P3 in IS   作:ティターニア

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サブタイは凄いセンスが問われてるようでいつも最後に考えています。
浮かばなかった結果が、人名のみのやつです。



朝のちょっとした食事風景をお送りします。


12:Want to be close (そばに居たいよ…)

とそんな夢を見て、僕は目が覚めた。

…いや、あれを夢と呼ぶにはふさわしいかどうかはわからないが、とりあえず目を覚ました。

目覚まし時計を確認すると、ちょうどアラームの鳴る5分前だった。

少し早いが、もう起きることにしよう。

そう考えて横のベッドで寝ている本音を起こしにかかる。

この作業にいつも10分ぐらいかかってしまう。

本音は朝は弱いようで、肩を揺するから始まり、頬を軽く叩く、布団を引っぺがす、こちょばす、強制的に立ち上がらせるといった工程を行わないと起きないのである。

こちょばす段階で目は覚ますのだが、放っておくとすぐ二度寝に入ってしまうので無理にでも立ち上がらせないといけないのである。

 

「ふぁ〜、かみなんにはいつも起こしてもらってて悪いね〜。」

「悪いって思うのなら、自分で起きるようにしなよ。」

「チッチッチ〜、かみなんが起こしてくれるから起きれるんだよ〜。」

「バカな事言ってないで早く準備しないと、さゆか達来ちゃうよ。」

 

そう言って僕は先に洗面所を使わせてもらう。

リビングからは

『む〜、バカっていう方がバカなんだよ〜。』

という声が聞こえるが無視する。

顔を洗い、髪型を少し整え洗面所から出る。

僕が洗面所にいる間に着替え終わっているだろうと思っていたが、本音は、パジャマの着ぐるみのままテレビを見ていた。

 

「…何してるの?」

「朝ドラみてるの〜。

最近始まった『むっさん』面白いよね〜。」

「………。」

 

僕はしばらく黙っていたが、ゆっくりと近づきテレビを消す。

 

「ああ〜、今いいとこだった___」

 

と、本音が愚痴るのを最後までさせず、素早い動きで本音を小脇に抱え込み、反対側の手で彼女の着替えを掴む。

 

「さっさと!着替えなさい!」

 

そう言いながら、彼女を着替えと一緒に洗面所に放り込み、ドアを閉めた。

はぁ…とため息を吐きながらリビングに戻り自分も着替え始める。

これでもかなりマシになった方である。

少し前までは着ぐるみのまま朝食を食べに行っていたのだから。

そして、いつも遅刻ギリギリで教室に入るのであった。

そこから考えると、少しは成長しているのだ。

着替え終わり荷物の用意をしていると、ドアをノックする音が聞こえてきた。

さゆか達が来たのだろう。

 

『本音ー、神名君ー?用意できたー?』

「うん、今開けるよー。」

 

そう言いながら玄関へと行き、ドアを開ける。

そこには3人の少女がいた。

入学初日の夜にやって来た癒子にさゆか、それにナギこと鏡ナギだ。

本音は特に彼女達と仲が良く、毎朝朝食を一緒に食べに行っている。

 

「おはよー神名君!」

「おはよう!本音はまだ寝てるの?」

「2人ともおはよう。

本音は今洗面所で準備してる。」

 

いつも元気のいい2人組に挨拶をする。

この2人とはその後も結構な確率で一緒にいる。

夜もわざわざ駄弁りに来るぐらいだ。

 

「…えっと、か、神名君…おはよう…ございます…。」

「うん、おはようナギ。」

「ひゃわ!?あ…う、うん!おはよう…。」

 

そして、顔を赤くしながら二回挨拶をするナギ。

彼女は入学して数日後に一緒にいるようになった。

最初、癒子とさやかに押されて来たナギは顔がすごく赤くなっていて、僕は熱があるのかと思い彼女の額に手を当てた所、さらに真っ赤になって倒れてしまったのだ。

…その後、なぜか織斑先生に叩かれた。

それから一緒にいる時はいつも顔が赤いので、何となく察する事が出来たが何も言わないでおくことにした。

 

「おっまったせ〜♩」

 

と、準備が出来たようで本音が洗面所から顔を出す。

 

「あと、かみなん〜!女の子はもっと優しく扱うべきなんだよ〜!」

「本音がナギ達を待たせないようにしたら、僕は何もしなくて済むんだけどね。」

 

そんな事を言いつつ、僕達は食堂へと向かうことにした。

 

………

……

 

食堂に着き、注文するために列に並ぶ。

僕、ナギ、本音、癒子、さゆかの順だ。

ナギは控えめな性格ではあるが、ここぞという時は積極的に話しかけてくる。

今も僕達2人が喋り、後ろで3人がニヤニヤしながらコソコソ話をしている。

本音は首を傾げているだけだが。

と、そうこうしてるうちに自分の番が来る。

 

