ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第九十六話 八雲とサツキの三人で

それから、経緯が話される。士郎と八雲と九重と天狗のじいさんの交渉の後、アサゼル先生とレヴィアタンさまが再度交渉にあたり、冥界側に関与はないと告げたみたいだ。

「……なんだか、えらいことになっていますね」

今回の経緯について感想を述べるイッセー

「ま、各勢力が手を取り合おうとすると、こういうことが起こりやすい、オーディンの時もロキが来ただろ?その敵役が今回はテロリストどもだったわけだ」

不機嫌そうな先生、無理もないアサゼル先生ほど平和な日常を願う先生はいないのだから、テロリストを絶対許さないだろう。

 

「それで、セラフォール、悪魔側のスタッフはどれくらい調査を行っている?」

「つぶさにやらせているのよ、京都に詳しいスタッフにも動いてもらっているし」

先生がイッセーたちを見渡すように視線を向ける中

「士郎――そっちは?」

予想していたどおり、士郎の方に飛んできた。そういうと、士郎は目線を斜め上に上げると

 

スタッ…スタッ…

 

音を立てずに、髑髏めいた仮面を着用した男性が一人現れた。それに驚く面々。

『――山の宗主の一人、ハサンが参上いたしました』

「報告を」

『はい、不審人物の報告が一件、槍を持った男性が一人、この京都内にいました』

「槍…?」

『はい、槍です』

「詳細情報は?」

『申し訳ありません、目撃直後、目撃した者が霧のようなものに包まれ――行方不明です』

「「「「なに!?」」」」

イッセーとアサゼル、そして、士郎とゼノヴィアの声が重なった。

 

「霧…だと」

「ってなると、絶霧(ディメンション・ロスト)か」

「だろうな」

一気に真剣な雰囲気になる

 

「下がっていいぞ」

『はっ』

そういうと、そこから消えていく

「さてと、どう動くかっていうのは、後としていいか、よく聞けまず一つ目、京都にはいない」

「「「「「なに!?」」」」

八雲、アサゼル、九重、天狗のじいさんが声を上げた

「士郎、京都全域の気が乱れていないから、九尾の狐がここにいるのは確かだろ?」

「あぁ、ここにいるのは確かだが、ここにはいない」

「ん――ということは」

 

「もう一つ、閉鎖空間にいる可能性がある」

「レーティングゲームの空間か」

「あぁ、こっちが使えて、あっちが使えないわけ無いだろ?」

「確かにな――」

 

アサゼルが舌打ちする

 

「まぁ、そうだな、お前たちに動いてもらうことになるかもしれん、人手が足りなさすぎるからな、特にお前たちは強者との戦いに慣れているから、対英雄派の際に力を貸してもらうことになるだろう、悪いが最悪の事態を想定しておいてくれ、あと、ここにいない木場とシトリー眷属は俺から連絡しておく、それまでは旅行を満喫していいが、いざというときは頼むぞ」

『はい!』

先生の言葉に士郎も含む、イッセーは応じた。そして、九重と八雲と狐のお姉さんと天狗のじいさんが手をつき頭を下げてくる

「……どうかお願いじゃ、母上を……母上を助けるのに力を貸してくれ……いや、貸してください、お願いします」

九重が頭を下げ、声を涙で震わせた。それと同時に、士郎の炎が静かに燃え上がったのであった。

 

その後、再び金閣に戻って、寝ていた松田たちを起こして、帰還時間まで三人で金閣寺周辺で楽しんでいた。そして、ホテル。

 

「色々あったな…」

夜、士郎は部屋の布団に寝っ転がっていた。バイキング形式の夕飯も済んで風呂に入った。ホテルに帰ってから、木場とシトリー眷属を加えて今後についても話し合った。明日は、二手に分かれて観光を行うことになった。イッセーと桐生たちは、九重と一緒に嵐山方面を攻めるみたいだ。なんでかというと、初日を謝罪という意味合いをもっての観光案内を九重がしてくれるらしい。

ちなみに、士郎とサツキは、八雲の案内でブラブラといきたいところをまわるというスケジュールだ。と、そんなことを考えながら、士郎は部屋の押入れの中で、擬似プラネタリウムを展開して、寝転んでいた。そんな時だった。

 

