仮面ライダー鎧武~アナザー・エンド~   作:榛野 春音

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最近、変身の音声が違うとのご指摘をよく頂きます(笑)
ですが、タグに オリ設定 と書きましたので、少々のことは片目閉じていただけたら幸いです!

それでは最新話をお楽しみください!!


アーマードライダー

 

 

オレンジアームズを纏ったメグミは、向かってくるインベスをダイダイマルで一閃。

火花が散り、インベスがのけぞった。メグミは、素早く腰にある無双セイバーを抜き放つ。そして、のけぞったインベスにもう一撃。

今度は、インベスが吹き飛んだ。

メグミは、無双セイバーのレバーを引いて銃撃を放つ。

数発がインベスにヒットし、更なるダメージとなる。

メグミは、先ほどのビジョンを思い出しながら、次々にインベスを攻撃する。

そして、

無双セイバーを腰に差しなおし、ダイダイマルを構え直すと、ドライバーのカッティングブレードを一度だけスラッシュした。

《ソイヤッ! オレンジスカッシュ!!!》

電子音声の後、ダイダイマルにエネルギーが充填されるのが分かる。

エネルギーが十分にたまったところで、メグミはダイダイマルをインベス目掛けて大きく横降りした。

 

すると、横降りに合わせてオレンジの斬撃エネルギーがインベスに飛翔し直撃する。

 

グエエエェェ・・・・

 

弱々しい呻き声を上げたインベスが倒れる。

刹那。

爆音とともにインベスが爆発し、跡形もなく消滅した。

 

 

勝った。

 

 

そう思ったら、不意に力が抜けてへたり込んでしまった。

メグミは、ゆっくりとロックシードのフルーツパーツを閉じると、変身が解除された。

そこへ足を軽く引きずりながら、変身を解除した鳳蓮が歩みよって来た。

「先生・・・・」

メグミが呟くと、鳳蓮はそっとメグミの頭を撫でた。

「いいのよ。事情は、明日にでも聞くわ。だから、今日はお帰りなさい。家まで送るわ」

そして、メグミに肩を貸してくれた。

 

 

 

×××

 

 

 

翌日の昼休み。

相談室に呼ばれたメグミは、鳳蓮と新任の呉島を前に固くなっていた。

「メグミちゃん。肩の力を抜いてちょうだい」

鳳蓮は、そう言うと組んでいた筋肉隆々の腕をといた。

「昨日何があったの?」

メグミは、思い切って全てを話した。

 

頭痛によるビジョンのこと。ドライバーをよこした男のこと。

 

全て聞き終えた後、呉島が言った。

「そうか・・・・しかし、かと言って君を積極的にインベスとの戦闘に巻き込みたくはないな」

鳳蓮も唸る。

「そうね。でも、そのドライバーを預かればせっかくの危険回避の術を失う事になるわ」

「ならば、ひとまずは自分の身を守る為の護身用として持たせておきましょう。・・・・剣山さん。極力そのドライバーを使わないように生活してくれ。流石にそのドライバーは生徒が扱うにしては危険すぎる」

すると、メグミは言った。

「はい。・・・・でも、それなら誰か別の大人に使って貰うと言うのは?」

すると、鳳蓮と呉島は首を振った。

「戦国ドライバーは二種類あるんだが、君の持ってるタイプは最初に付けた者以外使えない仕様になっているんだ」

「まぁ。とにかくそのドライバーで無理に人助けして、危険に飛び込まないでってことよ?OK?」

「はい」

鳳蓮の言葉に頷くと、メグミは相談室から解放された。

 

 

 

×××

 

 

 

教室に戻ると、マイが真っ先に近寄って来た。

「ねぇねぇ。メグミ!これ見て」

そう言ってスマホの画面を見せてくる。

それは、人気DJサガラのネットニュースだった。

そこには、オレンジの装甲を纏った戦士がインベスと戦う姿が映っていた。その隅には変身したまま倒れている鳳蓮先生。

 

私・・・・だ。

 

幸いにして顔は映らなかったが、変身解除した際に制服が映ってしまっていた。

サガラが興奮した様子で喋る。

『この少女はいったい誰なのか!?俺は、このオレンジヒーローの事をアーマードライダー鎧武と呼ぶことにしたぜ!そして、その横にいる緑のライダーはブラーボにしたぜ!次彼女らに出会えるのは、いつなのか?楽しみだぜ!』

 

アーマードライダー鎧武。か・・・・

なんかかわいくないけど、いっか。そもそも装甲はかわいいというよりカッコイイだし、鎧武が似合ってるかな?

