儀式デッキ使いの日常   作:アリスとテレス

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今回はネタに走りました。許してください。
真琴「今回の俺の登場は無いな。楽な話だ」
まあ、今回は精霊の世界での事を書いて見たくなったのですよね〜。
真琴「こんな事を言っているが、本編には全く関係が無い。無視していただいても構わないぞ」
あはははは、さて、作者のノリの深夜のテンションによって書き上げられたので、拙い場面もあるでしょうが、ひらにご容赦を。
では、どうぞ。


精霊戦国伝
少し考えた精霊戦国時代


時は戦国

 

場所は儀式国本拠、ノア城

その城の中で主である、天界王シナトがいた。

シナトは勇猛果敢、かつ知略に富むという勇将にして知将でもある。

しかし、生まれたのが小さな国の集まりによって成り立つ国で無ければ、非常に雄飛していたであろう。

しかし、シナト自身も多くは望もうとはしないたちなので、侵攻などはあまりしてこなかった。

シナトの人望に惹かれ、数多のモンスターが儀式国の傘下に入ることもあったので、シナトが王となってからは領土もそこそこ増えた。

しかし、北は悪魔国、西は戦士国、南は龍皇国と、強大な3ヶ国に囲まれていた。

そして、その国はいつ消えてもおかしくないほど、危うい立場だったのである。

 

 

 

 

 

 

「大変です!大変です!」

シナトが東に見える海を見ていた所、腹心である、ソニックバードが駆け込んで来た。

影に日向にシナトに尽くして来た、シナトの最も信頼する部下の1人である。

「北より、悪魔軍が侵攻を開始!去年こちらに寝返ったゾーク殿の領土を攻撃しております!」

もたらされた情報は耳を疑うものだった。悪魔国はしばらく前まで内乱が続き、攻撃にでるのはもう暫く後の事だろうと読んでいたからである。

「ゾーク殿の軍も勇戦しておりますが、落ちるのも時間の問題かと....」

こう、ソニックバードは言った。

シナトは振り向くとすぐに

「軍議を開く!皆をすぐに集めよ!」

こう言って自らも出て行った。

 

 

1時間ほど後に

「去年、我が国の傘下に加わったゾーク殿が今攻撃を受けている。このことについて皆の意見を聞きたい」

シナトが見渡すと

「ゾークはもともと悪魔国の将。これがシナト様をおびき出す策かもしれませぬぞ?」

こう、センジュゴッドは言う。

「かといってゾーク殿は攻めに関しては非常に優秀な将ですよ?ここで失うには惜しい人材といえましょう。......ただ、たまにうっかりをやらかすのは玉に瑕ですが」

と、ダンシングソルジャーは言う。

この後あーだこーだと話し合うことになったが、最後はシナトに委ねられた。皆は意見を言うだけいった。シナトへの忠誠心は皆高い。故にどちらになろうと、従うつもりだったのである。

シナトはゆっくりしかし、高らかに宣言した。

「これより、我らはここにいる兵の半数を率い、ゾーク殿の救出に向かう!先鋒はクーフーリン!お前に頼む!」

「了解しました」

「後詰めの部隊にはソニックバード!センジュゴッド!お前たちに頼む!」

「「はっ!」」

「大将は俺自ら出る!悪魔国の軍に目にもの見せてくれるぞ!ダンシングソルジャー!俺の留守を頼む!」

「承知!」

「槍と具足を持て!出陣だ!」

慌ただしく準備が始まり、集められた。そして、兵達の前で

「これより、北で戦っているゾーク軍を救出に行く!お前達の一層の奮起を期待する!」

こう、シナトが言うと

 

うぉぉぉぉぉぉぉ!

 

と、天にこだまするかのごとく士気の高さとなった。

儀式国の乗り物、奇跡の方舟に乗り込み、進路を北にとった

 

 

 

 

 

 

所変わってゾーク軍本陣

 

ゾークは悪魔国ではあまりいい思いをしていなかった。

生まれが下級の物だったが、非常に強い力を持っていた事を妬まれたのである。

先代当主にはなにかとお世話になったが、今代の当主になると、いじめはエスカレートしていった。

そして、ついにゾークは自らが信頼する者たちと共に、儀式国に寝返ったのである。

謁見の時にシナトを見た時、若いと思ったが、寝返って来たにもかかわらず、古くからいる者たちと同じように接してくれた。古い将を無下にているわけでも無く、自然体だったのである。

ゾークはそこに、主としての器の大きさを見た。それ故、何があろうとシナトについて行くと心に決めた。

 

 

