儀式デッキ使いの日常   作:アリスとテレス

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さて、今回と次の話は真琴君に少し違う世界に渡ってもらいます。
真琴「zzz」
寝るなぁ!
真琴「うるせぇ、だいたい、本編がかなり面倒なんだからここぐらいでは寝かせやがれ」
今の環境ではどんな動きをするのかやってみたかったんだよ!
真琴「とか言いつつ公式ルールでは使用禁止のカード使ってるな」
まあ、そこは許してください。っと、それではそろそろ本編を。
どうぞ!


儀式デッキ使いはどこへ行く?

さて皆様に問おう。「神隠し」という物を知っているでしょうか。喪服中に白い紙を神棚に貼ること。そして、もうひとつ、突如として人が消える事を指す言葉である。普段私達が思い浮かべる「神隠し」とは後者の方だろう。(別名は幻s ←この文字はスキマ送りされました)

古来よりあったとされ、天狗や狐などのせいだとも考えられていたようだ。主に子供がよく神隠しにあうとされ、神隠しにあった場合村中の人間が「かえせ!もどせ!」と、太鼓や鐘を鳴らしながら叫んでさがす。大抵は山中で見つかることが多かったようだ。さて、こんなに述べていますが、作り話と言うわけではございません。現実でも、突如として「1人の人間が1千キロ以上離れた場所にいた」なんてことがあったという文書が残っていたり、小さな洞窟に入り、そのまま帰って来なかった人間がいるくらいである。時間は流れる川のような物。そこに何かの拍子で石などが投げ込まれた場合、波紋が広がるように、時間の流れで突如とした拍子で波紋が広がる事がある。それが「神隠し」とも考えられる。神隠しにあった人間は、遠く離れた場所に出るか、違う世界、違う時間帯に出るか....詳しくはわかっていない。

さて、なぜこんなに長々と話していたかと言うと......

 

「ここはどこだ?」

真琴君が訳の分からない所に来ているからです!

 

「ここは....とりあえずハートランドシティと書いてあるな、看板には」

真琴は看板を見る。冷静に見えるが、実はかなり慌てている。身長は縮み、もとより30cmほど低くなっている。辺りを見渡すと、そこにカードが落ちていた。「カードは拾った(キリッ)」である。どうでもいいか

 

「ん?枠が黒い.....なになに?ラヴァルバルチェインに虚空海竜リヴァイエール、鳥銃士カステル?」

真琴はカード名とテキストを読む。

 

「エクシーズ素材?ていうかエクシーズって何?」

とりあえず手に入れた3枚のカードをデッキケースにしまった。しばらく歩いていると、小さなショップがあった。そこに入ってみる。とりあえず現状整理の意味合いもあるが。モンスターエクシーズの使い方なども知らなくてはならないからだ。とりあえず入ってみて、周りを見渡す。デュエルスペースがあったのでそこに行ってみる。そこではちっちゃい子供から大人まで、男女もバラバラでそれぞれ思い思いの人とデュエルしていた。見ていて、エクシーズとは同じレベルのモンスターを重ね、それに合った、「ランク」を持ったモンスターを特殊召喚する方法のようだ。おそらく、ここは平行世界か、未来なのだろうと真琴は予測していた。生きるために必死なのである。そこに

「それではこれより大会のエントリーを始めます。今日の大会の定員は48人、優勝者にはこの店の店舗代表権として、関東大会に出場できる権利とこの店で使える1000円分の割引券をプレゼントします。なお、禁止制限はこちらのレギュレーションに従って下さい(今の禁止制限、2014年11月現在)」

と店員が言い、受付を始めた。するとデュエルスペースでデュエルしていた人達は一旦中断し、受付を済ませて行く。真琴は暫く考え事をしていると、後ろから

「なぁ!お前も出るのか⁉︎」

と、元気な声が聞こえてきた。真琴は振り返ると、特徴的な髪をした子が立っていた。

「俺の名前は九十九遊馬!お前は?」

その子が勝手に名前を名乗る。

「.......真琴」

「真琴か!もう受付が終わっちまうぜ!くぅ〜!早く強い奴とデュエルしたいぜ!」

俺は出るつもりはなどと言っていても、あれよあれよと言う間に受付を終える。出ることとなった以上、レギュレーションにそうようにデッキ構築を変える。運良くモンスターエクシーズの使い方も覚えたし、まだなんとかなるだろう。暫くして大会が始まるので、呼ばれた。

