鈴ちゃん好きが転生したよ!( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん   作:かきな

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鈴ちゃん不在


四話 剣の道

 入学から二日目。

 

 休み時間。

 

 ISの座学も終わり、また自由な時間が訪れた。と言っても、たった10分だけどね。されど10分。やろうと思えばいろいろできるのが10分だ。この小説も、そんな10分の間の暇つぶしに読んでもらえればいいよ。僕もそうして二次小説を知るようになったからね。寝たふりをしていた頃が懐かしい。

 

「ねえねえ、篠ノ之くん、お昼暇? 一緒にご飯食べない?」

 

「あ、抜け駆けはずるいよ! 私も一緒にどうかな?」

 

「はいはい! 私も!」

 

 昨日までは様子見をしていたけ女子たちが今日はここぞとばかりに攻めてくる。というか、僕の方にも来るんだね。それは意外だった。なんだか、高専病と同じような臭いがしなくもないね。

 

 そんな女子たちの対応をどうしようかと、笑顔を浮かべながら考えていると、女子たちの背後に千冬さんの影が迫った。

 

「お前たち、少し二人に話があるから散れ」

 

 その一声で、女子たちは離れる。でも、ちょっと距離を置いただけで、話を聞く気満々なんだけど、それはいいのかな?

 

「織斑先生、話ってなんですか?」

 

「ああ、お前のISだが、少し遅れるということを伝えておきたくてな」

 

「?」

 

 千冬さんの言葉に一夏は疑問符を浮かべる。いきなり端折った内容じゃあ、理解が追い付かないのも仕方ない気がするよ。

 

「つまり、一夏に専用機が用意されているけど、それが一夏の元に来るのが少し遅れるってことですよね」

 

「ああ、そういうことだ」

 

「せ、専用機!? 一年の、しかもこの時期に!?」

 

「つまりそれって、政府から支援が出るってことで……」

 

「いいなぁ。私も専用機ほしいな~」

 

 それでもまだ微妙な顔をしている一夏。

 

「まあ、それだけ専用機が与えられるのは凄いことなんだよ」

 

「じゃあ、氷雨も凄いってことか?」

 

「うん」

 

「即答か……」

 

「まあ、それもこれも束姉がコアを作るの渋ってるのが原因なんだけどね」

 

 そんな会話を聞いたあたりで周りのクラスメイトが声を上げる。

 

「あの、先生。篠ノ之くんと篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか……?」

 

 あ、これはまずいよ。一夏の方に目を向けると一夏も僕が言ったことを覚えていたようで目があった。

 

「い、いや、別に――」

 

「そうだ。二人はあいつの弟と妹だ」

 

「「!」」

 

 あっさりと答えた千冬さんに二人で非難の目を向ける。が、逆に睨み返される。

 

「隠すことでもない。いずれ、明らかになることだ」

 

「そうかもしれないけどさ……」

 

 僕が千冬さんに抗議してる間にも、他の女子たちは箒に迫る。

 

「凄いっ! このクラス、有名人の身内が三人もいる」

 

「ねえねえ、篠ノ之博士ってどんな人? やっぱい天才なの?」

 

「篠ノ之さんも天才だったりする!? 今度ISの操縦教えてよっ」

 

 あ、最後の子のはカチンときたよ。何その超理論。姉が天才なら妹も天才じゃないかって? そんなわけないでしょ。

 

「あの人は関係ない!」

 

 箒の怒声に、囲んでいた女子たちは驚いて距離と取る。

 

「大声を出してすまない。だが、私はあの人じゃない。教えられるようなことは何もないんだ」

 

 クラスの女子たちは困惑した表情を浮かべ、微妙な空気が教室に漂う。ただ、箒に避難の目を向けている女子も少なくなかった。

 

「お前らの無遠慮な言葉のせいでこうなったんだから、箒を責めるのはお門違いだよね」

 

 そう言いたいけどさ。そうしたらもっと箒との間に確執が生まれそうだから、僕は言葉を飲み込んだ。言いたいことも言えないこんな世の中じゃ……ポイズン。

 

「休み時間は終わりだ。授業を始めるぞ」

 

 箒の方を心配そうに見つめる僕と一夏。原作より丸くなったと思うんだけど、この辺は仕方ないことなのかな。

 