戦況は決していいとは言えない。むしろ酷いと言えた。

急な侵攻故に準備など今まであった物ででしか行えず、兵の集まりも良くなかった。

ゾーク軍1500に対し、悪魔軍10000であることがいい例だ。

しかし、ゾークは守りに徹さず、攻めの守りを続けた。夜襲、奇襲、待ち伏せ、罠。自らも槍を持ち、剣を振るって応戦した。それ故、見かけ上、拮抗を保っていた。しかし、それも綻びが出始めていた。

 

伝令が駆けつけてくる。

 

「左翼第三陣、突破されました!」

 

また、別の伝令が駆けつけてくる。

 

「右翼!これ以上持ちこたえれません!援軍を!」

 

伝令はこう言っていたが、援軍がだせない事を知っていた。

それ故こちらに来て、情報を渡すと、すぐに戻っていった。

ゾークが何も言っていないのにもこちらの意を汲むことができる、いい将兵達にゾークは囲まれていた。

しかし、ゾークは次の伝令に目の前が真っ暗になるような思いがした。

 

「申し上げます!チャクラ殿!討ち死に!チャクラ殿!討ち死に!」

 

チャクラが討ち死にした。幼い頃より共に育ち、共に野原を駆けた友人がまた1人死んだ。

これまで、自分について来てくれていたデビルズミラー、スカルライダーについで、チャクラまでも失った。

ゾークもそろそろここが潮時かなと感じていた。

 

そして、立ち上がると、隣にいたモリンフェンにこう言った。

「モリンフェン。介錯を頼む」

「何を言っておられるのですか!貴方がいなくなれば!」

「モリンフェン。お前は頭がいい。この圧倒的兵力差で15日も耐え抜いたんだ。お主が降伏したとしても、相手は悪くは扱わないだろう。それにお主には人望がある。それ故、降伏すれば、周りの者たちもそれに倣うであろう」

「しかし!....しかし!」

モリンフェンはなお食い下がろうとするが、ゾークは

「よい、お主のような者が部下にいくれた事を唯一神、ホルアクティに感謝するよ」

ゾークは後ろに行こうとする。そして最終防衛線が突破された。

「ここに奴らが来るのも時間の問題だ。早くに頼むぞ」

こう言うと、モリンフェンは泣く泣く手の鎌を構えようとした。その時!

 

 

 

ドーンドーンドーンドーン!

ぶぉぉぉぉぉぉ!ぶぉぉぉぉぉぉ!

 

 

突如として太鼓と法螺貝の音が鳴り響いた。

そして

 

「野郎ども!俺に続け!ゾーク殿を殺させるな!」

 

 

うぉぉぉぉぉぉぉ!

 

と、右の方からクーフーリンの部隊が強襲した。

これにより、大きく敵陣形が崩された。これを見たモリンフェンはすぐに軍配を持ち

「本陣を移す!右へ行くぞ!そして伝令を走らせろ!そして高々と言うのだ!援軍が来たぞ!と!」

 

モリンフェンの行動は早かった。本陣を移し、シナト達の向かっている途中の方にまで移ったのである。

 

「俺みたいな新参者を、シナト様がお助けに.....」

「私達の事を見捨てなかったのですね....!」

 

シナトの到着により、戦況は五分五分に戻った。

と言っても、悪魔国10000対シナト軍5500という感じになっただけであるが。

 

そして日が落ち、本陣に戻る。

シナトの前にはゾークとモリンフェンがいた。

 

「よくぞ無事でいてくれた!チャクラ達は無念だったが、お主が生きていてくれて、本当によかった」

チャクラ達の討ち死にを聞くと、非常に悲しそうな顔をしたが、ゾーク達の無事を喜んだ。

 

「彼らが身を呈して私を庇っていてくれたのです!囮となったデビルズミラー。獅子奮迅の戦いを見せ、戦い続けたスカルライダー。そしてチャクラ。皆のおかげで生き残れました。どうか!どうか!」

そう懇願してくるゾークの肩にポンと手を置くと

「言わずとも良い。この戦において、先陣はお主に任せるぞ」

こう言った。

ゾークは涙をためつつ、平伏した。

 

「して、敵の大将は?」

「軍旗からして、グラファでしょう。彼の元には猛将と知られるゴルド、シルバ、軍略家のスノウがいます。また、斥候のスカー、侍大将ですが、粘り強い攻めが売りのベージなどがおります。そうやすやすとは勝たせてくれるとは思えません」

