今回の文字数六千文字也
予想以上に書いてました、それだけ愛の力が強い(ry
それでは今回も!!
ふんわりとした赤色のベットに大の字で寝転ぶ。今日は色々な事があったな……………。
食事の後すぐにフラン地下室に戻っちゃったけどやっぱレミリアに怒られたこと気にしてるのかな…………?まぁ俺がどうこう出来る問題じゃないけど。
だけど小さな子があんな顔するってのも何だか頂けないよなぁ…………まぁ実際俺よかずっと年上何だけど。
一応明日地下室に行ってみようかな、レミリアの事は咲夜に任せて。それじゃあもう寝るか、今日は疲れた……………。
明日からまた本格的に執事の仕事が始まるのか。だったら早めに寝とかないと。
それじゃあ…………………お休み。
………………………あれ? 俺何でこんなにフランの事気にしてるんだろ。
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真っ赤な部屋の中には青髪の少女、レミリア・スカーレット、銀髪の少女十六夜咲夜、金髪の少女フランドール・スカーレット、黒髪の男性斎 翔が居た。
レミリアはイラつきを抑える様に玉座に腰掛けながら足を揺する。咲夜はレミリアの傍らに苦笑いをしながら立っており翔は冷や汗を流しながら主と相対し、フランは翔の片腕を組みながらニコニコと笑っている。
重い重い口調でレミリアは二人を睨むようにして口を開く。
「……………ごめんなさい、何て言ったのかしら今?」
「だから~翔と今からピクニックに行ってくるって言ったの」
まぁピクニックって言っても夜中だけど~。と付け加えるフラン。その言葉を聞き益々機嫌が悪くなったのか徐々に雰囲気が険悪になっていく。
張り詰める空気、次の言葉を予想し反論の言葉を用意する翔、今にも二人を怒鳴りつけそうなレミリア、修羅場展開とはまさにこの事か。
「残念ながら行かせないわよ。翔は私専属の執事であって貴方の執事じゃないのだから」
嘲笑する様に二人を見据えるレミリアに腹が立ったのか顔を顰めるフラン。真紅の瞳がお互いを見つめ合う。
「別にいいじゃない一日ぐらい翔貸してくれたってさぁ」
「貴方に翔を貸したら肉塊になって返ってくるじゃない、だから却下」
「へぇ…………言うじゃないお姉様」
先程の状況とは打って変わり頬杖を立てながら嘲笑する様な笑みを浮かべるレミリアと歯を軋めながら人を殺せる様な睨みを効かせるフランが出来上がる。
今にも爆発が起きそうな一触即発の状態。最早空気同然と化している咲夜と翔だったが途端に冷や汗を流す彼がおずおずとした感じに口を開く。
「あの……………本当申し訳ございませんが今日一日はフラン様に仕えます…………なんて」
「な………………!?」
予想外すぎる者からの攻撃に目を見開き勢い良く立ち上がる。対するフランは勝ち誇った笑みを浮かべ挑発する目線をレミリアへと送り続ける。
冷や汗の量が増した翔に問い詰める様に歩み寄る。
「どういう事かしら翔!?貴方には昨日執事になってもらったばかりよね!?早速言いつけを破る気かしら!!」
「い、いえそんなつもりは滅相もありません!!!」
「それじゃあどういう意味かきちんと説明させて貰いましょうか!!」
怒りの矛先が彼に向いたのかガミガミと声を荒げるレミリア、その表情からは動揺が隠せていない。その証拠に背中の羽がパタパタと忙しなく動いている。
そんな姉をニヤニヤと嫌らしそうに眺めるフラン。高校生辺りの男性が十歳前後の少女に怒鳴られるというおかしな状況が生まれた。このままでは分が悪いと思ったのか翔が小さな声で反撃する。
「いや…………完璧に説明する事は出来ませんが何て言うか…………フラン様が可哀想だったっていうか」
「……………………え?」
信じられない者からの信じられない言葉を聞き硬直した様に固まるレミリア。パタパタと羽ばたいていた羽までもがピタリと止まる。
