遊戯王世界でばら色人生   作:りるぱ

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第34話 弾圧される者の力を示そう

 食パンの最後の一切れを口に放り込み、パソコンの画面に目をやる。

 ページは《神様のオークション会場》。俺が運営しているサイトである。

 そのトップページには大きく休止のお知らせが載せられていた。

 掲示板にページを進めると、すでに1000を超える書き込みで画面が埋まっている。休止を惜しむもの、再開を待ち望むもの、中には罵倒するものも見受けられる。

 

 ―――しようがない。もう決めたことだ。

 

 ページを閉じ、電源を落とす。

 今の貯金総額は11億飛んで773万円。日本人の平均生涯収入は約2億円であるわけだから、これだけあれば十分一生遊んで暮らせるだろう。

 これからは特別な何かがない限り、対外的なオークションは中止となる。その代わりというわけではないが、校内オークションを後何回か開催するつもりだ。

 

 鮫島校長には随分と無理させたしな……。

 たった一週間という短い準備期間で校内オークション開催まで漕ぎ着けてもらえたのだ。いくら感謝してもしきれない。

 一度目の校内オークションは無事終わり、カードも全て落札者の下へと届いたらしい。ここら辺の仕事は全てアカデミアに委託してある。

 それにしても、何と言うか……怒涛の一ヶ月だった。

 ……万丈目……無事だといいけど……。

 

 何となしに腰のフォルダを開き、カードを取り出す。一週間程前に、テニス部部長とトレードした一枚である。

 魔法カード、【サービスエース】。

 自分の手札を1枚選び、それが魔法、トラップ、モンスターのいずれであるかを相手に当てさせる。それが外れた時、選択したカードをゲームから除外し、相手プレイヤーに1500ものバーンダメージを与えるという壊れ気味なカードである。何とか交渉して、3枚トレードしてもらった。

 注目すべきは自由に手札を除外できるという性能と、1500もの高いバーン効果。使いようによっては大化け間違いなしのカードであった。今度、これが活用できるデッキを組んでみるのも一興だ。

 

 と、そろそろ時間か。

 学生にとっての常識、朝の登校だ。

 まったく、登校とは……そもそもなぜ俺はいい年して高校に入ろうなどとウガーーーー!

 

 ダメだ! 考えちゃいけない! 受け入れるんだ、黒い歴史を!

 俺は高校生、俺は高校生、俺は高校生、俺は高校生――――――――――。

 

 そう! 俺は高校生! だから俺がここに居ることには何の問題もない!

 

「ふぅ……」

 

 カードフォルダを腰に装着する。

 先日、鮫島校長からイエロー寮、三沢大地に関することでお願いがあった。彼のオベリスクブルー昇進デュエルの相手を務めて欲しいのだそうだ。何でも勝っても負けても三沢を昇進させるのはすでに決定事項であるらしく、遠慮なく全力で戦ってほしいと言われた。

 デュエルは本日4時間目の授業を利用し、第一デュエル場でやるらしい。全校生徒が見に来るので、是非模範となるデュエルを――とのこと。

 

 そう言われると無駄に緊張してしまう。

 このデッキで大丈夫だろうか……? 模範はともかく、これで皆の意識を少しでも改革できればいいんだが……。

 

 制服の上着を羽織る。

 

「さて――」

 

 行くか。

 

 

◇◇◇◇

 

 

『皆様、お待たせしましたノーネ!

 これより、オベリスクブルー昇進試験デュエルを始めますーノ!』

 

 第一デュエル場は大きなデュエルリングを中央に、それを囲む広いアリーナ席がある。デュエルアカデミアにおいて、全校生徒を収容できるアリーナはここしかない。

 俺は今、そのデュエルリングという大きな舞台に立っていた。

 真っ暗な会場に照明が(とも)れば、目の前には三沢大地が立っているはずだ。

 

『アカデミアに入学して以来、試験は全教科満点! デュエ~ルは無敗!』

 

 ドコドコドコドコドコドコドコドコ――

 

 どこからか、ドラムロールが鳴り響く。

 

『ラーイエロー! 挑戦者! 三沢~大地~!』

 

 シャン!!

