サブタイトルからして不吉ですねなんか(汗)
それでは今回も!!
~前回のあらすじ、妹紅に勝ちました
夜
それは妖怪と言った魑魅魍魎が最も出やすい時間帯でもある
幻想郷で夜の時間帯に外を出る事は人里の人間にとっては自殺行為に等しい
木々に囲まれ、月の光すらも差し込まない闇の中
斎 翔がそこにいた
周りからは血の匂い、鼻をつまみたくなる様な匂いが漂う
血の匂いを嗅いで想像する物は何だ?
色々な意見が出てくる事であろう、だが殆どの人はこう思うのではないか・・・?
血の匂いが漂うまで出血しているとならばその量はきっと致死量、そこで想像する物は「死体」ではないか?
翔の足元にはーーーーーーーいくつかの妖怪が転がっていた
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妹紅との戦いに勝った俺は慧音に人里の事や妖怪退治屋のルールを教えてもらった
一、依頼されるのは妖怪の討伐、または遠くまで出掛ける者の護衛
二、仕事を失敗した場合、当然ながら報酬は無し、損害が出た場合自費で損害金額を払わなければいけない
三、無闇な殺生は控えること(妖怪を殺し過ぎると幻想郷側にも被害が出るとかなんとか)
四、妖怪退治の他に山賊等の討伐も依頼される時がある
五、妖怪を殺す時、微塵でも躊躇したら殺されると思え
大体の妖怪退治でのルールはこういった物だった、まさか人間を殺すかもしれなくなると気が重くなる
大体の報酬はこんな感じ
下級妖怪複数~一匹につき1万程
中級妖怪複数~一匹につき8万程
大妖怪~一匹につき500万程
まぁ大妖怪レベルになるとそれこそ霊夢辺りが出動するから俺の出番は殆ど無くなるらしい
妖怪退治は俺の他にも何人かいるが殆どが大きな怪我をしていたり精神に異常をきたしたり等で使い物にならないらしい・・・
大丈夫かな俺
慧音や妹紅には「妹紅に勝ったんだから大丈夫だろう」と笑いながら言われたけど・・・・
昨日まで俺旅してたのにたったの6日で失敗したよ
本当に常識と言うものは使い物にならないことが分かりました
仕事は人里側が依頼するらしく、俺は家でゆっくりしていていいらしい
なんか死刑囚と同じ様な恐怖があるのですがそれは
大体の事を聞き終えた俺は慧音達に礼を言って道場を出た
魔理沙が居る茶菓子屋に向かうと・・・・・魔理沙の周りに男物の着物を着た強面の二人組がいました
なんであいつナンパされてんの?
魔理沙は心底うざったそうに、今にも八卦炉取り出しそうだし・・・ほっといたら死者が出るなあれ
「あの~魔理沙に何の用でしょうか?」
近くまで行って男二人組に声をかける
「ああ”!?兄ちゃんに用はねぇんだよ!?すっこんでろ!!!」
うっわこっわ、やっぱこの時代にもチンピラ(?)って居るんだな
魔理沙を後ろに隠すような形を取る
「ん?もしかしてそこの嬢ちゃんの男か?そんな男よりも俺たちの方が満足出来るぞ?」
下卑た笑いを上げる二人組、なんか苛つく
ステッキを取り出してスロットを回す
(デデン、出た目は1!!武器付属、UMP45!!)
