ソードアートオンライン ~絶空の鬼人~   作:与月

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今回は急いだ分短くなってしまいました。

次回からは気をつけます(*_*)


第一層ボス討伐

さすが現段階のトッププレイヤーというべきか、ボス部屋にたどり着くまでHPが一割以上減ることは一度もなかった。装備もレベルも最高プレイヤーなのだから当たり前といえば当たり前なのだが。

その中でも特に目立って敵を蹴散らしたのはリナツだった。 

女と知れたからにはナメられないようにと、敵をボコボコにした。

その光景を見て、キリトとアスナはもちろん、その他の連中も恐怖に顔がひきつっていた。

 

 

30分かけようやくボス部屋の前にたどり着いた。

しんと静まっている仲間達にディアベルは自分の決意を伝えた。

 

「みんな!!今から知っての通り、ボス討伐だ。不安なのは当たり前!だけど俺達は勝たなければならない!下で待ってる皆のためにも。絶対死ぬなよ!よし、勝とう!!」

 

ディアベルの言葉で緊張でいっぱいだった全員の心が少し楽になった。

 

「「「「おおぉぉぉ!!!!」」」」

 

ボス部屋の前に気合いの咆哮が鳴り響いた。

それと同時に、勢いよくディアベルは扉を開けた。

 

 

右手に人二人分くらいの馬鹿でかい斧、右手に鈍く光る円盾を携えたコボルトの王《イルファング・ザ・ゴボルトロード》はプレイヤーたちが部屋に入ってくるのを見ると、いかにも獣らしい雄叫びをあげ、襲い掛かった。

コボルト王が動き出すと共に壁際でコボルト王の取り巻き、〈ルインコボルトセンチネル〉がポップした。リナツ達のパーティー、G班、ディアベルのパーティー、A班、B班、タンクパーティー、C班、D班はコボルト王へ。

取り巻き担当パーティーのE班、F班は取り巻きへ、それぞれ駆けていった。

 

フロア中に武器がぶつかり合う音が響いていた。ボスのHPは5段と膨大だ。今はそのうちの一段目をやっと、削ったところだった。

 

「よし!C班はD班と交代!B班、ボスのタゲを取ってくれ!」

 

掛け声とともにB班は敵の憎悪値(ヘイト)を稼ぐため威嚇(ハウル)の雄叫びをあげた。

ボスのヘイトはB班へと向き突進していった。そのスキを逃さずにC班、D班が入れ代わり、B班の元へ着く前にボスを威嚇し自分達にボスの気を向けさせた。

D班がボスの攻撃とヘイトを受けてい間にリナツ達とB班は側面からボスにソードスキルを叩き込んだ。

ジワジワとボスのHPが削れる。

ボスは怒り狂い、D班の一人を斧でたたきつけた。盾で防いだものの、全力の一撃のためHPが満タンから黄色のゾーンまで半減した。

それ見たディアベルは即座にB班とリナツ達のパーティーに威嚇するように命じた。

ボスの矛先はリナツ達へと向き、何とかHPが半減した盾使いを戦線が離れさせることに成功した。

 

ここまでこの調子で順調に四段目のバーまで削っていった。

そして、遂に四段目のバーを消滅させると言うところでディアベルはさらなる指示を出した。

 

「よし!ここから、ボスの武器と攻撃パターンが変わるぞ!予定通り冷静に!」

 

そう、第一層フロアボス、イルファング・ザ・コボルトロードはHPバーが五段目に突入すると同時に武器を斧から曲刀に変えるのだ。それをβ時代の攻略本で知って、もちろん曲刀に対する対策を立てたのだ。

ついに四段目のHPバーが消滅した。

四段目のHPバーが消滅したのをコボルト王は怒りの雄叫びをあげた。そして、今まで使っていた斧と円盾を投げ捨て背中へと手を伸ばし剣の柄を握り一気に引き抜いた。 

 

コボルト王の手に握られている剣は曲刀・・・・ではなく、刀だった。《野太刀》

黒ずんだ銀色に輝くその刀はβ時代の武器とは全く違う物だった。

 

それを見たプレイヤーたちは驚き、動きが止まった。

コボルト王はまさにそれを期待していたのかの如く、瞬時にソードスキルを発動させた。

大きく刀を後ろに引き、緑のライトエフェクトを帯びた刀を水平に若干飛び上がりながら振る。全方位ソードスキル〈旋風〉。

初期動作に遅れた、A班、B班、C班は攻撃をまともにくらった。

くらった、全員のHPが4割近く削れる。

さらに、コボルト王は敵を仕留めるべく刀を上段に構える、二連撃ソードスキル〈幻月〉。

 

青のライトエフェクトを纏った刀は倒れているプレイヤーを一刀目でHPを3割削った。そして、二刀目、左上段に構え、力任せにプレイヤー目掛けて振った。

誰もが死を覚悟したその時、緑の閃光がコボルト王の刀をはじき飛ばした。

 

ガキィィィィン!!