 

 シンバルクラッシュと共に、スポットライトが三沢を照らす。

 彼は右手を持ち上げ、各方向に向かって手を振っている。中々ノリがいい。

 

「おおおおぉぉおおぉお!!」

「がんばれー! 三沢!!」

「三沢さま~!」

「イエロー魂を見せてやれ!!」

「愛してるー!!」

「負けんなよー!!」

 

 湧き上がるアリーナ席の観客達。

 と言うか、今うちの彼女が”三沢さま~”って応援してた気が……。

 

『続けて~、同じく全教科満点! デュエ~ルに敵無し~ノ!』

 

 ドコドコドコドコドコドコドコドコ――

 

『オベリスクブルー! 今回の試験官を務めます、神~拓実~!』

 

 シャン!!

 

 カッとスポットの光が降り注ぐ。まぶしい。

 空気的に何かしないとまずいので、右手に拳を握って持ち上げる。

 

「きたきたきたー!」

「やっちまえー!」

「お前のえげつない戦法、見せてやれー!!」

「拓実さま~!」

「死ねー! リア充!!」

「イエローなんてぶちのめせー!」

「もげろーっ!!」

 

 あれぇー?

 何か予想してた声援と違わない?

 まぁ、ここは自分の彼女がこっちも応援してくれたことに安心感を覚えておこう。

 

 そして照明が点き、第一デュエル場全体を照らす。

 

「神 拓実」

 

 正面にいる三沢は、真剣な顔で俺に声をかけた。

 

「この一週間……いや、あの十代とのデュエルを見た日からずっと、俺はお前のことだけを考えていた」

 

 ここで”ホモォ……”とか茶化しちゃいけない。俺にだってそれ位のエアーリードは出来る。

 

「どうすればお前に勝てるか……。

 来る日も来る日もデッキ構築に明け暮れた。いかなる状況にも対応できるデッキを探し続けてきた。

 ……そして、その答えが今ここにある!」

 

 デュエルディスクを掲げる三沢。

 こうまで目標にしてくれてるとなると、なんだか照れる。

 

「昇進試験なんて関係ない。全力で相手してくれ。

 この最高の舞台で、最高のデュエルをしよう!」

 

「ああ、もちろんだ。元々手加減をするつもりは無い」

 

『さー、始まりました。昇進試験デュエル!

 解説を務めますのは私、丸藤 翔と――』

 

『丸藤 亮だ』

 

『――の、丸藤兄弟でお送りいたします』

 

 会場内にアナウンスが流れる。

 てかカイザー、よくOKしたな……。

 

「そんじゃ、行くか」

 

「ああ」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

◇◇◇◇

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

 先攻がきた。

 それじゃ、まずは小手調べ。カードを手に取る。

 今日は観客が多い。ここはこの世界のニーズに合わせて、なるべくモンスターをセットしない方向で行こう。

 

「【カエルスライム】を守備表示で召喚」

 

 緑色のスライムが”ぐちゃっ”とフィールドに落ちる。水溜りのように潰れたスライムは徐々に盛り上がり、カエルの頭部を形取る。攻撃力700、守備力は500である。

 

「なぁ、あれって……」

「ああ、【カエルスライム】……だよな?」

「何であんなものを……?」

 

 よほど意外だったのだろう。観戦席はざわざわとした観衆の声に包まれる。

 

『おおっとー! 