なんでSMGが出てくるんだよ・・・こんな所で発砲したくないけど、仕方ないよね
後で慧音らへんにどやされそう・・・
SMGを上にあげ、威嚇射撃をする
ガラララララララという発砲音と共に人里の人間が驚いた様に俺に視線を集める、うん、やっぱこうなるよね、チンピラに限っては尻餅付いてるし
「これ、外界の武器なんですよねぇ、どうです?受けてみたいですか?」
青ざめた顔で首を横に振るチンピラ、うん少しやり過ぎた
「それじゃあ魔理沙、行こ」
呆然としている魔理沙の手を引いてその場から早歩きで立ち去る、一秒でもあんな所いたくないもん
人里の門を通り抜け、一息ついて魔理沙の方を見る
「・・・何してんの魔理沙?」
顔を俯かせている魔理沙、鍔の広い帽子のせいで顔が見れない
俺の質問にすぐには答えず、少し経ってから答える
「・・・・手」
あ・・・・しまった
急いで手を離す、あっちの世界じゃ即警察行きだ
ヤバい・・・まだ俯いてるし、怒ってるよなこれ、博麗神社まで歩いて帰れとか言われたらどうしよう俺
自分で自分を攻める時間がどれくらい過ぎただろうか、魔理沙が口を開く
「ま、まぁ・・・なんだ?敵から逃げてるお姫様みたいで、悪くはなかったぞ」
赤い顔ではにかみながら言う、そんな事言われると俺も恥ずかしくなるんですが
赤くなった顔をする二人、は、早くこの状況を突破しなければ
「そ、そうか?ならそのお詫びとして博麗神社まで連れて行ってくれないか?」
「お安い御用、金さえ貰えればどこにだって行くぜ?」
・・・え、また金取るの?まぁ百円ぐらい渡せばいっか
「それじゃ、こ・ん・ど・こそ!!安全運転でお願いしますね、また吐かせでもしたら慰謝料として逆に払わせるからな」
「一文無しの私から何を払えって言うんだ?体で、とか言わないよな?」
「・・・・な!?・・・・・」
俺の反応を見てクスリと笑う、性格悪い奴め・・・・
「・・・何も払わなくていいから、安全運転お願いします」
「さぁな、考えとく」
あれ、デジャブ
その後、吐きはしなかったが魔理沙の帽子を森に向かって投げてやった、ざまぁみろ
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博麗神社に着くと霊夢と紫が縁側でお茶を啜っていた
「ただいま戻りました~無事妖怪退治屋に就職したよ」
いや、無事にでは無いな
「あら、おめでとう、これで妖怪の餌にはならずに済むわね」
やっぱ本当に餌にするつもりだったんだ、妹紅に勝ててよかった・・・・
「それと、家を用意しといたわ、後で案内してあげる、あとこれ必要なお金ね」
スキマからスーツケースが取り出される
・・・・え?この中に金入ってるの?
「あの・・・こうゆうの野暮だと思うんですけど・・・この中に何万あるんですか?」
「んー・・・・そうね、ざっと7千・・・って所かしら?」
七・・・・千万?・・・・
「「「え、ええ!?」」」
霊夢と魔理沙と俺の声が見事に重なる
「ちょ、ちょっと紫!!なんでそんなに渡す必要があるのよ!妖怪退治やることになったからって、な、七千万も!!」
「あら、いくら渡そうが私の勝手じゃない?それに私の暇が潰れるのなら何万だって出すわよ」
やっぱこの人神様ですわ・・・
「翔!!博麗神社まで送ってやったんだから4割ぐらい寄越せ!!」
「はぁ!?なんで送ってくれただけで4割もあげなきゃいけないんだよ!?」
三人でギャーギャーやってると紫様がクスリと笑う
「ップ、必死すぎない貴方達?七千万なんて冗談よ、反応が見たかっただけだけ、実際は2百万ぐらいよ、はー面白い」
実際にスーツケースの中を確認してみると中身は衣服と札束が一つ
上げて、落とす、これが紫のやり方なのね、やっぱりこいつ妖怪です、もう信じない
「ちょっと、落ち込み過ぎじゃない?元気だしなさいよ」
立ち直れない俺に笑いを必死に押し込みながら話しかける、黙れお前のせいで人間不信になった
「流石に冗談が過ぎないかしら紫?人間の怖さ思い知ってもらいましょうか」
「そうだな、私も流石に堪忍袋の尾が切れてしまったよ」
なんでお前らがキレてんだよ金の亡者め・・・
「あら、ちょっとからかいたかっただけよ、は~面白い」
「問答無用!!夢想封印!!」
「マスタースパーク!!!」
二人が紫にスペルカードを放つ、いいぞもっとやれ
心の中で応援していると俺の目の前にスキマが開き、色々な色をした球体の弾幕と黄色のレーザーが現れる
・・・え?ピチューン
気づくと空を飛んでいた、ヤッター空飛んでる
当然ながら地面に不時着しました
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「・・・はぁ、俺の扱い酷くないですか?」
あの後気絶した俺は霊夢達の手当を受けた