「お互い頑張ろうぜ!」

九十九君が声を掛けてきてくれた。テキトーに戦っていると、勝手に相手が自滅してくれたので難なく真琴は準決勝まで駒を進めた。そこで会ったのは

「オイ、お前は確か遊馬と一緒にいた」

シャークの名で有名な神代凌牙君でした。デュエルは今まで通りリリーサフィラを出すだけで難なく勝利。というか攻撃力が高いカードがメインデッキに存在しないって....。まあ、仕方が無いだろうが。

「ぐっ!かなり扱いにくい儀式を使うと油断したのが俺の間違いか!」

と、悔しがっていた。とりあえず対象をとらない除去カード入れろよ。ブラホとか

そして決勝。九十九遊馬君が相手だったが、これも勝利。なんでリリーサフィラにそんなにぐぬるんだよ!攻撃力が2500以上が全部融合(エクストラ)デッキって!オネストとウェムコの存在価値がねぇじゃねぇか!真琴はかなり呆れていた。

 

「いや〜、お前強かったんだな!俺と同じくらいなのに!」

真琴は身長が縮んでいるので、同年代に思われているようだ。誤解を解く必要は無いのでほっといているが。

「除去カードが少なすぎ。俺の友人だと軽く突破して来るぞ」

真琴は容赦無くデッキ批判に入る。

「でもそのデッキを回せるだけのデュエルタクティクスは評価するよ」

しかし、批判ばかりでなく、キチンといい所は褒める。

「とりあえず店舗代表権は取り下げて来る。元から出るつもりは無かったからな」

「え!そうなのか⁉︎」

遊馬は驚いていた。

「てっきり出るものとばかり....」

「もう少しキチンと相手の話を聞くべきね」

そこに女の子がやって来る。

「ああ、私は観月小鳥。よろしくね」

観月小鳥と名乗ったその子はなんだか彩花を彷彿とさせる、世話焼きのようだ。とりあえず戻る方法を探さないといけない状況だが。

 

 

そんなこんなで1週間がたった。ん?家?ホームレス中学生しているが?(公園)そんな、こっちに来てからの日常に起こった事が、真琴のカードを奪おうとしてきたヤツがいたのだ。まあ、みんな返り討ちにあったんだが。通り名も付けられていた。真琴は興味が無かったようだが、『リチュアル・ルイン』和訳すると、『破滅の儀式使い』だろうか?ルインとは形式ばった言い方だが、破滅を意味するし、ここに来て使い始めたリチュアというカテゴリーもあるが、これは無いだろ。いろんなひとからも避けられるようになった。酷い話だ。幽霊さわぎにもなったほどである。かなりこの公園も住みにくくなったものだ。ん?服?2着買ってコインランドリーに通う日々だ。そんなある日、なんやかんやと友達?になった九十九遊馬が遊園地に行こうと誘って来る。なんでもチケットが沢山手に入ったようだ。拒否する理由も無いので了承する。

 

 

遊園地にいくとやはりと言うか様々なアトラクションがある。とある館に入ろうとすると

「全く、つまらないわね」

そう、小さな女の子....というより、人形?がつぶやいていた。

「お前は何をしている?」

真琴は話しかけると、その人形?は

「あなた、私が見えるのね....私1人では、外に出れないしの。私と一緒に行ってくれない?」

こう言ってきた。もちろん一瞬で拒否する。

「めんどくさい。じゃあな」

「ちょっと待ちなさいよ。こんなプリティーな人形が声を掛けてあげてるんだからもう少しマシな反応をしなさいよ!」

「すまない、うるさい女は少し.....な?」

「うるさくさせてるのは誰なのよー!」

ムキーー!と人形は怒るが、真琴はさっさと立ち去ろうとする。その足に人形が飛び付いた。

「....お願い。誰も私を見つけてくれ無かったの。だから....少し、話を聞いてくれない?」

人形は本気の声音で言った。真琴も仕方なしに話しに付き合う。追いすがられる方が面倒だと考えたようだ。少し移動し、裏手に出る。するとそこには薄汚れた人形があった。その人形に入ると、動き出した。