 

そんなことを考えてぼんやりしていると、マイが言った。

「ねぇねぇ!これウチの制服だよね?絶対そうだよ!すごいなぁウチの生徒にアーマードライダー鎧武がいるなんて!ヒーローがいるんだよ?ねぇ!すごくない?」

「う・・・・うん!すごいよね。鎧武か・・・・なんかカッコイイね!!」

マイに鎧武であることを隠すのは、少し心苦しいがこの際仕方ない。

マイと鎧武とブラーボについて話していると、午後の始業チャイムが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

「これを俺達に?」

「こいつって、例の鎧武ってヤツとブラーボってのが変身するベルトだろ?」

そう言って、男から戦国ドライバーを受け取るのは、沢芽高校三年の城乃内と初瀬だった。

二人は、すぐさまドライバーを装着するとそれぞれに与えられたロックシードを開錠した。

 

「「変身!!」」

 

変身を完了した二人は、直ぐに変身を解除するとニヤリと笑った。

「こいつで鎧武とブラーボを倒しちまえば、俺達がヒーローだ!」

「それいいな!」

二人は、そう言って手を取り合った。

それを見て、男は冷たい笑みを浮かべてその場を去った。

 

「どう使うかは、君達次第・・・・さ」

 

 

 

×××

 

 

 

先生に言われた故、危険とは分かっている。しかし、それでもメグミは、この力を自分の為だけに使いたくはなかった。

 

そう考えながら、ポケットにあるロックシードを握りしめた。

 

教卓では、呉島先生が社会科の授業を行っていた。

その時だ。

 

ジリリリリリリ!!!!!!!!!!!

 

警報機の音が校内に鳴り響いた。

するとすぐさま、校内放送が流れた。

『緊急連絡!インベスが校内に侵入しました。生徒諸君は教室からでないように!鳳蓮先生!呉島先生!至急対応に当たって下さい!現在インベスは、三階から四階に移動中!』

そこまで聞いた時、廊下の向こうでインベスの砲口が聞こえた。

呉島が言った。

「皆、教室からでないように」

そして、戦国ドライバーを取り出すと腰に装着する。

クラスメイト達が驚きの声を漏らす。

呉島が廊下に出ると、鳳蓮も丁度現れた。もちろん腰には戦国ドライバーが装着されてある。

廊下側の窓にインベスが映った。

今回は、緑色で長い詰めを持ったインベスだ。

二人の教員がロックシードを開錠した。

《メロン》

《ドリアーン》

固有クラックからアーマーパーツが出現する。

「「変身!!」」

《LOCKON!》

《LOCKON!》

二人は、素早くカッティングブレードでロックシードをスラッシュした。

《ソイヤッ! メロンアームズ! 天下御免!》

《COMEON! ドリアンアームズ! ミスターデンジャー!!》

 

二人の変身が完了すると、クラスメイト達が驚きと興奮の歓声をあげた。

アーマードライダーとなった二人は、すぐさまインベスに飛び交った。

 

インベスが爪で攻撃するが、呉島の持つメロンシールドに完全にブロックされる。そして、すかさず隙をついてブラーボがドリノコ二刀流で攻撃を加える。

 

「いけ!!やっちまえ!」

ザックとペコが声を張り上げる。

メグミは、少しホッとして二人の戦いを見ていた。

 

かなりインベスが弱って来た。

「呉島先生!決めますわよ」

「了解!」

そう言って、二人がカッティングブレードに手をかけた時、突然に突風が巻き起こり、校内の窓ガラスが次々に割れた。

メグミは慌てて、マイと一緒に伏せた。

 

