ルイズ:ハルケギニアに還る   作:ポギャン

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 大変長らくお待たせしまして、申し訳ありません。

ようやく14話をみなさまへお届けすることが出来ました。

次も外伝になる予定ですので、ご了承下さいね。




14話:外伝才人の受難その二

 

 あれから才人はこの地元でウェストウッドと呼ばれている森で自分の恋人ルイズを慕う言葉を一通り大声で叫ぶと、ようやく満足したのか愛を叫ぶ言葉を止めて周囲を見渡していた。

 

『ルイズ様への愛の大告白して大変満足しましたでしょうか? 才人さん……なら、この言葉を呟いて下さい………“オール・ウェポン・フリー”と、解ったならすぐお願いしますね』

 

シルバー・ミレニアムは才人に対して、とあるキーワードを述べるように要請する。

 

「………おぃ、ずいぶん物騒なキーワードだなぁ……まぁ、良いけど。じゃあ今から言うぞ………“オール・ウェポン・フリー”」

 

才人がキーワードを唱えるとシルバー・ミレニアム全体が白銀色に発色し始めた。

 

『(仮)マスター才人さんから、システム起動のキーワードを音声入力で確認致しました。これで何時でも好きな時にあたくしへのアクセスが出来るようになりました。早速マチルダさんへの報酬をお支払致しますね』

 

才人からの音声入力により、シルバー・ミレニアムのとある機能の1つが立ち上がり、本体の銀のブレスレットからマチルダの足下へ向かって何か金色に光り輝く長方形のかなりの重さがある重量物の金属の塊が10本発射されて地面に『ドスン!』と鈍い音が連続して鳴り響き結構深く地面に突き刺さっていた。

 

「危ないね! 何するんだい! この腐れデバイス! アタシを殺す気かい! 」

 

後もう少しずれていたら、細長く魅惑に富むしなやかな脚が破壊されるところだったので、当然マチルダはこの危険行為を行った元凶であるインテリジェント・デバイスのシルバー・ミレニアムを睨み付けながら、怒鳴っていた。

 

『………これはルイズ様を捜してもらうための先払いの依頼報酬ですよ………でも、その金塊の半分は才人さんからのマチルダさんへの慰謝料ですから、喜んで受け取ってください。ちなみに金塊10本分で約3万エキューは有りますから、ゆうに8人が20年以上は遊んで暮らせる程の金額になりますねえ』

 

シルバー・ミレニアムの説明をうけてマチルダの怒っていた表情が、幾分か和らいだ顔つきになっていく。

 

「……まぁ、前払いで貰えるとは思って無かったけどさ、これからは事前に言っといてもらえるとアタシとしても有り難い事何だけどもねぇ………それにしてもアタシへの慰謝料、かなり奮発してくれて正直言うと嬉しいよ……ありがたく頂戴しとくからねえ」

 

そう言ってマチルダは自分の杖を振って地面に突き刺さっていた金塊10本をコモン・マジックのレビテーションの魔法を使ってきれいに地面に揃えると、今度はディティクト・マジックの魔法で金塊10本の品質を調べ始めていた。

 

「凄いねえ、この延べ棒に含まれてる金の含有率は限りなく100%に近い99.9999999999%の金塊じゃないかい? これだと最低でも3万エキュどころか3万5千エキュー以上の価値が有るんじゃないのかい? 」

 

シルバー・ミレニアムのあまりの気前良さにマチルダは喜びの表情をうかべながら金の延べ棒の品質的な価値を語っていた。

 

「あの、デバイスさん。本当にこれを姉さんが貰っても良いの? 」

 

ティファニアはあまりの金額的に高価な報酬にかなり不安が有るような表情でシルバー・ミレニアムに語りかけていた。

 

『……別にこれくらいの金額、あたくしが創造主の敷島 礼次郎博士から託された資産総額100兆円からみたら、たいしたこと有りませんよ。ちなみにハルケギニアの貨幣価値にしたら、だいたい100億エキュー程になりますねえ』

 

シルバー・ミレニアムは事も無げに宣っていたけども……周囲にいた子供を除く者たち全員が想像する事すら出来ない遥か雲の彼方のような金額を聞いて、唖然となった状態に陥っていた。

 

「………あんた達いったい何者なんだい? 100億エキューって言ったら、ハルケギニアで1番金持ちのガリアの王様よりも財産持ってるじゃないか! 」

 