咲夜が時を止めたのかと疑う程の硬直ぶり。ニコニコした笑みに戻ったフランが翔の腕を強くガッシリ掴むと硬直し始めた姉に捨て台詞を吐く。
「それじゃあそういう事だから。またねお姉様~」
「あ…………ちょっと待ちなさい貴方達!!!」
我に返るも時既に遅し。目の前には広々とした真っ赤な部屋と開いたままの大きな扉があった。
「…………………………」
数秒程呆然とするように立ち尽くすレミリア。状況の整理が頭の中でついたのかズカズカとした足付きで玉座の椅子に腰を降ろす。
怒りが収まらないのか赤黒い霧が辺りを染める。
「…………咲夜、お茶」
「………………わかりました」
数秒後にはティーセットを手に持った咲夜が現れるだろう。それをいかにどうやって難癖を付けようか考え始めるレミリアだった……………。
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「ああ…………帰りが怖い」
「帰りの事なんて考えない考えない!!今はピクニックの事だけ考えてよ」
「とは言いますがねフラン様………………」
暗い森の中月光に照らされる道を二人並んで歩く翔とフラン。翔の片手にはランチバスケットが握られており隙間からは色とりどりの具が入ったサンドイッチが入っていた。ランチと言うにはおかしいが………。
暗くなった空には無数の星と光が輝いている。やはり幻想郷と現代とは比べ物にならない程空は輝き綺麗だ。そんな清々しい空の下男の人間と少女の吸血鬼が月夜に照らされていた。
「それにしても翔がまさかお姉様に口出しするなんて思わなかった」
「だってあのままだとフラン様レミリア様と喧嘩したでしょうに……………仕方なく勇気を振り絞り口出ししたんですよ」
「さっすが~そんなに私とピクニックに行きたかったのかな?」
「フラン様でしょう誘ってきたのは」
「元気づけてやるって言ったのはどこの誰でしょう?」
「うっ…………」
ぐうの音も出ない翔にクスクスと笑ってみせるフラン。胸ポケットに仕舞ってあった携帯で時間を確認するとデジタルで22:15分を指していた。
その一連の動作をじっと見ていたフランが不思議そうに口を開く。
「ねぇその平べったい物って何?」
「ああ、外界の通信機器ですよ、電話したり調べ物を調べたり出来る優れものだった物です」
「だったって何よ………」
「電波の通っていない幻想郷ではただの時間を確認するだけの薄い箱なるんですよ」
「ふーん…………」
そんな下らない話をしながら目的の場所へと進む二人。そんな時間が何十分続いただろうか、地面が盛り上がった丘が見えてきた。やっと目的の場所に着いたのかお互いに笑い合う二人。
こんな時間帯だったが不思議と襲ってくる様な輩はいなかった。やはり吸血鬼は妖怪にとっても畏怖の対象であるのか存在はするが大体は逆に襲わず逃げていく。
「ここが翔オススメのスポット?」
「はい、この前見つけたんですよ…………昼はここで寝転んでうたた寝出来るし夜は星空が綺麗だし………それにこんな時間帯だと誰も来ませんし」
「なんだかおじさん臭いよ翔?」
「静かな所が好きなんですよ」
丘の頂上に登るとレジャーシートを敷いておもむろに並んで腰をかける二人。ランチボックスを間に挟みながら置いた後二人して空を眺める。
翔は良く来ていて見慣れた光景なのだが箱入り少女のフランにとっては新鮮な光景だった。光輝き散らばる星に欠けた三日月。夜だと言うのに充分な明かりを灯していた。
そんな光景をキラキラと輝いた目で眺めるフラン。こんなもの見たことないと言わんばかりに。
「どうです?綺麗でしょう?」
「ええ……………凄く綺麗」
今まで赤い天井しか見たことないから。と言葉を付け加え微笑むフラン。とても長い年月を過ごしたとは思えない様な少女が心の底から浮かべた、そんな笑みだった。