「あ、先生。結局、僕の話は何だったんですか?」

 

「ん、ああ。先日の反省文の件だが、放課後にするか」

 

 よ、よかった。ここでされなくて……。

 

   ◇   ◇    ◇

 

 ただ今、剣道場にて一夏と箒がかかり稽古に励んでいます。

ただ、一夏の動きはね、はっきり言ってひどい。いや、一般人に比べたら基礎ができている分上手いんだけどね。昔の一夏を見ている僕らからすれば、劣化がひどいと思ってしまう。

 

 基礎体力が衰えているから、竹刀を振る速度も次第に遅くなり、もう腕も上がらない状態だ。

 

 現世で、剣道と言えば、バンブーブレードくらいしか思いつかない僕だから、あまり言えた義理ではないんだけどね。今では僕も師範代クラスですよ。あ、千冬さんレベルには辿りついてないよ。あれはこの作品に居るべき力じゃないから。まじ恋にでもクロスオーバーで行けばいいと思えるレベルだよ。

 

「どうしてこんなに弱くなっている!」

 

 あ~。やっぱりこうなっちゃうよね。箒の中ではかっこいい一夏の像を崩したくないもんね。

 

「受験勉強してたから、かな?」

 

「それだけで、ここまで落ちるわけがないだろう!」

 

「まあまあ。今の実力が分かっただけで、今は良かったってことにしようよ」

 

「しかしだな、剣道で男が女に負けるなど……」

 

「おや? ずいぶんな物言いだけどさ、僕もここに居るんだよ?」

 

 一夏から竹刀を借りる。そして、箒の方を向いて構える。

 

「そういうのはさ、僕に勝ってから言おうね」

 

「……私も強くなっている。昔のままだと思わない方がいいぞ!」

 

 とかっこつけたけど、防具付けてないので一旦構えを解いて防具をつける。

 

 そして始まる剣道の試合。原作通りの剣の腕。しかし、鋭さは増しているものの、どこか慢心しているのか、隙の多い振りが多々見られる。

 

 力に溺れている。実際に剣を学んで、対峙した僕の率直な意見だった。

 

「力技で男に対抗するにはね、千冬さんレベルがないと難しいよ?」

 

「ふん。それはどうだろうな」

 

 駄目だね。ちょっと手加減してたらすぐ調子に乗っちゃう。僕の妹ながら残念だ。あ、別に本当の妹ではないけどさ。

 

「お前じゃこの先生きのこれないぜ」

 

「なっ!」

 

 小手抜き片手面。相手の放った小手に対して、右手を竹刀から放すことで避け、左手のみで面を打つという、漫画で見て感動した技だ。かっこよすぎるよ、珠ちゃん!

 

「一本だね」

 

「くっ」

 

 その後はペースを乱した箒に出小手を決めて、二本勝ちという結果になった。まあね、流石に篠ノ之流の後継者ですから。負けるわけないのですよ。

 

「残念だったね」

 

「……やはり、氷雨は強いな」

 

「箒も強くなったよ。一夏が弱くなっただけじゃないと思うんだよね」

 

「まあ、俺が弱くなったのは認めるけど、氷雨さらに強くなってないか?」

 

「え、そりゃ強くなったよ。僕も箒と同じで剣道を続けたしね」

 

 篠ノ之道場に通うってわけにはいかなかったけど、ペイルライダーの学習能力と細かい分析をしてもらったから、普通の人よりも効率の良い練習だったよ。

 

「一夏が剣道止めたのにも、理由があったんでしょ」

 

「まあな。言い訳みたいで言いたくないけどさ」

 

「そうだったのか。いや、すまない。理由があるにもかかわらず、私は……」

 

「いいって。事実弱くなってただろ? だから、これから稽古、よろしくな」

 

「ああ、任せておけ!」

 

 イイハナシダナ~。

 




箒が素直だと、箒なのか疑問を抱いてしまう。
でも、実際箒は感情的なだけで、ほどほどの常識は持ち合わせているので、フォローすればいい子になるんじゃないかな?

つまり、フォローしなくても良い子の鈴ちゃんが大正義!

次回投稿は九時です。昨日と同じで七時までだと思いました? 断念、さやかちゃんでした(謎

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