招かれる者ー人間賛美   作:ニア2124

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こんにちわ、ニアです

いや~凄い雨でしたね

風も強かったし・・・ヤバかった

今回は大体妹紅視点になってます

初めてなんでおかしいかもですが・・・

それでは今回も!!


壊れかけた蓬莱人形

 

~前回のあらすじ、必要だと言われました

 

 

ーーー私の大切な人が壊されそうになっている

 

なんで、なんでいつも私の大切な人が壊されるんだ?

 

私が蓬莱人だから?

 

私が人間じゃないから?

 

・・・どれも違う

 

私が弱いからだ・・・泣き虫だからだ

 

臆病だからだ

 

大切な物を保護する所か無意識に自分を一番に保護するからだ

 

・・・お父様の時だって輝夜に

 

もうこれ以上私を苦しめないで

 

これ以上・・・・翔を苦しめないで

 

痛い、痛いよ

 

こんな痛みがずっと続くんだったら

 

ーーーーいっそ○○○しようかな

 

 

 

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ここ最近ーーーーといっても数日前からだけど

 

人里も少し元気を取り戻してきた

 

嬉しい事だ、慧音も喜んでいる

 

だけど私は心の底からは喜べなかった

 

・・・・・最近翔に会ってないんだもん

 

ミスティアの屋台から人里の茶屋から博麗神社まで

 

翔が行きそうな場所は大体回った、それにも関わらず翔に一度も会っていない

 

一体何処にいるんだろう、霊夢や魔理沙に聞いてみても困った様な顔をしていた

 

お陰で会えないせいか心にモヤがかかったような、そんな気分

 

今度翔の家探して突入しようかしら

 

今日も多分翔の行きそうな所を回っているんだろうか

 

たったの何十年しか会えないんだから一日でも、一刻でも早く会いたい

 

そんな気持ちで自然と屋台へ足が進んでいた

 

 

だけど・・・・・・いきなり足が止まる

 

まるで脳が、体中の神経がストップをかけたかのような

 

ここから少し離れた所を歩いている睫毛辺りまで伸びた黒髪の男性

 

私よりも身長が高い、人里の人間とはまるっきり違う服を着た

 

この数日感ずっと探していた人

 

最初は足が一歩ずつ、少しずつと歩んでいくだけだった

 

次に足の進むテンポが速くなって、気づけば全速力でその人に向かって走っていた

 

早くなる動悸、荒くなる呼吸、自然と進む足

 

決して走っているせいではない

 

私の心が、気持ちがそうさせる

 

やっと追いつき肩に手をかけて息を整えながら名前を呼ぶ

 

「か、翔・・・・」

 

汗大丈夫かな、変な顔じゃないかな・・・

 

顔が段々と熱くなるのを感じる、ああ・・・久々の気持ちだ

 

だけど・・・・翔が振り向いた瞬間

 

心は冷水を浴びせられたかのように冷たくなる

 

「ああ・・・・妹紅か、久しぶり」

 

振り向いた彼の顔は痩せこけ、目の元には隈が張り付いていた

 

一目見て健康不良なのが伺える

 

「な・・・ッ!?翔、どうしたのその顔!!」

 

堪らず大声を上げてしまい周りにいる人間が一斉に注目する

 

だけど、そんなの知った事じゃない

 

なんで翔がこんな顔をしているのかを知るのが最優先だ

 

翔は痩せこけたその顔で疲れた様に笑ってみせる

 

まるで私がミスティアの屋台でした時の様な、そんな笑顔

 

「ああ・・・仕事が立て込んでてな、もう三日程寝てないよ」

 

ハハハ、と元気の無い声で作り笑いを見せる

 

三日もーーーー

 

「な・・・なんで三日も・・・ちょっとは休みなさいよ!」

 

「そうゆう訳にはいかないよ・・・一時でも休んだらーーーー皆が死んじゃうかもしれないんだから」

 

・・・え

 

それってどうゆう・・・

 

そのことを聞く前に翔に先を越される

 

「あ、ごめんな妹紅、五三さんに会わないと・・・それじゃあ」

 

「え、ちょっと待っーーーー」

 

私の言葉を聞く前に走って行ってしまう翔を

 

・・・・私は追いかけられなかった

 

 

五三・・・宗太

 

確か人里の次期村長選挙に立候補している副村長

 

あいつが翔を・・・?

