儀式デッキ使いの日常   作:アリスとテレス

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真琴「なんかサブタイトルが凄いな」
気にしない気にしない。今回は重要だけどね。
真琴「いつでも重要だぞ?デュエリストなら」
まあ、そうだけどね(苦笑)
真琴「そうなれないからいろいろ考えるのだが」
ま、それはその人次第だね!では、そろそろ本編を
では、どうぞ!


ドロー!

ブルー生を怖がらせていた、謎のデュエリストの噂が無くなり、ほのぼのとした昼休み、十代と翔は購買部に来ていた。そこで

「よし!ドローだ!」

十代はドローパンを食べていた。このドローパン、中に様々な具が入っている。焼きそば、納豆、甘栗etcetc....。しかし、このパンを買う人はなかなかいなくならない。なぜなら、この学園で飼っているニワトリが産む卵を使った1日1個限定の卵パン。これが欲しいが為にみんな躍起になるのである。さてさて、この十代はが引いたのは.....

 

「....甘栗パンだぁ....」

 

違ったようだ。しかしここ10日、引けていないがこの十代は20回連続の卵パンを手に入れることができた人物なのだ!....ここ最近は引けてないが。そこに明日香と彩花と陽美が来る。

 

「十代も外れだったの?」

「まあ、そう簡単に当たり続けるのもおかしい話なんだけどね」

「師匠はどこにいるか知らないか?」

 

思い思いが話すが、十代は明日香の手に持つドローパンが気になったようだ。

 

「お?なんだ?明日香も卵パン好きだったのか?」

「ち、違うわよ!これはドローの練習で!」

 

そうこう話をしていると真琴が来て、

 

「なんだ?お前達は何をしているんだ?」

「お、真琴もドローパンを買いに....来たみたいじゃ無いな。手に持ってるのは.....あんぱんとジャムパンか。おやつか?」

「そうだ。なぜかここ最近食う量が増えてな。そのくせ太らない。不思議だろ?」

 

こう言っていると周りの女子達は少し複雑な顔をしていた。

 

「それより、その顔ならまた外れだったようだな」

「そうなんだ!おかしいだろ⁉︎」

「いや、そうは思わないが....」

 

すると、

「ごめんなさいねぇ、十代ちゃん達。その中には卵パンは入って無いんだよ。」

「「ええっ⁉︎」」

 

トメさんがやって来て、説明をしてくれる。

「夜中に誰かが忍び込んで卵パンだけを盗んで行くのよ」

「なっ!」

「毎回卵パンだけを!なんてドロー力の強さなんスか!」

 

しかし真琴は

「(なんで盗まれたのが卵パンだとわかるんだ?....まさかトメさんは超能力者とかの部類なのか⁉︎)」

 

違う事を考えていた。しかし、この事を聞いた十代は夜中に張り込みをするようだ。

「じゃあ、頑張れよ、十代。俺は付き合わない....からな?」

「(ウルウルウルウル)」

「捨てられたばかりの子犬のような目をするな!」

「(ウルウルウルウル)」

「(プイッ)」スタスタ

「(ウルウルウルウル)」ギュ!

「............」

「(ウルウルウルウル)」

「....わかった。わかったよ!一緒に見張ればいいんだろ!」

「サンキュー真琴!」パァァァァァ!

 

長い攻防の末、真琴が折れたようだ。十代の後ろにめちゃくちゃ振られているしっぽが見える。と言うかガキか?こいつは

 

 

さて、そんなこんなで夜。十代達はトランプを、真琴は本を読んでいた。しかし

「なぁ?なんで明日香達がいるんだ?」

「あなた達だけじゃ心配だからよ」

「師匠とこうしているのも新鮮だから!」

「ま、こういうのも面白そうだしね」

「そーなのかー」

 

するとそこにトメさんがやって来て、おにぎりの乗った皿を出してくれた。

「みんなご苦労様。寮の大徳寺先生達には説明して許可はもらったよ。今夜は私も泊まるからね!まずはこれを食べて英気を養って頂戴!」

そう言っておにぎりを渡そうとしてくるが、十代は

「ちょっと待った!これはドロー飯だぜ!」

 

よくわからない事を言い始めた。なんでも中身がバラバラなので好きなのを取るために順番に引いていくらしい。十代は宣言通り鮭を引いていた。

 

 

さてさて、夜も更けてきて、電気を消し、息を潜めていると、ガタガタと音がなり始めた。何の音かと思ったが、シャッターを引き上げようとしている音だと分かった。

「シャッターを引き上げようとしてるッス。なんて怪力なんスか!」

翔達も同じ事を思ったようだ。シャッターを上げ、中に侵入し、ガサガサとドローパンを漁る音が聞こえると十代達は飛び出し、トメさんが電気を付けた。するとそこにはパンツ一丁の男がいた。と言うか寒く無いのか?こいつ?すると突然

