さやかが魔法少女になって数日、さやかと杏子の命をかけたケンカもなく(むしろ二人共口では憎まれ口をいいながら仲良くしてるようである)私達がさやかをフォローしながら順調に魔女退治をしていた。
「おもしろい魔女の結界だと思うのは不謹慎かしら」
「白黒の世界だからなぁ・・・わかるような?」
「わかっちゃダメだと思うよ」
会話からわかるとおり現在影の魔女戦である。
「あそこから動かないわね」
「近づいたら迎撃してくるタイプだと思うわ」
「じゃあ遠距離からチマチマ攻撃?」
「いや、こうする!」
グリモワールをだして、私に視覚を封じるサタンと聴覚を封じるベルフェゴール以外の罪を背負わせて七つのレーザーを一斉に発射する!
「あっさり当たったな」
「さすがに敵も馬鹿じゃないみたい、そんなにのんびりしてるヒマはないみたいね!」
使い魔をだして攻撃してきた。
「大技を撃ちたいから杏子は私、さやかはまどかを守って!マミさんは回りの敵の迎撃をお願いします!」
「「「了解!!!」」」
私の両手の回りにグリモワールを展開し魔力をためる!
「どのくらいもたせりゃいい!」
「大丈夫、すぐよ!」
すでに相手に罪を与えるアルカンシエルは使ってある!
「
虹色の光が、影の魔女に直撃した。
「ざっとこんなもんね」
私自身に罪を背負わせたのは、影の魔女は黒色の苦痛を知らなければ倒せないと知っていたから。だから自分自身に罪を背負わせることで、苦痛を代用した。
周囲の景色が元にもどった。
「何か紅葉だけおいしいところを持っていってるような…」
「えっ!ダメだった!?」
「倒した奴がグリーフシードを使うってルールでもないんだし、別にいいんじゃねえか?」
よかった…実は気にしてたし。ちなみにグリーフシードは三人で順番を決めて使ってる(さやかが優先になりがちだけど)
「あっ、ほむらちゃん」
「暁美さん、魔女はもう倒しちゃったわよ」
いつのまにかほむらがいた。
「知ってるわ、それより大事な話がある」
「大事な話?」
「この町にもうすぐワルプルギスの夜が来る」
「ワルプルギスの夜!?」
「知ってるんですか、マミさん!?」
「えぇ、聞いた事はあるわ。何でも、魔法少女が束になっても勝てないと言われている魔女」
「そんなのがこの町に来るの!?」
アニメだとまどか一人でも倒せるけど、その代償として魔力を使いきったまどかは魔女になってしまう…全世界の人間を三日で殺しつくしてしまう魔女に。
「ワルプルギスの夜は結界をもたない特殊な魔女よ。通り過ぎるだけで数千人の死者がでる」
「それで?あたし達に協力してほしいと?」
「えぇ」
「協力したいけど…暁美さんが何を考えているか分らないわ。信用していいか…」
ほむらはただ一つの事だけを考えてる。自分が生きる意味、ただ一つの道標の事を。
「私はほむらを信用できると思う」
「その根拠は?」
「カンよ」
「カンねぇ…」
私はずっと頑張ってきたほむらを助けたいと思ってる。だから…
「私はほむらに協力したい」
「まぁ、紅葉のカンは外れた事はないからな。あたしも手伝ってやるよ」
「里村さんがそう言うなら…」
「さやかちゃんは?」
「あたし!?あたしは…」
すこしさやかは考え込んで。
「まどかはどう思う?」
「私は…信頼できると思う。なんとなく、そう思うの」
「じゃあ、さやかちゃんも協力してあげましょう!感謝してね!」
「えぇ、なら私の家で作戦会議をしましょう。ついてきて」
私達はほむらの家に向かった。
「ここよ、入って」
「おじゃまします」
アニメ見た時から思ってたけどすごい家…白い空間にワルプルギスの夜の資料がそこらじゅうにあって、天井には振り子式のギロチンって…
「ワルプルギスの夜はこのポイントに現れるわ」
「何でそんなことがわかんだよ」
「過去の統計からよ」
「過去って…よく調べられたわね」
心が痛い…それだけほむらはやり直したってことだから。
「まどか、ほむらの頭をなでてやって」
「えぇっ!?何で!?」
「調べるのを頑張ったご褒美?」
「うっ…うん」
まどかがほむらの頭をなでだし、ほむらも満更でもない感じだった。
「こら紅葉!あたしの嫁になにさせてんのよ!」
「うっさいわね、さやかは杏子の頭でもなでてればいいんじゃない!」
「意味わかんねぇよ!?」
家の空気はカオスになった。
三分後…
「話を続けるわ」
「まさか私まで頭をなでられるとは…」
「イヤだった?」
「いえ、全然!」
私もマミさんに頭をなでられていた。
「は・な・し・を・つ・づ・け・る・わ!」
「はい」
さすがにキレたか。
「みんなには私の作戦通りに動いてほしいの」
「作戦ねぇ…その前にお前の正体を聞かせろよ。紅葉と同じ
「どういうこと?」
「キュゥべえが言うには暁美さんと契約した憶えはないらしいの」
「そうなんですか!?」
ほかの時間軸で契約してるんだからわかるわけない。
「私はその
「じゃあ、どうして魔法が使えるのよ!」
「話したって意味はないわ。あなた達が理解できるとも思えない」
「っつ、てめーは!」
杏子がほむらの胸元を掴んだ。
「やめて!ケンカしないで!」
「とりあえずほむらの事は置いておくわ。今は対ワルプルギスの夜の作戦会議の方が優先よ」
「ちっ…」
杏子がほむらから離れてイスに座りなおした。
「私の作戦は~」
その日は微妙な空気のまま、作戦会議は終わった。