「デバイスさんって、そんなにお金持ちなの? ねえさん」

 

シルバー・ミレニアムが語った財産総額を聞いて、驚愕するセリフを吐き出したマチルダとティファニアの二人だった。

 

「………おい! シルバー・ミレニアム! 何で博士がそんな大金、ルイズに持たすんだよう? おかしいだろ……それに100兆円なんて、どうやったら稼げるんだ、そんな大金? 」

 

シルバー・ミレニアムがルイズのためにと敷島博士から託された資産総額が日本円で100兆円だと聞かされた才人は、そのあまりにも常識ハズレの額に疑問を感じてその事をインテリジェント・デバイスのシルバー・ミレニアムに質問していた。

 

『博士がルイズ様にたくさんの使いきれない程の資産渡すのは、異世界に還って苦労させたくないと思っている大切な娘を想う唯の親心ですよ、だから他意は無いですからねえ………それから博士がこの財産をどうやって稼いだかについてはシークレットですから何も答えるつもりは有りませんからね、あたくしは……………それに才人さん。あたくしの100兆円なんか、お姉さまの“ゴールド・プラチナム”が創造主、敷島 礼次郎博士から託された9800兆円の資産総額からすれば、ホンの些細な額でたいした事有りませんから、(仮)マスターの才人さんが気にする程じゃ無いですよ』

 

シルバー・ミレニアムが気軽さで宣った言葉に対して才人が「なっ!? 」と驚愕する表情で発した呟きの直後からしばらくの間フリーズしていた。人間あまりにも自分が理解に及ばない程の事象に対しては、身体全体の機能が一時的にストップする事が稀にあった。

 

「……………何処でどうやって、そんなに敷島博士はお金いっぱい稼ぐ事ができたんだぁぁぁ! 」

 

ようやくフリーズ状態から回復した才人が絶叫するかの様にシルバー・ミレニアムに問い掛けた。

 

その一連の言動をみていたマチルダとティファニアはあまりの事態にすこし呆れが混じった物言いを呟いていた。

 

「はぁ~、金持ちの考える事は本当にアタシら一般平民からすると、想像すら出来ないくらい凄い考え方しているんだねぇ………こりゃあ凄いとしか言い様がないわ………」

 

 

「それだけのお金が有ったら、世の中の孤児たちみんながお腹いっぱい食べられるわね、姉さん……」

 

「…………もう、お前のでたらめな凄さに突っ込む気力もないけど……本当にその報酬払ったんだから、マチルダさんがルイズの居場所……当然捜してくれるんだろうな? これでダメとかなったら、俺自身が捜しに行くぜ」

 

才人が今にも自分自身でルイズの現在居る場所へ捜しに行きかねない言葉を聞いたシルバー・ミレニアムがあるセリフを述べ始めた。

 

『心配しなくても大丈夫ですよ。才人さん。マチルダさんが報酬も前払いしたあたくしたちの依頼を疎かにするハズなんて有り得ない無いですよ、そんな事……………そうですよねぇ~マチルダさん……』

 

急に自分に対して話を振られたマチルダは「ええ……」と思わず声に出てしまうくらい戸惑っていたけども、直ぐに真顔になると真剣な言葉を述べ始めた。

 

「前払いで報酬金を貰ったから、アタシはちゃんとそっちの依頼を完遂してみせるさ、きちんとルイズを探しだしてやるから安心しな、坊や」

 

マチルダが報酬を前払いで支払って貰ったから、絶対ルイズを探しだすと自信満々に応える。

 

「………本当だったら、俺自身がルイズを捜しに行きたいところ何だけども……異世界初めてで全く地理に疎い俺が捜すより、地理に明るいマチルダさんに頼むほうが確実なのは解ってるからな………だから頼みますマチルダさん。俺絶対にルイズにもう一度逢ったら伝えたい言葉があるから、お願いします………俺をもう一度ルイズに逢わせて下さい! 」

 

才人は真摯な表情でそう言ってマチルダに深々と頭を下げてルイズを捜す依頼を自身の言葉で真剣に頼み込む。

 

「………坊やと言うのはおかしいから此からはサイトって呼ばせてもらうけどさ……安心して良いよアタシが絶対にルイズをサイトに逢わしてあげるからさ、悠然と構えて待っときな! 」

 

