タイタンを連れ、ブルー寮に戻った俺と十代達。
十代達を部屋に入れると、俺はタイタンを椅子に座らせ、手を後ろに回す。そして、ハンカチでその両手を椅子に縛り付けた。
続けてアカデミア校長に連絡し、今回の事件の顛末を報告する。深夜遅くたたき起こされた校長は事の重大性を分かってくれているようで、嫌な顔一つせずにあれこれと手配をしてくれた。女生徒が誘拐されたのである、当然だろう。
少しすると、アカデミア倫理委員を名乗る女性が手下の警備員をつれてブルー寮を訪れる。彼女は校長とは対称的に不機嫌そうな顔を隠そうともせず、未だ気絶しているタイタンを引っ立てていった。なぜか近くで見ていたクロノス先生が青い顔でムンクの「叫び」的表情をしていたが、きっと誘拐された生徒のことを心配してのことだろう。
ともあれ、これで今回の事件はひとまず終わったのである。
結局十代たちは俺の部屋に泊まり、そこら辺で雑魚寝することとなった。と言っても大きい部屋なので十分に寝るスペースは確保できている。
「オレもここに引っ越してぇ。なぁーいいだろ拓実、一緒に住まわせてくれよ」
「はいはい、まずはブルーに上がってきなよ。そうしたら好きなだけ住むといいさ。ほら、もうみんな疲れてるんだから、さっさと寝るよ」
十代の本気なのか冗談なのかわからないお願いはとりあえず拒否しておくことにする。
「ぼく、ソファーもーらいっ」
「おれはこっちのソファーで寝るんだな」
「んじゃ、オレと拓実はベッドだな」
サイズはセミダブルだ。まぁ、スペースは十分だろう。
そろそろ明け方も近い。校長には許可を貰い、今日の午前の授業には出なくともいいことになっている。疲れたのか、皆すぐ泥のように眠りにつくこととなった。
◇◇◇◇
「…………ん……」
ふぁ~~ぁ~。太陽がまぶしい……。
「もう、11時か……」
ねむい……太陽マジ黄色……。
午後の授業は免除されてないし……起きるか!
こういう時は、共に苦しみを味わってくれる仲間がいると起きやすいんだよね。
「十代! 隼人! 翔! お・き・ろーーーーーー!!」
「うぅ……」
引き出しを開き、中にある目覚まし時計を取り出して、アラームを鳴らす。
「目覚まし全開!! さあ、聞け! この耳障りな音を!!」
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ――――――
「うーーーーわーーーー」
「やめてくれ~」
あまりもの破壊力にのた打ち回る翔と隼人。
「起きた?」
「うぅ……、何っすか? その目覚まし時計」
「すごい耳障りな音なんだな…………」
「人間の一番嫌がる音とは何か…………その研究の末に辿り着いた一つの答えだよ……。
まぁ、本来目覚ましに使うような代物じゃないらしんだけどね」
絶対に起きれる目覚ましとして開発したはいいが、健康に害があるとかで結局お蔵入りとなった商品だ。とあるツテからもらったものである。まさか本当に使う日が来ようとは……。
「そして、これでも十代は起きないっと……」
◇◇◇◇
あの後なんとか十代を蹴り起こし、ブルー食堂の自販機カップ麺で腹を満たしてから皆で本校舎へと向かった。午後の授業に出る為、ひとまず解散して各々の教室へ向かうことにする。
そして短い午後授業はあっと言う間に過ぎ、放課後。
6時間目の教師から校長が呼んでいると言われた為、今は校長室に向かって歩いている最中である。何でも、昨日の晩のことを詳細に説明してくれ、とのことらしい。
このアカデミア本校舎の中はあちこちに点在するデュエル場が大きく場所をとっている。なので必然的に校舎全体の面積も広くなる。校長室へ行くにも少し歩かなければならない。はぁ……だるい。
しばらく進むとシンプルなデザインのドアに行き着く。上方にあるブレードには校長室と書かれている。初めて来るが多分ここで合っているだろう。
ノックしようと手を上げると同時に”ウィーン”と開くドア。とりあえず上げた手を下ろす。
「失礼します、神拓実です」
自動ドアか……。
校長室はシンプルなデザインをしていた。
校長用のデスクに作業用のデスクが1つずつ、それに来客用のソファーとその前に足の短いテーブルが置かれている。壁には大きなモニターが埋め込まれていて、通常校長室にあるようなトロフィーや賞状などを置く棚はどこにも見当たらない。ものが少ない割りに部屋の面積はかなり広く、それが余計何もない印象を醸し出している。
「よく来てくれました、神拓実君」
柔和な顔で校長が出迎える。スキンヘッドでありながら全く威圧感を感じさせない好々爺然とした笑顔をこちらに向けてくる。
「はい。それでは、昨日の晩の詳細説明と言うことですので――」
「実は……あらましはもう天上院君達から聞いてあってね」
じゃあ、何で俺は呼び出されたんだろう?