「これが私の本来の姿、プリンセスコロンよ。普通にコロンちゃんって呼んでね」

コロンは真琴に話しかける。

「なるほど理解した。お前は霊体ではこいつからなかなか離れられないが、かと言って人形が歩くのも怖がられると.....。そんなところか?」

「.....あなた、驚かないのね?」

「まあ、カードの精霊が見えるくらいだからな」

真琴は面倒なことにまた巻き込まれたと思っていた。

「わかったなら話は早いわ。外に出たいの。もう、誰にも相手にされないのはウンザリなの!」

こう言って真琴に飛びつく。

「だから、私を連れて行ってよ!」

そう言って真琴の手に乗り、1枚のカードになってしまった。

「プリンセスコロン....ねぇ?ま、なんとかして使ってやるか」

うるさくされるとめんどくさそうだし。と、呟きながら人形を手に持ってその場を後にした。

 

遊馬達とそこそこ仲を深めた後、その場を後にし、何時もの公園に戻る。そしてゴロツキとデュエルを行い、追い払う。そんな日常を見たコロンはかなり驚いたようだ。世知は辛い。大会をテキトーに出場し、日々の日銭を稼いでいると、突然よくわからないが、テレビ局のものでうんぬんかんぬんと言われ、トントン拍子にテレビ出演となってしまった。なんでも真琴の巷での噂に目をつけた人がいて、呼び寄せたらしい。その局はライバル局とのチーム戦で、1人足りなくなり、どうしても!という時に真琴の噂を聞きつけ、藁にもすがる思いで、呼び寄せたらしい。真琴もとても頼み込まれて(お金も貰ったので)受けることにした。しかしライバル局はプロとセミプロで固めて来ているらしいのに、こちらはそこまでするお金が無いため、社員を出すらしい。真琴はやるのはいいが、負けるのは嫌なのでデュエルの特訓をさせた。と言っても何度もデュエルさせただけだが。デッキ構築も話し合いをさせ、改良していく。特訓にはプリンセスコロンもロボットだ!と言い張り、手伝って貰ったが。

 

さてさて、あっという間に局どうしの対戦の日となった。そこに遊馬達も応援に駆けつけた。

「あれが凌牙でも勝てなかった相手?」

「そうだ。今のところ3回デュエルしているが、1度も勝てなかった」

「へぇ、見た感じただのめんどくさがりやにしか見えないんだけどね」

「くくく。言えてるな」

「真琴は本当にめんどくさがりやだぞ」

遊馬達は真琴の勝ちを信じて疑わないようだ。

そんなこんなでデュエルがスタートする。こちらの局は真琴がアドバイスなどをして、だいぶとよくなっているが、それでも相手はプロとセミプロで固めて来ている。一進一退の攻防をするだけでかなりの物と言える。セミプロはなんとか勝てたが、プロには地力の差が出て(付け焼き刃ではやっぱりダメだった)2勝2敗の大将戦に持ち越しとなった。周りのボルテージは上がりっぱなし。そして、真琴が登場する。対戦相手は....Ⅳと名乗るアジア1の紳士とか言われているデュエリストだ。周りからは女性の黄色い声援が響く。

 

デュエル方法は3つ。普通のライフ4000からスタートする、ノーマルデュエル。ライフが倍の8000からスタートする、8000ライフデュエル。自動操縦機能の向上により、可能となった疾走(ライディング)デュエル。これらの中からルーレットで選ばれる。ちなみに正規ライディングデュエルの資格は18歳からとなっている。ここでは専用のコースターに乗ってデュエルする事となる。

閑話休題

ルーレットが周りライフが倍の8000デュエルとなった。

 

 

真琴とⅣが近づき、お互いのデッキをカットし、渡す。コイントスの元Ⅳが先攻となった。お互いがデュエルディスクを構える。

 

「「デュエル!」」

 

「先攻は僕だ!ドロー!」

Ⅳはカードを引く。周りの女性の黄色い声援がうるさい。ここはアイドルのライブ会場かってんでい!