 神選手が召喚したのは誰もが一度はデッキに入れたことのあるモンスター、【カエルスライム】です!』

 

『ああ。

 もっともポピュラーな子供用デュエル教材、ストラクチャーデッキ《初めてのデュエル》に入っている一枚だ。オレも最初はこれでデュエルを覚えた』

 

『ええ、覚えてますよー。

 僕も持ってますから。この会場にいる皆さんも殆どが持っているのではないでしょうか。

 ……拓実君、なんであんなモンスターを召喚したんだろ?』

 

「こら、神! 真面目にやれー!」

「そうだ、そうだ!」

「ハハッ! 三沢、お前嘗められてるぞ!」

 

 

 観衆の野次はとりあえず無視しとこう。

 

「カードを1枚セット。そしてターンエンド」

 

 さぁ、どう出る? 三沢。

 

 

◇◆◆◆

 

「オレのターン。カードをドロー」

 

 三沢の額には一筋の汗がにじみ出ていた。

 

(神 拓実……何をしようとしているのか知らないが、俺はお前を見くびりはしない。

 属性爆発を忘れていないからな……。始めから全力で行かせて貰う!)

 

「手札から魔法カード、【デビルズ・サンクチュアリ】を発動!

 【メタルデビル・トークン】を一体攻撃表示で特殊召喚する!」

 

 三沢のフィールドに魔法陣が描かれ、その中央にガーゴイルの石像が鎮座する。

 

「まずは味わってもらおう! 全てを呑み込む闇を! 

 【メタルデビル・トークン】を生贄に、【邪帝ガイウス】を召喚!」

 

 ガーゴイルの石像がひび割れ、そこから瘴気とも呼べる黒いもやが溢れ出す。

 もやは集まり、人型を形作る。

 それは黒の甲冑を纏いし魔人。

 

「げっ!」

 

「【邪帝ガイウス】は生贄召喚に成功した時、フィールド上に存在するカードを1枚ゲームから除外する!

 【カエルスライム】を葬れ! ブラックホール生成!」

 

 【邪帝ガイウス】は胸の前に両手を合わせ、ゆっくりと離して行く。その中央に、小型のブラックホールが生まれる。邪帝は両手を天に向けて掲げると、ブラックホールは爆発的に大きくなっていった。吸い込まれていく【カエルスライム】。

 

「そして、バトル!

 【邪帝ガイウス】、プレイヤーにダイレクトアタック! 黒の衝撃!」

 

 攻撃力2400ある、黒い光線が放たれた。

 

神LP 4000 → 1600

 

『おお! すさまじい攻撃だ!

 大きくライフを削られる神選手。これは大丈夫なのか!?』

 

『まだまだ序盤だ。

 神選手のデッキ構築能力はオレも知っている。これくらいでどうにか成る程容易(たやす)い相手ではないだろう』

 

 不敵な笑みを口元に浮かべた三沢は、拓実に指を突きつけ、誇らしげに言い放つ。

 

「これが俺の最後のデッキ。

 全ての属性を併せ持つ、最強のデッキだ!」

 

 

◆◆◆◇

 

 ちょっ!

 全ての属性って、まさか!? 帝コントロールか!?

 

 きっつー。

 この世界であれを組める人がいるなんて!

 

 ヤッバー……。

 これ、勝てないかもしんない……。

 

「メインフェイズ2」

 

 あ、まだターンが終わってなかった。

 

「手札から魔法カード、【おろかな埋葬】を発動。

 デッキから【黄泉ガエル】を墓地へ送る。そしてターンエンドだ」

 

 うわぁ……。

 

◇◇

 

「俺のターン。ドロー」

 

 でも、やるしかない。このデッキにだって十二分に勝機はある。

 

「手札から【強欲で謙虚な壺】を発動。

 デッキからカードを3枚めくり、1枚を手札に入れ、残りをデッキに戻してシャッフルする」

 

 出たカードは【テラ・フォーミング】【湿地草原】【神の宣告】の3枚。

 よし。ここは【テラ・フォーミング】を選択しよう。

 

「今手札に入れたカード――通常魔法、【テラ・フォーミング】を発動。

 デッキよりフィールド魔法、【湿地草原】を手札に入れる!」

 

 デッキを圧縮、圧縮ぅー!