マチルダは才人のルイズを心底から想う愛情に対して、生来彼女が持っている人としての優しさから絶対に離れ離れになっている恋人同士を逢わせてやりたいと思う心情とは別に、もう1つの感情が心の奥底から湧き出してくるのを内心でマチルダは解りかねるかの様に考えていた。

 

(………この感情をどう表現したら良いのかアタシ自身も解らないけども……今目前にいるサイトにものすごく惚れられているルイズって娘にアタシは羨ましいて感じるより、嫉妬を感じるのは何故なんどろうねぇ………やっぱりさっき、サイトに今まで誰にも見せたことない生まれたままの姿を晒したからかねぇ~それとも胸を揉まれたのが原因なのかねぇ…………なんか知んないけど、サイトを見てると胸の中が熱くなってくるんだよ……あぁ、ルイズって娘にサイトを逢わしたく無いって思えてきたよ………でも、もう前払いで報酬金も貰ったから捜さない訳にはいかないハズ何だけどさ………このままじゃあのインテリジェント・デバイスに何言われるか解らないから、この気持ちを今は封印して自分がやるべき事を果たしてから考えれば良いさ……)

 

マチルダが芽生え始めたばかりの才人への淡い思慕を心の内に封印をして今はシルバー・ミレニアムと才人の依頼であるルイズを捜しだす決意を決めていた。

 

「期待して、待っています。マチルダさん」

 

と何故か恥ずかしいような感じで才人はマチルダに言葉を述べる。

 

『才人さん同様、あたくしもマチルダさんには期待しておりますから、頑張ってくださいね。早くルイズお嬢さまを見つけ出してくれましたら、ボーナス出しちゃいますからね』

 

シルバー・ミレニアムの言葉を聞いてすこし不思議そうな顔つきになっていたマチルダが、とある事を質問する。

 

「………二人から期待してもらうのは、正直言うと悪い気はしないけどさ……………それでボーナスてのはどういう意味が有るのさ? 」

 

『あぁ、そう言えば此方のハルケギニアにはボーナスて言葉は無かったんですよねえ………ボーナスと言うのは依頼した仕事を期日より早く終える事やより完成度の高い仕事をした時に支払われる才人さんとあたくしが住んでいました異世界地球は日本国にある特別報酬金制度のことですよ。だからマチルダさんも頑張ってボーナスGETしてくださいねえ』

 

シルバー・ミレニアムがボーナスについての解説をした途端、マチルダの瞳が妖しく輝き出していた。

 

 

「そうかい……ボーナスてのは、仕事を早く終えると貰えることなんだねぇ…………うふふふ……早くルイズの居場所捜しだして特別金をGETしてみせるからね、必ずアタシは」

 

そう言って、意気込みをみせるマチルダであった。

 

「……あまり意味は解らないけど、姉さんがやる気になるのはとても良い事だから、頑張ってマチルダ姉さん」

 

そう言ってとても素敵な柔らかい笑みを浮かべながら、マチルダを励ます言葉を告げるバスト・レボリューションのティファニア嬢なのであった。

 

才人がルイズを追いかける様にしてティファニアの使い魔召喚魔法の鏡に飛び込んで、ハルケギニアは浮遊大陸のアルビオン王国に在る“ウエストウッド”の深い森林奥の村に存在していた孤児院に現れて約一月程の時間が流れていた。

 

その一月の間には本当にイロイロな出来事が特に才人が遭遇するラッキーすけべなイベントが結構頻発するくらいあった。

 

例えば

 

「きゃあ……もう、サイトったら! あれほどオフロに入る時は誰かが先に入っていないか確認してって言ってるのに、また忘れて入ってきて……この事がマチルダ姉さんにバレたらお仕置きされちゃうわ」

 

「………いやいや、お、俺、今回は、テファの裸、殆ど見てないから、セーフだと思うよ? うん、テファの湯に浸かって色っぽい透き通るような柔肌に尋常じゃない大きさのおっぱいレボリューションとその先っぽのサクランボ何か、全然視てないし……況してや、透明な湯舟の中でユラユラと揺れてる女神の様に眩しい金色の秘密恥毛何か、全くこれっぽっちも拝んでないから、安心して良いぜ? 」

 