紅い瞳から赤色の涙が流れ落ちる。一粒、次に二粒、次に三粒。何故流れ出るのかわからず戸惑うフラン。地面に敷いた青色のレジャーシートが赤色に染まっていく。堰を切った様に流れ出る涙を止める術はフランにはなかった。
戸惑いながら目元を拭い白色の手までもが赤く染まっていく。そんな中…………………頭をポンとと優しく撫でられる。
「…………翔」
「辛い事があるんならこの場で吐いちゃって下さい。この場には私とフラン様しかいないんですから」
涙を流しながら鼻を啜る。翔の腰に力強く抱きつき声を出しながら涙を流すフラン。パタパタと綺麗な羽が羽ばたく様に動く。
そんなフランを翔は背中を優しく摩っていた。
…………………………その光景を一匹の蝙蝠が眺めている事も知らずに。
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薄暗く様々な分厚い本が並んでいる図書館、夜はともかく昼も暗い。そんな中レミリアとパチュリーがお互いに対する様に座りながら紅茶を飲んでいた。
咲夜はレミリアの隣に静かに立っている。だがどこかウザったさが込められている表情をしていた。いや、咲夜だけでは無い。パチュリーまでもが頬杖を立てながらウザったそうな顔をしていた。
レミリアは丸いテーブルの上に両肘を立てながら人生に絶望したかの様な表情を浮かべている。
「おかしいじゃない…………何でフランにノコノコ付いてってるのよ…………絶対あの子翔で遊んでるわよ…………五体満足で帰ってくるといいんだけど…………ああもう………パチュリーどうすればいい?」
「ええ、何度も聞いたわその話、そして返ってくる答えは変わらず自分でどうにかして。これで………何度目だっけこの話」
「十三回目です」
隣に居る咲夜が口を開く、ポーカーフェイスを決め込んでいるつもりだろうが顔が少し引きつっていた。パチュリーが深く溜息を吐く。
地面に落ちている厚さ十センチ程の本を身を屈め手に取るとレミリアに叩かれる。
「ちょっと………親友が悩みを相談しているのに本を読み始めるとは何事よ」
「はぁ……………咲夜、私がレミリアに本を叩かれた回数は?」
「八回程です」
さぞウザったそうに額に手を当てながら机に肘をかけるパチュリー。そしてまたも口を開き愚痴をこぼし始めるレミリア。そして更に顔が引きつり始める咲夜。
レミリアの愚痴に口を挟むようにウンザリした顔で口を開く。
「ええ、わかったわ………というか何であんな退治屋を執事にしたのよ」
「いいじゃない吸血鬼の勝手よ」
「ええ…………だけどわざわざ魅了の力を使ってまで執事にする目的がわからないのよ」
そう、レミリアは翔を自分専属の執事にすべく魅了の力を使った。吸血鬼の紅い瞳を見させて自らと翔の関係を引きつけた。
吸血鬼に魅了された人物はその者の言いなりになるしか無い。自然とその者へと無意識に近づいてしまう。何故そこまでしてあの男、斎 翔を自分の傍に置いたのか。それがわからなかった。
問い詰めるパチュリーにゆったりとレミリアが口を開く。
「そうね………………綺麗だったから、とでも言っときましょうか」
「綺麗だったから?」
レミリアの言葉に納得がいかない様に訝しげな表情を浮かべる。咲夜までも気になっていたのか聞き耳を立てている。
「あの子の魂が綺麗だったのよ」
「魂…………ねぇ、なに?そのうちその魂取っちゃうの?」
「そんな訳ないじゃない。それにあんなに綺麗な魂なのに………………冷たいのよ」
「は?」
更にわからないとの表情を浮かべるパチュリー。予想していた答えと大きく外れた様な表情をしている。そんなパチュリーにレミリアは言った。
……………貴方はまだわからないでしょうね、と。
「はぁ…………まぁいいや、そのうち詳しく教えて貰うわよ、どうせ今は言う気ないでしょう?」
「よくわかってるじゃない、流石私の親友」
