魔法科高校の劣等生 死を視る者   作:ノッティ

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第7話

一日の授業が終わり、志貴は達也から伝えられた真由美の伝言の通り生徒会室に向かっていた。昨日に引き続き生徒会室に足を運ぶ状況を考えると、魔法科高校の中で特にエリートとして知られる一高の生徒としては不釣り合いな不良生徒であるが、志貴としてはそのレッテルは特に煩わしいものでもなかった。そもそも自身が他の生徒と目的が違うのは明らかであるし、今回の事件がなければこの場所にいることもなかったのである。

 

そんな志貴にとって周りからの認識はさほど重要なものではない。そもそも今回生徒会室へ行くのも自分の想い人がわざわざ他人に伝言を頼んでまで呼びつけた事が原因である。志貴は彼女が自分の立場を私的に使用する事に多少なりとも驚いていたが、裏を返せばそこまで自分との時間を作ろうとしている事にむしろ喜びが込み上げていた。真由美の事を昔から知っている志貴にとって、どこまでも公平で分別のある彼女がこのような行動を取ることなど万に一つ考えられない状況ではあったが、その万に一つの状況が今現在起こってしまっている。事の真相が知れれば、彼女の生徒会長としての地位すら揺るがしかねない状況にも関わらず、わざわざ彼女は志貴を呼んだのである。

 

この離れていた一年が彼女を変えたのか、それとも失った時間を取り戻そうとしているのか、真由美の胸中を把握する事は出来ないもののそんな危険性が含まれているにも関わらず、なりふり構っていられないといった様にわざわざ自分を呼びつけた事だからこそ志貴は驚きよりも喜びが勝っていた。自分が離れた事は今でも間違いではなかったと信じている。しかし、後悔は深かった。彼女のもとを離れた事を悔やんで悔やんで悔やみ続けた。そんな志貴にもう一度訪れたこの奇跡のような時間に彼は本当の幸福を感じていた。

 

もちろん、伝言から考えるに真由美は間違いなく志貴が昨日の時点で彼女との時間を作れなかった事に対する埋め合わせであることは志貴にも想像できていた。おそらく、いやほぼ八割がたの確率で彼女の機嫌は悪いに違いない。しかし、それでも志貴はその彼女の不機嫌な感情が自分にまた向けられているこの状況すら愛しいと思えるほどだった。どう謝ろうか、と考えながらも彼の表情は軽い。自分から切り離した時間をもう一度味わえることに幸福を感じている彼にとっては真由美がいかに怒っていようと些末な出来事だった。

 

廊下を曲がり、昨日の道を思い出しながら何事もなく生徒会室の前にたどり着く。扉にノックを三回。少し間が空いた後に返ってきたどうぞ、という返事に答えてから扉を開ける。

 

入った瞬間に感じたのは何やら重々しい雰囲気だった。見れば生徒会室にいる面々は突然の来訪者に全員が志貴に視線を向けている。その中で志貴は自分のクラスメイトである良き悪友が何やら必要以上に嫌そうな視線を向けてきていることをひしひしと感じていた。その悪友――司波達也はあてつけの様にため息を吐くと、自分の前の男子生徒に向き直る。

 

「それでは服部副会長。行きましょう」

 

「あ、ああ。そのふざけた態度、更生してやる……!」

 

達也が服部と呼んだ生徒ともに教室を後にする。すれ違いざまにその上級生らしき生徒は志貴に一瞬目配せし、隠すそぶりもなく舌打ちをした。彼の視線の先には志貴の制服の“紋無し”のエンブレムが確かに映っていたのを志貴は感じていた。二人が出ていくのを追いかけるように、正確には達也を追いかけるように綺麗な黒髪をした、端正な顔立ちの少女が後に続く。志貴は昨日も達也の隣にいた彼女を目で追いながら、生徒会室にいる面々に向けて口を開いた。

 

 

「何……この状況」

 

 

 

 

 

 

 

 

