招かれる者ー人間賛美   作:ニア2124

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どうも、ニアです

自分気付いたんですけどオリキャラに対する説明全くしてませんね(;´д`)

以後気を付けます(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

それでは今回も!!


三つ目小僧と妖怪退治屋

 

~前回のあらすじ、文が家に突入してきました

 

 

 

「三つ目は寝ていいんだぞ?」

 

そう言うと俺の膝の上に座っている三つ目が首を横に振る

 

三つ目と色々会話をして十五時間程が経過、辺りはすっかりと暗くなっていた

 

長い間喋り続けた結果喉が渇き何度も水を取り休憩をする

 

二本の2ℓペットボトルが空になる程の渇き

 

外は暑く、汗がねっとりと白いTシャツを濡らす

 

張り付いた洋服を見てあー後で着替えなきゃなーとか思ってたな

 

すると気付いたら三つ目が寝ていた

 

今まで一人で寝ていて安心しきれなかったのか俺の膝の上で寄りかかりながら寝息をたてていた

 

そんな姿を見て俺もなんだか弟を持った様でクシャクシャになった髪を撫でてたりしてたよ

 

時折くすぐったいのか体を拗らせる姿が楽しくて全く飽きない

 

外界では妹だったからね、そのせいか弟を持った感じは凄く新鮮だったよ

 

コイツに名前でも付けてやろうかなーとか暇つぶしにって考えてたら夜が明けてた

 

朝日の光に照らされたのか目を開ける三つ目

 

三つの目が寝起きで半開きになっていてなんだかとても面白い

 

ようやく意識が覚めてきたのか俺の顔を見るなり泣きそうな顔をする

 

不意打ち過ぎる表情に少し焦ってしまった

 

「な、なんでいきなりそんな顔すんだよ」

 

「だって……門番さんを起こすお仕事出来なかった………」

 

それだけでそんな顔するなよ……

 

だが体を震わせ必死に涙を我慢する姿は痛ましかった

 

三つ目の方へ手を伸ばすと殴られると思ったのか体を一回大きく揺らす

 

俺はその予想を裏切り頭に優しく手を置いて撫でる

 

夜寝ていた時のような弄る強さではなく子供をあやすように優しく

 

キョトンとした表情を浮かべる三つ目

 

「別に良いんだよ、こうして話相手が出来ただけ儲け物なんだからさ」

 

そう言うとまたも両目から涙を流す

 

「あーもう泣くなっての……泣く男はモテないぞ?」

 

「だって……今まで約束破ったりしたら殴られてたんだもん…門番さんが許してくれたことが嬉しくて…」

 

よく見ると体中にアザが出来ていた

 

妖怪は言わずもがな人間よりも身体能力は高く治癒能力も高い筈……

 

「なぁ、どうして体にそんなアザあるんだ?」

 

怪しく思った俺は言葉にして聞いてしまった

 

聞いた途端三つ目は嫌な過去を思い出した様に顔を曇らせる、しまった地雷だったかな……

 

「あ、別に嫌なら言わなくていいんだぞ?ちょっと気になっただけだから」

 

慌てて失言を取り繕うが少しした間の後小さな声を絞り出して言葉を発した

 

「……他の妖怪達が僕に食べ物を集ってくるんだ……」

 

「無一文のお前にか?」

 

「うん……僕が食べるご飯が無いって言うと殴るんだ、四人ぐらいで…僕の事」

 

妖怪の間にも虐めはあるのか……いや、虐めがどうって問題じゃない、必死に生きているコイツを面白半分で虐める事が何よりも許せなかった

 

その妖怪達を殺してやろうか……顔に出ていたのか三つ目が焦った様に口を開く

 

「だ、ダメだよ門番さん、あいつら妖怪の中でも少し強い方だし……門番さんには傷ついて欲しくない」

 

酷く悲しい顔をする三つ目、だからってお前が我慢する必要は無いだろって思ったよ

 

「大丈夫だよ、俺はこれでも言っちゃなんだが強い方なんだぞ?お前を虐める妖怪達なんて直ぐに倒せる」

 

そう言うと一瞬だけ顔を輝かせるがすぐに目を伏せる

 

「……僕の事を思ってくれるのは嬉しいけど……やっぱり門番さんには危険な目に会わせたく無いし…」

 

「お前を思ってじゃぁないぞ、これは俺の意思でお前を虐めている妖怪とやらを倒そうと思っただけだ、そこにお前を同情して~だなんて感情なんて入ってないよ」

 

すると三つ目はおずおずとした感じで俺の顔を伺う

 

「ほ、本当にいいの?」

 

その口調からは喜色が混じっている事がすぐにでもわかった

 

「ああ、代金不要必ず仕事は果たします」

 

俺が少し茶化す様にクスクスといった笑い声を上げると三つ目が抱きついてきた

 

「ありがとう門番さん………ありがとう!!」

 

薄めのシャツを着ているせいか胸元が濡れてくるのが肌を通してわかる

 

やっぱり無理して我慢してたんじゃんか……

 

俺も三つ目の頭を強く抱きしめながら右頬を少しだけの涙が伝った

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~過去編

 

