ツフル星。
パンはブルマが宇宙船の製造を行っている工場へとやって来た。
「あ、ベビー様」
ブルマが手を休める。
「後もう少しで完成しますよ」
「そうか」
ブルマは作業に戻る。
パンは宇宙船の中へ入った。
そこでは悟飯が作業をしていた。
「悟飯、何か手伝えることはあるか?」
「ありがとうございます。でもこっちは大丈夫ですので、ビーデルの所へ行って下さい」
パンはビーデルの下を訪ねる。
「ビーデル、何か手伝えることはあるか?」
「こっちは大丈夫なので悟飯くんの所へ行ってみてはどうですか?」
パンは無言でその場を離れる。
(どいつもこいつも俺をのけ者にしやがって)
パンが壁を軽く蹴ると凹んでしまった。
「い?」
やがて、宇宙船が完成し、発射準備が整った。
パンが操縦室にやって来ると、ベジータとトランクスがいた。
「お供はお前たち二人か」
パンは椅子に座ってシートベルトをした。
「それじゃあ、出発しますよ」
トランクスが発射ボタンを押すと、宇宙船が宇宙へ向かって飛び立った。
「ベビー様、手始めにどこを制圧しますか?」
そう訊ねるのはベジータだ。
「取り敢えず、ナメック星をツフル化するというのはどうだ? それに、ナメック星という所にはポルンガとかいう神龍を呼び出すドラゴンボールがあるのだろう?」
「いいですね」
宇宙船はナメック星を目指した。
そして、ワープを繰り返し、数時間が経過すと、宇宙船はナメック星に到着した。
外に出る三人。
「確か、ベジータはここに来たことがあるんだったな?」
「ええ」
パンは気配を察知する。
「誰だ!?」
物陰からナメック星人の子どもが姿を見せる。
ベビーはパンの体から出ると、その子どもに乗り移って卵を産み、パンの中へと戻った。
「おい、お前、ドラゴンボールについて何か知ってるか?」
「はい」
「どこにある?」
「家に一つだけあります」
「直ぐに持ってこい」
「分かりました」
ナメック星人の子どもは飛び立った。
やがて、子どもが大きなドラゴンボールを一つ手に戻って来た。
「ベビー様、お望みのものです」
「他のはどこにある?」
「分かりません」
「ベビー様」
と、トランクス。
「何だ?」
「ドラゴンレーダーですよ」
「ドラゴンレーダー?」
「これです」
トランクスが懐からドラゴンレーダーを取り出す。
「これでドラゴンボールの位置が分かるのか」
ドラゴンレーダーを受け取ったパンはレーダーを起動させた。
近くにドラゴンボールの反応があった。
「こっちだな」
三人は反応のある方角へ飛び立つ。
「お、見付けたぞ」
三人は地上に降りた。
パンがドラゴンボールを拾う。
「それにしても本場のドラゴンボールはでかいな」
持ってろ──と、パンはドラゴンボールをトランクスに渡した。
「あの、ベビー様?」
「何だ?」
「いったん宇宙船に戻って、そこにドラゴンボールを保管しときませんか?」
「それもそうだな」
三人はドラゴンボールを持って宇宙船の場所まで戻った。