どうにも遊城十代が気に入らないクロノスは、十代を嵌めるために一案を講じた。
それは、天上院明日香の名前で十代にラブレターを出し、十代を夜の女子寮浴場の裏に呼び出すこと。それによって十代の風呂場覗きをでっち上げ、退学に追い込もうというのだ。
しかし、クロノスは偽造ラブレターを間違えて、翔のロッカーに入れてしまう。
そして夜。
意気揚々と女子寮浴場の裏で居もしない告白女子を待つ翔。当然のごとく女子に捕まり、縄でくるくる巻きにされてしまう。一方、カメラ片手のクロノスは何故かやってきた翔に対し首を傾げながら、騒ぎから逃れるために湖に隠れていた。
翔に詳しい事情を聞き、誤解であることを理解する明日香と取り巻き二人であったが、明日香はこれを遊城十代とのデュエルの口実に利用できると考えた。
同時刻、十代は謎の怪メールを受け取った。
その内容は、
”丸藤翔を預かった。返してほしくば女子寮まで来られたし”
言うまでもなく、明日香から送られたものであった。
女子寮へやってきた十代は、湖上のデュエルで見事天上院明日香を下し、翔の身柄を取り戻すことに成功した。
896:名前:名無しの紳士
今どんな感じ?動いてる?
897:名前:名無しの紳士
ブラマジガールたん ハァハァ(*´Д`*)ハァハァ
898:名前:名無しの紳士
ブラマジガールたんはおれの嫁(゜д゜)
899:名前:名無しの紳士
>>869
今1億飛んで400万
900:名前:名無しの紳士
なんかありえない金額になってるし。
901:名前:名無しの紳士
>>898
(・∀・)チネ!!
902:名前:名無しの紳士
ハァハァ(*´Д`*)ハァハァ ブラマジガールたん
903:名前:名無しの紳士
おまいら金持ちだな。
904:名前:名無しの紳士
本物って保障あんの?
905:名前:名無しの紳士
1億800万Σ(゚Д゚; 激闘だね。
906:名前:名無しの紳士
>>904
今んとこ神オクでだしたカードは全部本物。
907:名前:名無しの紳士
>>904
本物じゃね
908:名前:名無しの紳士
ハァハァ(*´Д`*)ハァハァ
909:名前:名無しの紳士
ブラマジガールって低ステータスのクソカじゃん、んな価値ねーよ
910:名前:名無しの紳士
絵違いって本当にあったんだ、メチャカワユス
911:名前:名無しの紳士
ハァハァ(*´Д`*)ハァハァ
912:名前:名無しの紳士
どんなヤツが参加してんの?まじ金持ち
912:名前:名無しの紳士
>>909
( ´∀`)オマエモナー
913:名前:名無しの紳士
>>909
おまえは俺をおこらせた・・・
914:名前:名無しの紳士
>>911
おい、まさかおまえ
915:名前:名無しの紳士
今1億1900万(;^ω^)
916:名前:名無しの紳士
>>909
( ゚Д゚)<氏ね!
917:名前:名無しの紳士
いいな、おれも金持ってたらな・・・
918:名前:名無しの紳士
ハァハァ(*´Д`*)ハァハッゥ・・・・・・・・・ウッ・・・ε- ( ̄。 ̄*)ふぅ
919:名前:名無しの紳士
落札するであろうヤツがうらやましす
920:名前:名無しの紳士
>>918
おい
921:名前:名無しの紳士
>>918
おい、やめろw
922:名前:名無しの紳士
>>918
やっぱり
923:名前:名無しの紳士
この前の神オクカード落札した、今すっからかんw
924:名前:名無しの紳士
>>918
おいw
925:名前:名無しの紳士
ちくしょー、お金持ちなんてキライだーーー。・゚・(ノД`)・゚・。
926:名前:名無しの紳士
1億1960万
927:名前:名無しの紳士
なんでこんな事になってんの?