 

「小さなお道はテトテトテト、大きなお道はスタスタスタ、道々通る者にはペコペコリ、ここで会うのも何かの縁、共に進もうそうしよう~」

 

「……何だその歌」

 

門番の仕事を他の者と交代して三つ目と一緒に人里周辺の警備を回ると途端に聞いた事もない歌を歌いだした

 

道端に落ちてあった小枝を掴み歌う様は後ろ姿だととても妖怪とは思えない

 

「前に森で遊んでた人間の子が歌ってたんだ~面白かったから僕も歌ってたら覚えちゃった」

 

「へぇ……小さなお道はテトテトテト……ねぇ」

 

俺が歌うと気持ちわるいな……今度寺子屋にでも行って子供達にでも歌わせてみようか

 

「あ、門番さんも一緒に歌う?」

 

「いや、俺はいいや、というかお前の言う門番さんってなんだよ?」

 

「人里の門番していたでしょ?だから門番さん!!」

 

そのまんまだな……どちらかと言うと門番さんより退治屋さんって感じだけど

 

そんな和気藹々とした雰囲気が漂う中、目の前に一匹の妖怪が現れた

 

全身に毛が生えた人型の妖怪、一目見て人間じゃ無いことがわかったよ

 

その妖怪が出てきたら三つ目は酷く怯えるように俺の服をギュっと強く掴んだ

 

その様子を見て毛むくじゃらの妖怪が口を開く

 

「よぉ三つ目…そこの人間は俺達へのお土産か?人間を持ってくるなんてやるじゃねぇか!!」

 

下品な笑い声を上げる……もしかしてこいつが三つ目の言っていた妖怪か?

 

三つ目は意を決した様に俺の洋服を一度強く掴むと大声で言った

 

「もうお前等の言うことなんて聞かない!!僕は僕自信で一生懸命生きていく!!」

 

その言葉が嬉しくてついニヤちゃったよ、今までビクビク怯えて生きていた子供の妖怪が今日から胸を張って生きていくんだって思ったからさ

 

三つ目の言葉に激怒した毛むくじゃらの妖怪は怒りの篭った目で言った

 

「そうか、いい度胸だなお前、その度胸に免じて今日はこってりと虐めてやるよ……死んでも文句言うなよ」

 

一歩ずつ足をこっちに踏み入れる度に三つ目が体を震わせる、そんな三つ目を離れさせる様に俺が前に出る

 

「コイツを虐める前に俺と遊ばない?お前の事遊びに遊んで殺してやっから」

 

腰にかけているステッキを取り出してそう言うと更に顔が赤くなる

 

最早一目見たら妖怪では無く猿と間違えるぐらいに

 

「……今日はイラつかせる奴が多いな……泣いても許してやんねぇからな」

 

「こっちの台詞だよ猿妖怪」

 

俺へと猛牛の様に突進してくる猿妖怪、実際俺も三つ目妖怪の件でイラついていた

 

猿妖怪の突進と共にカウントされる攻撃開始時間、残り一秒になると横へとズレて突進を難なく避ける

 

避けた事に驚いたのか顔を此方へ向けるとその赤い顔を思いっきり蹴りつけた

 

顔を腕で抑えながら怯むその隙にステッキの目を回す

 

(デデン、出た目は2!!能力付属、筋力増強!!)

 

顔を二三度振ってからまたも単細胞の様に突進してくる猿妖怪、攻撃開始時のカウントが始まるが今度は避けずに……受け止めた

 

勢いが無くなると同時に右腕を猿妖怪の後頭部に、左腕を頬に抱き抱えるような感じで力一杯に頭を捻る

 

首の骨が折れる様な音がした後重力に従い地面へとバタリと倒れた

 

地面に突っ伏したまま動かない猿妖怪をゴミの様に足で転がした後三つ目の方を向いた

 

どんな言葉が返ってくるだろうか、感謝の言葉?涙?それとも笑顔だろうか想像しながら後ろを向く

 

だけど………返ってきたのはまるで畏怖たる者を見るような怯えた目

 

ガタガタと体を震わせながら後ろに下がっていく

 

「ど、どうしたんだ……?」

 

予想外の反応に驚き吃ってしまう

 

一歩一歩と三つ目の方へ近づくが三つ目も俺の歩調に合わせ後ろへと下がっていく

 

五歩目と共に三つ目がへたり込む

 

「どうしたんだよ!!」

 

いきなりの展開につい怒鳴ってしまった

 

怒鳴ると三つ目は手をブンブンと振りながら「来ないで!!来ないで!!」と叫ぶ

 

一体何が……まさか俺に対して怖がってるって言うのか?

 

安心させる様にゆっくりと三つ目に近づき髪を撫でようとするが手を強く叩かれる

 

「ご……ごめんなさい……こ、殺さないで……」

 

涙を流しながら首を振り続ける、なんで……どうしてだよ、どうしてお前を守ってやったのにそんな反応されなきゃいけないんだ…

 

お前の笑顔が見たくてアイツを殺したのになんでそんな怯えた目で俺を見るんだ

 

いきなり三つ目が足をバネにして勢いよく走り出す

 

「ま、待ってくれ!!」

 

そう叫ぶも三つ目は必死に俺から逃げる様に走る、走る

 

なんでお前が逃げるんだ………追いかけねばと思い我に帰ると

 

 

ーーーー三つ目の胸元に刃先が鋭い何かが生えていた

 

…………え?

