招かれる者ー人間賛美   作:ニア2124

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どうも・・・ニアです

出来ないかもしれないとか言っときながら投稿しちゃいました

なんか書かないと落ち着かなくなりました

病気ですかね?

それでは今回も!


雇い主と雇い人
雇い人


 

~前回のあらすじ、星を眺めました

 

 

妖怪が人里を襲った事件が過ぎて早一ヶ月程

 

怪我も治り妖怪退治を再開した

 

だが、始めた頃とは違い、今の仕事の量が

 

「・・・・圧倒的に多すぎる!!」

 

ポストに溜まりきった依頼の手紙を見て空へと大声で叫ぶーーーー

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

取り敢えず手紙を全て出すと十通もの手紙が現れる

 

依頼内容は配達屋の護衛

 

行方不明者の捜索

 

山賊に物を奪われたから取り返しにいって欲しい~~~等

 

依頼内容を見て驚愕する事が二つ

 

一つは妖怪を退治する要素の依頼が全く無いこと

 

もう一つはーーーー行方不明者(?)の中に犬や猫といった動物が含まれていること

 

妖怪退治屋は邪なる妖怪や人間を倒すことが仕事

 

言わば人間にとっての敵を追い払うお仕事

 

だと言うのに猫や犬の救出と来た

 

なんでも屋では無く万事屋でも無い

 

妖怪退治屋だーーーーーなのに

 

この依頼・・・どうゆう事ですか・・・?

 

拒否したいのは山々、だが

 

自分は元々外来人

 

幻想郷に住んでいる人々とは違う世界から来た異世界人

 

いくら人里に馴染めてきたと言ってもそれは特定の人達のみ

 

手紙を突き返してその依頼主の怒りを買うのは御免こうむる

 

という訳で友好関係を広める為には依頼を承諾する他ないんだけど・・・

 

この量はなぁ・・・

 

護衛等の仕事はその人の護衛してもらいたい日にちが決まっているからその日までは得に何もしなくていい

 

だが、捜索や山賊、妖怪の討伐となるとそのノルマをクリアするまで終わらない

 

護衛の仕事依頼が4、捜索願が3、山賊や妖怪の討伐が3

 

この今回の依頼の量だーーーー

 

流石にこれは週レベルで時間がかかる・・・

 

ジュースが入れてあるマグカップを片手に手紙を何度も読み返して悩む

 

そんな時間が何分続いたか

 

二杯目のジュースを飲もうと冷蔵庫に向かうと

 

 

ドアのノック音が聞こえる

 

・・・魔理沙か?

 

だけどアイツはノックする前にドアノブを捻るからな・・・・

 

念の為にマグカップを机に置いてステッキへと持ち変える

 

ドアを注意しながらゆっくり開けるとそこにはーーー

 

 

刀兵を左右に置いている、如何にも裕福そうな格好をした男が立っていた

 

 

・・・誰?

 

刀兵を手で合図して後ろに下がらせるその男は

 

人の好さそうな笑顔で俺に話しかける

 

「え~・・・っと、妖怪退治屋をしている斎 翔さんでいいかな?」

 

「あ、はい・・・」

 

知らない者の訪問で生返事で答えてしまう

 

「お~君が人里を妖怪から救ってくれた退治屋か~、会えて本当に良かったよ」

 

馴れ馴れしく笑顔で肩を叩く

 

う~ん・・・こうゆうタイプちょっと苦手・・・

 

「えっと・・・どなたで?」

 

その男はハッとした様に広いデコを拭いながら

 

「あ、そうだった、自己紹介がまだだったね、私人里の副村長、五三 宗太(いづみ そうた)と言います」

 

うわぁ・・・凄く普通なお名前

 

「副村長・・・ですか・・・まぁ立ち話も何ですし外も暑いでしょう、上がってくださいお茶用意するんで」

 

「お、これはありがたい・・・自分汗かきなもので・・・」

 

ええ、見てわかります、服ベトベトですもの

 

傍にいる刀兵も上がらせリビングに案内させる

 

「おぉ~・・・これまた、見たことも無い・・・」

 

リビングに入っての第一声がこれですか、まぁ幻想郷では珍しい物だと思うんだけど・・・

 

「外界の電化製品ですよ、紫様が用意してくれたんです」

 

冷蔵庫の中にある冷えたお茶を汲み机の上にコップを四つ並べる

 

「ゆ、紫様と言ったら・・・この幻想郷を創造したと言われる者ですか・・・!?」

 

驚愕の声を漏らす

 

「ええ、その紫様です」

 

「はぁ~・・・その様な方と接点があるとは・・・驚きました」

 

やっぱり紫って神みたいな存在として見られているのかな・・・?

