仮面ライダー鎧武~アナザー・エンド~   作:榛野 春音

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脅威のライダー

 

 

海堂は、バナスピアーを振り上げると物凄い勢いで誰かまわず襲いかかって来た。

「遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ!イひゃはははははは!!!!!!!」

 

斬月が前に出て、海堂の突きをメロンシールドで受け流す。

そして、無双セイバーで一撃。

怯んだところに二撃三撃と斬月は攻撃を加えた。

だが、

「イひゃああ!!!!!」

発狂した海堂は、四撃目の攻撃を素手で受け止めた。

アーマードライダーになっているとはいえ、渾身の無双セイバーを素手で受け止めるなど人間技ではない。

「何っ!?」

斬月が驚いた隙に海堂はバナスピアーで胸部への連続攻撃を行った。

「がはっ!!!」

十連続近い突きを受けて、斬月が吹き飛ぶ。

地を転がった斬月の変身が解け、呉島が気を失う。

「先生!」

ザック達が呉島に駆け寄る。

海堂は、今度はメグミの方を見た。

「ガイム~。見たぜガイム~。この間の戦いぃい?俺にも分けろよぉ~あの痛みいい!」

言うなり、突っ込んで来た。

「きゃっ!」

バナスピアー攻撃に思わず、メグミはよろけてしまう。

しかし、なんとか踏みとどまって、第二撃目を交わす。

そして、バナスピアーを突き出したことで生まれた隙にダイダイマルで一撃。

斜めに斬り上げたことで、海堂が反転しながら少し飛ぶ。

踏みとどまった海堂が笑い声を漏らす。

「いいねいいねいいねぇええええ!!!!!!」

海堂は、素早くカッティングブレードを二回スラッシュした。

《COMEON! バナナオーレ!!!》

電子音声の後、バナスピアーにエネルギーが充填される。

メグミもカッティングブレードを切る。

《ソイヤッ! オレンジスカッシュ!!!》

海堂がバナスピアーを突き出すタイミングを計り、メグミはダイダイマルでバナスピアーを叩いた。

バナスピアーのエネルギーエフェクトの軌道が反れ、逃げようとしていた初瀬と城乃内に直撃した。

「うおあっ!!」

「なあああ!!」

二人は吹き飛び、地を転がる。

二人とも変身が解けて、痛みにもがく。

 

メグミに攻撃の軌道を反らされたことに海堂は、興奮したように笑う。

「いいねいいねぇ。流石ガイムだぁ」

その声は、まるで愛しい何かを愛でるような響きを持っている。メグミは思わず身震いする。

すると、海堂はとあるロックシードを取り出すと開錠した。

《マンゴー》

海堂の頭上に新しいアーマーパーツが出現し、バナナのアーマーは消滅する。

「こいつで痛めつけたら、もっと痛みをくれるかな?」

まるで、新しい発見をした子供のような口調で海堂は言う。

《LOCKON!COMEON! マンゴーアームズ!! FIGHT OF HAMMER!!!!》赤と黄色のアーマーを纏った海堂がマンゴーパニッシャーを構える。

「そらっ!いくよぉおお!!!」

パニッシャーの重い一撃がメグミにヒットする。

「ああっ!!」

メグミが宙に浮く、そこに海堂は回転横降りをかました。

物凄い衝撃波と共にメグミは吹き飛んだ。

地面に勢いよく叩きつけられたが、なんとか耐えられた。

顔を上げると、海堂が笑いながらゆっくりと近づいてくる。

「どうすれば・・・・」

メグミが呟いた時、

 

コツン。

 

突然、何かが頭に当たり、地面を転がる。

それは、ロックシードだった。

 

いったいどこから?

 

辺りを見回すと少し放れた物陰にあの謎の青年がいた。

青年は、薄く微笑むと去って行く。

 

メグミは、海堂に向き直りそのロックシードを開錠した。

《パイン》

オレンジアームズが消滅し、その頭上にパイナップルのアーマーパーツが出現する。

「何っ!?」

海堂が動揺する。

メグミは、オレンジとパインを取り替える。

《LOCKON!》

《ソイヤッ! パインアームズ!粉砕!デストロイ!!!!》

アーマーパーツが降下、展開する。

アームズチェンジしたメグミは、その手に握られているパインアイアンを見る。

イガイガとしたパインの重りに鎖が付いている。

メグミは、鎖を握り重りをグルグルと宙に振り回してみる。

 

かなり重い・・・・けれど、これならマンゴーにも勝てそう!