 

何かが抜かれると同時に空中に舞う赤色の液体、遠目から見てもわかる、血だ

 

膝を付けバタリと地面に倒れる

 

三つ目から大量の血が流れ出てその場に赤い水溜まりを作る

 

もう何がなんだかわからなかった、状況の整理が、頭の思考が追いつかない

 

草むらから今度は角が鋭利な妖怪が何体か現れる

 

そいつらが何を言っているかわからない、聞こえない

 

頭は全く働いていないって言うのにコイツ等に対する殺意が湧いてくる

 

殺す、殺す、ただただ殺す

 

息が激しく切れる、周りを見ると三つ目を殺したであろう物共(ゴミ)が転がっていた

 

其処ら中に死体や血溜まりが散らばっている

 

歩く度にパシャパシャと水溜まりを踏む音が聞こえてくる

 

三つ目はさっきとは違い逃げない、動きもしない、ただその場に伏せているだけ

 

うつ伏せに伏せている三つ目を仰向けに起こさせる

 

生気の無い虚ろな、怯えた三つの目が俺を見つめる

 

ようやく頭の中の整理が付いたのか溢れ出る感情

 

悲しみや大事な者を失ってしまったという喪失感、三つの目を閉じさせる

 

最初は血溜まりの中涙が溢れた、三つ目と話した事を思い出して蹲った、三つ目の髪の感触を思い出して声を出して泣いた

 

どうしてこうも簡単にコイツが死ぬんだ、どうして必死に生きてきたコイツが……

 

漫画みたいに感謝の言葉、謝罪の言葉を言いながら死んでいくのでは無く、呆気なく死んだ、殺された

 

最後に俺の事を怯えながら死んでいった………

 

その時俺はこう感じた、必死に生きていく者がどうしてこうもあっさり死んでコイツを虐め抜いて来た奴等はまだ生きている

 

不平等だ、不平均だ

 

なら……俺が不平等になるであろう原因達を殺す、殺し続ける

 

この世が平等になるまで………

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

「……てな感じでアイツ等を殺す時には特に何も感じなくなったんだよ……ってなんで泣いてんの?」

 

話終わると文がシャクリながら泣いていた

 

「だってぇぇ~……余りにも救われてないじゃないですかその話ぃぃぃ~~~」

 

「あ~取り敢えず涙拭け……」

 

ポケットに入ってあったハンカチを手に取り文に渡すと顔を踞せながら目を拭く

 

意外に文ってこういう話慣れてないのかな……千年も生きてたらもっと悲しい事あっただろうに

 

「翔さんは……大丈夫なんですか?その……三つ目さんが死んじゃって」

 

言いにくいかの様におずおずと聞いてきた文、う~ん……そうだな

 

「そりゃあ悲しいし寂しいよ、最後の別れも最悪だったし……でもちゃんと三つ目との思い出は残ってるしな」

 

「……しっかりしてますね…」

 

しみじみとした目で見つめてくる

 

「そりゃどーも……それで?このネタ記事にすんの?」

 

「流石にしませんよ…ていうか出来ませんこんな重い話……新聞取ってくれる人が更に減っちゃいます」

 

変な所しっかりしてんのな……まぁそっちの方が俺も助かるしいっか

 

「それじゃもう話すネタは無い、帰るんだな」

 

「そうですね~……それじゃゴチになります~」

 

ニヤリと嫌らしい笑みを浮かべる文、いや意味わかりません

 

「何……?ウチで夜飯食ってくる気か?」

 

「はい~翔さんの家探してたら昼ご飯取り忘れちゃって…もうこんな時間ですしここで食べちゃった方がいいかな~なんて…」

 

両手をスリスリと擦りお願いのポーズを取る、どうして二人分も用意しなきゃならないんだよ…

 

「もし私の分も作ってくれるのなら文々。新聞を三週程タダで渡しますよ?」

 

うっ……文々。新聞見てみたいしな……しょうがない

 

「あまり食いすぎるなよ……少し待ってろ」

 

「ありがとうございます~これで一食分浮いた~」

 

ホントこの世界の連中は守銭奴多いのな……

 

そんな事を考えながら台所へと今日の晩飯を作りに行くのだった……………

 

 

 

 

……幻想郷に仇なす奴は殺す……だけどそれ以外の奴は絶対に守ってやる

 

 

 

 




う~ん……小説の書き方がわからなくなってきた

小説の本を参考として最近読んでいるんですけど一冊もまだ読み終えてません

なのに五冊ぐらい溜まってます、あれです、買うだけ買って満足する奴です自分

それでは明日は多分ほのぼの(?)ではなく本編(?)になります

というか今回ほのぼのなのかわかりません

それでは!!ドゥワッチ

(棚にノリで雛人形五体ぐらい飾ったら愛着湧いちゃいました)

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