招かれる者ー人間賛美   作:ニア2124

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タイトルで誰か察せそうですね(汗)

それでは今回も!!

(頭痛い・・・)


永遠を生きる彼女

~前回のあらすじ、綺麗な場所へ案内されました

 

 

 

~人里

 

未だ人々が以前までの活気を取り戻していない様子はかなり寂しい

 

前では客の呼びかけや道端を走っている子供が見られたと言うのに

 

今では人々の顔には怯えと恐怖が伺える

 

そんな喧騒の無い人里の中

 

「ん~・・・どこにあるんだ?」

 

斎 翔は何かを探していた

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ん~ここら辺にあると思うんだけどな~

 

今の人里の連中にこんな事言える度胸無いし・・・

 

「お、あったあった」

 

そこにはーーーーー一台の移動式屋台があった

 

 

 

「いらっしゃいませ~」

 

屋台の中には赤と白のモンペを着た藤原 妹紅と

 

 

雀の様な色をしたジャンバースカートを着た、ミスティア・ローレライがいた

 

「いらっしゃいました~オハー妹紅、ミスティア」

 

少し茶化す様に妹紅の隣の席に座ると驚いた様な顔をする二人

 

「あれ、翔じゃない、よく屋台の場所わかったね」

 

「よくわかったね、じゃねぇよ勝手に移動するなっつーの、どこにあるかわかんなくなんだろが」

 

ミスティアとは暇な時にふと俺がミスティアに会ってみたいと思い屋台に通い続けた結果常連客みたいになってしまった

 

そんな仲の良い客と店員みたいな関係

 

「しょうがないじゃない、あの場所だと客が全く来ないんだもの」

 

「どの場所でも客なんてどうせ来ないだろうが」

 

「そんな事ないわよ、いつもは結構来るのにあの妖怪のせいで人が全然来なくなったのよ」

 

あー・・・やっぱりミスティアに関しても恐怖を感じちゃうのかな・・・

 

「なるほどねー・・・あ、注文はいつもので宜しく」

 

「はいはい、ちょっと待ってて」

 

料理の準備をしているミスティア

 

今の内に妹紅に色々と聞いちゃうか・・・

 

「なぁ妹紅、最近の人里どんな感じ?」

 

途端に表情が曇る妹紅

 

「どうもこうも、妖怪達に壊された物の修理は大体終わった、だけど・・・」

 

「壊れた物はまた直せばいい、だけどそれは人となると話は別になるわよね・・・あんなに元気のあった人里も今では廃村みたいな物だよ・・・」

 

その表情からは人里を心の底から心配している事がわかる

 

・・・やっぱり好きなんだなぁ・・・人里の連中

 

「しかも恐怖の対象にされるのが妖怪だけじゃなくて人外にもなんだからね・・・私にも素っ気ない態度されるんだよね・・・」

 

・・・寂しそうだな

 

「っと、すまないね、愚痴なんて零してしまって、ウンザリするでしょ?」

 

疲れた様な笑いを作る妹紅

 

・・・純粋に力になりたいよなこうゆう時は

 

「いいや、そんな事ないよ、今日は俺に向かって愚痴零したっていいんだぜ?今まで溜まってる分全部な」

 

安心させるように笑顔を作る

 

森羅万象笑顔は何時だって場を和ます力を持ってるからね笑顔は

 

対する妹紅は少し嬉しそうに

 

「そっか・・・それじゃあ、覚悟してね今日はたっぷりと付き合わせて貰うから」

 

やっぱりこいつにはこの顔が似合ってるよな・・・

 

「ああ、お手柔らかに」

 

 

「あ~良い所邪魔して悪いんだけど、出来たよ」

 

カウンターを見ると八目鰻と水が置いてあった

 

「お、これはまた美味しそうな・・・」

 

「そりゃどーも、というかウチは定食屋じゃなくて飲み屋なんだから水なんて頼まないでよね」

 

しょうがないじゃん・・・酒なんて飲んだこと無くて少し怖いんだもん

 

「注文するだけありがたく思いなさい」

 

「冷やかしに来てるんだったら追い出してるよ」

 

屋台に笑いが起こる

 

妹紅も少し元気出たみたいだし・・・いい感じだな

 

「それじゃ、妹紅の愚痴をツマミにして頂きますか」

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「それでさぁ~!あの態度はひどくない!?今まで人里を守ってたのは誰だっての!!私と慧音だよ!!なのにいきなりあの態度・・・処されても文句言えないよね!?」

 

・・・前言撤回こいつ人里の連中本当に好きなのか・・・?

