P3 in IS   作:ティターニア

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遅くなりました。(処刑

ようやっと、2人を登場されられます。

しばらくは投稿が遅れるかと思いますが読んでくださるとありがたいです。


27:波乱を呼ぶ転校生

「そういえばいよいよ今日から皆もISに乗れるんだったね。」

「そうだよ〜、かみなん。

いよいよ私の本気を見せる時がきたんだよ〜。」

「えー、でも本音が素早く動く姿が想像できないなー。」

「そうだよねー。」

「癒子もさゆかもひどい〜!」

 

教室へと向かう途中、今日から始まるIS実習の話で盛り上がる。

彼女達もこの日が来るのを心待ちにしており、何度もISスーツのデザインの相談をされたりした。

 

「神名くん、う、動かすコツとか色々教えてくれる?」

 

僕の横を歩いていたナギが遠慮がちに訊いてきた。

 

「うん、教えられる範囲は教えるよ。」

「おっと、抜け駆けは許さないよナギ!

私達にも教えてよね!」

「はいはい。」

「よーし、神名くんに強くしてもらって個人トーナメント優勝して特典を「ちょっとさゆか、しー! しー!」

 

と、何かを言おうとしたさゆかを癒子が慌てて止める。

特典? そんな話は聞いてないのだけど。

 

「特典って?」

「う、うん? なんの話かなー?」

「えっと、私達よくわかんないー。」

「そ、そそそ、そうだよ?」

「知〜らな〜いな〜。」

 

露骨にお茶を濁す女子達。

怪しすぎる、ナギにいたっては動揺しすぎだし。

と、ここで予鈴のチャイムが鳴った。

 

「あ〜、のんびりしてる場合じゃないよ〜!

HR始まっちゃうよ〜!」

「そもそも本音が二度寝しなかったらこんな遅れることはなかったんだけどね。」

「急げ〜!」

 

僕の突っ込みにを聴こえないふりをして駆け出した本音に続いて僕達も教室に急いだ。

 

………

……

 

ぎりぎり間に合って教室に入ると、山田先生が何やら周りに抗議している。

おそらくいつものようにあだ名で呼ぶのを止めるよう言っているのだろう。

慕われてるが故に愛称で呼ばれるのは悪いことでは無いのだろうが、山田先生としては先生としての威厳を保ちたいのだろう、難しいところである。

 

「何をしているんだ、早く席につけ。」

 

と、扉の前で教室の喧騒を眺めてると織斑先生が入ってきた。

途端に慌てて皆席に着く。

流石の一言である。

 

「諸君、おはよう。」

『おはようございます!』

「今日から本格的な実戦訓練に入るわけだが、訓練機とはいえISを使用しての授業となるので各々気を引き締めるように。

自分達のスーツが届くまでは学校指定のものを使ってもらうが、忘れた場合は代わりに水着で受けてもらうことになる。

それもないものは、まあ下着でも構わんだろう。」

 

いや、駄目でしょう。

恐らく一夏も心の中で突っ込んでいると思う。

しかし、実()訓練ねぇ。

改めてISは兵器であるという事実を考える。

果たして今の1年生のどれほどがそれをちゃんと自覚しているのだろうか。

…まぁ僕が何か行動する必要もないか。

倍率が10倍近くあるらしいこの学校に入学できた彼女達ならきっと自分達で気づけることだろう。

 

「___では山田先生、HRを。」

「はいっ!」

 

と、考え込んでる間に連絡事項を言い終えたらしい織斑先生が山田先生とバトンタッチした。

…話聞いてなかったや、後でナギ辺りに聞こう。

 

「ええとですね、今日はなんと転校生を紹介します!

しかも2名です!」

「……………え?」

『えええええええええっ!!?』

 

にわかに教室が騒がしくなる。

転校生ってことはその2人のうち1人が僕の次のルームメイトとなるのか?

先週の金曜に本音が移動になって一夏が来るのかと思ってたら、誰も来ないまま二日間ヒトリノ夜を過ごす事となった理由がようやく分かった。

しかし、新たな男性操縦者なんてニュースは聞いてないので転校生は女子の筈だ。

また女子と寝ることになるのか?

