今回はちょっと私が大ピンチ!?
ちょっとばかり派手にやり過ぎたみたいで、どうやら怒ってる方がいるみたいなのですよぉ。
さてはて、私こと大鯨ちゃんがどうなっちゃうのか……
でもそれ以上に、今回のネタがべたべた過ぎて筆者の引き出しの無さが感じられちゃいますよねー。
あれ? そこで倒れてる人は誰でしょうねぇ……胸を押さえてうずくまってますけど……
まぁ、どうでも良いです。早く開始しちゃいましょう~。
あっ、ヤンデレは全くないのであしからずー。
こっんっばっんっわー。大鯨ちゃんですよー。みんな元気にしてましたかぁ~?
え、出てきてほしくなかった? えー、なんでですかー?
オシオキが怖い? そりゃあそうですよぉ。悪い人にはそれ相応の末路が必要なんですからぁ~。
本日も憲兵さんからお便りがきていますー。早速読みますねー。
『大鯨さんへ。
最近こちらにきてくれなくて寂しいのです。いったいどうしちゃったのでしょうか?
雷ちゃんも毎日大鯨さんがきてくれるのを楽しみにしながら待ってますが、時折寂しそうな顔を浮かべているのを見るのがとても辛いのです。
お仕事がお忙しいのは分かっていますが、時間が出来たらたまには顔を見せて欲しいのです。
それとも、もしかして……他に好きな……ううん、なんでもないのです。
それではお身体に気をつけて、お仕事頑張って下さいね。
電 』
………………
あれ? これって電ちゃんからの手紙じゃないですか。
しかもなんですかこれ。どうして私のところに直接送られてこないで、憲兵さんの方にいってるんです?
えっ?
た、確かに、電ちゃんには最近会えてませんけど……
り、理由ですか?
えっと……じ、実は夕立ちゃんが……その、寝かせてくれなくて……
いやぁー、まさかあんなに攻めてくる性格だとは思ってなかったんですよねー。大鯨ちゃんビックリ! なんちゃって……
あ、あはは……
や、やっぱりダメですか?
なんでかなー……周りに人の気配がいっぱいあると思うんですけど……もしかして私、囲まれちゃってます……?
これってかなりの大ピンチ……ど、どうしましょう……
1人や2人なら返り討ちにしちゃいますけど、この気配は……多過ぎません?
え? 今回のターゲットは……やっぱり……
私ですよね……
◆ ◆ ◆
「ハッ!?」
こ、ここはいったい……?
視界が殆ど分からないくらい暗くて、なんだか湿っ気があって……
そして、どうやら私は椅子か何かに座らされた状態で拘束されているようです。両手は背中の方で縛られているみたいですし、両足もくっついた状態で殆ど動きません……ううぅ……
おまけになんだか頭が重いです。殴られたとかそういうのじゃなくて、物理的に何か重たい物がくっついているような……
ブウゥゥゥンッ……
急に何かが動いたような音が鳴り、私は咄嗟にそちらの方に顔を向けてみました。
――そこには古ぼけたテレビの様な物が置かれ、画面が光っています。
あれ、この感じ……何かの映画で見たことがあるような……
「やぁ……大鯨=サン」
声と同時にテレビの画面に人影が映し出されました。白色の軍帽に、口元を覆った金属製のマスク。
――そう。この姿は私にお仕事を紹介してくれた憲兵さんに似ていますけど……
「大鯨=サンには、我々が手に余る提督を処罰するために動いてもらっていた。しかし成果はあるものの、オシオキをした提督と変わらぬ事をしてしまっては全くもって意味は無い」
うっ……それはちょっと耳が痛いかもです……
「そこでだ。大鯨=サンには一つ、訓練を受けてもらおうと思う。とは言っても、失敗すれば命は無いのだが……まぁ、君が生きる意思を示せば乗り越えられるだろう」
よりにもよって、そんな丸パクリな事をしなくてもと思うんですが……やっぱり止めてくれないですよねぇ……
「それでは、簡単に説明をしておこう。
まず君の頭に取り付けてあるのは、特殊な万力だと思ってくれれば良い。
そしてそれは、一定時間が経つと少しずつ締まっていく。その間隔は3分間だ」
つまり、私の命は最短で3分間しかもたないということでしょうね。相手が本気で殺す気なら……ですけど。
でもそれなら、既に私は殺されちゃってます。つまり、私が焦る姿を見たいというのが本音なんでしょう。
虫酸が走るクズの考えそうなことです。ですがまぁ、人のことは言えないかもしれないですねぇ。
私もそういうの、嫌いじゃないですしー。
………………
あ、やばっ。ちょっと興奮してきちゃったかもっ。
………………
……冗談ですよ?