そう言って才人は敷島博士から手渡されたインテリジェント・デバイスのシルバー・ミレニアムが格納していた地球は日本製の一枚が2メイル四方の太陽光パネル20枚をマチルダが錬金で建てたかなり広い脱衣所もある4つのカランに2つの浴槽と洗い場がある平屋の屋根に設置して、その太陽光を元に電力に変換して沸かしていたお風呂場の曇りガラスの引戸式扉を閉めながら、顔を真っ赤にしてアホな言い訳をしていた。

「サイトにいちゃんのエッチ! そのセリフはもう今回で三回目だよ! テファおねえちゃんの裸が見たいだけなのは、このエマにはお見通し何だからねえ! 」

 

『本当に才人さんは、素直じゃ無いんですから……まだこんなに幼い少女のエマにすら、本心を見抜かれているんですからねぇ……あたくし本気で笑っちゃいますから、アハハハハハハハハ』

 

インテリジェント・デバイスのシルバー・ミレニアムに大笑いされて、物凄く腹がたって苛ついた才人が空中をふよふよと漂っている最中のシルバー・ミレニアムに向かって

 

「お前もちょっとは口を慎めよ! これでも俺はお前のご主人様何だぞ! 」

 

と文句を言うと、そのシルバー・ミレニアムがとある刺々しい言葉を一応の主人である才人に投げつけるように問い掛けていた。

 

『………あたくしに構っている暇があるなら、早くこの場から立ち去った方が才人さんの身のためだと思いますけどねえ』

 

そうシルバー・ミレニアムが才人に述べると

 

「とうとう壊れたのかお前? 」

 

と才人が全く意味が解らないという表情でそう呟くと、その直後に才人の背後から禍々しい深淵の暗黒オーラを漂わせながら、地獄の鬼も裸足で逃げ出す程の低くて恐ろしい雰囲気を纏わせた声である言葉を呟くマチルダが出現していた。

 

「サ~イ~ト~……あ~ん~た~てっ~や~つ~は~、あ~れ~ほ~ど~ア~タ~シ~がぁ~………く~ち~を~すっ~ぱっ~く~な~る~く~ら~い~……………………………言ったってのに! 何回、テファの裸を覗いたら気が済むんだい! ………この変態野郎がぁぁぁぁぁ! ……今日という今日は絶対ゆるさないから、覚悟しな! ……アタシ謹製の特殊ゴーレムで、あんたの煩悩が詰まってる汚ならしい汚物の♂シンボルを二個のボールごときれいさっぱり切り取ってやるからねえ! 」

 

そうマチルダが叫びながら愛用の杖を構え呪文を唱えると2体のゴッツイ2メイル程のとても頑丈そうな物体が瞬時に現れて、1体が背後から素早くマチルダの言葉に恐怖のあまり茫然と佇んでいた才人を逃げられない様にガッチリと羽交い締めしていた。

 

「………マ、マチ姉、こ、これは、ち、違うんだ……い、何時ものちょっとした、ま、間違いなんだよう!? ……だ、だから、そ、そんな物騒な行いなんか、引っ込めてくれよ……マチ姉! 」

 

そう言って才人は一生懸命な表情で魂の奥底からの叫び声を出してマチルダに哀願するのだったが…………勿論そんな才人の哀愁に満ちた嘆願の言葉など、今現在の怒りがMAX状態中のマチルダが聞き届けるハズなど全く無かった。

 

「あ、あのね、姉さん……別にサイトも悪気があって覗いた訳じゃないと思うの? だからゆるしてあげて欲しいの……」

 

ティファニアの慈愛に満ちた嘆願に妹大好きなマチルダはおもわず才人を赦す言葉を発しかけたが、そこへエマの鋭い一言が風呂場と脱衣所両方に響き渡る。

 

「マチルダおねぇちゃん! 絶対サイトおにいちゃんを赦したらダメだよ! その証拠に、さっきテファおねえちゃんの裸を視たサイトおにいちゃんったら、アソコをおっきくしていたんだから! 」

 

エマのその言葉を聞いた瞬間、マチルダは才人をゴミを見るような冷たい瞳でいちべつしながら、左腕を物を掴めるようなアーム状態にして、右腕は鋭利な鋏の形に整えていたゴーレムに静な口調で短く

 

「ヤツのアソコをもぎ取ってしまいなぁ! 」

 

そう、ゴーレムに無慈悲に命じるマチルダであった。

 

「た、助けてくれ、シルバー・ミレニアム! 」

 