 

と、金属と金属が激しくぶつかり合う音が部屋全体を響かせた。

 

コボルト王と刀をはじき飛ばしたプレイヤーは両方とも後ろに吹き飛んだ。

 

「今のうちに早く下がれ!!」

 

必死の形相でそう叫んだのは黒一色の装備を身につける、キリトであった。

 

キリトの叫びでようやく立ち上がった、プレイヤー達は素早く後ろに下がる。その間を縫うように走る二人のプレイヤー、リナツとアスナは兜とフードを脱ぎ捨て、武器を構えた。

キリトの攻撃〈ソニックリープ〉ではじき飛ばされ転倒(タンブル)し、手足をじたばたしているコボルト王にソードスキルを叩き込んだ。

 

水平単発ソードスキル〈ホリゾンタル〉

単発突きソードスキル〈リニアー〉

 

二つの閃光がボスのHPを2%ほど削る。

そして、まだ立てないコボルト王にさらにソードスキルを叩き込んだ。

HPがまた2%ほど減った。

 

やっと立ち上がったコボルト王は怒り狂い刀をめちゃくちゃに振った。

それにともない、回復を終えたディアベル達にキリトは自分がボスのソードスキルを見極め、指示を出すということを伝えた。

皆、一瞬疑念を抱いたがすぐに打ち消し、ボスの元へと向かっていった。

 

キリトが指示し、かわし、攻撃タイミングをディアベルが指示するという戦法をとり徐々にHPを削る。

 

ついにあと10%ほどというところでコボルト王は幻月を発動させる。それをキリトは自分もソードスキル、ソニックリープではじく。

ギィィィン!とボスの刀をはじき、さきほどのようにはじき飛ばされたキリトは大声でスイッチ!と叫ぶ。

HPを一気に削るべく、アスナとリナツはキリトと交代し前に出る。

 

まずアスナのリニアーで2%ほどHPが減る。    

リナツは剣を『ノーマル』に水平に左から右へと振り抜く、そして腰に剣を構えソードスキル、ソニックリープを放つ。剣は右下から左上へと跳ね上がりリナツをスキル硬直が襲う、がスキル硬直が起こるギリギリでさらに剣を後ろに引く。剣に赤いライトエフェクトが包みこむ。そして、スキル硬直を無視したソードスキルを放った。

『左利き』の人が放つ体制からの二連撃ソードスキル〈バーチカルアーク〉。

 

左上から放たれたその剣は深々とボスの体を切り裂き、さらにVの字を描くように振り上げる。そして、残り2%をきったボスのHPをついに全損させた。

巨大な爆散音とともにボスの体はポリゴン片へと砕け散った。

 

 

《Congratulatioes!!》

 

 

ボス撃破を伝えるメッセージとファンファーレが鳴り響いた。

一瞬間を置いて、全員が歓喜と希望からの大歓声をあげた。

そして、リナツの前には《You get last attack bouns!!》の文字が映し出されていた。

 

リナツの使用した技のような連携はキリトにも秘密で猛特訓した技であった。

ある日の夜、キリトに負けないように、置いてかれないようにと毎晩のようにソードスキルを練習していた。もちろん圏内で。

その日はリナツはソニックリープを練習していた。最前線だろうが人はあまりいない町で緑の閃光が何度も何度も煌めいていた。

リナツは練習していくたびに二連撃ソードスキルのバーチカルアークがソニックリープを放ったあとの体制に近い状態から放つことを思いついた。そこで、試しにやってみたところ成功した。さらにただノーマルに剣を振るのも1回目はそんなに遅くないと考え、最初に一撃加えることにした。

そんなユニークな発想の、数にしてまだ覚えられるはずのない、4連撃の技はリナツの必殺技となったのである。

もちろん、反復練習を何回もした。

 

そんな技はボスに有効に使われた。

 

皆、リナツに技について尋ねたがリナツの一声でだまらされた。

 

「街についたら、死にたい奴だけ教えてあげる♪」

 

と。。。

 

 

第2層のアクティベートはキリトとリナツに託された。

あんまり疲れてなさうという理由から。

アスナは疲れたと一人帰っていった。

 

そして、二人は長い階段を上り、ついに第2層へと続く扉を勢いよく開けた。

 




リナツのソードスキルの連携は・・・・・っとネタバレになるのでふせとおきますが・・・・から取ったものです。半ばチートみたいですが主人公なので、ま、いいでしょう!

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
次回もよろしくです。

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