 

てか酒飲みすぎだろ・・・酒臭すぎ

 

「そ、そうだな!いきなり態度変えるのはよくないね・・・」

 

「ほんっとだよ!!ったくあの連中・・・燃やしてやろうかしら・・・」

 

メッチャ怖いやんこいつ、殺気出てますよ

 

てかミスティア助けてくれよ・・・俺一人でこの大魔王相手にするのは自殺行為だよ

 

ああ・・・目線でヘルプ送ってるのに無視するんですね、目逸らすなよ、これからお前のこと蛾の妖怪って言うぞ

 

それでも絶えずミスティアに救難信号を送っているといきなり腕を組まれる

 

「ちょっと~翔、聞いてるの?聞いてないだろ~・・・」

 

「聞いてる!!聞いてるから腕離して!!」

 

当たってるから、当たってるから!!

 

そんな俺の様子を取ってか取らずなのか意地の悪そうな顔をして更に押し付ける妹紅

 

ああああああ・・・ダメ、俺の理性が・・・

 

ここにしてようやくミスティアから救いの手が差し伸べられる

 

「あー・・・ここらにしときなよ妹紅・・・流石に飲みすぎだよ」

 

つまらなさそうに腕を引っ込める妹紅

 

サンキュー助かった・・・

 

「それじゃあそろそろお開きにしますか!もう午後の八時を回ってるし・・・」

 

というか4時間近く飲んでたのか・・・そりゃぁ酔うわな

 

赤い顔で首を縦に振る妹紅、流石にギブアップみたいだ

 

「じゃあ、ありがとなミスティア、また今度来るわ!」

 

妹紅の腕を首に回し担ぐような状態で帰っていくその姿は酷く滑稽な気がする・・・

 

「ええ、また来なさいね、家に連れ帰って変な事しちゃダメだよ?」

 

茶化すような笑みで言うミスティア、したらしたで後が怖いです・・・

 

 

 

 

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人里離れた竹林

 

たしかここらへんが妹紅の家だったよな・・・

 

妹紅を肩で担いだまま家を探す

 

意外に軽いな・・・やっぱり女の子だからか?

 

下らない事を考えているうちに竹に囲まれた小さな家がポツンと見える

 

お、あったあった

 

一回だけ妹紅の家にお邪魔した事あったから良かったけど・・・

 

見つからなかったら俺の家に泊まらせる事になったのかな?

 

流石に外にほっぽり出す事なんて出来ないし・・・

 

妹紅を壁にそっと寄りかけさせ布団を敷く

 

そこまで部屋の数が少なくて助かった・・・勝手に部屋を荒らすなんて泥棒だからな

 

妹紅をいわゆるお姫様だっこで持ち上げ布団に優しく下ろす

 

さて、これで俺の仕事も終わりだな・・・っと?

 

放れようとしたら首に手を回される

 

急いで解こうとするが力が思ったよりも強く、あまり離れそうにない

 

・・・この態勢キツイんですけど

 

流石にこの状態のまま夜を過ごす訳にもいかない

 

・・・少し悪いけど手荒に解かせるか?

 

腕から抜け出そうと四苦八苦していると寝言なのか妹紅から声が発せられる

 

 

 

ーーーーー行かないで、と

 

その言葉から察せられる物はとてつもなく大きくて

 

 

・・・とてつもなく悲しかった

 

 

こんな幼気な少女が永遠と言う時を過ごすなんて

 

想像もつかないぐらい寂しいんだろう

 

大事な者が出来ても直ぐに離れていってしまう

 

その度に何度心が締め付けられた事だろうか

 

死にたくても死ねない

 

それは俺の様な普通の人間にはきっと理解の出来ない世界

 

だがそれを目の前の少女は体験しているんだ

 

それも、何年も、何十年も、何百年も、何千年もーーーー

 

きっと、いや

 

絶対に平気でなんていられない

 

支えてあげたい

 

だけど、何十年かで死んでしまう自分なんかに支えられる事なんて出来る訳がない

 

 

・・・なら、今、この一瞬でもいいから支えたい

 

こんな無能な自分が泣いている少女を支えてられるんだ

 

たとえ一瞬でも

 

嬉しい事じゃないか

 

 

ーーーーー俺は、そのまま目を瞑った

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「う・・・んん・・・」

 

寝ぼけた意識が段々と覚醒していく

 

目を開けた先には・・・・翔がいた

 

 

・・・・え?

