招かれる者ー人間賛美   作:ニア2124

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疲れた・・・今回は少し変えてみました書き方を!!

これからはこれで行きたいと思うんでお願いします、(゚A゚)ヤメロ!!って方はコメント欄で!!

それでは今回も!!


紅い館の退治屋さん
赤い館の吸血鬼


 

~前回のあらすじ、昔話をしました

 

 

 

暗い暗い館の中、日の光も差さない館の中

 

大きな大きな湖に、深い深い霧の中に隠されたポツンと立ってる赤い館

 

そこには吸血鬼が居るんだって

 

用が無いのに入っちゃダメだよ食べられちゃうから

 

そんな恐ろしい館に一人の男の子が入り込みました

 

名を斎 翔、妖怪退治屋さんだって

 

食べられちゃうのかな?それとも………

 

 

 

吸血鬼達を○○○ちゃうのかな?

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

小さな箱の中、そこが今の俺の全てだ。ガタンガタンと音を立てながら小刻みに揺れるのはかなりウザったい。足を少し折りたたまなければ入れない様なサイズ。

ハッキリと言って居心地が悪い。早く着いてくれ……と切実に願うが返ってくるのは石を踏んだのかガタンと音を立てるだけ。

何故だ、何故こんな目に会っているんだ、その原因である物を必死に思い返す……

 

 

三時間前~

 

 

 

文がウチに突入してきた出来事から早一週間程の事

この日は特にする事もなく茶菓子屋で串団子を頬張っていた。妹紅の所にでも行こうと思ったが時間が時間なのか迷いの竹林の護衛でもしてるのか家の中は空っぽだった。

確かに今の時刻は昼の十二時程、他の者は仕事に専念しているであろう時刻。

そんな中茶菓子屋でのうのうと串付き団子を頬張れるという事ではかなりの優越感に浸れていた。

 

醤油味の串団子は外界のコンビニで買った串団子とは全く違う。あんなプラスチックパッケージに包まれた串団子とは比べ物にならない程の美味しさを秘めていた。

焼きたての香ばしい匂いが食欲を刺激し、口へと団子を一気に二つ程頬張る。少し熱かったのかハフハフと口の中で冷まし口一杯といった形で団子を噛み締める。

少し焦げている場所がパリと音をたて胃の中へと流し込む、締めに傍らにあった熱いお茶を一口短く飲み込み一息つく。

 

 

……幸せだ、幸せがここにある

団子が串だけになっている事に気付き串を足元に置いてあるゴミ箱に投げ込むと団子が置いてあるであろう平たい長方形の皿へと手を伸ばす。

次は何を頂こうか、みたらしか?醤油か?いや、餡子も捨てがたい、道行く人々を眺めながら考える。

だが、手に触れた物は串と言った細く、硬い物などではなかった、スベスベな少し柔らかい物。

何かと思い目をやると…………そこには手があった。

 

 

「うわっ!?」

 

予想外の物に驚き思わずその手を叩いてしまうと同時に俺の隣から「イタッ!」と声を上げる何かが居た。

先程まで隣には誰もいなかった筈……驚いた様に隣を見ると紫色のフリルのドレスを身に包んでいた誰かが居た。

……八雲 紫様だ。

 

 

「紫様……何しているんですか?」

 

「ただ団子取ろうとしただけよ……まさか手を叩かれるとは思わなかったけど」

 

「いや、いきなり出てこないで下さいよ、いきなり手が現れたら誰だってビビります」

 

 

紫様に雇い人として雇われた日からなるべく言葉使いは丁寧にしている。こんなのでも一応は仕えるべき存在なのだから。

ただ今回の様にいきなり現れるのはやめにして貰いたい、サプライズには慣れていないのだから……

 

 

「それで、何の御用で来たんですか? というかここ人里ですよ?大丈夫なんですか?」

 

紫様が出てきたせいで不安要素が一気に溜まる。そんな俺を安心させる様に一言一言丁寧に答える。

 

 

「翔が一人寂しく団子を食べてたから同情して出てきたのよ、周りの人間には見えない様に結界を張っているから大丈夫」

 

「ならいいんですが……こんな時間帯に起きてるだなんて久しいですね、普段は二時ぐらいに起きてるじゃないですか」

 