 

「そして、【湿地草原】を発動!」

 

 ザーザー、ザーザー、ザーザー――――――。

 フィールドに大粒の雨が降り始め、視界の全てを霞ませる。

 第一デュエル場のバトルフィールド全体に、膝丈ほどある草がボーボーと生えていた。そして草の下には踏めば沈む泥の大地。

 エオエオエオエオ――――――――。

 グルグルグルグル――――――――。

 グァッグァッグァ――――――――。

 辺りに蛙の声が木霊する。その名の通り、ここはまさに【湿地草原】。

 

「手札より、【弾圧される民】を攻撃表示で召喚!」

 

「む?」

 

 眉をひそめる三沢。

 

 汚い服を身に着け、絶望の表情に染まった男性。子供を抱き、疲労困憊に肩をおとす女性。

 身を寄せ合う人々がぬかるんだ草原に降り立つ。皆死んだ魚のような目をしている。

 これがモンスター【弾圧される民】。攻撃力400、守備力2000である。

 

『【弾圧される民】……』

 

『どうしました、お兄さん? あのカードのこと知ってるの?』

 

『【弾圧される民】【逃げまどう民】【団結するレジスタンス】。

 この3枚のカードは【大革命】コンボに使われるものだ。

 これら3枚をフィールドに揃えた時、トラップカード【大革命】が使用可能となる。

 そして【大革命】の驚異的効果。それは相手手札とフィールド上の全カードを破壊するもの』

 

『うわぁ……す、すごい……』

 

『だが、その為には3体の低ステータスモンスターを自分の場に揃える必要がある。

 その作業は困難を極めるだろう……』

 

『そうだね……。でも、拓実君はこういうデッキ好きそう……』

 

 

「……ほう……。【弾圧される民】【逃げまどう民】【団結するレジスタンス】……。

 その3枚全てを揃えるまで、俺の攻撃に耐え切れるかな?」

 

 微笑む三沢。しかしその目は笑ってない。

 

「耐えないよ。【湿地草原】の効果。

 全ての水族・水属性・レベル2以下のモンスターの攻撃力は1200アップする!

 【弾圧される民】は水族・水属性、そしてレベルは1! 【弾圧される民】の攻撃力は1200アップし、1600となる!」

 

「……だが、それではまだ届かない」

 

「言われなくても知っている。

 手札より装備魔法、【下克上の首飾り】を発動。このカードは通常モンスターにのみ装備できる。通常モンスター、【弾圧される民】に装備」

 

 暗かった民達の顔に、ほんの僅かに生気が宿る。

 

「バトル! 【弾圧される民】、【邪帝ガイウス】に攻撃!」

 

「な?」

 

『いやー』

『助けてー』

『殺さないでくれー』

『この子、この子だけでも』

『神よ!』

 

 【邪帝ガイウス】に向かい、民達は血気盛ん(?)に突っ込んでいく。

 てかこれ、攻撃じゃなく壊走では?

 

「【下克上の首飾り】の効果発動!

 自分よりレベルの高いモンスターと戦闘する時、そのレベル差×500ポイント攻撃力がアップする!

 【弾圧される民】のレベルは1。【邪帝ガイウス】のレベルは6。その差は5」

 

『やあーー!』

『ちくしょう! やってやる!』

『えい! えい!』

『このぉ!』

『死んじゃえ! 死んじゃえ!』

 

 民達は邪帝を囲んでボコり始める。

 パンチする青年。

 杖でたたく老人。

 子供を抱きながらキックする女性。

 

「攻撃の瞬間、【弾圧される民】の攻撃力は2500ポイントアップ! 総攻撃力、4100!」

 

 ボコられ続けた【邪神ガイウス】はとうとう膝をつき、闇の中へと消えていった。

 

「くっ」

 

三沢LP 4000 → 2300

 

「な、なんだあれ?」

「レベル1の【弾圧される民】が上級モンスターを倒したぞ」

「どうなってんだ? いや、理屈は分かるけどよぉ……」

 

『恐ろしい戦術だ……。

 あれなら、オレの【サイバー・エンド・ドラゴン】すら破ることが出来る』

 

『す……すごい攻撃が繰り出されました! さすが神選手です!』

 