直ぐに顔を上げて驚いた。インベスがもう一匹増えている。今度のは、羽が生えていて、コウモリに似ている。

新たなインベスに呉島が吹き飛ばされた。

「ぐはぁっ!」

「呉島先生!」

呉島を助けようと鳳蓮が立ち上がる。

しかし、爪のインベスに攻撃されて投げ飛ばされた。

「NOooo!!」

呉島と鳳蓮が折り重なるようにして倒れる。

すると、インベス達は、今度は生徒達の方に目を向けた。

呉島が呻く。

「生徒に手を・・・・出すな」

しかし、インベスは聞く耳など持つはずなどない。

ジリジリと生徒達に近寄って来る。

 

誰かが泣き叫ぶ。

と、体が勝手に飛び出していた。

 

メグミは、みんなの前に立つとインベスを睨んで言った。

「今度は、この鎧武が相手よ!」

そう言って、戦国ドライバーを取り出し装着した。

「変身!」

《オレンジ》

《LOCKON!》

《ソイヤッ! オレンジアームズ! 花道オンステージ!!!》

流れるような動作でメグミは、素早く変身した。

 

みんなが絶句する中、メグミは叫んだ。

「ここからは!私のステージだ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

メグミは、ダイダイマルと無双セイバーを構えて飛び出した。

二匹のインベスの攻撃を上手く交わしながら、少しずつ攻撃を与える。

「はぁああ!やぁ!」

 

ギュウゥゥ

グェエエ

 

インベス達が呻く。

その隙を逃さず、メグミはカッティングブレードをスラッシュする。

《ソイヤッ! オレンジスカッシュ!》

無双セイバーに接続することで薙刀モードになったダイダイマルにエネルギーが充填される。

 

しかし、ふと大事なことを思い出す。

 

ここで倒したら、みんなにも被害が及ぶ。

 

すると、立ち上がった呉島と鳳蓮がインベス達をそれぞれ掴んで、叫んだ。

「俺達がコイツらと飛び降りる!」

「そこを狙うのよ!」

「でも!それじゃ先生達が!」

メグミの迷っている仕草に呉島が怒鳴る。

「迷うな!私達は大丈夫だ!!!!!」

「そうよ!大丈夫!おやりなさい!」

言うが早いか、二人はインベスと四階から飛び降りた。

メグミは、意を決して自分も四階から飛び出して、カッティングブレードを更に三回スラッシュした。

《ソイヤッ! オレンジスパーキング!!!!!》

高濃度のエネルギーが一気に充填される。

メグミは二人のライダーが手を離したところで、インベス目掛けて全力の斬撃を放った。

 

そして、

 

物凄い轟音と共に二体のインベスは、跡形もなく消し飛んだ。

 

 

メグミは、驚いた。

四階から飛び降りたのになんともなく着地できたのだから。

そして、それは呉島と鳳蓮にもいえたことだった。

「アーマードライダーシステムは思った以上に優秀なんだな」

変身を解除した呉島がニヤリと笑った。

「そうね。初め死んじゃうかと思った」

鳳蓮もドライバーを外しながら、微笑んだ。

「先生達無事で良かった~」

メグミは、変身を解除しながらへたり込んだ。

すると、呉島が手を差し出しくる。

「まさか、生徒に助けられるとはな。ありがとう剣山さん」

「私もよ。ありがとうメグミちゃん」

メグミは、呉島の手を素直に取ると、照れ笑いを浮かべた。

そして、二人に軽くお辞儀した。

 

「さぁて。教室に戻りましょう?」

鳳蓮の言葉にメグミは、クラスのことを思い出す。

 

みんな自分が鎧武だったから、驚いちゃってたよ・・・・どっどうしよう。

 

メグミがオドオドしていると、呉島がやれやれと言った様子で静かに言った。

「上を見てみろ」

そう言われて大人しく、上を見る。

 

あ!

 

そこには、クラスから手をふるクラスメイト達の姿が見える。

みんなが鎧武達の勝利を喜んでいるようだった。

よく見ると、自分のクラスに限らず、他のクラスの人達もこちらに顔を覗かせて歓声を上げていた。

 

それを見て、メグミは安心してフーッと息を深く吐いたのだった。

 

 

 


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