鈴ちゃん好きが転生したよ!( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん( ゚∀゚)o彡°鈴ちゃん   作:かきな

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まじかよ


十二話 セクハラされます

 グラウンドにつくと千冬さんに変な目で見られた。それもそのはず……。

 

「貴様、その恰好は何だ」

 

「ISスーツも水着も忘れたので言われた通り下着で来ました」

 

 僕の姿に気づいた一組と二組の女子は「キャーキャー」と歓声とも悲鳴ともつかない声をあげていた。

何これ……。いや、一番それを言いたいのは僕じゃなくて千冬さんだろうね。さすがの僕も大勢の女子の前で下着一枚というのは……。

 

「恥ずかしいね」

 

「そ、その割には堂々としてるよね」

 

「まあ、見られて減るもんじゃないからね」

 

 減っているものといえば、兄としての尊厳くらいかな。箒の目がものすごく冷たい。絶対零度……。肉親に向ける目じゃないよ、あれ。まあ、実際肉親じゃないんだけどさ。

 

「専用機持ちなら量子変換したものがあるだろ」

 

「あ、忘れてた」

 

 振り返ると、一夏やシャルも同じような顔をしていた。おいおい、三人もいてなんで気づかないんでしょうね。

 

 さっさとISスーツを展開させる。それは魔法少女の変身シーンとは違って隙がなくて、局部は見えない。うん。だから、そこの君。かがんで覗きこもうとしても意味ないんだよ? 何故か残念そうな声が聞こえた気がするけど、見えたからってどうということもないでしょう……。

 

「では授業を始める。初めに専用機持ちに模擬戦をしてもらおう。そうだな、醜態を晒したお前にやってもらおうか」

 

 ひどい言われ様だ。さっきの僕のどこが醜態なのか。ありのままの姿を見せただけだよ。

 

「ありのーままのー自分になーるーのー」

 

「ひどい歌ですわ」

 

「失礼な。世界的に人気なんだよ?」

 

「曲ではなくあなたの声のことですわ」

 

「それほどでもないよ」

 

「褒めてませんわよ!」

 

「元気そうだな、オルコット。では、お前にも模擬戦をしてもらおうか」

 

「は、はい……」

 

 とばっちりを喰らったと言わんばかりに僕の方を睨むセシリア。でも、自業自得だからね。

 

「先生、僕とセシリアが戦うってことでいいんですか?」

 

「いや、お前たちの相手は……」

 

 音を立てて飛来してくるのはISだった。だけど、こちらに迫ってくる速度は一向に落ちる気配はない。あ、一夏の方に行った。練習の成果もあって瞬時にISを出せるように一夏が白式を展開し、それを受け止める。言わずもがな、飛び込んだのは『大きすぎる、修正が必要だ』の真耶ちゃんでした。何が何だかわからない様子の一夏は真耶ちゃんに覆いかぶさったまま動かず、ふにふにと胸の感触を確かめていた。

 

「あのう……その、ですね。困ります……こんな場所で。いえ! 場所だけじゃなくてですね!」

 

 なんだか暴走気味の真耶ちゃん。

 

 一夏は鈍感ではあるが、別に異性に興味がないわけじゃない。……というか、早く離れればいいのに。

 

「はっ!」

 

 一夏が頭を上げる。一夏の頭があったはずの場所を一閃のレーザーが通過する。

 

「あら、残念。外してしまいましたわ」

 

 まったく目が笑ってないよセシリアさん。

 

「何をしている馬鹿者。さっさと立て」

 

「は、はい」

 

 離れる瞬間残念そうな顔をする一夏。なぜだ!

 

「坊やだからさ」

 

「……2人の相手は山田先生にやってもらう」

 

 あ、原作通りなのはいいけどさ、僕めちゃくちゃ強いですよ? いくら元代表候補生とはいえ、ISを扱った年数も機体のスペックも違うし、負けないと思うけど……。

 

「先生」

 

 手を上げて千冬さんのほうを向く。

 

「なんだ」

 

「僕が二人を相手したほうがよくないですか?」

 

「「「えっ!?」」」

 

 クラスの女子から驚きの声が上がる。まあ、僕が真面目に戦闘したところをまだ見せてないもんね。僕が見せたのは、ベクターキャノンをぶっ放したところだけだもんね。

 

「その自信はどこから来るのか……。なら、セシリアは下がれ。一対一でやらせてやろう」

 

「いえ、それならわたくしが一人でお相手いたしますわ!」

 

 どうやら一夏にいいところを見せようとしているみたいだけど……二人がかりで負けてたからねー。

 

「行きますわよ!」

 

 セシリアは千冬さんの返事を待たずして真耶ちゃんにビットを飛ばす。千冬さんは呆れ顔を浮かべたまま、シャルに真耶ちゃんが駆る機体の説明をさせていた。

 

『ラファール・リヴァイヴ』

 

 それが真耶ちゃんの駆る機体。デュノア社が作った最後期の第二世代機。スペックは第三世代に劣らないと謳っているものの、第三世代の最大の特徴はそれ特有の武装であり、あまりこの機体に魅力はない。あるとすれば、その汎用性くらいのものだね。量産機としては十分な性能だとは思うけどね。あ、もう一つ魅力があった。それはデザインだね。

 

      ◇   ◇   ◇

 

 で、結果。

 

「ま、負けましたわ……」

 

 惨敗。

 

「やれやれ、レイブン相手じゃ分が悪かったね」

 

「レイブンってなんですの……」

 

 周りのクラスメイトの目が冷たいが、セシリア自身はショックで周りに気が回っていないようで気づいていないのが救いだね。

 