「そうか....」

ソニックバードの説明を聞くとシナトは黙ってしまった。

「今夜、夜襲をかけませんか?速攻で決着を付けた方がいいと思います」

「しかし、あちらとて物見を置いている!そうやすやすとはさせてくれないぞ!」

そして軍議は紛糾した。あーだこーだと言い合い考え、そして皆一様に頭を悩ませた。

そしてシナトが立ち上がると宣言した。

「今夜の夜襲は行わぬ!みな、体を休めよ!」

これでお開きとなった。

 

 

そして次の日の軍議にて

「決戦はどこでいたしますか?」

こう、クーフーリンが聞くと、注目はモリンフェンとソニックバードに集まった。

「それはここです」

と、手に持つ扇子を指した先は

「ほう、月見ヶ原ですか」

「兵力差はどうするのです?あちらはおよそ8000。こちららは多く見積もっても4500ですぞ?」

そう言うとニヤリと笑い、もちろん、策はございますよ。と、笑っていた。

 

 

 

3日後月見ヶ原にシナト軍の姿はあった。そして向かい側からはグラファ軍が進軍して来た。そしてしばらく睨み合いが続いた後

「全軍!押し出せぇぇぇぇ!」

シナトの号令の元、突撃が始まった。ほぼ同時にグラファ軍の突撃も始まった。

 

 

戦況は苛烈を極めた。

「ふん!こんなザコ、このゴルド様の敵では無いわ!」

血風撒き散らすゴルドに、真紅の槍が突き込まれる。

「そんなに相手が欲しいのなら、この俺が相手になりましょう。

「面白い!俺の名はゴルド!貴様は!」

「俺の名はクーフーリンだ!」

そして両者が激突した。

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

ゾークが剣を振るう度にグラファ軍の兵士が吹き飛ぶ。今のゾークは正に修羅。そこに立ち塞がったのは

「久々ですね、ゾーク」

「シルバ!」

「ふふ、チャクラよりは楽しめると良いのですがねぇ」

「てめぇぇぇぇ!」

「ふふ、フハハハハ!」

こちらでも両者が激突した。

 

 

「くっ!どうしてだ!なぜこうも上手く行かない!」

スノウは自分の考えた陣形、策、全てが上手く行かない事に焦っていた。

その反対側では

「ふふ、スノウ。貴方の策は全てこの私の掌の上ですよ。この2週間と半分、のうのう過ごしていたわけでは無いのですよ!」

モリンフェンは頭脳戦で勝利していた。

 

 

正午を過ぎたあたり、どんなに勢いがあったとしても、元の兵力差が浮き彫りになってきていた。

「そろそろ頃合いだな。皆の者!前進だ!俺自ら出るぞ!」

シナトが動いた。

「シナト様!ご出陣!皆のもの!より一層奮起せよ!主の前で無様な戦いはできぬぞ!」

センジュゴッドもこれに続く。

 

 

 

決戦前夜

「まず初めに、シルバとゴルド、この2人はゾーク殿とクーフーリン殿に抑えてもらいます。そしてスノウは私がなんとか抑えましょう。そうすれば時間が稼げるはずです。そしておそらく正午あたりにジリジリと後退し始めるでしょう。そこでシナト様自ら、先陣に立って貰いたいのです」

「ふむ、俺を囮とするか」

「なっ!」

周りの反応は凄かった。睨みつけるような、しかし、モリンフェンはいにもかいさず、

「そうすれば敵の視線は殿に向かうでしょう。しかし、奴らから見て左手にうっそうそとた林が広がっています。シルバは用心深い将です。伏兵がいると見て兵をある程度残しつつ、斥候をこまめに放つでしょう。なので、ここにはあえて数人だけ置くだけにとどめます。そうすれば、相手は見えない敵に備えなければならなくなります」

「夜襲を仕掛けなかった理由はなんだ?」

「奴らは増援が来たので、一気に決めにかかると思っているでしょう。はので夜襲対策として、数日は夜の警戒の目が強くなる筈です。しかし、それは多くの体力の消耗を強いることになります。故に、相手のコンディションは悪化の一途を辿ります」

そう言うと、モリンフェンはソニックバードの方を向き、

「そして、ソニックバードさんには、別働隊を率いて貰います。今夜、川を下り、相手のくるであろう右後ろに移動して貰いたいのです。そして、殿が前に出て、本陣の守備が薄くなった瞬間に、本陣を強襲していただきたい」

 

 

 

 

 

「シナトが動いた!奴は前に出て来たぞ!奴を打ち取って手柄とするのだ!」

スノウが言うと、相手は鶴翼の陣に変え、苛烈な攻撃となった。

 