 

「ウーラーラーラ〜ラーラ〜!」

 

叫び出して、こちらを威嚇すると、ドローパンごとシャッターをぶち破って逃走しだした。

 

「器物破損罪......」

 

真琴は割りかし冷静?だった

 

「待てー!」

「待つッスよ〜!」

 

十代達はよくわからないパンツ一丁の男を追いかけて行った。真琴達も後を追う。するといきなりパンツ一丁野郎は森に飛ぶと気のツルを使って上手いこと逃げて行く。

 

「先回りするぞ!」

「わかったッス!」

「帰りてぇ」

真琴達は先回りして、迎え撃つ?ようだ。ターザンのように叫び声を上げながら逃走する男が来るが、真琴達の上を飛び越えて、逃げて行く。滝があるところに来るが、男は滝の途中に出っ張っている岩を使い登って行く。

 

「滝登りなんだな....」

「威力80の水の物理技だな。秘伝でもあるくせに汎用だから困る」

 

前田先輩は驚いていたが真琴が言っているであろうことは少し違うだろう。と、そこに

 

「太山君!」←泰山の方が作者はおもしry

 

すると滝登りの途中だった男は手を滑らせて滝壺に落ちてきた。浮き上がって来るが、トメさんはやはり

 

「太山君だね?やっぱり!」

 

この人を知っていたようだ。

 

「しかし太山君、どうして君が?それより卵パンを引けるなんて」

 

こうトメさんが言うと太山は慌ててその事を隠そうとする。しかしトメさんは

 

「この太山君も今の十代ちゃんのようにドローパンを買ってくれてたんだけど、全くと言っていいほど、卵パンを引けなくてね」

 

説明を聞く限り、元ブルー生の行方不明者のようだ。

 

「僕は生まれ変わったんだ!この1年間、山に篭り、引きの修業をして!」

「「引きのだと!」」

「ならあのドロー力も頷ける」

「(頷くなよ)」

 

真琴と彩花以外はかなり驚愕していた。と言うか引きの修業ってなんだよ。そして太山は立ち上がり

 

「もう俺は今までの俺ではない!ドローにに困ることは無いのだ!」

 

と、叫び出した。全くもって訳が分からない。

 

「筆記試験は毎回トップ10に入る成績なのに、全く引きの運が無かったんだ!だから僕は大自然の中で揉まれ、引きの修業を続けたんだ!」

 

力強く宣言していく。しかし大自然で揉まれることでドロー力が上がるってどうよ?そう感じる真琴と彩花をよそに話は続く。

 

「そして僕はこの修業の成果を調べるために卵パンで試したんだ!」

「(器物破損以外に窃盗まで....)」

「(真琴!突っ込んじゃダメよ!私も我慢してるんだから!)」

 

真琴と彩花以外はかなり感心しているが、全くもって違う事を考えてる2人であった。

 

「僕はついに1週間連続で卵パンを引けたんだ」

「そうなのかい....」

 

あちらでは感動?の雰囲気になっていた。しかし

 

「ドロー力は重要だな。しかし、それだけでは勝てんよ」

 

真琴はこう宣言した。

 

「俺も基本はドロー弱者だ。しかし、そういう人間ならそういう人間なりの戦い方という物があるんだ!おい!俺とデュエルしろよ!....あ、ちなみに俺が勝ったら事務所へGoな?」

 

ちゃっかり事務所に連れて行こうとする真琴であった。

 

「いいでしょう!その戦い方とやらを、教えて貰いましょうか!」

 

太山は乗る。

 

「全く、なんでこうなるのかしら?」

「さあ?真琴は普段はドロー弱者だからねぇ?」

「師匠は普段はドロー弱者だけど、それ故のカードが多いぜ!増援とかが無くても融合できる十代達がおかしいんだ!」

 

お互いにデッキを渡し、カットする。ある程度離れるとお互いがデュエルディスクを構える。

 

「「デュエル!」」

「先攻はあげるよ!さあ!ドロー弱者の戦い方とやらを見せて貰おうか!」

「チッ!アリえねぇぜ!俺のターンドロー!」

真琴は少しキレながらカードを引く。

「俺は手札からマンジュゴッドを攻撃表示で召喚!効果によって、デッキから影霊衣の万華鏡を手札に加える!」

 

たくさんの手があるモンスターを真琴は出す。すると、そのモンスターは儀式魔法を真琴に手渡す。

 