「まず、今回大切な生徒であるあなた達を大変危ない目に遭わせてしまいました。このアカデミアを代表する校長として謝罪させて欲しい。本当に、申し訳ない」
そう言って頭を下げる校長。
実際大問題だろう。学び舎に変質者の侵入を許し、生徒に危害が加えられたのだ。もしかしたらこの後、PTAとも一悶着あるのかもしれない。
「そしてありがとう。君や十代君達のおかげで、天上院君は何事もなく無事に帰って来ることが出来ました」
「はぁ……。いえ、私は当たり前のことをしただけですので。
それで、結局あいつはなんだったんですか?」
セブンスターズの一員だと言うことは昔見たアニメの記憶やらゲームでおまけ程度に出てきた設定やらで分かるのだが、タイタンという人物がなんなのかまでは知らない。
「今回捕まった彼はその筋でもかなり有名なデュエリストでね。いわゆる、【復讐代行業】と言う仕事をしています」
復讐代行……漫画なんかにありそうな設定である。
「つまり金さえ払えば、溜まった恨み辛みを彼が替わりに果たしてくれると……」
「その認識で間違いないですよ。そこで今回問題となったのは」
「依頼人が誰か、と言うことですね」
セリフに割り込んだ発言に対し、無言でうなずく校長。
「プロ意識からか、彼は頑として依頼人のことを話さなくてね……。
そこで、現場にいた君達一人一人に気がついたことを聴いてみたい。今欲しい情報は彼のターゲットが誰なのか。これさえ分かれば、依頼主の目星も付いてくる。
それに関して、神君は何か分かりますか?」
うーん……確かにタイタンの狙いが誰なのかは分かってない。明日香を攫ったのだからといって、ターゲットは明日香だという推論は安易すぎるだろう。明日香は誰かをおびき寄せる為の餌だったのかもしれないし…………でも、少なくとも――
「天上院さんと何らか関連のある人物、ではないでしょうか?
……あの状況ではここら辺の推測が限界ですね。
遊城君達は偶然あの場に居合わせたようですし、私は浜口さんに呼ばれてあの場にいました」
「ふむ……そうですか……。それなら仕方がありません。やはり本人に自白を促す方向で調査を進めて行く事にしましょう」
「……きっと、それが最善でしょう」
もう後は任せるしかないだろう。
それにしても、依頼人、か…………。
正直一人だけ心当たりはあるんだが、状況証拠しかないしな……。
後でそれとなく確認してみるかな。
それと少し気になったことを校長に聞いてみる。
「そう言えば、遊城君達はどうしたんですか? 私だけ呼んで彼らを呼ばないということはないでしょう?」
「それなんですがね……」
校長は何か言いずらそうな顔で話を続ける。
「……遊城君、丸藤君は今回の件により、退学処分とすることになりました」
は? なんで?
