タイトルで展開わかるかも(^_^;)
こんかいはほのぼの回(?)です
それでは今回も!!
~前回のあらすじ、副村長の家に攻め入りました
家に帰ると同時に明かりを付け服も着替えずベットにダイブした
久々のベットの感触…ああ、柔らかい
枕をその腕に抱き寄せ先程の出来事に思いを巡らす
あの後五三には次期村長選挙に立候補していた者への嫌がらせ、または手下を使って殺害等をしていた事が発覚
五三の処罰は慧音の判断により資格の剥奪、地下牢への無期懲役という重い判決結果になった
まぁ妖怪の餌だとか打ち首獄門よりはいいと思うけど
あとこれが一番驚いたんだけど…紫様に雇われ人として雇われました
五三なんかと違ってちゃんとホワイトだけど
何故紫様が五三の所に来たのか聞くと
「折角手間かけて幻想入りさせた人間なんだから簡単に壊れたらつまらないのよ」だそうだ
多分良心といった感情じゃないんだろう…あの人にとって俺は買ったばかりの面白い玩具、そんなもの
別にいいけど…この地で楽しめたら…それでいい
ああ…やっぱ全然寝てないからもう眠いや……
今日は精一杯寝てやる……
二日は眠ってやると決意して夢の世界に落ちていった………
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コンコン
ノック音が聞こえてくる
静かにしてくれ…眠いんだ
そう思うも絶えずにノックは聞こえてくる
コンコンコン
三つ目のノック音が強めに叩かれる
起きてうるさいと怒鳴りつけたいが体は寝返りを打つだけ
ドンドンドン
ノックが段々と激しくなっていく、まるでドアを壊しそうな勢い
…おい、やめてくれよ
・・・・・・・・・・・
やっと音が止んだか…これでまたゆっくりと寝られーーーー
バァン!!
ドアが外れる様な激しい音が玄関から聞こえてくると同時に強い風が吹き掛け布団を剥がす
流石に異常だと思い微睡む体を無理やり叩きおこした
なんだ何が…
「どうも!!清く正しい射命丸 文と申します!!」
寝起きのせいか半開きになった目で声のした所を見ると…赤い瞳をしたフリル付きの黒スカート、白の半袖シャツ、赤い山伏風の帽子を被りカメラを片手に持った少女が居た
あっと…確か東方の文だ…新聞記者の
文は俺を一目見ると苦笑いで言った
「…まさか寝起きだとは…部屋の明かりが点いてたので居留守を使っていると思いましたが、もう夕方の四時ですよ?」
ああそういえば昨日明かりつけっぱで寝てたっけ…というかお前は居留守を使ったら玄関を蹴破るのか
うまく働かない頭で返事をする
「…まだ四時か」
「まだって…どれだけ不規則な生活してるんですか?本当に妖怪退治屋の斎 翔さんですよね?」
訝しげな顔をして俺の顔を見る、余計なお世話だ
「お目当ての斎 翔さんですよ、昨日まで全然寝てなかったんだからもう少し寝させてから出直して下さい」
ただでさえ眠りを邪魔されイライラしてるんだから…
掛け布団を手に取り体にかけると文に剥ぎ取られる
「折角見つけたんですから出直すのは私の性に合いません、さぁ取材を取らせて貰いますよ!!」
そう言ってペンと手帖を取り出す、ああ…なんでこうもこの世界の連中は人の話を聞かないんだ
もう引かないと言わんばかりの顔で見つめてくる文、だー……もう面倒臭い
「わかった、わかりましたから少し待って下さい、顔とか洗うんで」
「はい、そうして下さい、幾ら何でも寝起きのそんな顔を写真機に写したくないんで」
さらりと悪口言うなよ
手でパタパタと返して洗面所に向かう
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「あー…お待たせしました」
「はい、お待たせされました」
ベットに腰掛けながらペンを回して見せる
「それじゃ、こんな場所で取材もどうかと思いますし此方へどうぞ」
「これはご親切に、どうもです」
一先ずリビングに行き椅子に座らせる
リビングにある電化製品を珍しいと言った顔で見回す文
「やっぱここにあるものは見慣れないんですか?」
「いえ…河童の所で良く見るのですが…翔さんが持っている事に少し驚いて」
河童の所…にとりかな?