 

 

ええええええええええええええええええええええええええええええええええ

 

な、なんで翔が・・・

 

まさか昨日・・・クッソ!!思い出せない!!

 

まさか、まさか私が酔った勢いで・・・・

 

 

ああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

そんな事があってたまるか!!翔は・・・

 

 

翔は仲の良い友人みたいな物だし・・・そんな感情は一切・・・・

 

じゃあ、この状況は一体・・・

 

 

・・・・気持ちよさそうに眠っている所悪いけど、状況の確認が先よね・・・

 

「か、翔、起きて・・・」

 

体を揺さぶり声をかける

 

「ん・・・ああ、妹紅か、オハヨ~」

 

いや、オハヨ~じゃないから!!何でそんな平気でいられるのよ!!

 

「ねぇ翔、こ、この状況は一体・・・」

 

今思っている疑問の言葉を聞くと顔を赤らめる翔

 

まさか・・・本当に・・・

 

「ああ、妹紅もうあの時から寝てたもんな、なんか首をがっちりホールドされて動けなくなった結果がこれです」

 

あ、そうなのね、良かった・・・

 

まぁ恥ずかしいのには変わりないけど

 

自分の顔を自分で叩き、意識を完全に覚醒させる

 

「そう、それなら良かった、ならそのお礼にご飯を用意するよ、昨日は迷惑かけちゃったみたいだしね」

 

立ち上がろうとすると翔に服を掴まれた

 

・・・?

 

「なぁ、妹紅、寂しい事とか俺にぶつけてもいいんだぞ?何時でも相談に乗ってやるからさ、あと朝ごはんは俺が作るよ、昨日飲みすぎで頭痛いだろ?」

 

「・・・?あ、ああ、わかった、任せるね」

 

立ち上がり台所に向かう翔

 

 

・・・・なんだろう?さっきの翔の言葉・・・どこかで似たような事聞いた気が・・・

 

ああ、慧音に言われたんだった・・・

 

確かあの時は・・・

 

「大丈夫か妹紅?うなされてたみたいだったけど・・・何か不安な事があったら私にぶつけてもいいんだぞ?何だってお前は蓬莱人なんだから、溜めすぎるのは良くないからな」

 

こんなのだった気がする・・・

 

もしかして

 

フラフラした足つきで台所にいる翔に声をかける

 

「・・・ねぇ翔、私って寝ている時に何か言ってた・・・?」

 

翔はキョトンとした顔をした後からかうような口調で

 

「ああ、行かないで、とか言ってたな、可愛かったぞ~」

 

・・・ああ

 

やっぱり翔も優しいんだね

 

だったらあの状態も納得いく気がする・・・・

 

「そう・・・ありがとね、翔!」

 

何故お礼を言われているのかわからないのか複雑な顔をする

 

 

まぁ・・・わからなくていいよ

 

私が翔に

 

 

好きだって感情を覚えた事なんてねーーーーー

 

また離れてしまうのは寂しいけど・・・

 

しょうがないよね

 

翔の一生は私にとっては短い一生だけど

 

せめて・・・

 

 

楽しませてもらうわよ、翔

 

 

 

 

 




もこたんハァハァ

なんでもないです、なんもしてないです

あと一話ぐらいほのぼの(?)が続くかな的な感じでしゅ

ぶっちゃけ言うとほのぼの回書くの難しいです

(゚ν゚)ニホンゴムズカスィネー

というかミスティアは一体雀の妖怪なのか蛾の妖怪なのかわからないです

そして作中の翔は骨折が治っている状態です

それでは次回まで、ドゥワッチ

(書いてて恥ずかしい自分がいる)

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