「実は、あの廃寮は立ち入り禁止区域に指定されていてね。そこに無断で立ち入った場合、退学処分とすることが校則にあります。このことは生徒手帳にも太字で明記してあるはずですよ」
いやいや。今時生徒手帳を全部読む学生、いないだろ。
「でも、私も廃寮には侵入していますが……」
「神君、浜口君、枕田君三名は天上院君を助ける為と言う名目であの廃寮に入った。そう認識しています。その事情を考量して、君達はお咎めなしということになりました」
ん? 人数が合わないのだが……。
「遊城君達も天上院さんを助ける為にあそこへ入ったはずです。それにそれだと、前田君はどういった扱いになるんですか?」
校長は目を閉じ、ゆっくり首を振ってから再び目を開いてこちらを見る。
「あの廃寮には監視カメラが一台残っていてね…………そこに昨夜の遊城君と丸藤君の姿が映っていました。残念ながら、録画された時刻はまだ天上院君が誘拐される前です」
「……で、そこに前田君は映っていなかったと」
「そういう事です。私としても真に残念なことではありますが……」
校長が顔を歪めている。
ってことは、十代と翔を退学処分とする決定を下したのは校長じゃないのか?
とりあえず確認をとってみることにする。
「校長先生はこの件には反対なんですね?」
「はい。生徒手帳にあるルールは生徒の健全・安全のために作製されています。いくら違反した場合は退学と書かれていても、一度目は厳重注意で済ませるものなのです」
「それができないと言う状況なんですね」
「はい」
校長は目を瞑り、うなずく。
「いったいどうして?」
「アカデミア倫理委員会――主にこのアカデミアの警備などを担当している組織なのですが、彼らは理事長の直属になります。このアカデミアにおいて、倫理委員会は校長である私とほぼ同等の発言権を持っています」
たかが警備員組織にそこまで権力があるのか。
「つまり、彼らが退学を決めたと?」
「はい。彼らも必死なのでしょう。今回の事件は彼らにとってもスキャンダルなのですから」
スキャンダル……なるほど。
「部外者の島への侵入を許し、その侵入者は女生徒を誘拐した。具代的にどんな方法で島の警護をしているのかは知りませんが、確かにこれでは警備能力を疑われますね」
「ええ、そのとおりです。このデュエルアカデミアは全寮制を採用しています。ご子息、ご息女を預けられる保護者の皆様にとって、安全性はもっとも考慮される点です。部外者の無断侵入を許した倫理委員会の責任は、大きなものとなるでしょう」
「少しでも自らの責任をうやむやにする為に、事件の関係者一部を退学に追い込んで世間の注目をそちらに向けさせようと? 安易すぎやしませんか?」
「どれ程の効果が期待できるか甚だ疑問なのは私も同じです。しかし問題は、彼らがこれを実行に移しているということです」
「ほぼ同じくらいの発言権を持っていると言ってましたが、それでも決定権を持っているのは校長先生のはずですよね。何とかなりませんか?」
校長は厳しい表情をその顔に滲ませ、俺を見る眼差しに力を入れる。
「このデュエルアカデミアで発言権を持っている勢力は3つあります。1つはアカデミア倫理委員会。1つは私個人。そしてもう1つはアカデミアの教師達になります」
教師? 勢力としては纏まっているのか、それ?