マンジュゴッドATK1400

 

「さらに手札からモンスター効果!ブリューナクの影霊衣の効果発動!デッキから影霊衣と名のつく儀式モンスターを手札に加える!俺が加えるのはトリシューラ影霊衣!」

 

鎧を身に纏う戦士がデッキから新たな戦士を呼び出す。手渡すと役目が終わったのか、墓地に落ちていく。

 

「行くぞ!俺は手札から影霊衣の万華鏡を発動!俺は融合デッキゾーンに存在するF・G・Dを儀式素材とし、俺は2体のモンスターを儀式召喚する!」

「融合デッキゾーンからの儀式素材に同時に2体のモンスターですって⁉︎」

「新しく出た儀式モンスターを使うのね!」

 

明日香達は驚いていたが、彩花はカードに気が付いていたようだ。

 

「こい!トリシューラの影霊衣!クラウソラスの影霊衣!」

 

出てきたのは氷を司るドラゴンの鎧を身に纏う戦士と鳥の鎧を身に纏う小柄な戦士モンスターだった。

 

トリシューラの影霊衣ATK2700

クラウソラスの影霊衣DEF2300

 

「ドロー弱者は場が整うまで、相手の邪魔をし続けないといけないんでね!俺は簡単では無いが、それでも勝って来たんだよ」

そう真琴は言うと

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

カードを伏せてターンを渡した。

 

真琴

手札5→6→5→6→3→2

モンスター/マンジュゴッド、ブリューナクの影霊衣、クラウソラスの影霊衣(守備表示)

魔法、罠/セットカード1枚

 

「なかなかやるね。しかし、ドロー弱者というのは嘘では無いのかい?」

「本来ならもう少し展開できたし、手札も2枚にはならない。十分ドロー弱者さ」

「ふむ、そうか。しかし、これでも僕は負けない!ドロー力を見せてやる!僕のターンドロー!」

 

太山は力強くカードを引き抜く。

 

「ふふ、来たよ。僕は手札から魔法カード、強欲な壺を発動!効果により、デッキから2枚ドロー!」

「初手からドロー補強カード....いい加減にしてくれ」

「これが僕のドロー力さ!僕はカードを1枚伏せて手札からドローラーを攻撃表示で召喚!この瞬間、ドローラーの効果発動!僕は手札全てをデッキに戻す。ドローラーの効果で戻した枚数×500ポイントがドローラーの攻撃力となる!よってドローラーの攻撃力2500!」

 

ドローラーATK0→2500

 

「バトルだ!ドローラーでマンジュゴッドに攻撃!」

ドローラーがそのローラーで真琴のマンジュゴッドを轢き潰すがマンジュゴッドは墓地にはいかず、デッキボトムに戻っていった。

 

真琴LP4000ー(2500ー1400)=2900

 

「ドローラーで破壊したモンスターは墓地にはいかず、デッキボトムに戻る!俺はこれでターンエンドだ」

 

太山

手札5→6→7→6→0

モンスター/ドローラーATK2500

魔法、罠/セットカード1枚

 

「俺のターンドロー」

真琴はデッキからカードを引くが、最初のターンみたいな気迫は無かった。面倒臭くなったようだ。すると

 

「この程度か?彩花なら俺をデュエルエンドまでもっていけたぞ?この場面なら」

「うるさい!そんなことできるはずが無い!」

「そうでも無いがな」

 

真琴は彩花とのデュエルをそこそここなしているので、いざという時や何かを成そうとしてる時はそこまでのドロー弱者では無いが、普段はそこまでの強さは無い。それでも十代達に勝てているのはサーチカードや補助カードにより、強引に回すからだろう。

 

「このターンで終わらせる!手札から魔法カード!儀式の準備!俺はデッキからブリューナクの影霊衣を!そして墓地から影霊衣の万華鏡を手札に加える!」

 

おなじみの怪しい集団が真琴に儀式モンスターと儀式魔法を手渡す。

 

「そして手札からブリューナクの影霊衣の効果発動!デッキからヴァルキュルスの影霊衣をサーチ!」

再び現れた戦士が、今度は魔法使い族もモンスターを呼び込み、真琴に手渡す。そして墓地に落ちていく。

 

「俺は手札から儀式魔法、影霊衣の万華鏡を発動!融合デッキの星12の極戦機王ヴァルヴァロイドを儀式素材にし、現れよ!ヴァルキュルスの影霊衣!ユニコールの影霊衣!」

 

ヴァルキュルスの影霊衣ATK2900

ユニコールの影霊衣ATK2300

 

真琴ほ場に新しく2体の儀式モンスターが並ぶ。

 

