前回の投稿から2週間以上待たせてしまい申し訳ありませんでした。
文の構成に手間取ってたりしてたもので…。
今回は感想を2件頂きました。
まず、小鳥遊凛さん、いつもありがとうございます!!
さて、不良とは誰なのか…。
まぁ、わかってますよね?
次に特亜消尽さん、はじめまして。
この作品の根本はある意味かわいそうな立場になってますからね…。
さあ、予想は当たっているのでしょうか?
それでは本編へどうぞ。
悠 side
学校を出て歩くこと十数分、そこに老舗の染物屋である巽屋があるらしい。
ただ、このあたりに来てから、何か天城が考え事をしている。
「どうした、天城?」
「えっと、染物屋の付近にうろついてる不良ってところに疑問があって。もしかして…」
「おい、着いたぞ」
「そうみたいだな」
中に入り周りを見渡すと、さまざまな染め方をした布が飾られていたり、他にもスカーフや浴衣も飾られていた。
話し声がするので部屋の中央付近を見ると、ここのお店の人と、なにやら探偵みたいな恰好をしている少年がいた。
「それじゃあ、僕はこれで。興味深い話ありがとうございました」
「いえいえ、あんまり役に立てなくてごめんね」
「そんなことはないですよ。それでは」
そういって、少年は立ち去ろうとした。
「ちょっと待ってくれんかのう?」
―――のだが、なぜかその少年を木下が引き止めた。
「どうかしましたか?」
「いや、少しばかり気になったことがあってのう。ちょっと外で話でもせんか?」
「…別に構いませんが」
そして、木下と少年は出て行った。
「どうしたんだろう、秀吉?」
「まあ、あんまり気にしなくてもいいだろ」
「あら、雪ちゃんいらっしゃい。相変わらずキレイねぇ。今日はどうしたのかしら?」
「ちょっと友達がここに用があったみたいで」
そして、吉井と花村が服を渡す。
「あら、血で染まっちゃっただけなのね。それならすぐに落としてきてあげるわ」
「あんまり、驚かないんですね」
「なに、完ちゃんが喧嘩ばっかりするから気にしなくなっちゃってねぇ」
なんだか物騒な言葉を聞いた気がする。
「や、やっぱり物騒だね…」
「な、なんか心配だな…」
「ところで…「すまぬ、遅くなったぞい」」
天城が店の人と話をしようとしたところ、木下が帰ってきた。
「さっきは突然どうした、秀吉」
「いやのう、少しばかり気になることを話してきただけじゃ。それより、今文月の制服を着た新入生がここに向かってきてるのじゃが…」
「そ、それってもしかして…」
「…噂の不良」
「ウチ、少しこわくなってきたわ…」
そして、足音が近づき、ついにその扉が開かれ…。
「ただいm…なんだこの大所帯は?」
噂の不良が現れ…。
「あれ、完二くん?」
「ん、吉井先輩?」
吉井の間の抜けた声とそれに驚いた不良が顔をあわせていた。
明久 side
ここに入ってきた噂の不良はなんと完二くんだった。
「どうしてここに完二くんが?」
「どうしても何も、ここ俺ん家っスよ」
「そうだったんだ。だからあんなに手先とか器用なんだね」
「…できればその話はしたくないんスけど」
「なあ、吉井。説明を頼んでいいか?」
「う、うん。完二くんは僕の小学校の時の友達なんだ」
『え?』
ほとんどみんなが驚いたような声をあげた。
「そんなに驚くことかな?」
「そりゃ驚くわ!!噂の不良が実は知り合いでしたーとか普通ないわ!!」
「なあ、吉井。どんな経緯で知り合ったんだ?」
「たしか、僕が小学2年の時に、その時使ってた布の入れ物が壊れちゃって、それで裁縫が得意だっていう友達がいるって教えてもらって、それからかな」
「そうっスね」
「正直見た目とか声とか全然違ったけど、やっぱりわかるものなんだね」
「そういう先輩はあまり変わってないっスね」
「そうかな?」
「そうっスよ。てか、1つ聞いていいっすか?」
「なにかな?」
「なんでこんなに大所帯で『お前(きみ)(あんた)の噂が原因だ(よ)(じゃ)!!』俺のせいっスか?」
どうでもいいけど、なんでうまくハモったんだろう?
「まあ、原因を作ったのはそこの明久だけどな」
「吉井先輩っすか?」
「ここの不良っていうのがちょっと心配で…。まさか完二君だったとは…」
「い、いやいや。俺こそ噂のせいですまないっス。っと、ん?なんだか見覚えのある先輩が…」
そう言って、完二くんは雄二を見る。
「もしかして、悪鬼羅刹?」
「久しぶりだな、巽。中学以来か?」
「雄二も知り合いなの?」
「ん?ああ。知り合いとはいっても、ただの喧嘩だ」
「お袋がそん時悪鬼羅刹のことを気にしていたんで、得意の喧嘩で止めようとしたんスよ。まあ、悪鬼羅刹の行動はあくまで正当防衛みたいなもんで、誤解だってわかったんスけど、そのあと不良グループの乱入があったりしてめんどくさかったっス」
「もしかして、雄二があまり心配することじゃないって言った理由って…」
「簡単に言えば、人は見かけによらないってことだ。巽も話せばいい奴だからな」
まっ、噂も解決したし、いろいろと結果オーライだね。
「お待たせしたね。シミは落ちたよ」
「「ありがとうございます」」
「完ちゃんや雪ちゃんの友達みたいだし、お代はサービスしてあげるよ」
「本当ですか?」
「ありがとうございます」
そういえば、お金のこと考えてなかったや。
「それでは、もう行きますね」
「そうかい。またいつでもおいでね」
「完二くんも時には僕たちのクラスにきてね」
「うっす。いける時は邪魔させてもらうっス」
そんな感じで、噂の不良は僕や雄二の知り合いだったということで終わった。
なんか、皆にとても迷惑かけちゃったや。
…まあいっか。
「明久」
「なに、雄二?」
「付き添いしてやったんだから、陽介と一緒に皆になんかおごってくれよ」
「「そんな話聞いてないよ(ねえぞ)!!」
「いいだろ?さんざん心配と迷惑かけたんだからよ」
「確かにのう」
「…もちろん賛成」
「ウチは何貰おうかな?」
「簡単に飲み物でもお願いしましょうか…」
「フィレ、フィレ!!」
なんだかもうおごる雰囲気が…。
「吉井」
「なんだい、陽介」
「もう、腹くくるしかねえな」
「そうだね」
その日、僕の所持金は底をついた。
いかがだったでしょうか。
ついに完二、そして直斗の登場です。
りせはもう少し遅くなりますが、できる限り早く出せるようにするので!!
あと、もうひとつ報告を。
クマの出し方を思い付きました!!
いつ出るかはわかりませんが、期待してお待ちください。
アドバイス、誤字脱字等ありましたら連絡よろしくお願いいたします。
感想も待ってます!!