「この教師達をまとめているのが、クロノス教諭になります。基本クロノス教諭の決定ならば、大抵の者は従うでしょう」
なるほど、話が見えてきた。
「クロノス先生は賛成なんですね……十代と翔の退学に」
校長は無言で頷く。
「今回の事件における私の役割は倫理委員会、教師陣双方の意見を聞き、そこに自分の意見を加味して決定を下すことです。所詮は雇われ校長、神君が思うほどの権力は私にはありません」
まっすぐ俺を見詰める校長。その目の中には期待の色が見え隠れしている。
「神君はクロノス教諭と大層仲がよいと聞きました」
そういう事か……。
まぁ、言われなくてもどうにかするつもりだ。
「分かりました。私のほうから説得をしてみましょう」
「お願いします。特別編入生である神君の話なら、クロノス教諭もきっと耳を貸すでしょう」
そう言って再び校長は頭を下げた。
たいした面識もない一生徒の為にここまで出来る人も少ない。
「そう言えば、結局遊城君達は呼ばれなかったんですか?」
「彼らなら別室にいますよ。そろそろ倫理委員会から退学を宣告されている頃でしょうか」
校長はリモコンを取り出し、壁に埋め込まれたモニターの電源を入れる。
大型のモニターは、呆然とした顔の十代と翔の姿を映し出した。
十代と翔はモニターがいくつも並ぶ部屋に突っ立っていた。
ここと同じように壁に埋め込まれているモニターは複数見受けられた。その中の1つにはクロノス先生が、もう1つには昨晩タイタンを連行しに来た倫理委員会の女性が映っている。ひょっとしたら、彼女が倫理委員会のリーダーなのかもしれない。
「話はどこまで進みましたか?」
校長は低い声で現在の状況説明を求める。どうやら向こうにもこちらが見えているようだ。
「話も何もありませンーノ。たった今、彼らには退学処分を宣告したところなノーネ」
「わたしからは彼ら自身がいかなる校則違反を犯したのか、その説明をさせていただきました」
モニターの向こうのモニターから、クロノス先生と倫理委員の答えが返ってくる。
「そのことについてなんですが、私は結論を出すのはまだ早いと思っています。
昨日の今日です。クロノス教諭も未だ教師達の意見をまとめきれてないでしょうし、倫理委員会の皆様も、捕らえた不審者の調査、警備網の敷き直しなどで手一杯のはずです。処分を下すのは双方共にもう少し時間を取り、熟考してからでも遅くはありません」
校長の言葉に不満げな表情をする倫理委員会の女性。
「彼らは明らかに退学処分相応の校則違反をしています。
これ以上処分を先送りすることは無意味だと考えます」
「そ、そうなノーネ! 引き伸ばしても結論は変わらないノーネノーネ!」
倫理委員会としては自分らの失態が世間に流布する前に、さっさと十代達の退学をそれにかぶせてやりたい所なのだろう。時期的に遅くなると効果が薄くなってしまう。
クロノス先生の方は……俺の想像が正しければ、一刻でも早く十代をアカデミアから追い出したいはずだ。
「お二方とも、今回は私の顔を立ててください。私の言っていることはそんなに非常識なことではないでしょう?
これは私なりの譲歩なのです。遊城君、丸藤君両名の退学に関して、私は今でも反対しています」
校長の決意が揺るがないのを見て取れたのか、倫理委員会の女性は溜め息を一つ吐いた。
「……分かりました。
では、猶予期間を2日とします。これはこちら側の譲歩だとお考えください」
「アワワワワ」
彼女は猶予期間を2日と限定して賛成する。
一方、クロノス先生は決定に不服があるのか、何やら慌てている表情だ。
「その条件を飲みましょう。
それでは、2日後に再びこの件の結論を出すと言うことで。
クロノス教諭も、いいですね」
校長は眉を吊り上げ、クロノス先生を睨み付ける。
「し、仕方ないノーネ……」
「それでは本日は解散と致します。
遊城君も丸藤君も今日のところは帰りなさい。これから二日の間、決して問題を起こさないよう注意してください」