 

「失礼します。」

「……………。」

 

教室の喧騒が教室のドアが開いてピタリと止まる。

同時に僕の疑問も霧散する。

なぜなら教室に入ってきた転校生のうち、1人は男子だったからだ。

 

「シャルル・デュノアです、フランスから来ました。

この国では不慣れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします。」

 

問題の転校生、デュノアはにこやかな顔で一礼した。

しかし、周りは呆気にとられている。

皆もまさか男子が来るとは思ってもいなかったのだろう。

 

「えっと、男の子…?」

「はい、こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を「きゃ……。」、はい?」

『きゃああああ〜〜〜〜〜!!!』

 

皆が一斉に歓喜の悲鳴をあげる。

ああ、そういえば僕の時もこんな感じだったな。

 

「さ、3人目の男子!」

「しかも守ってあげたくなる貴公子系!」

「何なの!? うちのクラス! イケメンパラダイスなの!?」

「か、か弱いデュノアくんを織斑くんと神谷くんが取り合う……、ぐはっ!」

 

絶賛、テンタラフー状態。

 

「あー、騒ぐな。 静かにしろ。」

「み、皆さんお静かに!まだ自己紹介は終わってませんから〜!」

 

先生達が生徒の暴走を鎮めに入る。

 

「で、ではボーデヴィッヒさん、どうぞ。」

 

ようやく皆が落ち着きを取り戻したところで、山田先生はもう1人の転校生にそう声をかける。

そちらは4人目の男子ということはなく女子であったが、彼女の見せる雰囲気は年頃の女の子とはかけ離れたものであった。

左目を眼帯で覆い、手を後ろで組んで立つ様はまさしく軍人をイメージさせる。

 

「……………。」

「…挨拶をしろ、ラウラ。」

「はい、教官。」

 

いつまでも口を開かない彼女に織斑先生が声をかけると、すぐさま彼女は織斑先生に敬礼をして返事をした。

教官? 織斑先生を教官と言ったか?

 

「ここでは織斑先生と呼べ。

もう私は教官ではないし、お前もこれからは一般生徒だ。」

「了解しました。」

 

織斑先生がそう言うと、彼女はまたも素直に返事をした。

その立ち振る舞いからやはりボーデヴィッヒは何処かの軍隊に所属していたのだろう。

そして織斑先生を教官と呼ぶということは先生も同じ所にいたということだ。

チラリと横の一夏を見てみる。

姉を見る一夏は複雑な表情をしている。

これは無闇に詮索をしないほうが良さそうだ。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」

 

ボーデヴィッヒは自分の名前を口にしただけで再び口を閉ざしてしまった。

 

「あ、あの、以上ですか?」

「以上だ。」

 

山田先生がおずおずと声をかけるが、ボーデヴィッヒは短くそう告げるだけだった。

と、ボーデヴィッヒが一夏の方に目を向け、グッと眉間を厳しくする。

 

「っ! 貴様が……。」

 

そう呟き一夏の前に歩み寄り、

 

パァンッ!

 

!?

いきなり一夏の頬を叩いた。

 

「………。」

「…え?」

 

一夏は何が起きたのかわからないという顔をしている。

周りの皆も呆気にとられて2人を見る。

 

「私は認めない。

貴様があの人の弟であるなど、認めるものか。」

 

ボーデヴィッヒは静かにそう告げた。

そしてそのまま後ろの空いている席へと向かおうとして、僕と目が合った。

 

「!」

 

彼女が僕を見て、さも意外そうに僅かに目を見開いた。

 

「………ほう。」

 

そう呟き、少しニヤリと笑ったかとおもうとすたすたと後ろへと行ってしまった。

未だ教室の空気は静まり返っている。

まだ教卓に立っているデュノアもポカンと口を開けている。

 

「あー…、ではHRを終える。

各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。

今日は二組と合同で操作実習を行なう。 解散!」

 

ようやく織斑先生が手を叩きながらそう言って、皆が我に返って動き始める。

…朝から色々面倒なことが起こる気がした。




特に意味のないif
………
パァンッ!!

「ッ!?」
「と、唐突な平手打ちっ!?」

ボーデヴィッヒが一夏にいきなり平手打ちをかます。
そしてなぜか実況するデュノア。

スッ…

「?」
「あの構えはグーパン!?」

続けざまに拳を後ろに引くボーデヴィッヒ。
そして実況を続けるデュノア。

ガッ!!

「ッ!!?」
「よ、予想外の“肘”!!!」

まさかの肘鉄を一夏に浴びせるボーデヴィッヒ。
そして驚愕の声をあげるデュノア。

「…認めないぞ! 貴様があの人の弟であるなど、私は認めない!!」
「「ふ、普通に恨みがこもった暴力が一夏を襲った〜!!?」」

最後に箒とセシリアが声をあげる。



……………なんだこれ。

………
本当になんだこれだよ。
はい、すいません、ついやりたくなりました。
反省はしない。

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