「僕は手札からトレードインを発動!手札のギミックパペットーネクロドールを捨てて2枚ドロー!さらにエンジェルバトンを発動!デッキから2枚ドローし、1枚捨てる!」

 

 

捨てられたカード→ギミックパペットーギアチェンジャー

 

Ⅳは次々とカードをドローし、墓地を肥やしていく。

「僕は墓地のギミックパペットーギアチェンジャーを除外し、ネクロドールを蘇生する!さらに手札のギミックパペットーマグネドールの効果発動!自分フィールド上にギミックパペットと名のつくモンスターが存在する時、このカードを特殊召喚できる!さらにギアチェンジャーを通常召喚!」

ミイラのような人形が出て来ると、顔の無い人形が手札から飛び出し、さらにリボルバーに取り付けられているレンコン状の回転式弾倉を彷彿とさせる物を付けたモンスターが出てきた。

 

ギミックパペットーネクロドールATK0

ギミックパペットーギアチェンジャーATK0

ギミックパペットーマグネドールATK1000

 

「僕は手札から魔法カード、機械複製術を発動!ネクロドールを対象に、デッキからさらに2枚特殊召喚!」

棺桶から出てきたミイラ?のような人形がさらに2体並ぶ。これでレベル8のモンスターが4体だ。

「まだだ!さらにギアチェンジャーの効果発動!自分フィールド上のギミックパペットと名のつくモンスターのレベルと同じになる!僕のフィールドにはレベル8のモンスターしかいない!よってレベルは8となる!」

ギアチェンジャーの弾倉が回ったかと思うと、レベルが変更される。

「レベル8のギミックパペットネクロドール3体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!これが僕のデッキの真の切り札!No.88デステニーレオ!さらにレベル8のマグネドールとギアチェンジャーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!聖なる加護を受けし騎士!神竜騎士フェルグラント!」

 

No.88デステニーレオATK3200

神竜騎士フェルグラントATK2800

 

 

Ⅳのフィールドに王座のような物に座ったライオンと竜の鎧を付けた騎士が現れる。真琴は知らなかったようで、急いでテキスト確認をし、効果に眉をひそめる。

「僕はデステニーレオの効果発動!エクシーズ素材を1つ取り除き、このカードにデステニーカウンターを乗せる!この効果を使用した場合、バトルフェイズを行えないが、今は先攻。特に問題は無い!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

手札5→6→5→4→3→2

モンスター/デステニーレオ、神竜騎士フェルグラント

魔法、罠/セットカード1枚

 

 

「俺のターンドロー」

長いターンがようやく終わる。こんなに長いのは真琴の中では始めて....というわけではなさそうだが(だいたい彩花の魔導書のせい)やはりめんどくさそうである。

「俺は地砕きを発動。どうする?」

真琴はⅣに聞くが

「もちろん無効にさせてもらう!」

フェルグラントが聖なる光を放ったかと思うと、レオを守る。

「俺は手札から召喚僧サモンプリーストを召喚。効果で守備表示になる」

真琴のフィールドに老僧侶がでたと思うと、防御体制を取る。

 

召喚僧サモンプリーストDEF1600

取り除かれた素材→ギミックパペットマグネドール

 

「俺は手札の祝祷の聖歌をコストに、デッキから終末の騎士を特殊召喚!効果でデッキから儀式魔人リリーサーを墓地に落とす」

サモンプリーストが念仏を唱えると、デッキから騎士が転送されて来る。その騎士はデッキから儀式魔人と言われるモンスターをオマケとばかりに落としていく。

「レベル4のモンスター2体でオーバーレイ。エクシーズ召喚、ラヴァルバルチェイン。ラヴァルバルチェインの効果発動。デッキからカードを1枚墓地に落とす方を選択。デッキから儀式魔人デモリッシャーを落とす」

燃える?炎属性なのに海竜族という少し珍しい組み合わせのモンスターがデッキからこのデッキでの必要パーツを落として行く。

 

ラヴァルバルチェインATK1800

取り除かれた素材→召喚僧サモンプリースト

 

「俺は手札から儀式の準備を発動。デッキから竜姫神サフィラをサーチし、墓地から祝祷の聖歌を回収する」

儀式セットを高速に揃える真琴。

「出た!真琴さんのマジックコンボだ!」

後ろから声がする。魔法1回しか発動してないがな。そこに

「CM入りまーす」

こう、周りの人が言っていた。

 

 

 

CM

「デュエルモンスターズは!新たな時代を迎える!チューナーと言われるモンスターと、それ以外のモンスターによるシンクロ召喚!影霊衣達の元となったカードが今!降臨!全てを氷つかせろ!氷結界の龍 トリシューラ!燃える炎!エンシェントゴッドフレムベル!新時代の幕開けだ!

最新パック、シンクロの胎動!近日発売!」

 

「古き鼓動を、再び感じろ!古きカード達が今!帰って来たぞ!宣告者よ!全てを見通せ!崇高なる宣告者!聖歌の加護を受けよ!竜姫神サフィラ!儀式モンスターが復刻版として出るぞ!