さすがに死に直面して興奮するのは殺し屋ONEだけにしといてください。あれは完全に変態ですから。
とまぁ、一人でノリツッコミしても状況は変わりませんし、なんとか脱出する方法を考えないと……
「そして、その万力を取り外す方法は非常に簡単だ。
大鯨=サンの両方の太もも。そこに鍵を1つずつ入れてある」
その声と同時に、私の真上から照明が当てられました。
「その証拠がこのレントゲン写真だ。それでは頑張って抜け出してくれたまえ。ははっ、はははははっ!」
画面には私の身体を撮ったと思われるレントゲン写真が表示され、両足の太ももには鍵らしき物が2つ写っています。
ガチャッ……
「あらっ?」
両手と両足を拘束していた物が外れるような音がしたので動かしてみると、完全に自由になっていました。
つまり今から開始ってことでしょうけど……さて、どうしましょうか。
まずは椅子から立ち上がって周りをチェックです。部屋の隅には……監視カメラっぽい物が1つありますけど、とりあえず鬱陶しいので……
ガッシャアァァァンッ!
はい、テレビを投げつけて壊しときましたっ。これで見られることはナッシング~♪
さてさて次は、鍵を取り出すための刃物なんかがあるのが定石ですけど……おっ、座っていた椅子の後ろにありましたねー。
ちなみにまだ時間は10秒も経ってません。まぁ、3分も余裕があるので全然大丈夫なんですけど。
それじゃあカッターナイフの刃を伸ばしてー、カチカチカチー。
はいはーい。まずは右足からぶっ刺しますー。
スパッ……
あ、もちろん鍵を埋め込んである場所は縫い跡で余裕のよっちゃんですから、最小限の傷で済みますよー。
はい、2cmくらい刺し込んだところで金属っぽい感じがしたので、これくらいでいいですねー。
それでは少しきついので……大きく息を吸ってから~、
ズブブブッ……
うーん、やっぱり痛いですねぇ~。この際、感覚カット出来たらすんごい楽なんですけどー。
でもまぁ、折角用意してくれたんですし、最低限は味わってあげないと可哀相ですよねー。
それに、痛い思いをすればするだけ、お返しにも力が入りますし。
ぐりぐり~、ぐりぐり~
おっ、これですねー。頭がちっちゃい丸型の金属製鍵を発見ですー。
それじゃあ今度は左側ですねー。同じようにやりますよっと。
スパッ! ぐりぐりぐり~。
同じ様子を伝えても余り面白くないですし、その辺はカットしちゃいます。太ももをカットして状況をカット。これいかにって感じですねー。
と言うわけで、もう一つの鍵もゲットです。早速頭の万力の穴に差し込んでー……
ガチャガチャガチャ……
あれ? 鍵が回りませんねぇ……
もしかしてアレですか? どんなけ頑張っても最後はダメってパターンです?
うーん、それって最終的にオシオキされちゃうパターンになるってことを分かってないんでしょうか?
ルールを決めて開始した時点で、救いが無いのは規則違反ですよーっ。
しかしこうなった以上、この鍵は使い物にならないということですねぇ……
そして、ヤンデル大鯨ちゃんのオシオキ日記もこれで終わり……うーん、残念でしたー。
それではみなさん、良いオシオキ日和をお送り下さい。私、去り際だけはアッサリなんでー。
さよなら、さよなら、さよならー。
◆ ◆ ◆
「くくくっ……はははははっ!」
例えビデオカメラが壊れようとも、頭の万力は外れはせん! 無駄な足掻きと言うことだ、馬鹿者がっ!」
「これで我々も安心して眠れるということですねぇ……いやはや、中将殿には感服いたします……」
「はっはっはっ! それほどでもないっ、それほどでもないぞ……」
バッキャーーーーンッ!