「おはようございます、いつものお願いします。」

「おはよう、理ちゃん。いつものね。」

 

受付にいるおばちゃんが笑顔で答える。

食堂のおばちゃん達は僕の事を理ちゃんと呼ぶ。

僕の食べっぷりが気に入られたらしい。

いつもの、で通るようになってしまった。

朝食を受け取り皆が座れる席を探していると、ちょうど見覚えのある人達が座っている所が空いていたのでそちらへ向かう。

そこにいたのは、お馴染みの3人組。

もう1人の男である一夏に、それを取り合うように睨み合っている箒とセシリア。

そのピリピリした空気のせいか、そのテーブルには一夏達の他には誰も座っていない。

間に挟まれた一夏も流石に辛そうなので、助け舟を出すことにする。

 

「おはよう、3人共。

ここに5人座ってもいいかい?」

「おお!おはよう、理!

いいぜ、座ってくれ!」

 

一夏も僕という救世主が来て、ホッとしているようだ。

それに対し、両隣りの2人はムスッとした顔で此方を見る。

 

「おはよう、理。

…わざわざ私達の所に来なくてもいいんじゃないのか?」

「席が空いてるから来たんだよ。

それに、朝っぱらからみっともないよ。」

「…それもそうですわね。

理さん、わたくしの横にどうぞ。」

 

セシリアが勧めてきたので、断る理由もないので横に座る。

本音達もやってきて、僕達の向かい側に座った。

ちなみに、僕の前にはナギが座った。

 

「おりむーにセッシーにモッピー、おはよ〜。」

「…おはようはいいのだが布仏、やっぱりモッピーというのはちょっと抵抗があるんだが…。」

「え〜、ダメ〜?

モッピー可愛いと思うんだけどな〜。」

「いいじゃないか箒、のほほんさんが折角つけてくれたんだから。」

「いやーでも私達も自分がモッピーって呼ばれるって考えるとちょっとねぇ…。」

「うん、確かに…。」

「ほら!谷本も夜竹もそう言っている!

ここは私のニックネームの変更を要求する!」

「では、どのようなニックネームにしましょう?

篠ノ之ですから…しののんはいかがでしょう?」

「でもそれだとのほほんさんと被っちゃうからなぁ。

しのしのとかどうだ?」

「一夏、それは流石に…。

出来れば、下の名前でお願いしたい。」

「じゃあいいじゃん、モッピーで。」

「それだとモッピーかな。」

「モッピー…しか浮かばない。」

「やっぱりモッピーだよ〜。」

「モッピーですわね。」

「おい!投げやりになるなお前達!

何か考えてくれ!」

「だったら箒が自分で考えなよ。」

「自分が考えたニックネームで呼んでくれというのは恥ずかしすぎるだろ!」

 

と、箒のニックネームの話で盛り上がり始めている。

それを僕は横で面白そうに聞く。

 

「…ふふっ、にぎやかだね。」

 

と、前に座っていたナギが話しかけてきた。

 

「ナギは騒がしいのはちょっと苦手?」

「い、いや!そんな事ないよ!?

…私自身は人と話すのはちょっと苦手だけど…。」

 

ナギは少し俯く。

 

「でも癒子もさやかも本音も仲良くしてくれるし、織斑君達も皆優しいし…。

そ、それに…神名君も…いるし…。」

 

ナギは顔を赤くしながら話を続ける。

 

「わ、私、今は神名君の、皆のそばにいられるだけですごく幸せだよ!」

「…そっか。じゃあこれからもよろしくね。」

「あ…う、うん!よろしくね!」

 

ナギは顔を真っ赤にしながら微笑んでいる。

僕も返すように笑いかける。

…と、さっきまでにぎやかだった6人が静かに此方を見ている。

 

「ふっふ〜ナギ〜、なかなかいい感じではないですか〜?」

「私達に感謝しなさいよ〜?」

「あれ〜?ナギ顔まっかっかだよ〜?」

「…理、お前なかなか早いな。」

「…理さん?一体何をお話していらしたのかしら?」

「何だ理、お前いつの間に鏡さんと仲良くなったんだ?」

 

癒子とさゆかの2人組はニヤニヤしており、箒は呆気に取られた顔をし、一夏は首を傾げている。

横のセシリアは何やら笑顔で此方を見ている。

…何だこの妙な圧迫感は!?

 

「…僕と愉快な仲間達がいて、ナギは楽しいってさ。」

「「「誰が愉快な仲間達だ(よ)(ですわ)!!?」」」

「…ふふっ♩」

 

その後もしつこく聞かれたが、織斑先生の怒号が飛んだので急いで食べ終わり、教室に向かうことにした。




ヒロインフラグが立ちましたねぇ…。
しかし、コミュ発生はまだ先です。


次回は原作にもある授業回です。

訂正
今更ですが、さゆかの事をずっとさやかにしてしまっていました。申し訳ない…。

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