志貴がその後聞いたのは達也と生徒会副会長、服部刑部少丞範蔵が模擬戦を行うといった旨のものだった。そしてそうなった経緯を聞いて呆れ果てていた。何でも服部が二科生である達也を軽視して、その事について腹を立てた妹の深雪が兄は実戦なら誰にも負けないときっぱり言い切ったそうだ。服部はその言葉に対して身贔屓だと切って捨てようとしたが、妹の言葉に嘘はない事を証明するために達也がわざわざ服部に対して模擬戦を提案したという経緯である。志貴は達也が自分を軽んじられたからと言ってわざわざ勝負を挑むようなプライドの高い人間には見えなかった上に、自分の妹を溺愛している事に関してはエリカやレオからそれとなく聞き及んでいたので事の流れは至極当然だと納得は出来ていた。

 

「ホント……聞いていたよりも性質が悪い溺愛っぷりなんだなあいつ」

 

納得はしたもののそこまで実の妹のために出来る達也に志貴は聞きしに勝る妹愛(シスコン)体質だと呆れるよりほかに感情の落としどころを見つけることが出来ないでいた。

 

「それに関しては私も同意見です。あの兄妹は仲が良いで片付けるには少々言葉が足らないように感じます」

 

志貴の言葉に同意したのは、生徒会会計の市原鈴音だった。何処か固い彼女の口調にも所々呆れた様な雰囲気を感じ取れる。志貴は結局昨日の騒動についてまた詳しく話を聞くために呼び出されたという(てい)になっているらしく、待たせるのは悪いという彼女の一声で生徒会のメンバーと共に彼らの模擬戦を観戦する事に相成っている。志貴としても彼女、そして鈴音の横でおどおどしながらこちらを伺っている生徒会書記中条梓(なかじょうあずさ)、そして達也の妹であり今回の騒動の元凶ともいえる司波深雪とは初対面であったため真由美とこれから関わる以上、彼女達とそれなりに親交を深めるのも悪くないと何処か場違い感を感じながらもこの場にいるのである。

 

「市原先輩もあの兄妹とは今日の昼に初めて顔を合わせたんですよね?」

 

「ええ、正直な話もう面食らいました」

 

「そりゃ、災難だった事で……」

 

彼女の辟易とした表情に志貴は素直に同情する。彼が司波兄妹の掛け合いや雰囲気を間近で見るのは今回が初めてだが、あの二人はどうも度が過ぎている(・・・・・・・)。それなりに色んな人間を見てきた経験がある志貴としても司波兄妹の雰囲気にはため息しか出なかった。

 

「……ありゃ、斬っても切れなさそうだな」

 

何の気なしに呟く志貴はあの二人の間に兄妹愛の死の線が見ていたらとありもしない事を考えていた。自分と同じ魔眼を持つ彼女なら視えていたかもしれない存在しないものの線があればと仮定したものの、志貴には視えないのだから結局どうしようもない。視えたところであの絆はそうそう途切れるものではないと志貴は呆れながらもそう考えていた。

 

そんなどうでもいい思考に耽っていると、くいと服の裾が引かれる。志貴はその違和感に振り返ると自分の制服の裾を掴んでいる真由美がいた。

 

「……どうした?」

 

「……さっきからリンちゃんとばかり喋ってるじゃない」

 

「何、もしかして嫉妬してる?」

 

「……そんなのじゃないわよ」

 

努めて優しく声を掛けた志貴に真由美はあからさまに不機嫌な口調でそう言った。

 

「……あの、会長」

 

そんな二人を見て、今まで黙っていた梓が未だおどおどしながらも口を開く。

 

「その、お二人は既に面識があったんですか? 昨日の騒動で知り合ったにしては、何というか、その、仲が良すぎるのではないかと……」

 

「えっ……! あの、そのあーちゃんこれはね」

 

あからさまに狼狽する真由美。事情を知っている摩利はそんな真由美を見ながらニヤニヤと意地悪く笑っている。本当に悪い人だと志貴は摩利の様子を見ながらそう思っていたが、慌てている真由美を放っては置けないと会話に口を挟む。