「藍に無理矢理起こされたのよ、結界に綻びが出来たとか言って……眠りを邪魔されたから少しイラっときて藍置いて今こうしてる訳」

 

 

藍様を同情しながら熱いお茶をもう一度飲み込む、あの人も苦労してるんだな……少し冷めてしまったのか先程と違い楽に口を付ける事が出来た。

世間話や最近あった事をネタにしながら談笑していると不意に三人程の男組が俺の前で足を止める。

三人衆は男物の着物を羽織、腰には刀をかけている事からただの人里の人間では無い事がわかった。外れ者かと思い身構えるとその男達は俺に向かって

 

………頭を一斉に下げた。

いきなりの出来事に団子を喉に詰まらせそうになる、紫様を見ると団子を気に入ったのか団子を食べる事に集中していた。

 

 

「頼みます斎さん!!お願いがあるんです!!!」

 

 

三人の中、黒色の髪を伸ばし束ねている一人が口を開く。道を通る人里の連中達が少し足を止めて好奇や奇異といった目で此方を見つめてくる。

実はと言うと俺は注目されることに慣れていない。幾つもの目線や期待が自分に向かって襲いかかるんだ、そしてその期待に答えなければいけない、なんという所業だ。

取り敢えずこの状況を打破しなければ、隣でモグモグと興味も無さそうに串団子を食べ続ける紫様を尻目に考える。

 

 

「と、取り敢えずこんな所ではなく違う所で話しましょ!! すいませーーん、机って用意出来ますか!?」

 

耐えれないと言った感じで茶菓子屋の店主に声をかけると快く許可してくれた。そこに移動する為に三人衆も移動させる。

未だ団子を食べている紫様から団子を取り上げ睨みつけると目を逸らす、少しイライラした雰囲気を出しながら俺は案内されたテーブル席に座るとまたもその隣に紫様が座る。もうあんた帰れよ……。

面倒な事になりそうだ……そんな事を考えながらいきなり本題に入る。

 

 

「いきなりあんな場所で頭下げるなんていい度胸してますね、お陰で恥かきましたよ、それで? 用があって頭を下げたんでしょう? なんですか?」

 

「いや……申し訳ありません、どうしても斎さんに依頼したい事があって………」

 

目を伏せながら今度は黒い髪をした短髪が口を開く、依頼……紫様以外からの依頼は基本受け付けたくはないんだけどなぁ……。

 

「依頼?まぁ聞くだけ聞きますよ、なんですか?」

 

「ありがとうございます!! 実は……倒して貰いたい妖怪がいるんです」

 

「倒して貰いたい妖怪?退治依頼ですか……どのような妖怪を?」

 

「はい、赤い館に住んでいる吸血鬼を……」

 

「そっか、嫌です、拒否します」

 

ボサボサの髪をした一人が口を開くもその言葉を遮り速攻に拒否する。するとそいつは「え…?」とポカンとした表情を浮かべる。

赤い館の吸血鬼って事はあれだろう……レミリア・スカーレットかフランドール・スカーレットでしょう……?やだよ東方の中で一番好きなキャラなんだから、それに紅魔館にいる連中皆好きなキャラ上位だし。

 

 

「そんな……お願いします斎さん!!」

 

「嫌な物は嫌です、他の退治屋を回って下さい」

 

 

頑なに拒否するものの何度もしつこく頭を下げる三人衆、吸血鬼ではなくコイツ等を退治したくなってきた。

次にまた口を開いたら追い払ってやる、そんな気持ちに駆られ腰にかけているステッキを握り締めると不意に隣の人物が口を開く。

 

「翔、この人間達の依頼受けなさい」

 

「………え?何でですか?」

 

今まで串団子を口一杯に頬張っていた紫様がそう言った。テーブルに置いてある長方形の皿の上には四本程の串が捨ててあった。

いきなり過ぎる言葉に少しの間が空いてしまう。

 

 

「あの館の吸血鬼最近人を襲いすぎなのよね……充分外来人をあげているのに人里の連中まで食べちゃうんだから」

 

「……流石に吸血鬼は相手にしたくないんですが……」

 

「大丈夫よ食べられそうになったら助けてあげるから」

 

「いや、そういう問題じゃなくて……」

 