「これでも元外来人なんで…色々とそこいらの物は外来の物を使っているんですよ」
「ほうほう外来人…ネタになりそうですね」
手帖を広げてメモをする
「…所でどうして私の住んでる所がわかったのですか?」
疑問に思っている事を口にする
まさか魔理沙...あいつか?
すると文はさらりとした顔で
「風の噂を掴む事等が少し得意でして…そこから色々と聞き出して見つけましたよ」
五三の時といい、魔理沙の時といい噂って恐ろしい物だな…
すると文はパタンと音を立て手帖を机の上に置くと口を開いた
「それはそうと、貴方には色々と聞きたい事があるんです!」
キラキラと欲しいオモチャを見つめる子供の様な目をする文
なんですか?警察の方ですか?事情聴衆でもするんですか?
「別にいいですけど…眠いんで手短にお願いしますね」
「また寝る気ですか…寝すぎは体に毒ですよ」
そういえば長い時間寝ると寿命が縮むとか聞いた事あるな…まぁ今まで全然寝てなかったんだしいっか
「それでは、根掘り葉掘り聞き出しますんで、覚悟しといて下さい」
手短にって言ったじゃん…
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文には色んな事を話した
幻想入りした理由、退治屋に就職した出来事、大妖怪を倒した事、副村長に騙されいいように使われた事
文は興味津々と言った顔で聞くから此方としても眠気を無視して話しすぎてしまった
第一印象では常識知らずで融通のあまり効かない奴だったが今では聞き上手といった中々の好印象を抱いた
コロコロと表情を変えて五三に騙された時には怒りを顔に出していたし幻想入りした理由を話した時にはケラケラと笑い声を上げていた
やっぱしこういう所新聞記者の良い所なんだろうなぁ…
「…そんな事言っても何も出ませんからね」
「え?口に出てました……?」
照れているのか赤い顔をする文
「ええハッキリと、別に敬語じゃなくともいいんですよ?」
初対面の人にはどうも敬語になっちゃうんだよな…
まぁタメ愚痴オッケーのサイン出たから敬語はやめにしよっかな
「それじゃ、敬語はやめにします」
「ええ、その方が私的にも絡みやすいので、それはそうと…お褒めの言葉、ありがとうござます」
手帖で赤くなった顔を少しだけ隠す文…いや、相手はこう見えても千歳行ってんだぞ、お婆さん通り過ぎてるんだ…キュンとなんかしてない…はず
「……まぁそれはそうと!!まだ聞きたい事があるんですよ!!」
変な感じになった雰囲気を打ち破るように文が笑顔で言う
「はぁ?まだ聞きたい事あんの?」
もう午後の六時なんですが…そろそろ晩御飯作りたい
「はい、これだけだとまだ分からないことが沢山あるんですよ」
困った顔をして頬杖を立てながらペンを回す、ハッキリ言って仕草が高校生みたいだ
まぁ高校行ったことないけど……バイトばっかだったけど
「それで、わからない事ってなんだよ?」
さっさと終わらせたいオーラを放ちながら俺も頬杖を立てる
「はい、元々翔さんって外来人だったんでしょう?」
…何を今更
「そうだよ、別名異世界人とも言う」
「その元外来人が何故こうも無感情に妖怪を殺せる様になったのか知りたいんですよ、翔さんってほら、虫も殺せなそうな顔じゃないですか」
…俺ってそんな弱虫そうな顔に見えるの?
それにしても…妖怪を殺せた理由ね…
「そりゃあ大妖怪の時に克服したからだよ」
まぁ嘘は付いてないよな
「それも理由にあるかもしれないですが他にもあるでしょう?理由、たったのそれだけであの蓬莱人の頭カチ割ろうなんて思えない筈ですし」
……やっぱり長い間生きてるだけあんのか…これだけは喋りたくなかったけどな
「それじゃあこれから一つの昔話をします」
「昔話……?」
キョトンとした顔を浮かべる文、だが面白そうなネタが手に入るかと思ったのかまたも子供の様に目を輝かせ言った
「もしかして翔さんが経験した過去話ですか!?」
やっぱり勘というかなんていうか……鋭いのかな?