「それなりに長く貴方と居るんだから当然でしょ。それとこっちだけ教えて貰うってのも癪だから私もある事を教えてあげる」
「え、何よそれ早く教えなさいよ」
急かすレミリアに勿体付ける様に言葉を詰まらせるパチュリー。図書館内に静かな空間だけが残る。そんな空間を壊すかの様にゆったりとした口調で口を開く。
「貴方の愛しの退治屋さん、妹様にも魅了の力の効果付いちゃってるわよ」
「……………………え?」
はああああああああああああ!?と大きな声を上げながら勢いよく立ち上がるレミリア。顔は驚愕に染まり勢いよく立ったせいか音を立て椅子が倒れる。
そんなレミリアに対しパチュリーはクスクスと面白そうに笑う。
「ちょっと何よそれ!!詳しく説明しなさいよ!?」
「ええ、貴方が魅了の力を翔に見せた時、あれは貴方単体を魅了させる効果じゃない、
「それがどうしたのよ?」
「貴方の妹の種族は吸血鬼じゃないのかしら?」
「…………あ」
二度目の大声が紅魔館に響き渡った。
「どうしてそれを最初に言わないのよ!!」
「だって面白くなりそうだったんだもの」
「貴方ねぇ………………」
急に言葉を詰まらせ虚空を見つめるレミリア。その様子を咲夜とパチュリーが訝しげに眺める。
歯はカチカチと震え始め顔は怒りに染まっていく。何かヤバイと感じたのかパチュリーが焦ったように謝罪の言葉を述べる。
「ちょっと悪かったわよだからそんな怒らなくたっていいじゃない!?」
「………………………少し出かけてくるわ」
「え?」
気づけばレミリアはその場にはいなかった、あったのは倒れた椅子と冷めた紅茶。咲夜とパチュリーはレミリアが先程まで居た場所を驚いた顔で眺めていた。
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「落ち着きましたか?フラン様」
「うん…………ありがと翔」
やっと落ち着いたのか翔の腰から離れ目元に残った赤色の涙を拭き取るフラン。翔の腹元には大怪我を負ったかの様に燕尾服が赤黒く染まっていた。
「ごめんね燕尾服汚しちゃって」
「別にいいですよ洗えばいいんですし」
明るく笑ってみせる翔、それに釣られフランも微笑む。フランの両頬は涙の跡が付いてしまったのか細長く赤い跡が付いていた。
フランにハンカチを渡すと礼を述べながら受け取る。
「翔は優しいんだね」
「そんな事ないですよ、今まで妖怪を何体も殺した悪い人ですから」
「そんなの可愛い方だよ」
「何故かは聞かないでおきます」
またも笑い合う二人、フランもどこかスッキリしたのか悩みが一つ外れた様な笑みをしていた。
もう一度星空を眺める二人。空は先程とは全く変わらず幾つもの星が光を放っていた。そんな中フランだけが決心が付いたかの様に口を開く。
「ねぇ……………翔って恋人とかいるの?」
「え…………?なんです急に」
「いるの?いないの?」
「い、いませんよ…………」
「そう……………」
どこか安心した様な表情を浮かべる。そんなフランを訝しげに眺めるとフランが頬を赤く染めながらポツリと口を開いた。
「………………それじゃぁ…………私が立候補しようかな、なんて…………」
「え?………それってどういう」
予想外の事を言われてポカンとした表情をする。頬を真っ赤に染めたフランが翔と向き合いハッキリとした口調で口を開く。
もう二度目の聞き逃しはさせないと言わんばかりの決心の付いた力強い口調で
「だから……………私は翔が!!」
「いい所邪魔してごめんなさいね」
だが二度目の言葉も何者かに遮られた。
そろそろ主人公にアッパー食らわしてゴミ捨て場に投げ込んで唾吐いてやりたいニアです
主人公(゚Д゚)<死ね
何故か自分の作った主人公に殺意が湧きます、何故でしょう
というか頭痛いです、絶えずキーボード打ってたんで指痛いです、凄く痛い
それでは次回まで!!ドゥワッチ
(主人公暗殺し隊を作ろうと思っています)