隣に居る紫様とそんな会話をすると前に座っている三人衆が訝しげな目で此方を見る。そうだった、紫様はコイツ等には見えてなかったんだ。

てことは俺の独り言に見える訳で……そりゃあ変な目で見られるな。紫様の方を見るとクスクスと扇子で口元を抑えながら笑っている。

 

 

「という訳で、吸血鬼達を少し懲らしめてやってね~」

 

「あ、ちょっと待っ!!」

 

そう言うも時既に遅し、スキマに落ちていった紫様はもう其処にはいなかった。恐らく博麗神社にでも遊びにいっているんだろうか………。

今度あったら何か一言文句言ってやる……そう心に決めて三人衆の方へと咳払いをして向く。

 

 

「えっと……どうしたんですか?」

 

「いえ、何でもないです、それはそうと……吸血鬼退治、引き受けますよ……」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

気は乗らないが紫様の命令はほぼ絶対。断りたいのは山々だがそうした場合今晩の妖怪達の餌は俺になるだけ、最早脅迫にも似た何か。

喜び合う三人衆を尻目に頬杖を立てながら冷めきったお茶をグビリと飲み干す、やっぱり面倒臭くなった………。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

そうだ、そんな事があったんだ……。

三時間前までは仕事をする人達を眺めながら優越感に浸っていたと言うのに現在では足を折り曲げなければ入れない様な箱の中。

というか何故レミリアの餌の真似しないといけないんだ……いくらでも紅魔館への侵入方法はあるだろうに。

本当に幻想郷に来てから多くの面倒事を渡される様になった。最初の頃なんて筋肉痛で体中が痛むにも関わらず依頼を届けられたからな。そう考えると今は比較的スムーズにやれてるんだなとつくづく思う。

本当に慣れって物は恐ろしいな……。

 

 

「どうも~今回の餌です」

 

「毎度ありがとうございます、では後は此方でやらせて貰いますね」

 

そんな思い出に老けていると俺を運んでいたあの三人衆の一人と女性の声が聞こえてくる。

どうやらあの三人は幻想郷で言う届け屋、危険を顧みずあらゆる場所へと頼まれた物を運ぶ仕事らしい。だがこの間餌を紅魔館に届けに行った仲間が帰ってこないとの事で仇討ちをして欲しいとかなんとか。

まぁ幻想郷での行方不明者はほぼ死亡と確定していいとは思うんだけど……何処か怪しいと言うか。

 

 

今まで台車の上で運ばれていたから石を踏むとかなり揺れて痛かったが今では持ち上げられているのか振動が全く無い。

光は小さな空気孔とも言えない様な穴から少し漏れるだけ暗闇の箱の中、もし俺が密閉恐怖症だったら今頃気絶しているだろう長い時間。

実際にかなり辛かった、腰は痛くなるしもう散々だ。

 

 

「お嬢様、朝ごはんのお時間ですがどうなされますか?」

 

「ああ……今日はそのまま食べたいからそこに置いといて」

 

「わかりました、あまり散らかさないで下さいね」

 

箱を渡された時の女性の声とは違う声、凛とした透き通った声とまだ幼げな女の子の声が聞こえてくる。ゆっくりと優しく下ろされると少し間を置いてガチャリとドアが音を立てる。

そのままズルズルと引きずられる様に運ばれるといきなり箱の中身を開けられた。

 

 

いきなりの光に思わず目を背けてしまう。何回か瞬きをすると視力が少しずつ回復していき目の前の情景をぼんやりと映し出す。

 

………赤い、赤い、赤い。見渡す限り真っ赤な部屋、そして何よりも俺の事を見下ろす何か。

まるで色と言う概念を置き去りにしてきたかの様に白い肌、寝起きなのか少しボサついた水色の髪に赤色のネグリジェを身に纏う少女。

 

 

レミリア・スカーレットが俺を見下ろす様に立っていた。

 

 

 

 




どうでしたか・・・見にくかったら言ってください

というかホント今日色々疲れた……

ネグリジェ……普通のパジャマでも良かった気がする(;>_<;)

別にネグリジェ好きって訳じゃありませんから!!

それでは!!!ドゥワッチ!!

(足めっちゃイタイ(´;ω;`))

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