「なあっ!?」
「ひえぇっ!?」
「はいはーい、大鯨ちゃんったら首謀者を発見いたしましたぁ~」
「な、なななっ、なんで貴様がここに来るのだっ!? しかも頭のアレはどうしたっ!?」
「そんなの簡単ですよぉ。さっさと外してからカメラのコードを辿ってきただけですから~」
「ば、馬鹿なっ! アレの鍵は元々開かないはずっ! それをどうやって……」
「そんなの、力任せに決まってるじゃないですかぁ~」
「「……は?」」
「私を誰だと思ってるんですかぁ~? 艦娘ですよ、艦娘。そこらへんにいる人間と比べてもらっちゃあ、酷いってもんです。馬鹿にされちゃってる感丸出しですよぉ~」
「い、いや、しかし……」
「そ・れ・に、どんなに傷を負ってもドックで修復できちゃいますしー」
「「……あっ!」」
「もしかしてと思いましたけど、気づいてなかったんですかぁ~?
馬鹿にも程があるって感じじゃないですよー?」
「ぐっ! い、言わせておけば……」
そう言いながら、懐に手を入れようとしているのはさすがにダメですよーっと。
サクッ
「ぐあっ!?」
見事にカッターナイフが男性の腕にぶっ刺さり~♪ 痛みでうずくまってますねー。
あ、投げたカッターナイフは私の太ももを切ったやつです。相手に武器を持たせる段階で失敗ですよねー。
「ひっ、ひいぃっ!」
あらあら、もう一人はオシッコちびっちゃってますねぇ~。あなたはちっちゃいお子様でちゅかぁ~?
「それじゃあ、今度は私の番ですね~。
あっ、もちろん、頑張ったらちゃんと救われるような仕組みにしておきますから大丈夫ですよー」
「た、助けっ……助けてくれっ!」
「何を馬鹿なことを言ってるんですかー。やられたらやり返す。人を呪えば穴二つ。恨みの先には恨みしか残らないんですよねー」
「や、止めろっ! 止めてくれぇぇぇっ!」
それじゃあ早速、いってみましょう~♪
◆ ◆ ◆
「くそっ! 離せっ、離せえぇぇっ!」
「頼むぅ……助けてくれぇ……」
私の時と全く同じように、頭には万力をつけ、手足はスイッチで外れる手錠をつけておきました。
どうやら既に気づいているようですが、雰囲気は大事なのでテレビから話すことにしましょうかー。
ブウゥゥゥンッ……
「はいはーい、大鯨ちゃんでーすっ♪」
「貴様ぁっ! 何をやっているか分かっているのかぁっ!」
あらあら~、まだまだ元気が有り余っているって感じですねー。
「もちろん分かってますよー」
「こ、こんなことをすれば、憲兵に……」
「ええ、それが嘘だってことも分かってまーっす」
「な、何だとっ!?」
「あれあれー、あんなちゃっちい変装で分からないと思ってたんですかー?
憲兵さんのマスクは上手く作ったのか持ってきたのか知りませんけど、服装も同じにしないとすぐにばれちゃいますよねー」
「くっ、糞ぉっ!」
――そう。憲兵さんの服装の色は白色なんかじゃありません。あんな服を来ているのは、提督さんくらいですよねー。
「それじゃあ、お返しの大鯨ちゃんバージョンの説明でーす。よく聞いとかないと、たった一つの命を無くしちゃいますよー?」
「や、止めてくれっ! 頼むから助けてくれっ!」
「イ・ヤ・でーす。私はちゃんとクリアしたんだから、頑張ってくださいー」
「あ、あんな方法っ、クリアと呼べるものかっ!」
「えー、そうですかぁ? 生き残ったら勝ちってもんじゃないんでしょうかー?」
それに、首謀者もちゃんと捕まえましたしねー。
「頼む……頼むから……」
「フンッ、情けないやつめ! そんなのだから昇進せんのだっ!」
「そ、それとこれとは別では……っ!」
「気が弱いのは提督としての素質がないからだっ! 私はこんな状況でも決して諦めん! 諦めんぞぉっ!」
「はいはーい。気合いも充分みたいなので説明を続けまーす。
ルールは簡単っ。私につけた万力を外す鍵をとある場所に隠してありますー」
「隠してある……だとっ!?」
言って、2人は自分の太ももの辺りを慌てて見ましたけど、ちゃんとズボンを履かせてあるので見えませんよー。
「あ、これがヒントのレントゲン写真でーす。しっかり見てくださいねー」
ポチっとな……と、手元のボタンを押してテレビに映しますー。
ちなみに部屋にあったテレビはカメラを破壊するときに壊しちゃったので、別途用意したんですよー。
この請求書は後で本当の憲兵さんに渡しておきますねー。必要経費ですしー。
「こ、これは……っ!」