 

とりあえず、・・・会ってみる価値はありそうね

 

一応慧音も誘おうかしら

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

今の私だったら例え紅い館に住んでいる吸血鬼でも

 

隙間妖怪でも燃やせそうな気がする

 

道行く道を人間が避けていく、それ程までに恐い顔をしているのか

 

「も、妹紅、ちょっと落ち着こう」

 

隣に居る慧音がおずおずとした感じで口を開く

 

「何言ってるの慧音、落ち着いてるよ私は」

 

「・・・ならいいんだが」

 

大丈夫よ、大丈夫

 

まだ五三が原因でああなった訳でも無いし・・・まぁ五三が原因でああなったのなら「燃やしちゃうかもだけどね」

 

「・・・・妹紅、燃やさないでくれると助かる」

 

「え、口に出てた?」

 

「はっきりと」

 

そんな微妙な雰囲気の中、目的の人物の家に到着した

 

「・・・あれ、慧音さんに妹紅さんじゃないですか、何の御用で?」

 

家の前に立っている不精髭が珍しいと言った顔で話しかけてくる

 

「ああ、ちょっと副村長に用があってな」

 

「副村長に・・・ですか?今副村長は手が放せないと言うか・・・・ッヒ」

 

あまり中に入らせたくないのか駄々をこねる不精髭を気づけば私は睨んでいた

 

邪魔をするな

 

心に黒いモヤがかかるような、そんな気がして

 

小さく悲鳴を漏らし青白くなった顔で後ずさる様を見て正気に戻る

 

「悪いね、睨んじゃった・・・それはそうと、副村長に早く会わせてくれないかしら?」

 

男は青白いままの顔をコクコクと縦に振って道を開けた

 

「・・・・右に曲がって一番奥の部屋に居ます」

 

「ありがと、それじゃあ慧音、行こ」

 

後ろを向いて促す私を見てかポツリと慧音が言った

 

「・・・頼むからあまり大事にはしないでくれよ」

 

その質問には敢えて答えずドアを開いた

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

右に曲がって一番奥の部屋、一番奥の部屋

 

頭の中で決して忘れてしまわない様に何度も何度もその言葉を反芻させる

 

慧音が私の少し前を急いだ様に走り出す

 

一番奥の部屋を慧音が二回程ノックするとドアの向こう側から「どうぞ」と言う男の声がした

 

「失礼します副村長」

 

ドアを開けると副村長五三宗太が新聞を読んでいた

 

やっぱり忙しいってのは嘘だったのね

 

私達の姿を見るや否や驚いたように目を見開く

 

「・・・慧音様に妹紅様が何の御用で?」

 

先程の不精髭と同じような事を言う五三、こんな事を何度も聞かれるよりさっさと本題に行きたい

 

「ええ、少し翔と副村長の関係を知りたくて」

 

関係と言っても恋人や愛人といった関係じゃないと思うけど、少なからず関係がありそうよね

 

というかもし恋人と言った関係だったら目の前のこの男を炭にしてるけどね

 

そんな私の質問を不思議そうな顔をして返す

 

「関係・・・ですか?そうですね・・・雇い人として翔さんを雇った関係・・・ですかね?」

 

雇い人・・・?

 

私の心情を読み取ったのか慧音が代わりに口を開いた

 

「雇い人とはどうゆう事ですか?」

 

五三は新聞を畳んで机の上に放り投げるようにして置く

 

「そのままの意味ですよ、八日程前に翔さんの家にお邪魔しましてね、その時に少し話をしまして、その後日正式に私が雇い人として雇ったんですよ」

 

八日前・・・私が翔と会えなくなったぐらいの頃だ

 

「何のために翔を雇ったんです?副村長には人手もあるでしょう、何故わざわざ翔を?」

 

慧音も少し翔を雇う意味を訝しげに思ったのか疑いを強める

 

対して五三は体を伸ばして少しの間を作る

 

長い間座っていたのか伸ばした背中辺りから骨が軋む様な音が聞こえる

 

「そうですね・・・人里の為にですよ」

 

「・・・人里の為?」

 

「そうです、この間までの人里の状態はかなり悪い物でしたからね、翔さんを護衛等に付かせれば人里の安心も深まると思った所存でして、実際に人里は活気を取り戻しつつありますし」

 

その言葉を聞いて慧音は嬉しそうに口を開く

 

「そうなんですか?なら別にいいのですが・・・妹紅の勘違いみたーーーー「違う」

 

慧音の言葉を遮って口を開く

 

私が一番に思っている疑問を

 

「それじゃあ・・・何故翔は三日も寝ずに働き詰みなんでしょうか?」

 

その言葉を聞いて慧音がギョっとする

 

「三日・・・!?そんなに働いているのか翔は?」

 

「うん・・・翔の口から直接聞いたよ、仕事が立て込んでいて三日も寝ていないってね、どういう事ですか副村長?」

 

机を叩いてキツめの口調で問いただす、ここで追求しなかったら翔がどうなるか分からないから

 

フーと息を深く吐いて両目を親指と人差し指で摘むようにして擦る五三

 

ちょっとした間の後低い声で言葉を返す

 

「そうですよ、翔さんには一日に休憩時間込みで二十一時間程働かせています」

 

予想外の勤務時間の長さに絶句してしまう

 

この男は・・・・人の身体を、翔の事をどう思っているんだ

 