928:名前:名無しの紳士
彼女ほしい
929:名前:名無しの紳士
>>927
オタの物欲センサー全開。
930:名前:名無しの紳士
>>927
オタ同士の足のひっぱり合い
931:名前:名無しの紳士
>>926
カップめんの湯気が目にしみるぜ・・・
932:名前:名無しの紳士
>>927
みんながんばってるからだよ。
◇◇◇◇
オークション終了まで後1日以上もあるのに、皆頑張りすぎだろ……これ。
なんか掲示板も大分カオスなことになってるし……。
俺は今、アカデミア校門前にいる。
お昼休みの終わり頃、レッド寮の前田隼人に、相談があるから放課後少し付き合ってくれと言われたのである。
俺のクラスは6時間目の先生がずいぶんと早く授業を切り上げたので、隼人を待ちながらオークションの進行状況と掲示板を見ていたのだ。
チャイムが鳴り、ちらほらと校門から下校する生徒が出てくる。
そろそろかな? とパソコンから顔を上げると、隼人が遠くからもよく見える巨体でドタドタと走ってくるのが見えた。
「ま、待たせたんだな」
「大丈夫だよ。ネット見てたから」
はぁはぁと荒く息を吐き出す隼人。
う~ん…………こうして改めてその容姿、体型を見ると、実に、本当にかわいそうなお人であると思う。大きな鼻に、なぜかまん丸い耳の形をした髪型。太い胴回りも合わさって、不細工なコアラにしか見えない。
この造形はどう考えてもアニメスタッフの悪ふざけによって生まれたものだろう。
これがアニメの世界であるのならまだよかったのだが、こう現実に存在しているとなると…………余計なお世話かも知れないけれど、はっきり言って、色々と不憫すぎる。
「それで? 今日はどうしたの?」
今度散髪を勧めてみようかなと割りとマジに考えながら、彼に本日の用件を軽い口調で問いかける。隼人とは以前に何度か十代と翔を交えて飯を食った事がある為、お互い知らない仲ではないのだ。
「ちょっと……翔のことで、相談があるんだな……」
「翔? なんかやらかしたのか、あいつ? まぁ、取り合えずあそこにでも座ろうか」
校門すぐ近くにある手頃な岩を指差し、歩き出す。
ずんずんと俺の後ろについてくる隼人。岩に辿り着き、俺が腰掛けると彼も一緒に座った。
「走ってきたんだろ? 話す前に少し息を整えるといいよ」
「ど、どうもありがとうなんだな。はぁ~」
隼人が息を整えている間、校門を眺める。
ほとんどのクラスの授業が終わったのだろう。生徒達がぞくぞくと校門から出てきていた。
「もう大丈夫。話すんだな」
「翔がどうかしたのか?」
「……翔の様子がこの頃、すごく変なんだな」
「変って……どんな風に?」
う~んと右手を顎に当てながら少し首を傾げ、隼人は話を続ける。
「始めのうちはずっとニヤニヤしてたんだな。話しかけても上の空だったりするんだ。先週の金曜日くらいからなんだな」
「ふんふん」
「最近になると、誰もいない所をじーと見たりするんだな。たまにぶつぶつと何もない空間に向かって独り言を言うんだな」
「あら~」
「今日は特に変だった。
2時間目からそわそわし出して、授業が終わるまでず~っとニヤニヤしたりして、すごく挙動不審だったんだぁ。たぶん、今もそうなんだな」
「う~ん」
始めの方でニヤニヤしてたのは、多分ブラマジガールのことを考えてたんだろうね。
先週の金曜日なら時期的にも合ってるし。――しかし、後がぜんぜんわからない。
「十代には相談したのか?」
「とりあえずほっとけって言ってた」
「……う~ん」
唸りながら少し悩む。やっぱり心当たりはない。
「あー、先週の金曜日くらいからニヤニヤしてたって言うのは、多分翔がその頃に欲しいカードを手に入れたからだね。後のは……正直……俺にもどうなってるのか分からない」
「そっかぁ……じゃあ、しようがない……」
「まぁ、明日からは俺も注意してみるよ。
隼人も翔のことを少し気にかけるようにしてあげて」
「うん。分かったんだな」
「取り合えず今日はこれで帰るよ。何か気づいた事があったらいつでもメールしてくれ」
正直、今は翔よりもオークションの経過の方が気になっている。
隼人には悪いけど、翔が特に危ない事をしている訳じゃないのだったらほっといても大丈夫だろう。
何より、いつも一緒にいる十代が大丈夫と言ってる訳だしね。
その夜、十代から「緊急」という題名でメールが送られてきた。
そこには翔が誘拐された事と、今から翔を助ける為に女子寮に向かう事が書かれていた。