儀式デッキ使いの日常   作:アリスとテレス

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と、いうわけで前回の続きとなっております。
真琴「全く、作者が駄作者だから、困ってる人もいるんじゃないのか?」
さ、さあ?とりあえず儀式デッキ使いの日常なので、儀式デッキをメインに使ってるんだしね?時々は休ませてよ。
真琴「まあ、俺はなにもしなくていいから楽だけど」
おい。まあいい、今回はすこし予想外のカードに働いて貰おうと思います。
では!本編をどうぞ!



月一試験・下

さて、今は十代と万丈目のデュエルが行われている。もう終わりそうだが。

 

「なあ、ここで攻撃力1000以上のモンスターを引いたら、面白いと思わねぇか?」

「そうそう引けるかよ!」

「俺のターンドロー!引いたカードはE・HEROフェザーマン!攻撃力は1000だ!フェザーショット!」

「ぐぁぁぁぁ!」

 

万丈目LP1000ー1000=0

 

終わったようだ。

「オシリスレッド、御鏡真琴、オベリスクブルー、筒井砲台、第四フィールドに」

呼ばれたから寝ている真琴を彩花が起こす。

「ほら、起きなよ。呼ばれたぞ」

真琴は起きない。

「鳩尾にグーパン欲しい?」

「殺気!」

彩花が恐ろしいことを言うと、真琴は飛び起きた。

「真琴、目が覚めた?呼ばれたから第四フィールドに行きなさい」

「お、おう、何かさっきに殺気を感じたんだが」

「気のせいじゃない?」

「まあ、お前がやったんだろうってことは分かってるが」

なら聞くなという話である。腰に付けたデッキを取り出して確認していると

「げっ!これは試験用に組んだデッキじゃない、こいつをどうやったら運用できるか検討するため組んだ仮デッキじゃねぇか!うーん、かと言って今から取りに帰る訳にもいかねぇし、面倒だが、これでやろう」

「ちょっと、大丈夫なの?」

「大丈夫だ、問題無い」

「ちょっと!それフラグよ」

 

 

きちんと完成してないので、たまたま持っていたカードを少し入れ替えてデュエルフィールドに行く。そこではブルー生が待っていた。

「あの〜、この試験は同じ寮の人とするのでは無かったのですか?」

「ああ、先ほどの十代と万丈目の対戦でそれぞれの寮で人数が合わなくてな。そこで君に白羽の矢が立ったんだよ。安心してくれ。たとえ酷く負けたとしてもそこまで酷いプレイングをしない限り点数はつけるからね」

試験監督の先生が説明をしてくれる。

「そうですか」

「おい!さっさとしやがれ!こんな消化試合さっさと終わらせたいのだからな!」

そうブルー生が言う

「まあ、そうだね。早くしよう」

そう言って近づき、デッキを差し出す。やはりお互いにカットする習慣がついてないのか訝しげな顔をするが、理解するとあちらもいやいやデッキを差し出し、カットする。そして終えるとコイントスを行い先攻と後攻を決める

「表?裏?」

「表だ」

コインは裏。真琴の先攻だ。元いた位置に戻るとデュエルディスクを構える。

 

「「デュエル!」」

 

「俺のターンドロー....俺はマンジュ・ゴッドを攻撃表示で召喚。効果でデッキから高等儀式術を手札に。カードを1枚伏せてターンエンド」

真琴は特に動きを見せず、ターンを相手に渡した。

マンジュ・ゴッドATK1400

 

真琴

手札6→5→6→5

モンスター/マンジュ・ゴッド

魔法、罠/セットカード1枚

 

「ははっ!随分と消極的だな!俺のターンドロー!」

カードをデッキから引き抜き、カードをみると、かなり機嫌をよくする。いいカードだったようだ。

「お前には勿体無いが、見せてやるよ!俺は手札からサイバードラゴンを攻撃表示で特殊召喚!」

機械の体でできたドラゴンがブルー生のフィールドに現れる。

サイバードラゴンATK2100

 

「こいつは相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合手札から特殊召喚できる!さらに俺はサイバードラゴンツヴァイを召喚!手札のパワーボンドを見せてサイバードラゴン扱いとする!」

そして、サイバードラゴンよりも少しだけ小さい機械竜が場に出てくる。しかし、魔法カードを見せると、サイバードラゴンのようになった。

 

サイバードラゴンツヴァイ(サイバードラゴン)ATK1500

 

「ハハッ!これで終わりだ!手札からパワーボンドを発動!手札のサイバードラゴンとフィールドのサイバードラゴン扱いとなっているサイバードラゴンツヴァイを融合!こい!サイバーツインドラゴン!攻撃力は倍になる!」