最新パック、復活の儀式!近日発売!」

 

CM終わり

 

「俺は手札から儀式魔法、祝祷の聖歌を発動!俺は墓地から儀式魔人デモリッシャーとリリーサーを儀式素材とする!祝祷の加護を我らに!聖歌よ!響け!儀式召喚!竜姫神サフィラ!」

突如教会の中のような光景となり、そこに神々しい輝きの元、真琴のデッキの重要なモンスターである、サフィラが現れる。ちなみに、こんな口上を言っているのはCMの時に、

「盛り上がりに欠けるので、エース級のモンスターの召喚時に何か口上を言っていただけないでしょうか?」

と、言われたのでからである。決して真琴の趣味ではありません。

 

「バトル!俺は竜姫神サフィラで神竜騎士フェルグラントに攻撃!」

「何もない!」

「では、手札から速攻魔法、禁じられた聖槍を発動!対象は神竜騎士フェルグラント!」

聖なる槍がフェルグラントに突き刺さる。聖騎士に聖なる槍が加わったのに負ける(笑)の状態である。

 

フェルグラントATK2800→2000

 

Ⅳ LP8000ー(2500ー2000)=7500

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ、サフィラの効果で2枚ドロー。1枚墓地に」

真琴はカードを伏せてターンを終了させる。サフィラが2枚を真琴に与えると、1枚を落として行く。

 

捨てられたカード→ネクロガードナー

 

真琴

手札5→6→5→4→5→3→2→1

モンスター/竜姫神サフィラ、ラヴァルバルチェイン

魔法、罠/セットカード1枚

 

 

「僕のターンドロー!」

Ⅳがカードを引くが、嬉しくない顔だった。

「(儀式デッキかよ!どんなデッキか全くわかんねぇ!)墓地のギミックパペットネクロドールの効果発動!墓地のマグネドールを除外して特殊しょう.....かん?」

Ⅳがネクロドールの効果を発動しようにも全く反応が無かった。

「何故だ⁉︎」

Ⅳは混乱していたが、そこに真琴の解説が入る。

「儀式魔人リリーサーを儀式素材としている儀式モンスターが存在する限り、相手はモンスターを特殊召喚することができない!」

「なんだと⁉︎しかし!破壊すればいいだけのこと!バトルだ!デステニーレオで攻撃!」

Ⅳはなんとかサフィラを破壊しようとデステニーレオで攻撃を仕掛けるが

「墓地のネクロガードナーの効果発動!このカードを除外して、1度だけ攻撃を無効にする!」

薄い戦士がサフィラを守る。

「くっ!僕はターンエンド!」

 

 

手札2→3→2

モンスター/No.88デステニーレオ

魔法、罠/セットカード2枚

 

Ⅳはかなりキツイようだ。しかし、レオを突破できない真琴も苦々しく思ってそうだが

「俺のターンドロー。俺はラヴァルバルチェインの効果発動。デッキから儀式魔人ティザーズを墓地に落とす。俺は魔界発現世行きデスガイドを召喚。効果でデッキから儀式魔人デモリッシャーを特殊召喚!」

真琴はドローすると、デッキの圧縮と同時に墓地肥やしをする。

 

魔界発現世行きデスガイドATK1000

儀式魔人デモリッシャーATK1500

 

かなり登場しているデモリッシャーさんだが、場に出るのはほとんど無いかわいそうな子である。

「俺はレベル3モンスター2体でオーバーレイ。虚空の海より来たれ!次元の狭間に住む海竜よ!エクシーズ召喚!虚空海竜リヴァイエール!」

虚空の狭間に住む?竜が真琴の場に出てくる。真琴は場を固める事にしたようだ。

 

虚空海竜リヴァイエールATK1800

 

「リヴァイエールの効果。エクシーズ素材を1つ取り除き、除外されているレベル4以下のモンスターを特殊召喚する。俺が特殊召喚するのは、儀式魔人リリーサー!カードを1枚伏せてターンエンド」

真琴は場を固めるも、何もできずにターンを渡す。

 

真琴

手札1→2→1→0

モンスター/儀式魔人リリーサー、ラヴァルバルチェイン、虚空海竜リヴァイエール、竜姫神サフィラ

魔法、罠/セットカード2枚

 

 