「お、同じように……見えるのですが……」
「そうですねー。位置自体は私の時と変わってませんよぉ~」
「な、ならいったい何だと言うのだっ!」
「簡単でーす。あなたたちの太ももに入っている鍵は、向かいにいる方の解除鍵になりますー」
「「なっ!?」」
うんうん、見事に驚いてますねー。細工をしたかいがありましたよぉ~。
「あ、もちろん、鍵を使えばちゃんと外れますので大丈夫です。そこはきちんと断言しますー」
「つ、つまり……コレを外すには……」
「や、奴の太ももにある鍵を取り出せば良いのだなっ!」
「飲み込みが早くて助かります~。ついでにサービスとして、胸ポケットに刃物をプレゼントしてありまーす」
「「……っ!」」
2人は動かせない手足の変わりに必死で顔を下に向け、自分の胸ポケットを凝視しましたー。
これでやる気は充分ですねー。それではそろそろ始めましょうー。
「ではでは、手足の枷を外しまーす。良く考えて行動してくださいね~」
ガチャッ……
「……くっ!」
「ひいっ!」
2人は枷が外れたと同時に素早く立ち上がり、胸ポケットに入っている小さなメスを取り出しました。
さてはてどうなるか……ですけど、結果はすぐに分かりますよねー。
「後のことは私がなんとかする。恨むならヤツを恨めっ!」
「わ、私がっ、私が生き残るのだっ! ちゅっ、中将なんかに……う、うわああああっ!」
はい。予想通り小さなメスで争い合いました。見事なまでに馬鹿丸出しって感じですねー。
後は放っておいても刺し傷や切り傷からの出血多量で亡くなると思いますよー。ものすっごく切れやすい、特注のメスですからねぇ~。
それでは後の始末は憲兵さんに任すという事で、手紙を送って来てくれた電ちゃんや雷ちゃんの所に行きましょうかぁ~。
ん、どうかしましたかー?
えっと、これだったら結局のところ救いが無い……とおっしゃってるんですか?
えっと、私の話をちゃんと聞いてました?
まぁ、分かり難かったかも知れませんし、ちゃんと説明してあげましょうー。
まず、鍵は相手の太ももにありますから、万力を外すには絶対に必要になります。
次に万力ですけど、私は一切タイムリミットの事は話してません。つまり、時間制限なんて全く無いんですよー。
なので、ゆっくり確実に太ももを出来る限り怪我しないように取り出せば、2人とも助かっちゃうんですよねー。
まぁ、憲兵さんが来るまでじっとしておいても問題は無いんですけど。
2人は私に仕掛けた万力を先入観として持ってしまったせいで、時間に余裕が無いと考え、斬り合ってしまった……と言うことなんですねー。怖い怖い。
人は焦れば焦るほど冷静ではいられなくなって、単調になりがちですからねぇ。まぁ、なるべくしてなった結果ですねー。
それじゃあ説明は終わりましたので、寂しがっている電ちゃんと雷ちゃんを……って、まだ何かあるんですかー?
そもそも万力を力だけで外せるような能力があるなら、初めになんで捕まった……ですか?
それは簡単なことですよ。
最初から、あの2人はオシオキ対象でしたからねー。
2人の詳細のお手紙を、憲兵さんから既に頂いてたんですよぉ。
それに、テレビ画面で言ってたあの話もおかしかったでしょ?
憲兵さんからすべて任されてるって、ほんとーーーーーに、最初の方にお話してましたよねー。
詳しくは1話を見れば分かります。あ、宣伝とかじゃないですよ?
つまり、私がやってることはぜーんぶ治外法権みたいなものなんですよねー。
後は、私を捕まえた複数の方をどうするかですけど……まぁ、それは後々のお楽しみということでー。
それじゃあ、スッキリしたところで今日はさよならでーす。
ではではみなさん。機会があれば、またお会いしましょう~。
さよーならー
ヤンデル大鯨ちゃんのオシオキ日記 ~捕まっちゃった!?~ 完
テンションに任せて書いてたらこんなんになっちゃった!
マジでごめんなさい。でもあれです。S●Wは1と2が最高です。3から後は……
元々ミステリーを書き始めたのが小説に入った切っ掛けだったので、こんな感じに仕上げてしまいました。
あと、冬あたりに艦娘幼稚園のミステリー? を出せたら良いなぁとか考えてます。
締め切り間に合うかどうか分かりませんけどね……ちょっと切羽詰まってる感じなのでー
ではでは、また続きが書けるテンションになったらお会いしましょう~
艦娘幼稚園はまだまだ連日更新でがんばりまーす。