 

「バトルを終了。

 カードを2枚セットし、ターンエンドだ」

 

◇◇

 

「さすがだな。まさかこんな方法でやられるとは思わなかったぞ。

 オレのターン、ドロー」

 

 三沢は右手を突き出す。

 

「スタンバイフェイズ。自分フィールド上に魔法・罠がない時、【黄泉ガエル】は墓地より黄泉返る!」

 

 羽の生えたカエルが、いつの間にか三沢のフィールドに蛙座りしていた。

 攻撃力は100。フィールド魔法【湿地草原】の効果対象である為、さらに1200ポイント上昇し、攻撃力1300。

 

「今のままでは当然【弾圧される民】には勝てない。

 そして俺が上級モンスターを召喚しても、それはさらに【弾圧される民】を強化することに繋がる。【下克上の首飾り】……厄介なカードだ」

 

「ならどうするんだ?」

 

「こうする。

 速攻魔法【エネミーコントローラー】を発動。自分フィールド上のモンスターを1体生贄に捧げ、相手モンスター1体のコントロールをこのターン得ることが出来る。

 【黄泉ガエル】を生贄に、【弾圧される民】のコントロールを奪取!」

 

 昇天するカエル。

 そして民衆達は足を引きずり、三沢のフィールドへ。

 彼らは濁った目を俺の方に向ける。

 

「く……」

 

 さすが三沢だ。帝コントロールデッキのツボを押さえている。

 

「【弾圧される民】の攻撃力は現在1600、そして君の残りライフも1600だ」

 

「……このまま終わらせるか?」

 

「まさか。さすがの俺でも伏せカード3枚もある地雷原に突っ込んでいかない。

 来い! 悠久なる時に佇む大地よ!

 【弾圧される民】を生贄に、【地帝グランマーグ】を召喚!」

 

 大地がひび割れる。

 地割れは【弾圧される民】を全て呑み込み、新たなる帝を生み出す為の糧とする。

 【下克上の首飾り】が破壊される。効果は……今回は発動しない、と言うかできない。

 地割れから這い上がる【地帝グランマーグ】。

 黄土色の甲冑を纏いし魔人。攻撃力は邪帝と同じく2400である。

 

「【地帝グランマーグ】の効果発動! 生贄召喚に成功した時、フィールドにセットされたカードを1枚破壊する!

 真ん中の伏せカードを破壊しろ! 地割れ生成!」

 

 地帝は地面を拳で叩き、俺のフィールドに地割れを発生させる。伏せカードの内、真ん中の一枚が呑み込まれそうになる。

 だが、やらせない! ようはセットされてなければいいんだ!

 

「地帝の破壊対象となったカード――永続トラップ【グラヴィティ・バインド-超重力の網-】を発動する!

 全てのレベル4以上のモンスターは攻撃することができない!」

 

 天空より緑色に輝く大網が落ちる。

 網に絡めとられる地帝。よし、これで攻撃も封じた。

 

「さすがだな……。

 また厄介なカードを使われたものだ。俺はこれでターンを終了だ」

 

『神選手、【地帝グランマーグ】の効果を躱すと同時に、三沢選手のダイレクトアタックをも封じ込めました。

 正に一進一退。すごい攻防でしたね』

 

『三沢選手にとって厄介なことになった。

 【グラヴィティ・バインド-超重力の網-】はレベル4以上のモンスターによる攻撃を禁止する永続トラップ。このままだと上級モンスターの攻撃を全て封じ込められるぞ』

 

『しかし神選手も【下克上の首飾り】を装備させた【弾圧される民】が破壊されています。

 そして手札も残り0枚』

 

『……膠着するかもしれないな』

 

 誰かのゴクリと生唾を飲み込む音。

 カイザーの声は静かなフィールドに響いた。




『あれ?』

『長すぎるので、二つに分けるのだそうだ』

『は~、しようがない作者っすね。ちゃんとまとめてほしいっす』

『そう言ってやるな。……色々とギリギリらしいからな』

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