「僕のターンドロー!」

Ⅳはデステニーレオの効果が使えない事に少し嫌そうな顔をした後

「僕は手札から鬼神の連撃を発動!自分フィールド上のモンスターエクシーズ1体の素材を全て取り除き、取り除いたモンスターエクシーズは2回攻撃を行う事ができる!」

デステニーレオが周りを回っているオーバーレイユニット?を手に掴むと、雄叫びを上げる。

「バトルだ!デステニーレオで竜姫神サフィラを攻撃!」

「俺は墓地の祝祷の聖歌の効果を発動!墓地から除外し、儀式モンスターを1度だけ、破壊から守る!」

「ならば続けて攻撃だ!」

1度は破壊から身を守るも、2度目にはあっけなく殴り倒されてしまった。

 

真琴LP8000ー(3200ー2500)×2=6600

 

「これで特殊召喚ができる。僕は手札のオーバーレイリジェネレートを発動。デステニーレオのエクシーズ素材にする。さらにリバースカードオープン。リペアパペット!デステニーレオを選択し、墓地から神竜騎士フェルグラントを特殊召喚!エクシーズ素材をフェルグラントに。さらに墓地からギミックパペットネクロドールの効果発動!マグネドールを除外して特殊召喚!さらに手札からマグネドールを特殊召喚!オーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ、No.15!地獄からの使者、運命の糸を操る人形…。ギミック・パペット-ジャイアントキラー!」

Ⅳは先程までの特殊召喚できないフラストレーションを解放するかの如くモンスターエクシーズを並べる。正直ランク8をこの短時間で3体も並べるなんて素晴らしいデュエルセンスだと思う。

 

ギミックパペットジャイアントキラーDEF2500

神竜騎士フェルグラントATK2800

 

「ジャイアントキラーの効果発動!エクシーズ素材を1つ取り除き、特殊召喚されたモンスターを1体破壊できる!そして破壊されたモンスターがモンスターエクシーズだった場合、その元々の攻撃力分、相手ライフにダメージを与える!」

 

ジャイアントキラーの胸部装甲がパカッと開くと、2個のローラーが擦り合わさっていた。そこに無理やりリヴァイエールとチェインが入れられてすり潰されて行く。見ていて気持ちのいい映像では無い。

 

真琴LP6600ー1800ー1800=3000

 

「これでターンエンドだ!」

 

手札2→3→2→1→0

モンスター/デステニーレオ、ジャイアントキラー(守備表示)、神竜騎士フェルグラント

魔法、罠/セットカード1枚

 

Ⅳがターンを終えると、先程までの膠着状態が嘘のように形勢が傾いた。まさに真琴は劣勢だった。モンスターは今の相手フィールドには無力な儀式魔人リリーサーとセットカード3枚だけで手札は無し。儀式モンスターを呼ぶためのセットもないので、得意の高速儀式召喚ができずにいた。

 

「俺のターンドロー.....カードを伏せてターンエンド」

モンスターがドローできなかったのか、伏せてターンを終了してしまう。

 

真琴

モンスター/儀式魔人リリーサー

魔法、罠/セットカード4枚

 

「ハハッ!もう何もできないようだね!僕のターンドロー!」

Ⅳはかなり得意顔だった。

「僕は手札から装備魔法、デステニーストリングスをデステニーレオに装備!こいつはギミックパペットと名のつくモンスターにしか装備できない装備カードだが、装備モンスターが戦闘を行う場合、デッキトップからカードを1枚墓地におくり、送られたカードがモンスターカードだった場合、そのレベルの数だけ攻撃を行う事ができる。ただし、魔法かだった場合はバトルフェイズが終了するがね」

デステニーレオに装備される。正直そんなインチキカード!って叫びそうになる。

「バトルだ!」

Ⅳがバトルフェイズに入った瞬間、真琴はカードを発動させた

「リバースカードオープン!アルケミーサイクル!自分フィールド上のモンスター全ての攻撃力を0にする!そして、この効果で攻撃力が0になったモンスターが戦闘破壊されるたびに1枚ドローできる!」