「バトルだ!トリシューラの影霊衣でドローラーを攻撃!」

真琴の場に存在するドラゴンの鎧を身に纏う戦士がドローラーに攻撃を仕掛ける。

 

「リバースカードオープン!聖なるバリア-ミラーフォース!」

聖なる薄い白色のバリアが守ろうとする。しかし

 

「リバースカードオープン!トラップスタン!罠カードは無効化される!」

聖なるバリアに突如電流が走り、脆くなり、壊れてしまった。そしてその中、戦士はドローラーを切り裂く。

 

太山LP4000ー(2700ー2500)=3800

 

「さらにヴァルキュルスの影霊衣とユニコールの影霊衣でダイレクトアタック!」

「うわぁぁぁぁぁーーー!」

 

太山LP3800ー2300ー2900=0

 

「な、ま、負けた....ドローが強くなったのに、それでも負けた.....」

太山はうなだれるが、

「そりゃ負けるだろ」

「真琴⁉︎」

真琴はそこに辛辣な言葉を投げる。

「デュエルで必要なのは知識、ドロー力、そしてプレイングとデッキ構築力だ!お前には知識と手に入れたドロー力があったとしても、デッキ構築力とプレイングが足りない!だから負けたんだ!俺はドロー力はそこまでない。だからデッキからもって来れるサーチカードが多く入っている。つまり何かが足りなくても、それを補えるものがあるなら勝てるということだ。逆に、特化していても、負けるということでもあるがな」

「な、俺はドロー力に力を注ぎ過ぎたが故の過ちか!さらにドローの特訓の成果はまだたったのか!」

「それは違うぜ!」

十代が突然入ってくる

「あんたのドロー力の特訓はもう終わってたんだ。それを見失っていただけなんだぜ!」

「.....ああ、そうなのか....僕は1つの事に傾倒し過ぎたということなのか....」

「引きたいカードを引きたい時に引けるというのはいいと思うがな」

真琴は眠そうな目をこすりながら

「じゃあ、事務所に行こうか」

太山を事務所に連れて行った。その後みんなで寝袋に入り、眠りについた。

 

その翌日、太山はトメさんの口添えもあり、厳重注意で反省文だけですんだ。

 

「なあ太山!ドローパン買いに行こうぜ!」

「いいだろう!卵パンを引くのは僕だ!」

「いいや!俺だぜ!」

「「ドロー!」」

「甘栗パン⁉︎」

「メザシパン⁉︎」

2人とも違ったようだ。

「なんでだ⁉︎」

するとそこに真琴が来る。

「彩花に貰ったけど、ドローパンの卵パンってなかなか美味いな」

「「真琴かぁぁぁぁぁ!」」

「ええ⁉︎」

「十代ちゃん!ドンマイだよ!」

「「「あはははははははは!」」」

 

今日も食堂は賑やかである。




はーい、と言うわけで太山君でした。
真琴「ドロー弱者は作者だろうに」
否定はしない!(できない)
真琴「まあ、それでも今回は疲れたよ(主に夜更かしが)」
君はいい加減ぶれないねぇ
真琴「そういう人間だしな。では、今回のキーカードだ」


影霊衣の万華鏡
儀式魔法
「影霊衣」儀式モンスターの降臨に必要。
「影霊衣の万華鏡」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):儀式召喚するモンスターと同じレベルになるように、
自分の手札・フィールドのモンスター1体をリリース、
またはエクストラデッキのモンスター1体を墓地へ送り、
手札から「影霊衣」儀式モンスターを任意の数だけ儀式召喚する。
(2):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、
自分の墓地からこのカードと「影霊衣」モンスター1体を除外して発動できる。
デッキから「影霊衣」魔法カード1枚を手札に加える。


真琴「エクストラデッキから儀式素材にできるカードだ。レベル10のモンスターをエクストラデッキから儀式素材にした場合、10ジャストになるよう、儀式召喚しなければならない。今回作中では12で9+3と8+4にしていたな」

真琴「儀式モンスターが2枚以上同時に出せるのでとても面白く、強力なカードだ」

真琴「さらに自分フィールド上にモンスターがいないことが条件だが、デッキから影霊衣と名のつく魔法カードを手札に加えることができる。ただし、その後除外したこのカードを戻すことにある程度の労力がいるから、使い捨てみたいな感じだな。こちらの効果は」

真琴「こんなところかな」
はい!では、デュエル中のミスや効果の間違い。こうしたらいいのでは?などといった指摘は随時募集しております。また、感想も頂ければと思います。皆様の感想が作者の活力です。次回からはオリジナル回の予定です。
では、また次回!

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