 

まぁそれは置いといてささっと本題行きますか

 

「それはさておき、副村長が私に何の御用で?」

 

疑問を口にすると視点を俺へと戻す

 

「ああ、脱線してしまったら元も子もないですね」

 

汲まれたお茶を短く飲み込み重たい口調で口を開く

 

「今の人里の様子は知っていますよね?」

 

やっぱりその話題か・・・

 

面倒臭い依頼されそうだな

 

「ええ、百も承知です」

 

首を深く縦に一回振る

 

「それなら話は早い、翔さん、貴方にはーーーー

 

 

                    私の雇い人になって欲しいのです」

 

 

雇い・・・人?

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

意外すぎる内容に言葉を詰まらせてしまう

 

てっきり妖怪の退治依頼だと思ったんだけど・・・

 

護衛でも無く捜索依頼でもない

 

雇い人になって欲しいと来た

 

そりゃぁ驚きますよ・・・

 

「えっと・・・雇い人とは・・・?」

 

俺の疑問の声を聞いて急いで言葉を付け加える

 

「ああ、言葉が足りませんでした、詳しい所話すと~~~」

 

 

 

話を聞いた所どうやら俺には人里の防衛をしてもらいたいらしい

 

人里の防衛、副村長という仕事柄出掛ける事も多いらしくその護衛

 

人里の人間を食らった妖怪の処理などなど

 

金は月末制で充分な程に払う

 

意外に結構良さそうな仕事内容だけど

 

流石に直ぐには決められないよな・・・

 

「どうでしょう?大妖怪を撃退した翔さんが人里を守るとなったら人々の顔色も良くなると思いますし」

 

大妖怪を撃退したと言ってもあの妖怪霊夢とも戦ってたし・・・

 

「人里の護衛は慧音さんに任せておけばいいのでは?」

 

そう尋ねると難しい顔をして言葉を詰まらせる

 

「・・・慧音様に任せたいのは山々なんですが・・・あの方も半人半獣、言わば人外、彼らの中では妖怪に分類されてしまうんですよ・・・」

 

「信頼と言うものは容易く壊れてしまうもの、積み上げた信頼が今回の事件でヒビが入ってしまった、今の人里の連中はこう考えている連中も現れたのです」

 

 

 

「ーーーーもしかしたら人里の守護者、上白沢慧音が暴走して人里を襲うかもしれない、もし暴走してしまったら自分達で止めることなんて出来ない、とね」

 

それ程までに今回の事件は大きかったのか

 

まぁ、傷害者どころか死傷者も出ちゃったしな

 

なんて考えていると、副村長が机に両手を強く叩いて頭を下げる

 

「頼みます翔さん!!私も今の人里を見ていて辛いんです、三週間程前までは皆笑っていた、妖怪にも笑って接していた!!なのに、なのに・・・」

 

大の大人が涙を流して次の言葉を必死に振り絞る

 

「今では人々の顔は死者のそれと変わらない!!妖怪に怯えきっている!!それを・・・翔さん、貴方に変えて欲しいんです・・・お願いします」

 

左右に居る刀兵の二人も頭を下げる

 

 

・・・最初この人を見た印象は軽々しい態度でそこまで好感を得れなかった

 

だけど、この人も・・・

 

まだ会って間もないけれど、人里を愛しているんだな、とつくづく思う

 

 

ーーーーー俺ってお人好しかな・・?