「助かった……のか?」
「退学が二日先延ばしになっただけっすよ……」
当事者であるはずなのに、蚊帳の外の二人であった。
「さて、神君」
モニターを切り、こちらに向き直る校長。
「これが現状、私にできる全てです。後は頼みましたよ」
「はい、私もできる限りのことをするつもりです」
そんな俺の返事を聞いて、校長は静かに頷いた。
「では私はこれで……。失礼しました」
定番のセリフを言って踵を返す。
さて、事態はとても単純だ。ようは多数決である。
なんとかクロノス先生の一票を校長側に入れさせればいいのだ。
まぁ、なんとかなるだろ。一応弱みも握ってるし。
クロノス先生説得の準備もいるし、とりあえず寮に帰ることにしよう。
精霊が見えない原因を聞きたかったんだけどな……。大徳寺先生のとこには今度行こう。
◇◇◇◇
「ウキ? ウキキ」
「なんだ、今の? …………ひょっとして、猿……とか?」
まもなく森を抜け、ブルー寮に挿しかかろうとしていた時。頭上から猿らしき鳴き声が聴こえてきた。
無駄に大自然が広がっているこの島のことである。猿くらいはいるかもしれない。
前に進みながら首をあちこちに動かし、猿の影を探してみることにする。
サザッ、カササ――。
姿は見えずとも音はする……か。
時折、木の葉の擦れ合う音が聞こえてくる。どうやら猿らしき動物は俺の後をついて来ているようだ。
好奇心が強い動物って言うしな……。
ついにはサルの発見には至らぬまま森を抜け、ブルー寮前へと辿り着いてしまった。
よし、最後にもう一度探してみようと振り向き、森の方に目を向ける。
「キキー! ウキャキャ!」
すると、そんな俺の動作に合わせたように、木の上から大きな塊が「ドスッ」と落ちてきた。
「おお! 猿…………だ?」
「ウホホホホ」
目の前に落下して来た猿はやけにメカメカしかった。
目を赤のバイザーで覆い隠し、機械の頭はフリーザ様第3形態のように長く後方に伸びている。身体全体は金属に覆われ、背中にも何らかの機械を背負っている。
――そして、左腕にはなぜかデュエルディスクをつけていた。
なんだこれ? 機械猿……いや、サイボーグ猿なのか?
「キッキキー」
「ん? でもよく見るとこれ、取り外し可能なのか?
一体化してるんじゃなく、鎧を着ているような感じなのかな?」
「キィーイーィ……」
サイボーグ猿ならぬ鎧猿は物怖じもせず、俺に擦り寄ってくる。
何かを訴えているようだ。
「なんだ? ひょっとして腹が減ってるとか?」
「ウキ! キキ!」
お、返事した。
「そうかそうか。それなら、そこの窓の下で待ってろ。なんか食べ物を落としてやる」
「ウキャッ。キー」
鎧猿は俺の指差した場所へと移動する。
「お! 何を言ってるのかが分かるのか」
誰かのペットなのかもしれないな。この機械鎧は確実に自然物じゃないし。
「そんじゃ、俺はあそこの2階の部屋に戻るから、しばらくはそこで待ってろ」
「キキャ!」
部屋に戻り、さっそく冷蔵庫からりんごを3つ取り出す。
窓を開けて見ると、丁度真下あたりに鎧猿がいる。
「キー、ウキキー!」
余程腹が減っているのか、俺の持つりんごを見て大層喜んでいるようだ。
まったく、飼い主は何をしている。生き物を飼った以上、責任をきちんと果たせと言いたい。
「おーい、落とすぞ! ぶつかるなよー!」
「ウキー」
一つ一つりんごを落としてやると、猿は器用にそれらをキャッチしていく。
「そんじゃなー」
全て落としたところで、別れの挨拶にと手を振ってやる。
これで一回分の食事にはなるだろう。
猿は右腕でりんごを抱え、左腕で手を振り返してくれた。
「ウキキー! キーキー、キキッ」
「お、おう。本当に頭いいな……」
そして、鎧猿はりんごに噛り付きながら、森に向かってひょこひょこと走り出す。
――さて。
珍しいものも見れたことだし、そろそろクロノス先生に会いに行きますか。