手札のサイバードラゴンと自分フィールド上のツヴァイと融合すると、二股に別れた機械竜がこちらを向く。

サイバーツインドラゴンATK2800→5600

 

「レッド生なんかにサイバーエンドドラゴンを見せるのは勿体無いぜ!バトルだ!サイバードラゴンでそのザコモンスターを攻撃!」

「リバースカードオープン、和睦の使者このターン戦闘ダメージを受けず、戦闘によってモンスターが破壊されることは無い」

神聖な使者が姿を現し、マンジュゴッドと真琴を守る。

「ちっ!俺はカード2枚伏せてターンエンドだ!この時パワーボンドによりダメージを受ける。さあ!お前のターンだ!さっさとしやがれ!」

 

ブルー生

LP4000→1200

手札6→5→4→2→0

モンスター/サイバーツインドラゴン(5600)、サイバードラゴン

魔法、罠/セットカード2枚

 

「(ははははは!俺の伏せたカードは攻撃の無力化と収縮!どれだけお前が強力なモンスターを出したところで俺のサイバードラゴン達が返り討ちにしてくれる!)」

「俺のターンドロー」

真琴はそんな考えを知ってか知らずかいつも通りカードを引く。

「俺は手札から魔法カード、エンジェル・バトンを発動。デッキから2枚ドロー、1枚捨てる」

小さな天使が2枚を手渡すと、1枚を墓地に送る。

 

捨てられたカード→高等儀式術

 

「手札から魔法カード、儀式の準備を発動。デッキから精霊術師ドリアードを、墓地から高等儀式術を手札に加える」

怪しい集団が、祭壇から取り出した儀式モンスターと、墓地から回収した儀式魔法を真琴に渡す。

 

「俺は高等儀式術を発動。俺はデッキから弾圧される民、大木炭18、バニーラを儀式素材として儀式召喚。トライワイトゾーンを発動し、このカードの儀式召喚のために墓地に送ったモンスターを全て守備表示で特殊召喚」

精霊術師ドリアードDEF1400

弾圧される民DEF2000

バニーラDEF2050

大木炭18DEF2100

 

「ハハッ!なんだそのザコモンスターは!どれだけ並べようと、このサイバーツインの前には無力だ!」

ブルー生は得意気に高笑いをしつつ真琴の使っているカードを見下す。

「カードを3枚伏せる。マンジュゴッドを守備表示に変更して、ターンエンドだ」

 

真琴

手札6→4→3→0

LP4000

モンスター/マンジュゴッド、弾圧される民、大木炭18、バニーラ、精霊術師ドリアード

魔法、罠/セットカード3枚

 

「足掻け足掻け!俺のターンドロー!俺は死者蘇生を発動!サイバードラゴンを特殊召喚!」

「魔法発動時2枚のカードを発動。風林火山!俺はデッキから2枚ドローするを宣言し、デッキから4枚ドロー」

真琴の手札が一気に増える。

「今更手札を増やしたところで遅いんだよ!バトル!サイバードラゴン達で貴様のザコモンスター達を攻撃!」

「残念だが、こいつらには役目があるんでな。リバースカードオープン!エレメンタルバースト!」

真琴がカードの発動を宣言すると、バニーラ、弾圧される民、大木炭18が、それぞれ、黒、青、赤の光球となり、ドリアードの周りをふよふよと漂う。そしてドリアードが祈りを込めてその光球を空に向かって自らと一緒に投げ出すと、一筋の閃光がブルー生の元に降り注ぐ。その光が止んだ時にはブルー生のフィールド上にはカードが1枚も無かった。

「どういうことだ⁉︎」

「エレメンタルバーストは発動条件こそ厳しいが、効果は極めて強力だ。火、水、地、風、それぞれの属性のモンスターを1体ずつ墓地に送り、発動できる。相手フィールド上のカードを全て破壊する!」

「なっ!そんなインチキカードを!モンスター同士で戦えよ!除去札なんて使うなよ!リスペクト違反だぞ!」

「知らん。俺はサイバー流じゃ無いのでな。お前の考えを押し付けるな。」

周りからは凄いというのと、卑怯な!という声が4:1の割合で聞こえてくる。やはり、どこに行っても間違ったサイバー流の考えをしているやつはいるようだ。

「さっさとターンを回せよ」

「監督!このデュエルは無効です!相手がリスペクト違反をしました!もう一度、初めからさせてください!」

そう喚くが、

「彼はルール違反をしていない。自分のできる事がなくなったのなら、早くターンを回しなさい」

そう、すげなく答える。

「くそッ!ターンエンドだ」

「俺のターンドロー。......俺は契約の履行を発動。ライフを800払い、ドリアードを蘇生させる」

「なんて!なんで俺がこんなザコカードにぃぃぃぃぃ!」

 