五三の言葉に怒りを覚えたのは私だけでは無く慧音も同じだったようで驚愕が混じった上ずった声をあげる

 

「二十一時間!?貴方は何を考えているんだ!!そんな時間働いていたら身体が持たない!!」

 

大声をあげる慧音にも焦らず冷静な声色で言葉を返す

 

「ええ、そうでしょう、だけどもこれは人里の為なんです慧音様方なら分かると思ったんですがね、それに」

 

座り心地が悪いのか一度腰を宙に浮かし座り直して言葉を再開させる

 

「翔さんからも許可を取りましたよ?」

 

「・・・・許可を?」

 

目を細めて今にもハクタク化しそうな雰囲気を醸し出す慧音が聞く

 

「はい、私が人里に翔さんが必要だって言ったら快く許可してくれました」

 

人里に翔が必要・・・?

 

翔が言っていた事ってこのこと?

 

だけどこんな事では納得もいく筈がない

 

「許可する以前にもう少し休暇を取らせては?今の仕事状況では睡眠も取れやしませんよ!?」

 

いつになっても納得しない私達に業を煮たしたのか荒い口調で

 

「そんな事はどうでもいいんですよ」

 

本性を露わにする五三ーーーーーーーー

 

 

「実際に言ってしまえば翔さんの事なんてどうでもいい!!倒れようが壊れようが知ったことでは無いんです」

 

突然過ぎる暴言に呆然としてしまう私と慧音

 

「人里の事なんて翔さんを納得させる建前に過ぎない」

 

呆然とする私達を知ってか知らずか言葉を絶やさない五三を見て心の黒いモヤが濃くなる様な気がした

 

「あの人はただ私の為に働いて私の地位を築き上げるだけの便利な道具なんです」

 

だめ、やめて、これ以上喋らないで

 

「能力持ちで強い外来人、これを使役しない訳にはいかないでしょう」

 

拳が熱くなるのを感じる

 

これ以上喋ったら・・・・

 

「あの人が頑張れば私にも利益が訪れるし人里の活気も戻る!!一石二鳥じゃないですか!?」

 

貴方を・・・この小汚い男を

 

「たかが外来人、その一人が壊れたってーーーーー誰も悲しまない」

 

 

殺してしまうから

 

 

 

妖力が溜まった右腕を男へと一直線に殴りかかる

 

一発で殺すーーーー翔が苦しんだ思いを受け取れ!!

 

その汚い臓物を引きずり出してやる!!!

 

ーーーーだけど

 

腕を誰かに掴まれ阻止される

 

「・・・何のつもりなの・・・?慧音!!」

 

後ろを向くと青色のメッシュが入った銀髪の女性・・・・私の友人である慧音が腕を掴んでいた

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「・・・・・妹紅」

 

険しい顔をする慧音

 

「何よ!?放してよ慧音!!邪魔する気?だったら慧音もーーーー」

 

バチン!と音が部屋に響く

 

副村長の部屋には腰を抜かした五三宗太と

 

手を妹紅に向かって横にスイングさせた上白沢慧音と

 

頬を片方だけ赤く染めた藤原妹紅がいた

 

「落ち着け妹紅!!」

 

慧音の一喝が部屋全体を静まり返す

 

「このままこの男を殺した所で妹紅がお尋ね者になるだけだ・・・すまないがここは耐えてくれ」

 

「・・・クソッッ!!!!」

 

言葉無く涙を流す妹紅だったが限界が来たのか妖力が溜まった拳を壁に殴りつける

 

大きな音を立て壁に亀裂が走り、威力の強さを物語っていた

 

「なんで・・・なんでなんでなんでッ!!なんで私の大切な物を寄ってたかって壊すのよ!!もうこれ以上苦しめないで!!!」

 

言葉無き涙が絶叫へと変わってく

 

千三百年程の長い長い妹紅の過去は

 

 

・・・・・誰かを失うのに酷く怯える様に妹紅に仕向けた

 

気づけば慧音も静かに涙を流しており・・・涙していない者はこの光景を狼狽えながら見ている五三だけだった

 

「・・・すまない妹紅・・・・!今は耐えてくれ・・・・」

 

「・・・・ッあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

言葉にならない、怒りの矛先をぶつける事も出来ない

 

 

ーーーー大事な者を救う事も出来ない銀の髪色の壊れかけた女の子は

 

 

ただただ、悲鳴を上げる事しか出来なかった

 

 

 

 

 




う~んなんだろうこの既視感

ひぐら○の○く頃○を書いてる途中に思い出しました

脳内の全情報を(ry)

それより慧音の口調がわかりません

調べてみたら妹紅に「~です」「~ます」といった敬語使ってるんですよね

それに慧音って霊夢より背小さいみたいですね、イマイチわからない・・・

それでは次回まで!!ドゥワッチ

(ある歌が永遠ループされてます、助けて下さい\( ・ω・`\)わっしょい(´/・ω・)/)

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