 

いや、恐らくこんな事言われたら誰だってせざるを得ないよな・・・

 

「わかりました、その条件を飲みます」

 

「・・・え?」

 

「条件を飲みますと言っているんです、雇われの身になります」

 

パッと出の外来人が不安に包まれている人里を変えられるかもしれない

 

そんな漫画みたいな展開をこの身で体験出来るんだ

 

どこに断れる要素があるって言う

 

 

五三さんはまたも涙を流す

 

それはさっきの悔し涙とは違うーーー感涙に似た涙

 

目元を何度も擦って赤く腫らす

 

まるで自分の我が子が助かったかの様にしゃくり上げ感謝の言葉を口にする

 

・・・何だか照れくさく感じるな

 

 

ーーーーだけど、それと同時にどこか違和感を感じる

 

 

・・・気のせいだろうか

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

やっと落ち着いたのか五三宗太は赤く腫れ上がった目で最後に深々と頭を下げる

 

「ありがとうございます、翔さんのお陰で人里も活気を取り戻します、本当に、ありがとうございます」

 

薄ら上がった頭を凡そ九十度下げ礼を言う

 

翔は礼を言われるのにそこまで慣れていないのか顔が少し赤くなっていた

 

「いや、そう何度も頭を下げないでくださいよ、それではまた明日、五三さんの所にお伺いするので」

 

この短時間・・・と言っても1~2時間程だが両者とも笑い合える仲にまで進展した

 

五三のコミュニケーションの良さがいい方向に進んだのか、はたまた違う理由で仲が深まったのか

 

「ええ、それではまた後日会いましょう・・・お待ちしています」

 

最後に別れの礼をして扉を優しく閉める

 

ジャリ、と言う音を立て土の地面を歩く

 

翔の家を少し離れた所で右手に居る刀兵が口を開いた

 

 

「いや・・・副村長様の演技、素晴らしいですね」

 

ーーーそう、演技

 

五三宗太は、人里の連中には何ら興味がない

 

興味があるものは人里の地位と権力、そして金

 

その三つを手に入れる為だったら何だってする

 

例え盗みだろうと

 

ーーーー殺しだろうと

 

五三は口角を釣り上げこう言った

 

「ああ・・・まさかあんな簡単に騙されてくれるなんてな、承諾を得た時など思わず聞き返してしまったよ」

 

いやらしい笑い声を上げる三人

 

「まぁ、承諾しなかったらしなかったで・・・武力行使に入るだけだったけどな」

 

刀兵の鞘に入った日本刀を眺める

 

「能力を持っていて更には妖怪退治屋をやっている外来人だ、使わなければ損だろう?精神が擦り切れるまで使い切ってやるよ・・・」

 

今回翔に接触して雇い人にさせた理由は人間の為では無くましてや人里の為でもない

 

己のためーーーー

 

金のためーーーー

 

権力のためーーーー

 

 

皆考えてみて欲しい

 

革命が始まり自らの命も危ぶまれたその時

 

自分の直ぐ傍に数々の戦前をくぐり抜けたレンジャーが居るとする

 

その者をどう使役する?

 

銃の扱いでも教えてもらうか?

 

敵が現れた対策の為体術を伝授させてもらう?

 

否・・・恐らくは自分を守る護衛に扱うだろう

 

 

この人物も同じ、毎回毎回人里の外に出る度に刀兵を何人も引き連れるにはそれなりの人員と金が必要

 

一銭でも金を少なくする為に能力を持つ退治屋、斎 翔に接触したのだ

 

「俺は、一銭でも払う金が少なくなるんだったら何だってする、媚びる、靴だって舐める、それこそーーーー殺しだってやるよ」

 

 

 

三人の笑い声は誰の耳に届く事無く虚空へと消えていったーーーー

 

 

 

 

 




三人称視点難しい!!

(゚ν゚)ニホンゴムズカスィネー

何故か気がついたらPCの電源付けて小説書いてました

我に帰った時には完成してました

きっともうひとりの僕が(ry

ここらで副村長の紹介

年齢40前半、身長165程

五三 宗太(いづみ そうた)

次期村長選挙に立候補中の副村長です

それでは次回まで、ドゥワッチ

(副村長の名前三十秒で考えたなんて絶対言えない)

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