二人が言うには頭から出血してたらしい、紫の能力ですぐ治ったけど
神社で目を覚ました俺は直ぐにスキマによって用意してある家とやらに連れて行かれた
「いつまでもいじけないの、クヨクヨしてる男は嫌われるわよ~」
「誰のせいでこんな目に・・・」
「いいじゃない、家は気に入ったでしょう?」
確かに家は広く、綺麗で尚且つ必要な家具も揃っている、だけど・・・
「一人で住むには少し広すぎて・・・なんか変な気分です」
広い分にはいいんだが、4LDKの50坪って広すぎじゃないか?一人だと少し寂しい気が・・・
「狭すぎるよりはいいでしょう?」
「まぁそうですが・・・」
「それはそうと、早速仕事をしてもらうわよ」
「え、早すぎじゃないですか?少しは休ませて下さい・・・」
さっきのでもう体も心もズタボロなんですが・・・幻想郷に来て何回気絶したんだろ俺
「貴方男でしょう、これぐらいで根をあげていちゃ幻想郷では生きていけないわよ」
今まで平和な生活を送っていたもんでね・・・こんな死と隣り合わせの世界で生きていける自信が無い
「依頼はここ最近人里の人間を真昼間から襲っている妖怪がいて困っているのよ、この時間帯に出ればすぐ出会えると思うから宜しくね」
「紫さんがやればいいじゃないですか・・・」
「それじゃあ貴方を退治屋にした意味が無いじゃない、つべこべ言わずに早く行きなさい」
人使い荒いなこの人・・・
「これは人里からの依頼ですか?それとも紫さんからの?」
「私からのよ、拒否でもしたら餌になるわね」
なんでそんないい笑顔で恐ろしい事が言えるんだろ
「分かりました、それじゃあ行ってきますね」
「ええ、任せたわよ」
扉を開けると、そこには闇が広がっていた
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「はぁ~やっぱり暗いな・・・能力使わないとまともに歩けない」
暗いのは苦手だな・・・確か人間が暗闇を恐れる理由は先祖が闇討ちされるのを恐れガクブルしてたからとか聞いたことあるな
あの神社で体験した静けさとはまた違った、不気味な、そんな静けさだった
電波があれば歌聞きながら行けるのになぁ・・・
なんて事を考えていると突如上から矢印が現れる、早速来たか
カウントダウンが始まり、攻撃を軽く避ける
目の前には、人の形をしたような、異形の者が立っていた
人だ、人の形をしているが、腕が鎌の様な形をした妖怪
「まさか夜に出歩く人間が居るなんてなぁ?余りにも食い物が少なかったモンだったから昼間に人を襲っていたが、幸運だ」
ああ、こいつっぽいな、今回の依頼は
「それじゃあ、俺の飯になってくれ・・な!!」
やはり妖怪は身体能力が普通の人間とは比べ物にならないのか、遥か空中へと飛ぶ
ああ、初めての殺しをしなきゃならないのか・・・人間じゃないだけマシだな
空中から振り下ろされる鎌を危なげなく避ける、上から振り下ろされるのなら横へと避け、下から振り上げられるものなら後ろへと下がる
「ッチ!!普通の人間じゃなさそうだな!!それじゃあ、これならどうだ!?」
目の前にいる妖怪に似た者が次々と現れる、数十体はいそう・・・
「諦めて俺達に食い殺されろ!!」
何匹もの妖怪が襲いかかる
流石に数が多いな・・・
(デデン、出た目は1!!武器付属、デザートイーグル!!)
・・・腕外れないといいけど
弾を込めて照準を敵に合わす
ダァン!!大きな反動と共に弾が一気に二人の命を散らす
「あっつ!!薬莢あっつ!!!!」
マジでこれ火傷する・・・もうデザートイーグルなんて使わない
「な、何しやがったテメェ!!」
驚いたかのように大声で怒鳴り散らす、まぁ幻想郷って猟銃ぐらいしかないもんね
質問には答えず一匹づつ照準を合わせ射殺する
逃げる奴もいれば怯えて命乞いをする奴もいる
「妖怪に情けはいらない」退治屋のルールにもある事だ
胸糞悪くなるのは仕方ない
こいつらは人を殺したんだ、ここで始末しないとより多く犠牲者が出てしまう
そう自分に言い聞かせ、引き金を引く
「わ、わかった!もう人間は食わない!!だから、だから見逃してくれ!」
黙って弾を入れ替える、こいつらにとっての肉は人間、食わない事なんて無理に近い
「なぁ、俺はこいつらとツルんだばかりなんだ、俺には家族がいるんだよ・・・俺を殺す事は俺の家庭をぶち壊す事になるんだぞ」
黙れ、黙れ
人間を食ったお前が悪いんだ、そんな物も、パッと出で出てきた嘘だろ
「頼む!!殺さないでーーーーー」
スイカが破裂するような音を発し、モノをぶちまける
ああ・・・きっと俺は地獄行きなんだろうな
初めての殺しは、心にモヤがかかった様な、そんな救われない気分で終わった
今回も結構長くなった(;´д`)
4000字で終わらせようと思ったのに・・・
それでは次回まで(ヾ(´・ω・`)