「そ、昔話ってか四日前ぐらいだけど」
「昔話でも何でもありませんねそれ…」
ジト目で見つめてくる文、何を期待したんだこいつ……
「ま、多分ネタにはなるかもだから聞いといて損は無いぞ」
そう言うと期待した顔持ちで話を待つ文
そして俺は子供に読み聞かせる様な穏やかな口調でゆっくりと口を開いたーーーー
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~過去編
徹夜一日目
まだ一日だ、だけどそれは俺の精神を削りに削った
この日は人里での門に突っ立っているだけ、言わば門番をしていた
ずっと立っている、少しでも腰を降ろしたら寝てしまう自信があった
だけども数時間ずっと立っているのはかなり辛い、壁に寄りかかりながら気づけば腰を地面へと降ろしていた
寝てはダメだ…そんな理性と欲の戦い
微睡みながら首をコクりコクりと頷く様に振る
寝ない様にと顔にビンタを食らわせたり頬を抓ったりもした
そんな自分の睡眠欲と戦っている中……小さな妖怪が現れた
九歳かそこいらの男の子みたいな妖怪、だけど目が少しおかしい
良く目を凝らして数メートル先にいるその妖怪を見つめると目が三つあった、俗に言う三つ目小僧に似たもの
狸にでも騙されているのかと思い俺はその妖怪に近づきこう言った
「お前は何だ、人里に何か用でもあるのか?」
すると三つ目はこう答えた
「お腹がすいたから何か食べ物を恵んで欲しい」と
腹の虫が聞こえてくる、俺は睡眠欲に押しつぶされそうでコイツは食欲に押しつぶされそうなのか
何を思ったのか俺は肩に下げている外界のカバンを下ろしそこから一つの林檎を手にもって三つ目にあげた
すると余程腹が減っていたのか林檎を素早く俺から取るとムシャリムシャリとあっという間に食べ終えた
一つのゲップをした後三つ目はハッと我に帰ったかの様にそこから急いで立ち去ろうとしたが更に俺は何を思ったのか三つ目の古ぼけた和服を掴み言った
「俺は眠い、お前に林檎を差し伸べたんだからその代わりと言ってはなんだが俺の話し相手になってくれ、寝そうになったら叩いてくれ」
とお願いをした
三つ目はコクりと小さく頷き俺の隣にチョコンと座った
その後は色々な事を話したよ
何で三つ目はこうも腹が減っているのか、両親はいないのか、何故一人でいるのか…ってね
すると帰って来た答えはこれ
ーーーー家族がいないから
どうやら捨て子のようらしい、住む所も無く、食料も無く、家族の顔も知らない
…明日どうやって生きるかもわからない
その時の三つ目の顔はその幼げな容姿からは想像も出来ない様な顔だったよ
疲れたと言わんばかりに頭を項垂れるその姿に同情したのか俺は
「それじゃ、お前にちょっとした仕事を与える、俺の話相手になることだ、勿論食べ物も充分な程に与えるよ」
妖怪に同情なんて俺らしくもない……だけど子供がしていい顔はこんなのじゃない、例え妖怪でも…だ
すると三つ目は泣いて喜んだよ、三つの目から涙が溢れるんじゃなくて、人間の様に二つの目から水が流れた
ーーーーそしてここから退治屋と小さな三つ目の妖怪の凄く短いおはなしが始めるんだよ
文の感じを真面目そうな雰囲気にしてみたんですがどうでしたか(;´д`)
あと過去編とかの時は~の後に過去編とか未来編?はあるかわからないですけど付けてみます(いらない気がするけど)
まぁ過去編って言っても一日かそこらで終わるんですがね゚(゚´Д`゚)゚
それでは次回まで!!ドゥワッチ!!
(・・・を三点リーダーにしてみたけどどうでしょう)