この切羽詰まった窮地な状況に藁をも掴む心境で才人はインテリジェント・デバイスのシルバー・ミレニアムに救いの言葉を述べるのだったけども………。

 

『あたくしには才人さんを救う気持ちはまったく有りませんから……まぁ、これもすべて普段の行いが悪いせいですから、諦めて男の子の持ち物モギ取られましょうねえ………ルイズ様には酷な事でしょうが、全部才人さんが抜け作なのが悪いんですからねえ、どうにもなりませんよ』

 

無情にもそう述べるシルバー・ミレニアムなのである。

 

「シルバー・ミレニアムにも見捨てられた事だし、観念して♂シンボルもぎ取られちまいなぁ……後はアタシが大事にサイトのブツをホルマリン漬けにして大切に保管しといてやるかさぁ、おとなしく観念しなよ」

何故か血走った瞳で才人にそう囁くマチルダは恍惚状態になっていた。

 

それを見た才人は絶叫するかの様に

 

「それだけは絶対にイヤだぁ! まだルイズとそんなにやって無いのに、切り取られてたまるかぁぁぁぁぁ」

 

そう大声で叫びながら、才人は絶体絶命の土壇場のピンチ状態で火事場の馬鹿力を発揮すると自身を力強く拘束していたゴーレムから強引に逃れて一目散にタオル1枚を腰に巻いた大変恥ずかしい状態で、頭が何処かトンでもない場所へ行ってる最中のマチルダから逃げ出していた。

 

才人がゴーレムから逃げ出すと直ぐにもマチルダは大きな声で

 

「待ちなサイト! アタシの大事なアソコをを置いていきなぁ! アタシにあんたの○○○を渡せえぇぇぇぇぇ」

 

そう叫び声を発しながら、才人を2体のゴーレムと一緒に追い掛けて行った。

 

『やれやれ、才人さんの往生際の悪さにも困ったものですねえ……棒の1つくらい二個のボールとセットで嫁ぎ遅れで男日照り中のマチルダさんに進呈したら良いのに、まったく才人さんも我儘何ですからねえ』

 

何気にマチルダの悪口を言いながら、才人にと言うより世の中の男全体にとり、物凄く恐ろしい言葉を平然と言い放つインテリジェント・デバイスのシルバー・ミレニアムの言葉を聴いていたティファニアは心の中である事を真剣に考えている最中であった。

 

(………何か解らないけど、このデバイスさんはマトモじゃ無いかも知れないわ……これからのサイトにどうか不幸が訪れません様にお願いします……始祖、ブリミルさま………それからマチルダ姉さんにも誰か良い男の方がいち早く現れます様にお願いします……)

 

ティファニアが心の中で才人とマチルダの二人に幸せが訪れる様に始祖ブリミルに願っていた頃、マチルダは

 

「俺はいま物凄く不幸だぁ! 」

 

と宣いながら逃げる才人を追い掛けてウェスト・ウッドの森中を駆け巡っていた最中であった。

 

 

 

 

続く。

 





 今回もあとがき劇場を載せますから、お楽しみください。



「……ねぇ、サイト………あんた今回物凄く楽しかった様子ねぇ」

「ソンナコト、ゼンゼン、アリマセンデシタヨ、ルイズサン……」

「……何誤魔化してるのよ! カタカナで喋ってる時点でもうウソがバレてるのよ! わたしが、サイトを思い出して泣いてる時、肝心のあんたはおっぱいお化け娘の裸を覗いたり、男日照り中の嫁ぎ遅れオバサンと仲良く森の中でいちゃついてたりしていたのは、ちゃんとネタはあがっているんだからねぇ! 」

「お前だろ、ルイズに嘘の報告していた奴は! 」

『あたくしはすべて才人さんに関する本当の行動をルイズ様に報告しただけですから……これ全部日頃の行いが悪い才人さんの責任ですので、あたくしのせいにしないで欲しいですねえ、ここは何時もの様にルイズ様にお仕置きされるのがパターンじゃないですか? 』

「なに当然みたいな様に宣ってやがるんだ、この性悪デバイスがぁ! 」

「シルバー・ミレニアムの証言も得られた訳だから、何時もの様にわたしのエクスプロージョンで空の果てまで吹き飛びなさい、サイト! エクスプロージョン!! 」

「やっぱり、俺は不幸だぁ! グァァァァァ………ガクッ…………」

次回でまたお逢いしましょう。


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