 

「実は幼馴染なんですよ俺と会長は。だからこそここまで親しくしてくれるんですよ彼女は」

 

「……! そ、そうなの! 幼馴染なのよ彼とは」

 

「いや、でも何というか幼馴染にしてもちょっと度が過ぎているというか、まるで……」

 

そこまで言って梓は顔を赤くする。次の言葉が出ない事に志貴は彼女がよほど純粋なのだと感じていた。

 

「恋人みたい、ですか?」

 

「え、ええ、まあ、そうです」

 

「……ふふ、さあ? どうでしょうね?」

 

と、志貴は敢えてはぐらかしてみせるが、その言葉と同時に服を掴んでいた真由美の手を取る。優しく握られたその手が何よりの証で、それを読み取った梓は顔を更に紅潮させ、握られた真由美もいきなりの出来事に頬をほんのりと赤らめた。

 

「なるほど、だから会長はあんなに必死だったのですね」

 

「……? どういう事ですか?」

 

「ちょ、ちょっとリンちゃん!」

 

やり取りを見ていた鈴音の言葉に志貴は思わず聞き返す。後ろで真由美が慌てていたが、そんなものは志貴にとって既に蚊帳の外であった。

 

「昨日の騒動はあくまで未遂だったと渡辺委員長から聞き及んでいます。参考人として呼ばれたあなたにも軽く事情を聞く程度でこれ以上掘り下げるべきものでもなかったにも関わらず、会長は昨日の一件にえらく“ご執心”でしたので、何か別の理由があるのではと考えていたのですが……まさか逢引のための口実だったとは」

 

「そんなに必死だったんですか?」

 

「ええ、これ以上ないくらいに」

 

鈴音の言葉に志貴は意地悪く笑う。鈴音も涼しげな表情は変わらないものの赤面して黙っている真由美をいい事に何時も以上に口が回っていた。

 

「しかし、会長。それとこれとは話が別です。あなたの行為は明らかな職権乱用ですよ? 今回は目をつむりますが今後このような行動は控えてください」

 

「うう……リンちゃんのいじわる」

 

鈴音の言葉に項垂れる真由美。志貴はそんな彼女を慰める意味合いも込めてさりげなく彼女の頭を優しく撫でていた。無論、表情は終始笑顔であった。

 

「さて、そろそろだな」

 

何処か学生らしいゆったりとした談義もここまでと摩利の一声によって各々が妙な感情を引きずりつつも模擬戦の準備を着々と進めている両者に目を向ける。服部は左手に備え付けられている汎用型ブレスレット型CADを操作しながら自身の身体を確かめるように左手を握る、開くという動作を繰り返している。一方で達也はアタッシュケースを開き、鈍く銀色に光る特化型の銃の形態をしたCADに複数あるマガジン型のストレージを一つ取り出し装填していた。

 

「お待たせしました」

 

達也が服部の前に歩み出る。摩利は試合を始める前に気になったのか率直な疑問を彼に投げかけた。

 

「いつも、複数のストレージを持ち歩いているのか?」

 

「ええ。汎用型を使いこなすには処理能力が足りないので」

 

そう返す達也に服部は余裕の笑みを見せる。服部は特化型のCADによる魔法の発動速度は確かに脅威ではあるが達也自身が言っているように、それは汎用型を使いこなせるまでの処理能力がないからこその足掻きだと考えていた。ましてや、達也は二科生(ウィード)である。魔法の処理能力に劣る彼は汎用型CADの様に多くの手数が持てない以上、より速く、より攻撃性の高い魔法を自身に当てなければ勝つことが出来ないということは自明の理である。しかし、服部はいくら特化型CADの発動速度が速かろうとも、自身の魔法処理能力なら基礎単一系魔法であればそれよりも速く発動させる自信が彼にはあった。

 

