魔法少女まどか☆マギカ~転生者は究極魔法使い   作:鴇神雨鬼

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第十三話 罪を裁きし者

まどかとさやかの魔法少女体験ツアーから数日、私達は病院にいた。

 

「上条君に会えた?」

「駄目、面会できないって」

「リア充爆発しろ」

 

呪いの言葉を小声でつぶやいた私は悪くない。

 

「!見て、二人とも、あれ!」

「あれって…グリーフシード!?」

「まずい、ふかしかかってる。このままだと病院を巻き込んで結界ができる!」

 

いつも思うけどキュゥべえはどこから出てくんだろう…って、そんな事考えてる場合じゃない!私は携帯をだしてマミさんに電話した。

 

「もしもしマミさん!?病院に魔女の結界がでました!」

「何ですって!?すぐに向かうわ!」

 

たしか今日は杏子のバイトのシフトの日だ…間の悪い!

 

「早く魔女を倒さないとみんなが!恭介が!」

「うかつに手を出すと危ないわよ。大丈夫、魔女が出てきたら速効で倒すから!」

 

周囲の景色が変わり、魔女の結界の中になった。

 

「キュゥべえ、魔女がふかするまで、まだ時間はあるでしょ」

「うん、マミが来る時間はあると思うよ」

 

可能ならマミさんが来る前に倒したい。この魔女は厄介だから。…ふかするまでひまね。

 

「ねぇ、二人は魔法少女になりたいの?」

「私はまだわかんない。叶えたい願いもないし…」

「私もな~才能がないとか言われちゃったし?」

「君達の気が変われば何時でも言ってよ。僕は大歓迎さ」

 

うるさい、よけいな事を言うな。

 

「なるべく、私は二人に魔法少女になってほしくない。二人に死んでほしくないし」

「紅葉ちゃんは、死にそうな目にあったりしたの?」

「…実はない」

 

そう、最初の時以外は、攻撃はそして誰もいなくなった(ディメンジョン・ミラージュ)でよけれるし、しかも私の死角からの攻撃も、回りに別の空間を作り、その空間にどんな攻撃も移せるワルキューレが自動発動して効かないし…(フォルテシモのラスボス、オーディンの魔法を使える事に気づいた時はすごいビビった。不老不死になれるラインの黄金はさすがにないみたいだが…不老不死になっても別にうれしくないからいいんだけど)

 

「ただ、私は召喚せし者(マホウツカイ)だから例外なだけで、普通は死にそうな目に何回も会うわ」

「だよねぇ…」

 

しばらく二人は考えこんでいた。

 

「お待たせ、間にあったかしら?」

「マミさん!」

 

やっぱり間にあわなかった…マミさんに連絡しない事も考えたけど、それだと二人に不審に思われるだろうし…

 

「グリーフシードがふかするよ!」

 

すこし考えこんでいた私はキュゥべえの声で正気にもどり、グリーフシードを見る。グリーフシードが割れ、巨大なイスの上に座ったのは、ぬいぐるみみたいな見た目のお菓子の魔女だ。

 

魔術兵装(ゲート・オープン)!」

 

私の腕にフォルテシモの主人公、芳野零二の悪友である皇樹龍一の武器、ガントレットのイルアン・グライベルを出す。

 

「(マミさんがあの魔女に手を出す前に―!?)」

 

もうイスを破壊してるし!?

 

「かわいい後輩達が見てる前だもの、速効で終わらせるわ!」

「(くっ…)疾風迅雷(タービュランス)!」

 

自分に雷の魔力を取り込んで移動スピードをあげる!その間にマミさんはお菓子の魔女に連続攻撃をして魔女を足蹴にした。

 

「これで終わりよ!」

 

とどめに額に銃弾を撃ち込まれた魔女は口を大きくあけて―!

 

「危ないマミさん!」

「え…?」

 

お菓子の魔女の口の中から出てきた恵方巻きみたいな魔女はマミさんを食べようと―

 

「させるかぁぁぁぁぁぁ!!」

 

したが、雷光のごとき速さで動いた私に殴り飛ばされる!

 

「大丈夫ですかマミさん!?

「え…えぇ、助かったわ…」

 

私は右手に雷の魔力をためる!

 

「よくも私の大切な人を殺そうとしたな…」

 

体制を立て直した魔女はもう一度こっちに突進してくる。

 

「私達の思いを引き裂こうとしたその罪―」

 

自分から魔女に突進し、両目の間を殴る!

 

「絶対に許さない!!」

 

吹き飛んだ魔女を追撃し、右腕にためた魔力を撃ち出す!

 

総てを射抜く雷光(トールハンマー)!」

 

極大の雷が魔女を飲み込む!

 

「その罪、地獄で悔いろ」

 

病院の前に戻り、私の前にグリーフシードが落ちてきた。

 

「マミさん、これ!?」

 

グリーフシードを拾い、マミさんに渡そうとすると、いきなりマミさんに抱きしめられた!?

 

「ありがとう里村さん。あなたが助けてくれなかったら私、死んでいたわ」

 

それはいいけど顔に胸が挟まって息が!

 

「あなたは私の命の恩人ね。してほしい事があったらなんでも言って」

 

じゃあ、私を離してください!マジで息が…

 

「わかる?いまだに体の震えが止まらないの。あの時、勝ったと思って完全に油断してたから…食べられると思った時凄い怖かったの」

 

 

「本当にありがとう。里村さん達にかっこ悪いとこ見せちゃったわね…里村さん?」

 

 

「わっ、マミさん!紅葉の顔色がしゃれにならない色に!?」

「キャー!?ごっ、ごめんなさい!?」

「とりあえず紅葉ちゃんを離してあげて!」

 

…無事に生き返りました。ただ若干巨乳がトラウマになりました。

 

次の日、マミさん家でお茶会中、昨日の魔女戦の話を杏子にしていた。

 

「へー、大変だったんだな」

「何であんたは来なかったのよ!」

「しかたねーじゃん。バイト抜けるわけにもいかねーし…それにマミさんから念話もなかったから魔女が出たなんてわかるわけねーだろ」

「ぐ…一理ある」

 

そういえば昨日の魔女戦は原作と違いほむら来なかったな…私がいたから?

 

「なんでマミさんは杏子ちゃんに念話しなかったんですか?」

「バイトしてる時に念話したら悪いかなと思ったのよ。それに里村さんがいたから佐倉さんがいなくても何とかなるかしらとも思ったわ」

 

うわー凄い過度な期待。

 

「私でも出来ることと出来ないことはありますって…」

「たとえば?」

「…3倍速で盆踊りとか」

「普段の生活でまったく必要ないスキルだね…」

 

まったくだ…しかし誰がわかるんだろうなこのネタ。

 


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