発動されたのは使い道がわからない罠カード。周りの皆様も頭に?を浮かべている。

「さらにリバースカードオープン!遺言の札!自分フィールド上のモンスターの攻撃力が0になった時に発動できる!俺はデッキから手札が5枚になるようにドローする!」

真琴の手札が一気に5枚に増える。

「今更カードを引いても無駄だ!フェルグラントでリリーサーを攻撃!」

「ドロー!」

神竜騎士がリリーサーを切り裂く。

「これで終わりだ!デステニーレオで攻撃!この時にデッキトップからカードを1枚墓地に....落ちたカードは

ギミックパペットーナイトジョーカー!レベルは8だ!よって8回攻撃をすることができる!行けデステニーレオ!8レンダァァァ!」

「リバースカードオープン!ファイナルライフガードナー!」

デステニーレオが真琴を8回殴りつける。

 

真琴LP3000→100

 

しかし、真琴のライフは尽きてはいなかった。

「どういうことだ⁉︎」

「リバースカードを発動しただろう?その効果さ。俺のライフが尽きる攻撃を受ける場合、ライフを100残してバトルフェイズを終わらせる。そして、その後デッキから魔法カードをサーチできる!俺がサーチするのは、エンド・オブ・ザ・ワールド!」

真琴は次のターンに勝つためのカードを手札に加える。

「僕のファンサービスをことごとく拒否しやがってぇ!しかし、所詮無駄な足掻きだ!手札が7枚になったとはいえ、フィールドにはモンスターがいず、最初から伏せていたカードのみ!そして俺のライフは未だに7500!どうやって倒すんだい?」

「御託はいい。さっさと進めろ」

「っと、ごめんね?僕はターンエンドだよ?」

Ⅳは地が出るが、急いで取り繕う。

 

手札0→1→0

モンスター/デステニーレオ、ジャイアントキラー(守備表示)、神竜騎士フェルグラント

魔法、罠/セットカード1枚、デステニーストリングス(デステニーレオ)

 

 

「俺のターン、ドロー!」

真琴はカードを一気に引き抜く。カードの通った跡が見える気がする。

「俺は手札から魔法カード、死者蘇生を発動!墓地から終末の騎士を蘇生!どうする?」

真琴はⅣに聞く。フェルグラントがいる以上仕方が無いが。

「通す!」

「なら、デッキから儀式魔人プレサイダーを落とす。そしてマンジュゴッドを召喚。どうする?」

「それは止める!フェルグラントで無効にする!」

マンジュゴッドが真琴にカードを渡そうとデッキに手をかけようとするが、フェルグラントの聖なる鎧の影響でできなくなってしまった。

「無効にするモンスターを間違えたな。俺は手札から魔法カード、エンド・オブ・ザ・ワールドを発動。墓地の儀式魔人ディザーズ、デモリッシャー、プレサイダーを儀式素材として除外!破滅へと向かう世界。その中で輝く哀れな女神の輝き!いでよ!破滅の女神ルイン!」

 

終末の騎士ATK1400

マンジュゴッドATK1400

破滅の女神ルインATK2300

 

真琴のエースモンスターが並ぶ

「真琴さんの必勝モンスターたちっす!」

周りも真琴のエースモンスター達に興奮しっぱなしである。

「しかし!そのモンスター達では僕のモンスターは倒せないぞ!」

「僕は魔法カード、エンジェルバトンを発動、デッキから2枚ドローし、1枚墓地に」

 

捨てられたカード→タスケルトン

 

「バトルだ!破滅の女神ルインでデステニーレオに攻撃!破滅への紅槍!」

「攻撃力の低いモンスターでの攻撃⁉︎」

「ダメージステップ計算前!俺は手札のオネストを墓地に送り、デステニーレオの攻撃力をルインに加算させる!」

 

ルインATK2300→5500

 

Ⅳ LP7500ー(5500ー3200)=5200

 

「攻撃力5500⁉︎」

Ⅳは上がった攻撃力に驚く。

「プレサイダーの効果!このカードを儀式素材とした儀式モンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊したので1枚ドロー!さらにルインの効果発動!このモンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、さらにもう一度攻撃を行う事が出来る!ルインでフェルグラントに攻撃!」

ルインがデステニーレオをその自慢の槍で貫くと、攻撃目標をフェルグラントに変え、再び突撃する。しかし

「俺は墓地のタスケルトンの効果発動!このカードを除外してルインの攻撃を無効に!」

「何故⁉︎」

「こういう事だ!手札からダブルアップチャンスを発動!自分のモンスターの攻撃が無効になった場合、攻撃力を倍にして、再攻撃できる!行け!ルイン!限界突破!破滅への紅槍!第2撃!」