 

それを見ていたソニックバードは

 

「奴らは我らが策にかかった!この戦、我らが引導を渡すぞ!」

 

と、いうそばに混沌の色をした鎧を着込んだ戦士と、センジュゴッドとりも多い手を持つ者が立っていた。

 

「何奴!」

 

ソニックバードが距離を取り、警戒するが、

 

「俺たちは仕官先を探している者だ。俺はカオスソルジャー、こっちはマンジュゴッドだ」

 

その話を聞くと、ソニックバードは驚いた。

 

「あの混沌剣士に先読み天子⁉︎そんなバカな⁉︎」

 

「まあ、そんなのはどうでもいい。現場、人手不足では無いのかい?助太刀いたす」

「あ、ああ、助かる。よし!者ども!突撃〜!この戦を俺達の手で終わらせるぞ!」

 

うぉぉぉぉぉぉぉ!

 

ソニックバードの別働隊がグラファ軍本陣に突撃した。

 

 

 

 

 

そして夕刻。結果はシナト軍の大勝だった。

シナトの周りに武将達が集まり、鬨の声を上げる。

「この戦、我らの勝ちだ!えい!えい!」

 

おぉぉぉぉぉぉ!

 

 

 

 

ソニックバードが本陣に突撃を仕掛けたので守るか攻めるか、それの両天秤にかけられたスノウは迷ってしまった。迷ってしまったが故にそのスキにグラファを打ち取られた。

 

「グラファ殿を打ち取ったりー!」

「そんなバカな!」

よそ見している場合か!」

ゴルドとクーフーリンの戦う場所でも聞こえた。

「どけぇぇぇぇ!俺は本陣に戻るのだ!」

「どくかよぉぉぉ!貴様はここで死ね!」

そして、2人が交差する。

結果は.........クーフーリンの勝ちだった。真紅の槍がゴルドの心臓を突き貫いたのである。

グラファに続き、ゴルドも打ち取られた。

 

 

「ゴルド、打ち取ったりー!」

この声も聞こえてくると

「ちっ!ゴルドまでもやられたのか!」

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

「くそっ!」

シルバは振り返り

「撤退!」

「させん!」

シルバはゴルドの死を知ると、すぐに撤退しようとするが、ゴーズは回り込む。

「くっ、のけっ!」

「皆の仇!」

そして、シルバは真っ二つとなった。

 

「皆、俺はもう少しそちらに行くのは遅れそうだ」

そう言いつつ、ゾークは天を仰いだ。

 

ゴルド、シルバ、グラファが打ち取られ、敵兵の士気はガクッと落ち、武器を投げ出し、それぞれほうほうの体で逃げ出して行った。

 

 

 

この戦が後に伝わる月見ヶ原合戦である。

この戦により、シナト達の儀式国の勇猛さが、広まり、周りから危険視されはじめたのである。

在野の将だったカオスソルジャーやマンジュゴッドはこの時に戦列に加わった。

シナトはこの戦の後に、悪魔国に侵攻。悪魔国の半分を自領にすることに成功する。

その危険を感じた戦士国と龍皇国が動くが、カオスソルジャーのとりなしにより、龍皇国とは同盟に組む事に成功する。そして戦士国との合戦にでは激しく争ったが、戦士国の領土を大幅に自領に変えることができた。

 

この戦は、その始まりに過ぎない。

 

 

 

 

儀式軍

大将 シナト

家臣 ソニックバード(軍師)、クーフーリン(先陣)、ダンシングソルジャー(留守守備)、センジュゴッド(軍師)、ガルマソード(左翼)、ゾーク(右翼)etc

 

ゾークの家臣、チャクラ(副大将、故)、モリンフェン(軍師)、スカルライダー(特攻隊長、故)、デビルズミラー(防衛隊長、故)etc

 

悪魔軍

大将 グラファ(故)

家臣 スノウ(軍師)、ゴルド(右翼、故)、シルバ(左翼、故)、スカー(隠密部隊)、ベージ(先陣、故)、ブラウ(弓矢部隊)etc

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これでおしまいです。さて、この後の事は語るかもしれないし、語らないかもしれません。しかし、この世界は続いて行く。その先は皆様の心の中で?




あー、書いた書いた。
真琴「お前なにかいたんだ?」
わからない!
真琴「(イラッ)」
あー、ヤバイ、深夜のテンション怖い。朝読み直して死にたくなった。
真琴「でも出すんだな」
深夜のテンションだったからね!
真琴「お、おう」
今回はキーカード無しです。許してくれ〜
では、また次回!

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