「山田先生はああ見えて代表候補生だったからな。ま、これでIS学園教員の実力は理解できただろう。以後は敬意を持って接するように」

 

 その言葉を聞いて、クラスの女子はなるほどと頷く。セシリアに対する視線も少し暖かくなった。

 

 しかし、これは一組の真耶ちゃんに対する態度を受けて、気を利かせたのかな? 千冬さん、人に気を配れたんだ……。

 

「次は私とお前でやるか?」

 

「滅相もございません」

 

 心を読むのはやめてほしい。

 

「専用機持ちをグループリーダーとして、八人グループになって実習を行う。では分かれろ」

 

 そういうと、一夏とシャルの周りに一気に人が集まった。

 

「うんうん、やっぱり二人は人気者だね」

 

 これは予想通り。ただ予想外だったのは……。

 

「篠ノ之くん、教えてね!」

 

「手取り足取り……腰取り」

 

「アリーナでも教えてもらったけど、教えるのすごく上手だったよね!」

 

「またあの動き見せてー」

 

 僕の周りにも人が集まっているってことだ。まさか僕にも人気があったとはね。篠ノ之ブランドがあるからっていうのは分かるけど、こういうのを目の当たりにするとやっぱりうれしいものがあるね。しかし、この偏り様、千冬さんからのお叱りが来るんだろうね。

 

「名前順で分かれろ馬鹿者どもが。そんなにグラウンドを走りたいなら別だがな」

 

 千冬さんの声に反応し、僕たちの周りにいた女子たちは綺麗な五列を作っていた。

 

「初めからそうしていろ」

 

 千冬さんも大変そうだね。

 

 分けられた班についていろんな声が聞こえてくるけど、ラウラの班はお通夜状態だね。セシリアの班はともかく、一夏やシャルの班の浮かれ具合と相まってすごくかわいそうだよ……。

 

「午前中はISの起動から歩行までやってもらう。遅れたものは居残ってもらうからな。では、始めろ」

 

 そうして始まる。

 

「じゃあ、待機中のISに乗ってみようか。あ、そこに足をかけてゆっくりとね。そうそう、そんな感じ」

 

 一人目の子が起動し歩行を始める。

 

「あ、しゃがんだ状態で降りてね~って、ああー」

 

 注意するのが遅かったようで、一夏の班同様に立ったまま女子が下りてしまった。

 

「え、なになに? ダメだったの?」

 

「うん、まあね。ほら、乗るとこが高い位置になってるでしょ?」

 

 それで、ほかの女子も「あ~」と声を出す。仕方がないな……。

 

「ここは僕が踏み台になるよ!」

 

「「「えっ!」」」

 

 ISの前で四つん這いになる。二番目の子が恐る恐る足を乗せる。

 

「んっ!」

 

「!?」

 

 背中にかかった体重に思わず声が出る。ああ~、これは……これは……!

 

「あの、届かないけど……」

 

「よしやめよう」

 

 思った以上に気持ちよくなかった。ただただ痛い。女子だから軽いんだろうけど、僕にかかる力は重さ/足裏の面積なので、女子の小さな足で踏まれたら痛いんだよね。

 

 あ、ちなみに僕はうなじフェチだよ。ここで脚フェチだったら、また違う感想も出てきたんだろうけどね。

 

「うん、じゃあ肩車しよう」

 

「「「か、肩車!?」」」

 

 驚きの声が上がるけど、それしかないでしょ? あの高さならちょうどいいと思うんだよね。

 

「手こずっているようだな……手を貸そう」

 

「肩だよね」

 

 そうとも言うよ。

 

 しゃがんで女子に背を向ける。今度は吹っ切れた女子が僕の首にまたがる。

 

「…………」

 

「し、篠ノ之くん?」

 

 やばいやばい、これはやばい。

 

 ちょっと考えれば分かることだったよ。女子を肩車なんてしたら素足が僕の頬の横に来るんだよね。それでなくともISスーツって生地がめちゃくちゃ薄いから……。

 

「危険よ、距離を取って!」

 

「え? えっ!?」

 

「あ、ごめん。こっちの話だから」

 

 む、無心だ。大丈夫、大丈夫。神経を末端に集中していれば、まずいことにならないって言ってた。

 

「それじゃ行くよ」

 

 すっと持ち上げる。やっぱ軽いな~。

 

「じゃ、そこに足かけて」

 

「うん」

 

 そういうと上の女子は足をかけようと動き出す。

 

 まあ、そんな風に動かれると、頬に生足が触れるわけで……一夏じゃないけど、僕もほどほどに思春期だからね。

 

「の、乗れた?」

 

「ん、もうちょっと……キャッ」

 

 そこで体勢を崩した女子が僕の頭にしがみつく。なんですか、このラッキースケベイベント。

 

 そ、それでも僕の愛は、ゆ、揺るがないし!

 

「ゆ、ゆっくりでいいからね!」

 

「う、うん」

 

 あ、なんか背後からの視線がすごい。

 

 精神を激しく疲弊して、二人目がようやくISに乗り込んだ。その後は難なく歩行も終えたのだが。

 

「ねえ、なんで立ったまま降りたの?」

 

「え、いや~」

 

 ごめんね。実はわかってるんだけどね……。僕でもいいの、それ?

 

「さ、次は私だよ!」

 

「……貴様、前のようにはいかんぞ!」

 

「はいは~い」

 

 慣れてるね。一組の子かな。

 

 その後、逆セクハラを受け、シャルの気持ちが少し分かった気がしました。

 




羨ましい(血涙

あ、ちなみに私は脚フェチです
黒ニーソの絶対領域が好きです

次回投稿は九時です

くそう、先週みたいなペースは維持できないな~
(月木がなければできた模様)

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