 

ルインATK5500→11000

 

「そんなモンスターの攻撃、受けれるかよ!リバースカードオープン!ギミックボックス!これで戦闘ダメージを0にして特殊召喚だ!」

「そんなことさせるかよ!リバースカードオープン!神の宣告!ライフ半分をコストに、無効にする!」

「な⁉︎」

ルインの攻撃を代わりに受けようとした箱が現れるが、ルインの後ろから現れた老人(神?)の発する雷にかき消される。

 

真琴LP100→50

 

「そんな!僕が!この僕が負けるなんて!アジアチャンプなのにぃぃぃ!」

Ⅳは未だに現状を信じられないようだ。

「行け!ルイン!」

そしてルインの紅槍がフェルグラントを貫く。

 

Ⅳ LP5200ー(11000ー2800)=0

 

デュエルが終わると、周りのソリッドヴィジョンは消える。真琴はⅣに近づき、右手を差し出す。Ⅳはしばらく固まっていたが、理性を取り戻し、悔しい思いを噛み殺しながら、にこやかに握手をする。周りからも拍手が巻き起こる。

 

 

この話を持ってきたテレビ局の人の話では、これで人気になるであろう番組を取られずに済んだのでありがとうと、成功報酬と、熱いデュエルの映像が取れたことによる追加報酬が手に入った。デステニーレオの攻撃でライフが尽きたと思ったらしい。テレビ局から出ると、たくさんの報道の人がきていた。なんでもアジアチャンプに勝った無名のデュエリストって事でかなり注目されているようだ。なんとか逃げて、遊馬の家に逃げ込む。すると、遊馬の姉の明里さんにかなりインタビューをと迫られるが、なんとか回避。遊馬の家は大変そうなのでシャークこと神代凌牙の家に厄介になることになった。厄介になる時に妹の璃緒と会った。しかし動く人形?のコロンを見た時はかなり驚いていた。当たり前か。

 

 

 

 

あのチーム戦が少し後にテレビ放送され、最新弾のパックで、儀式カードを多数再録されている『復活の儀式』が予想と反して売れたので追加で印刷局が刷るハメになるのだが、これは余談だろう。

 

 

 

 

 

さてさて、そのころ真琴を異世界?未来?に飛ばした元凶達は

「待て!パラドックス!」

時間を超えた追いかけっこをしていた。




と、言うわけで大人気Ⅳさんでした〜。
真琴「エクシーズはかなり便利だな。特にチェインとリヴァイエールが儀式魔人や場で腐る可能性のあるマンジュ達を処理しつつアドを稼げるからな」
そうですねぇ、儀式デッキはエクシーズの補助のおかげでさらに出しやすくなりましたね。
真琴「本編では登場しなかったが、ランク3のリヴァイエールは攻撃力が低いので、メイン2にダウナードにオーバーライドするのも手の一つだ」
ダウナードさんかぁ。タイミングが遅いんだよねぇ最低限攻撃力2300は確保できるけどね。あと守備貫通。
真琴「まあそうだな。さて、今回のキーカードだ」


ギミック・パペットーネクロ・ドール
効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻 0/守 0
このカードが墓地に存在する場合、
このカード以外の自分の墓地の「ギミック・パペット」と名のついた
モンスター1体をゲームから除外して発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
「ギミック・パペット-ネクロ・ドール」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
また、このカードをエクシーズ召喚の素材とする場合、
「ギミック・パペット」と名のついたモンスターのエクシーズ召喚にしか使用できない。

真琴「墓地のギミックパペットを除外することで自己蘇生できるレベル8モンスターだ。しかし、エクシーズ素材とする場合、ギミックパペットと名のつくモンスターエクシーズにしかなれないがな」

真琴「攻撃力が0のため、機械複製術に対応している所は評価ポイントだろう。と言ってもギミックパペットシリーズのメインデッキに入るモンスターは攻撃力の高いモンスターは少ないがな」

真琴「エクシーズには縛りがあるが、シンクロには無いので星態龍などのハイレベルモンスターのシンクロ素材にできる。他にもアドバンスドローや、レベルスティーラーのような扱いもできる。いろいろと試せるカードだ」


真琴「こんなところか?」
はい!では!デュエル中のミス。こうしたらいいのでは?などの指摘は随時募集中です!
感想もいただけたら嬉しいです!皆様の感想が作者の活力です。
それでは!また次回!

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