魔王のいる世界でラージャンになって生きる。   作:紅鬼

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俺、転生します。

「知らない天井だ、てか天井かどうか解らん。」

 

テンプレにそんな台詞を言いながら俺は眼を開ける。目の前にはこれまたテンプレの真っ白い空間、俗に言う転生物語の始まり地点ですね、良く解ります。

 

そんなことを考えていたら眼の前にドクロの面を着けた着物姿のじいさんが現れた。

 

「テンプレ思考乙。んじゃこれからどうなるか解っているな?」

 

あ、思考を読まれた。ま、会話とか別にしなくてもおKだし。

 

「お主、面倒くさがりじゃし、てっとり早い方がいいじゃろ?」

 

そこまで判っているなら話は早い、行く世界と転生特典は?まさか流行りの無能力じゃないよね?

 

「無能力ではないぞ。お主の世界のゲームのキャラクターの外見に、その世界で必要に成りそうな力も加えておいた。」

 

ゲームのキャラクターね……。

 

ちなみにどんなキャラで能力はどんなやつ?

 

「面倒臭いから向こう行って確かめてこい。」

 

説明放棄かよ……。

 

ま、良いか。転生した後ゆっくり確認すればいいか。

 

「うむ、相違気じゃ、では送り出すぞ!」

 

どうせテンプレに落とし穴か自由落下かだろう?

 

そう思ったらじいさんが巨大なピコハンを持って此方に降り下ろし、るえ?

 

「いってこーい!」

 

その言葉と共に俺の目の前が真っ暗になった。

 

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やれやれ、やっと行ったか、さて、これで良いのじゃろ?旧き神の朝子よ?何が目的なのか?ワシに教えてもええじゃろ?

 

「それは貴方の知る所では有りません。」

 

まったく、相変わらず目的が解らん神じゃ、まぁええ。

 

神に目を付けられたお主が、どのような道のりを行くか?ゆっくりと見させてもらうぞ?

 

「何か勘違いしているようですが、貴方が彼の道のりを見ることはまだまだできないわよ?」

 

ぇ?

 

「ほら?まだまだ別けられていない死者の魂がたくさんあるの、それを選別して、業を落として、再び転生させる。それが終わったら次は死者リストの制作、あの世は大変ね?神が手伝いに行く理由も解ったわよ。」

 

まぁ神界は暇じゃろうな、崇める生き物が少なくなって、動くのは何かの神事の時だけじゃろ?

 

わし、神様に成らんでよかったわい。

 

「現実逃避していないで動く、ほらほら、死者の魂は待ってくれないわよ?」

 

はぁ、転生したお主よ、どうかわしの仕事が片付く前に死なんでおくれよ?

 

そうなると仕事が終わった後の朝子が煩いからのぅ、

 

「聞こえているわよジジイ。さっさと仕事終わらせなさい、私だって彼の事が気になるのだから。」

 

はいはい、それじゃ仕事を終わらせるかのぅ。


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