それは(おご)りでもなんでもなく純然たる事実だった。彼は入学してから一度も魔法を使った模擬戦において負けたことはない。無敗を誇る自分を誇りにこそ思うも、慢心することなく更に高みを目指してこの場所で研鑽を積んできた。その自分がたかが二科生などに負けるはずがないのだ。このような身の程知らずには灸を据えてやらねばならない。

 

自然と張り詰める場の空気に周りは無言になる。しかし、その均衡は数秒と経たず崩れた。

 

「なあ、達也。賭けをしないか?」

 

「志貴。何を言っているんだお前は」

 

志貴がこの場に似つかわしくない軽い調子でそう達也に声を掛ける。達也は場を乱すような彼を諌めるように何時もよりも鋭い口調で返した。

 

「まあ、そう怒るなよ。別に大金賭けた大博打しようって訳じゃないんだ。俺が勝ったら明日の昼飯奢ってくれればいい。お前が勝ったら、俺に何でも好きな事を一つだけ命令できる権利をあげようじゃないか」

 

「たかが二科生の分際で。何の関係もない外野が口を挟むな」

 

志貴の突然の言葉に集中を切らした、服部が忌々しそうに会話を遮る。そんな服部に志貴は視線を向けた。

 

「服部副会長。いいじゃありませんか。たかが“二科生”の戯言に付き合うくらい。それとも、副会長はこんな些細な事でいちいち腹が立つほど器の小さいお人じゃないですよね?」

 

服部は志貴の言葉に何か言いたそうにしながらも押し黙った。志貴の言葉が安い挑発であることには服部も既に気づいている。しかし、彼としてはそう言われた以上この場で反論する事は自身の器量が小さい事を自ら認めている事になる。この場でなければ何と言われようとうるさい外野を黙らせるために服部は反論しただろう。だが、この場にいる自分が懸想している相手の前ではそれがどうしても憚られた。自身が密かに想いを寄せている真由美の前でそんな格好の悪い真似をただしたくなかった。自身の守っているものが小さな男のプライドとは分かっているものの、ただただ真由美への想いを実らせたい感情が先行した服部は結局そのまま押し黙る事にした。

 

志貴は黙った服部を確認すると、達也に視線を戻し続ける。

 

「内容は簡単。今から俺の言う事が当たれば俺の勝ち。外れればお前の勝ち。シンプルイズベストだ」

 

「……賭けの中身が釣り合っていないように思えるが本当にそれでいいのか?」

 

「お兄様!」

 

了承ともとれる達也の言葉に今まで何も言わなかった深雪が声を上げる。深雪としてはあからさまに達也を揺さぶっているように見える志貴の提案に乗るなどしてほしくはなかった。そもそもこの模擬戦は自分の行動が原因で起きた結果である。深雪としては勝利を約束してくれた兄には万全とはいかないまでも十全の状態で臨んでほしかった。その考えからすれば志貴の賭けは何よりも害悪である。達也がこれほどの事で揺らぐ弱い心の持ち主ではない事を深雪は知っている。だからこそ、外野からのこの揺さぶりは本当の意味で邪魔にしかならない。

 

「何を考えてそんな事を仰られているのかは分かりかねますが、あまり無粋な話をしないでいただけませんか?」

 

「いや、申し訳ないけど妹さん。さっきも言ったようにこれは俺の戯言だ。君が考えているような意図はないし、理由を言えば観客(ギャラリー)としてちょっと楽しみが欲しいだけなんだよ」

 

「あなたの趣向を持ち込む義理がありません。お願いですからこれ以上お兄様を惑わすような……」

 

「深雪」

 

深雪の言葉は他でもない達也によって遮られた。その事に驚きつつも深雪が達也に顔を向けると何時ものように優しい笑顔を向ける兄がいた。

 

「俺は大丈夫だ。志貴も言っている通り負けたとしても昼食を奢るだけの事だ。心配しないでくれ」

 

「そんな……! お兄様が負けるなんて有り得ません!」

 

