兼が兵達を斬る。

義弘「とりゃあ!」

信勝「ふん!」

私の槍をまたしても受け止められる。このままでは、まずい、そう思った時だった。

龍造寺兵1「信勝様!」

1人の兵が信勝の前に来た。

信勝「どうしたんだ」

龍造寺兵1「大変です!何者かが我が軍を襲い始めました!」

信勝「なんだと!?何処の誰だ!島津を加勢に来た勢力は!」

龍造寺兵1「はい。旗印は、五瓜です!」

信勝「五瓜!?有馬家の家紋か!まさか、有馬信晴か!?」

龍造寺兵1「多分、そうだと思わられます!」

兵が信勝に慌ててそう言う。

颯馬「弘ちゃん!」

あの声は、颯馬だ!?振り向くと颯馬が先陣に立ちながら兵を斬って行く。

信勝「どうやら、島津が立ち直って来てしまったようだ。賢兼、撤退だ!」

賢兼「お、おう!」

そう言うと信勝と賢兼、兵が引き上げていく。

どうやら、なんとかなったみたい・・・。

颯馬「弘ちゃん!」

家久「ひろねえ!」

豊久「弘姉ちゃん!」

そこに颯馬、家ちゃん、豊ちゃんがやって来た。

颯馬「弘ちゃん、大丈夫だったか?」

義弘「大丈夫よ。これでも、鬼島津と呼ばれているのよ。このぐらいで怖気つかないわよ!」

私は、颯馬にそう言う。そんな時だった。

「どうやら、龍造寺の連中は撤退したみたいだね」

そこに水色の髪の長いの姫武将が現れた。

家久「誰!?」

家ちゃんがそう言う。

「これは、失敬。島津家の家中の者と見える。私は、有馬晴信と申します」

颯馬「有馬晴信!?」

その名を聞いて、私もびっくりする。先の戦いで、何処か行方をくらまして、私達に援軍要請を出した有馬義貞の娘である、有馬晴信なんて・・・。

晴信「ええ。とにかく、島津家ご当主様にお会いしたい」

晴信がそう言う。

家久「どうするソウちゃん?」

家ちゃんが颯馬にそう問いかけて少し考えると晴信の前に立つ。

颯馬「いいでしょう。貴久様にお会いさせましょう。申し遅れましたが、私は島津家の軍師を勤める天城颯馬と申します」

晴信「かたじけない」

そう言うと颯馬が晴信をお父さんのところへ連れて行く。私、家ちゃん、豊ちゃんもその後をついて行った。

 

 

 

 

 

貴久「ん~、有馬晴信と申していたな。そなたは、どうして我が家に味方を?」

貴久様が当主の顔で晴信にそう言う。

晴信「はい。我が家は先日まで龍造寺と戦い続けました。父上は、島津に援軍の要請を出すことを決めて、使者を送りましたが、その前に龍造寺が総攻撃を仕掛けて、城は落ちてしまい、父上を始めとした家臣らは討ち死にしてしまいましたが、私は、その時、間一髪で助かり、助かった家臣とともにひっそり潜めていました。それで、島津家が肥前に来ると聞き、参陣しました」

晴信が貴久様にそう言う。

貴久「なるほど。ちなみに、そなたは島津家に味方するというが何が望みだ?」

晴信「もちろん、お家再興です」

晴信がそう答えた。

貴久「なるほど、欲がないな晴信殿は。よかろう、肥前を取った暁には島原の領地をそなたらに与えよう。その代わり島津家のためのためにしっかり働きたまえよ」

晴信「はい!この有馬晴信、島津家のために死ぬ気で働きます!」

晴信がそう言う。

こうして、有馬晴信が島津家に入り、新たな戦力が加わったのであった。


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