……………ふぁっ!?此処は何処だ、俺は誰、そして目が見えない?って転生したんだった。
神にピコハンで叩かれてな。テンプレじゃねぇ。
何故にピコハンなんだ、訳が解らん。
そう言っているうちに視界に光が戻って来た、うむ、やっと自身の姿を確認できる、さて、神は一体俺を何のゲームのキャラにしたのか?
いざ!ご確認!!叫べ俺の体!!
おうりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
『ゴアァァァァァァァァァァ!!』
ん?なんか人と思えない叫びが聞こえたぞ?段々と視界がはっきりして来た、………一体何に転生したんだ俺?
其処に見えたのは、真っ黒な体毛、ゴリラ以上に強靭な胸筋とゴツイ腕、ライオン見たいな先っぽがフサフサなしっぽ、そしてチラチラ視界に入る巨大な角。
モンハンのラージャンじゃねぇかぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?
『ゴアァァァァァァァァァァオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!?』
わー、驚いて叫んだら、木々が吹き飛び、辺りから鳥や鹿や、ん?なんかでっかい鼠が逃げて行ったぜ、わははは、ボッチばんざーい。わははは……。
いやいや、現実逃避している場合じゃねえな、何故にラージャンなんだよ?たしかにゲームのキャラ?いやいやモンスターじゃね?人の姿だと思ったから驚いたよ!ちくしょう!
よ、よく考えてみよう、ラージャンはモンスターだ、モンスターハンターに出てきた上位以上のクエストに出てきたモンスターだ。人より遥かに頑丈なはず。
よし、落ち着いて来た、取り敢えずラージャンについて思い出せること、思い出すか。見た所、俺は体毛が黒いからノーマルラージャンだろう。
えーと?たしか………。
ラージャン/牙獣種
別名〝金獅子〟
生息地はMH2だと雪山、火山。MH4だと遺跡平原、原生林、 未知の樹海、禁足地や溶岩島にも居たはず。
超攻撃的生物と呼ばれ、目撃数の少ない理由がラージャンと遭遇して生きて帰って来た人が少ない為。
ある文献では、【その者の力は、唯一古龍にも匹敵する。】と恐れられる程。また、ラージャンの存在自体、古龍と同じく扱う人もいる。
怒涛の勢いで攻撃を行う姿から〝黄金の暴風雨〟とも呼ばれている。
興奮状態(怒り状態)になると全身の体毛のほとんどが暗闇でも輝く程発光、帯電し、後頭部から背中にかけての鬣が黄金色に逆立つ、その姿は正に怒髪天を衝くと言われている。
筋力、とくに腕力に優れ、生半可なハンターの防具なら拳で殴るだけで破壊でき、角は古龍の鱗を貫き、爪と牙はあらゆる物体を易々と切り裂き、口から気光と呼ばれるエネルギーをブレスとして吐き出す。
闇雲に暴れるだけでは無く、怒りで我を忘れて居ない限り、落とし穴を回避する高い知性を持つ。
MH4では新しく〝闘気硬化〟の能力を持ち、その状態になると、腕が赤黒く肥大化し、怒り状態以上の攻撃力を発揮し、あらゆる敵を木葉の如く蹴散らす。さらに腕の堅さは最上級の業物を弾き、あらゆる剛弓から放たれた矢を無効化する。
以上。
あー、俺もモンハンで吹き飛ばし→気光ブレスとか、パーティ狩りで回避ジャンプ→その先で気光ブレスをよく食らった、あのラージャン、俺のトラウマ生産したあのラージャン!それが今は俺の体って。
てか、ラージャンってことはこの世界ってモンハンの世界か?やだなそれ。
ラージャンも所詮はモンスター、狩れるハンターは必ずいる。転生前に買ったモンハン本でラージャンに挑む兄さん居たし、ゲームでも多くのハンターがラージャンを狩った訳だ、まぁゲームや漫画と違って俺は現実だけどな、そうで無くても必ずハンターはモンスターを狩る。それこそ災害級のモンスターを狩る奴がかなりいる世界で激昂していないラージャンなんか、ただのモンスターと同じだよね?
そんな世界で生きて行けとか、神様、あんた鬼か?悪魔か?
いや、神様だった。
…………よし、取り敢えず、転生した俺の生き方は決めた。
ハンターに目を付けられないよう慎ましく生きる!(ハンターに遭遇したら直ぐ逃げる!つか、ギルドから討伐依頼、もしくはわがまま姫からの依頼が来たら本気で逃げる!毛皮のコートは勘弁!)
その為にもこの体に慣れるように運動するか、あ、後お腹減ったから何か食べよう。
多分肉だよな?うーん、取り敢えずケルビ狙いで行くか、火はどうするか………。
………ブレスを調節して起こすか。うん、多分起こせるはず。
取り敢えずラージャンになって転生生活、慎ましく頑張ろう。