バカとペルソナと召喚獣   作:まっき~

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どうも、まっき~です。
久々の更新になりました。
はじめに、今回から清涼祭編と思った方、残念ながらハズレです。

今回も感想を1件いただきました!!
小鳥遊凛さん、いつもいつも感謝してます!!
そういえば、千枝が凛さんの方に向かっていったとの情報が入っています。
生存確認を!!

それでは、本編へどうぞ。


29 林間学校

悠 side

 

 

 

「今から配布資料を配る。各自、しっかりと確認するように」

 

 

西村先生がFクラスの担任となってから数日たった。

補修も数回受けたが、過酷ではあるが、その分身に付いている気がする。

まあ、それはいいだろう。

今配られた資料を確認すると、林間学校のお知らせとある。

 

 

「林間学校か…」

 

「今週末が楽しみだな」

 

 

と、花村と話をしていたのだが、周りからかなり暗い雰囲気が漂ってくる。

 

 

「なあ、坂本。なんでみんなはこんなに暗いんだ?」

 

「ん?あぁ、お前ら2人は知らないのか」

 

「どういう意味だ?」

 

「この林間学校の目的は、『若者の心に郷土愛を育てる』ってことですよ」

 

「やることって言ったら、ここから見えるあの山でゴミ拾いくらいだな」

 

 

題材としてはある意味素晴らしい題材だが、ゴミ拾いで郷土愛と言われてもピンとこないな…。

 

 

「でも、夜って飯盒炊爨(はんごうすいさん)とかあるからちょっとは楽しいかもよ」

 

「班分けってされてるのか?」

 

「どうやら自分で決めていいみたい。たしか、最大10人かな?」

 

「そうか…」

 

 

……結果からいうと、坂本、吉井、花村、木下、土屋、里中、天城、姫路、島田、そして俺の10人の班となった。

 

 

その日の放課後。

俺の班は女子が買い出しをするということなので、荷物持ちとして手伝いに行った。

姫路は用があるらしく、先に帰ったが、当日は隠し味に何かを持ってくると言っていた。

もしかしたらその隠し味が危険なのかもしれないが、今はそのことを考えてはいけないようだ。

なぜなら…

 

 

「ねぇ、雪子、カレーって何入ってたっけ?」

 

「人参、ジャガイモ、玉ねぎ、それにピーマン、まいたけ、ふきのとう…?あれ、ふきのとうと『ふき』って一緒?」

 

「どうかな?あと、カレーに片栗粉って使うよね?」

 

「そ、そりゃ使うんじゃん?」

 

「使わないととろみつかないよね。じゃあ片栗粉と…、小麦粉もいるかな?」

 

「小麦粉って、薄力粉と強力粉、どっちだろ?」

 

「強い方がいいよ、男の子いるし」

 

 

だんだん入れていくものが渾沌となっていくかごを持っている。

考える余裕なんてなくなってしまう。

 

 

「なあ、島田…」

 

「言わないで、鳴上。ウチもちょっと混乱してる…」

 

 

同類というと少し違うが、同じ心境の人物がいて少しほっとした。

しかし、このことを言う勇気は俺にはない。

気が付くと、かごの中にはさっきの食材とトウガラシ、キムチ、コショウ(黒、白)チョコ、コーヒー牛乳、ヨーグルト、豊富な魚介類etcが入っていた。

こんな調子で明日の林間学校は大丈夫だろうか。

 

 

 

―――林間学校当日、夕方―――

 

 

「うへー、きつかった…」

 

「流石に自転車が放置されてるとはね」

 

 

花村と吉井がかなり疲れた様子だ。

 

 

「…まだ使えそうなカメラが捨てられていた」

 

「演劇用の小道具として使えるかのう?」

 

 

土屋と木下は何かを拾ってきたようだ。

まさか、自分のものにするのか?

 

 

「それにしても、夕飯が楽しみだね」

 

「あの4人の手料理か」

 

「…(ブルブル)」

 

「康太よ、なぜ震えておるのじゃ?」

 

「大方、姫路が料理をしてないか気になってるんだろ?」

 

「大丈夫だよ、きっと周りがフォローするよ」

 

「里中はあんま期待してないけど、天城は旅館の跡取りだからな、きっとすっげーのがくるぜ!!」

 

「それは、楽しみだな」

 

 

言いたい。

みんな、本当にすまない。

止められなかった!!

でも、言い出せない…。

しばらくすると、4人がこっちに来た。

 

 

「あーと、おまたせ。愛情は入ってるから」

 

「やったー、久しぶりのカロリーだ!!」

 

 

吉井、お前は普段どんな生活をしているんだ。

 

 

「それじゃ、いただきます!!」

 

 

パクッ…、ドサッ…、シーン……。

 

 

「え、ちょっ、吉井君?」

 

「大変、吉井君が息してない!!」

 

「え?だ、大丈夫、アキ?」

 

「吉井君!?」

 

「おい、明久だけじゃなくて康太と花村も息をしてない!!」

 

「お主ら、大丈夫か!?」

 

 

嫌な予感が再び脳内をよぎる。

 

 

「なあ、島田」

 

「何、鳴上?」

 

「もしかして…」

 

「多分、鳴上の考えはあってるわよ…。それに、ウチも千枝達を止められなかったし…」

 

 

島田は里中たちを止められなかったことに対して罪悪感があるようだ。

俺もなぜ止められなかったのか。

いや、今は後悔している場合じゃない!!

 

 

「急いで吉井達の蘇生を!!」

 

 

 

――――10分後――――

 

 

 

「し、死ぬかと思った…」

 

「なんか、見えてはいけない景色が見えたような…」

 

「…川の向こうで誰かが呼んでた」

 

「危なかったな、お前ら」

 

「あと少しで事件になるところだったぞ」

 

 

何とか救出に成功し、一息ついている。

例のカレーは仕方なく処分しようと鍋のあるところに行ったところ、なべの底から穴が開いて、カレーがこぼれていた。

いったい何を入れたらこうなるんだ?

こうして、今年の林間学校は幕を閉じた。

このクラスでまともに料理ができる人物はいるのだろうか?

どうでもいいことだが、毎年水着を持って川に飛び込む連中がいると聞いていたが、どうやら今年は時期がいつもより早いらしく、そんなことをする人たちはいないようだ。




いかがだったでしょうか。
若干短いですね…。
申し訳ないです。
ついに登場、ムドオンカレー!!
いや、それよりひどいか…。
マハムドオンにしておきましょうか。
本日の被害者は、明久、陽介、康太となっております。
皆さんも、料理の失敗には気を付けてくださいね。

アドバイス、誤字脱字等ありましたら連絡よろしくお願いいたします!!

感想も待ってます!!

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