深雪は兄の笑顔に自分の気持ちが軽くなるのを感じた。深雪にとって兄の言葉は“絶対”だ。愛する兄がそう言うのならと、深雪は精一杯の激励を込めてそう叫んだ。

 

「いいだろう。志貴、お前の戯言とやらに付き合ってやる。……それで? お前の賭けのお題とやらは何だ」

 

「そうこなくちゃ。面白くなってきたな」

 

志貴は心底面白いと口を吊り上げる。

 

「賭けのお題はこれだ。『この勝負は4秒で終わる』」

 

そして、志貴の言った言葉にこの場の全員が驚愕した。

 

「ちょっと、志貴! あんまり冗談ばっかり言ってたら怒るわよ」

 

「冗談なんかじゃないさ真由美。俺は真剣にそう考えたんだよ」

 

通常魔法師同士の対人戦はあまり長く続くものでもない。どちらかがより速く有効的な魔法を相手に与えることが出来るかで大概の勝敗は決する。アンティナイトという特殊な鉱物を使った相手の魔法を無効化するキャスト・ジャミングなどの特殊な技術があれば話は別だが、アンティナイトは軍事物資の上、非常に高価な値段で取引されている。一介の学生如きが手に入れられる代物でもない。

 

しかし、4秒はあまりにも早すぎる。そんなことが起こりうるのは相手が霞んで見えるほどの圧倒的な戦力差があるときだけである。

 

「それは、“どちらの勝敗にも関係なく”……ということか?」

 

「ああ。勝つのはどっちでも関係なく、勝負が終わるのが4秒ってだけだ」

 

「いいだろう。外れても恨むなよ」

 

「大した自信だな。司波達也、あまり調子に乗るんじゃないぞ」

 

達也の言葉に服部が怒りを露わにしながらも、口元に笑みを浮かべる。

 

服部は志貴の言葉に自分の勝ちをほぼ確信していた。それは彼が考えていた戦術によって目の前の達也が倒れるまでの時間を想定した結果がおおよそそのぐらいの時間であったからだ。その事に服部は志貴への考えを少しばかり改める。この男はどうやってそこまで正確に時間を指定できたのか気にはなるものの、明らかに自分の勝ちを前提に賭けを仕掛けている。勝ちの報酬が昼食という辺り、本当に娯楽的に賭けを吹っかけたのであろうが、この男はしっかりと相手の力量を測る事の出来る人間ではあると。

 

もちろん、志貴が二科生である以上服部は彼を好意的に見ることは未だ出来ないでいる。特に自分の想い人である真由美と何気なく自然に名前で呼び合っている上に、えらく親しげである。その部分を考慮しても志貴を好きにはなれそうになかったが、ある程度認めてさえいた。

 

一方、達也は志貴の予測に賭けに対する勝ちを確信していた。志貴の予測は確かに惜しい。しかし、と達也は口に出すことなく彼に向けて自分の胸中で宣言する。

 

4秒ではなく、3秒(・・)だったな、と。

 

 

「さて、それでは……」

 

と、仕切りなおすように摩利が一歩歩み出る。それが合図と達也と服部は各々目の前の相手に集中した。

 

深雪は固唾を呑んで見守る。兄を信じて、しかしこの妙な雰囲気にもしもの事があったらと一抹の不安を抱えて。

 

「大丈夫だよ」

 

と、隣から囁くように声が聞こえた。

 

驚き振り向くとそれは不安の張本人である志貴のものだった。

 

「勝敗はどっちでもとは言ったけど……」

 

摩利の模擬戦に関するルールが説明される最中、深雪は志貴の言葉にその自分の不安が杞憂であったと思い直した。

 

「勝つのは君のお兄さんだ」

 

 

「始め!」

 

摩利の勢いよく下げられた腕と同時に二人の試合が始まった。




すぐに茶々を入れる主人公。書いていて私はとても楽しかったです(笑)。テンポが悪くて文字数の割にはあんまり話としては進みにくいのが私の悪いところです。

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