ブルー生LP1200ー1200=0

 

「勝者!御鏡真琴!」

試験監督はそう宣言する。

「なっ!あのリスペクトもへったくれもないデュエルでの勝利ですよ!もう一度きちんとしたデッキでするべきではないですか!」

などと今だに無しだ違反だなどとぬかしている。そこに鮫島校長が来ると、

「そうですね。リスペクトのへったくれもありませんね」

「でしょう!ほら!サイバー流の師範代も!」

「なにも御鏡君がリスペクト違反しているとは一言もいっていませんよ?」

「えっ⁉︎でもさっきリスペクトのへったくれも無いと.....」

「ええ、言いましたね」

「ならなぜ!」

真琴をよそに校長とブルー生の話は続く

「私はリスペクト精神を広げたいと思っています。しかし、それは『ルールを守り、その中で相手を尊敬し、今出せる全力で相手をして、楽しくデュエルをする』それが私の考えるリスペクト精神です。あなたは相手を尊敬するどころか、相手を貶して越に浸っているだけの愚か者だ!この島を出てゆき、私の直属のサイバー流道場でその腐った精神を叩き直してこい!」

「ううっ!くそっ!」

そう言ってブルー生は何処かへ行ってしまった。

「すまないね。御鏡君、私の門下生が酷いことを言ってしまって」

「別に。特に危害を加えられた訳ではないので」

「そうですか。それはよかったです。ブルー生の部屋があいたのでこちらに入りますか?」

「いやいいです。レッド寮の方が校舎に近いので。それにたまたまあいたから入るという考えは好きではないので」

「そうですか。ではレッド寮のままでいいと?」

「住めば都と言いますしね。それにあなたはわざと近い所にレッド寮を建てたのでしょう?レッド生は勉強時間を多く取れるように。他の生徒はあそこに行きたくないと奮起するように」

「さて?どうでしょうね?とりあえず、あなたは勝者です。これからも精進して下さい」

「はい、それでは」

そう言って真琴は彩花達のいる所に戻る。

 

「あー、スッキリした!あの校長、いい人ね!」

「まずサイバー流の考え自体が全てのデュエリストにおいて最も必要な精神だからな。それを間違った捉え方をしている人が多いから敵も多いが、校長達はみんなその考えを広めようと頑張ってるよ」

「あら?いやに肩を持つわね?珍しく」

「だってそうだったら、俺は特になにもしなくても良さそうだしな」

「結局そこに行き着くんかい!」

彩花のツッコミが炸裂する。

「まあ、これからだよ」

「そうね。これからももっと強くなるよ!真琴!」

そう言って帰りの道を歩く。まだまだ日常は始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

「とりあえず遅刻はしないようにね」

「今朝のは仕方が無かったんだ。見逃してくれ」

なかなかしまらなかった




はーい、と言うわけで今回はサイバー流の内情とその考えの広まり具合を書きました。
真琴「作中では校長が言ってくれていたのでなんとも無かったが、本当はボコボコにしたかったんだがな」
あれ?案外真琴君って好戦的?
真琴「いや、儀式をバカにしやがったからな。俺はどんなカードだって大切にしたいしな」
君はデュエリストの鏡だね!
真琴「フン!おだててもなにも出ないぞ。さて、今回のキーカードだ」

精霊術師ドリアード
儀式・効果モンスター
星3/光属性/魔法使い族/攻1200/守1400
「ドリアードの祈り」により降臨。
このカードの属性は「風」「水」「炎」「地」としても扱う。

真琴「このカードで5種の属性を持つ。儀式だけではなく、全てのモンスターの中で、かなりトリッキーな効果を持っている」

真琴「エレメント系統がこれ1枚でだいたいが成立したりするし、それでなくとも風林火山がこの1枚で成立する強さがある」

真琴「しかし、作中であったようにエレメントバーストはそれぞれを1体ずつ墓地に送ることが発動条件なので、発動できない。それにルール効果ではなく、永続効果になってしまったので、エレメンタルアブソーバーの活用がしにくくなったのはすこし辛いものがあるな」


真琴「こんなところかな」
はい!では!デュエル中のミス。こうしたらいいのでは?などの指摘は随時募集中です!
感想もいただけたら嬉しいと思います!皆様の感想が作者の活力です。
それでは!また次回!

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