 

メグミが構えたのを見て、海堂がマンゴーパニッシャーを構え直す。

「いいねぇ。もっともっと遊ぼう」

 

 

 

 

 

 

 

 

青年は、メグミと海堂が闘うのを鋭い瞳で見つめていた。

 

「どういうつもりだぁ?」

 

突然、声をかけられる。

青年は、振り返らずに言った。

「サガラか・・・・」

すると、サガラはゆったりとした足取りで青年の背後に立つ。

「何でまた、あんな連中にドライバーを渡したんだ?」

「運命をねじ曲げる為さ。彼ら彼女らは、運命をねじ曲げる素質があるからね」

すると、サガラは首を振る。

「だからって危険児や女に渡すことはなかっただろ?」

それを聞いて青年は、フッと笑う。

「お前とて、仮面ライダーをたんなる正義の産物で終わらしたくはないだろ?・・・・まぁ、だとしても最後は正義に終わる。ならば、その中に少しくらい歪んだヤツや女がいても悪くない」

サガラは、それを聞いて押し黙る。

青年は続けた。

「まぁそれに、以前と同じ終わりを見ない為にもな」

サガラは、そこまで聞いて顔を上げた。

「お前!まさか!」

「あぁ・・・・そうだ」

青年の返事を聞くなり、サガラはポケットから幾つものヒマワリロックシードを取り出し開錠した。

クラックが開き10匹近いインベスが出現した。

サガラは声を荒げた。

「そこまで干渉するとなると、・・・・俺も黙っていられねぇ!」

インベス達が迫る中、青年は笑った。

「なめるなよサガラ。・・・・俺は一度死んで強くなった。本当の強さにこそ届かぬが、インベスを数匹葬り去るくらい造作もない!」

そう言って、青年は腰に戦国ドライバーを装置した。

そして、異形のロックシードを取り出して開錠した。

《ショッカー》

固有クラックが展開し、ショッカーのエンブレムが大きく刻まれたアーマーパーツが降下して来る。

《LOCKON!》

それを見て、サガラが後ずさる。

青年はカッティングブレードをスラッシュした。

《COMEON! ショッカーアームズ! 地獄の集団オンパレード!!!!》

アーマーパーツが展開し、ショッカーの掛け声が響くと同時に変身した青年の周りに五人のショッカーが現れる。

変身した青年は、ショッカー達に命じる。

「やれ!」

「「「「「イー!!!!」」」」」

ショッカー達がインベスに襲いかかった。

ショッカー達は、完璧なフォーメーションで直ぐにインベスを殲滅した。

インベス達があっという間に倒され、サガラは更に後ずさる。

青年は言った。

「去れ。・・・・運命はねじ曲がる。邪魔するならば、貴様と言えど排除する」

「・・・・世界の仕組みを変えるのか?」

「あんなもの無くとも、世界は回るし人間は生きていける。蛇如きが人間を侮るなよ?」

青年が語尾を強めると、サガラは無言で空気に解けて消えて行った。

 

残された青年は、変身を解くと再び視線を戻す。

激しく闘う二人の戦士をやや冷めた目で見つめ、一言。

 

「・・・・さぁ。誰が運命をねじ曲げるのかな?」

 

 

 

×××

 

 

 

パインアイアンによる攻撃は、なかなかにトリッキーかつ応用の利く便利なものだった。

「やぁ!!!!はぁ!!!!!」

メグミは、グルグルとパインアイアンを振り回して、海堂を攻撃した。

海堂もマンゴーパニッシャーで攻撃を弾き返しながら、攻撃チャンスを狙っている。

「いいよ!いいよいいよいいよいいよ!!!ガイム!いや、剣山メグミ!お前最高だよ!!!」

狂ったような声で叫び、海堂が迫ってくる。

メグミは、カッティングブレードをスラッシュする。

《ソイヤッ! パインスカッシュ!!!》

メグミは、その場でグルグルと回転し、砲丸投げのようにパインアイアンを海堂に投げつけた。

パインアイアンは、そのまま空中で変化し海堂を包み込んだ。メグミは、そのまま空中に飛び上がる。エネルギーが足に集中する。

「やあああ!!!!」

メグミは、そのまま海堂に必殺キックをお見舞いした。

 

オレンジのフルーツエフェクトと共に爆音。

 

海堂が盛大に吹き飛んだ。

 

「えへへへ・・・・効くねぇ~。いいよお前ぇ・・・・」

立ち上がった海堂は、変身を自ら解除した。

そして、メグミにズビシッと指を指すと薄く笑う。

「いつか俺のものにする」

「は?」

メグミは、いきなりの海堂のセリフに素っ頓狂な声を上げる。

しかし、海堂はそれ以上何も言わず走り去った。

 

 




だんだん話が壮大になっていくwww

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