スーッ・・・

押し入れの引き戸が開けられ

 

「やっほ~失礼するわよ?」

「失礼するわね」

そういうと、押し入れの中に、サツキと八雲が入ってくる。油断していた、音も気配もなくここに近づいてきたので士郎は気づかなかった。

そして、いつの間にか、士郎の押入れの中には寝巻き姿の美少女二人がいる。

 

「ちょ、二人とも」

「まぁ、いいじゃない、いいじゃない」

「そうよ、少しは甲斐性ってものをね」

ご丁寧に、中から戸を閉める二人

 

「大丈夫大丈夫、外の先生ならここに気づかないわよ?」

基本的に男女の接触は何が起こるかわからないから禁止されている。そして、階層ごとに男女の部屋を分けていて、先生たちが終始目を光らせている中、彼女たちはやってきたのだ。

「そうそう、結界張ってあるから、この部屋は誰が近寄っても何事も起きてないように感じるようにしたわ」

八雲がそういう中、サツキが耳元まで口を近づけ

「だから、ここで少し艶のある声を出しても問題ないのよ?わかる?」

蠱惑的な声で囁く彼女、士郎は諦めたようにぐったりとすると

「あらあら、いい子ね、可愛いわ――」

ゆっくりとそれも赤子の頬をなでるように、士郎の頬をなでてくるサツキ、その隣ではなぜか寝巻きをはだけさせ始めている八雲

目の前のものすごい光景に士郎は為す術がない。

 

「そうね、さっきチラって聞いたけど、こういう修学旅行でやるのも中々乙じゃないの?」

「えぇ、そうね」

二人が意気投合する。それと同時に、士郎の脇腹に

ツンッ・・・

「ひゃっ・・・」

思わず恥ずかしい声が士郎から漏れてしまい、咄嗟に士郎は口を塞ぐ。それから、サツキも寝巻きをはだけさせ、二人共そこからブラジャーだけを外し、寝巻きを羽織っただけの姿になる。それから、二人が密着するレベルまで擦り寄ってきて、士郎の服を脱がしていき、体に指を這わせる。二人共、まさにうさぎを狙うライオンの如き目をしながらやっていく。

「……ぁふ……し、しろぉ・・・」

口から艶っぽいものを漏らすサツキ

 

「それにしても、士郎って初なの?」

頬を紅くし、嗜虐心をくすぐるような表情の士郎

「ん、違う違う、私に弱いだけよ」

「へぇ~」

「だからね、こういうことすると、可愛い反応するんだよ?」

そういうと、サツキが士郎の首筋を舐めてくる。その何とも言えない心地よい感覚に士郎は

「ふぁ・・・」

再び可愛らしい声を出す士郎。その顔をみて、八雲も獰猛そうな笑みを浮かべる。サツキと八雲のすべすべした肌が士郎の神経を刺激していく。

パサッ・・・

一枚の白い布切れが、地面に落ちた

「じゃあ、いただきます」

その言葉とともに、視界がぼんやりという感じになった。その後、士郎はじっくりとしゃぶりつくされ、食われたのであった。

 

 

次の朝

「――ん、朝か」

目を覚ます士郎、昨日の夜のことを思い出して士郎は顔を赤くする。その証拠に、士郎の全身は色々とベタベタしている。それに両脇には黒髪美少女二人がいる。

ちなみに、押入れの中

 

「ん、おはよう士郎」

「おはよう」

「おはよう~」

士郎と八雲が目を覚ました。

「ん、ベタベタする・・・」

士郎の肌を触りながら言う八雲

「あぁ、シャワー浴びてくるわ」

「ん、いくの?なら私も行く」

「いやいやいやいや」

そう断る士郎だが

「いいじゃない、別に」

「へっ?」

八雲をサツキの案に賛同してくるし、二人もタオルと下着を取り出して

 

「んじゃあ、行きましょう」

それから、まさかまさかの仲良く三人でシャワーを浴びることになった。

 

 

 

 

 

「ふぁ~っ」

あくびしながら士郎は、早朝の京都を歩いていた。ちなみに、今いるのは龍安寺。周りには少し霧が出ていた。山間部ともあって何とも言えない綺麗な風景だ。早めの朝食を済ませ、アサゼル先生から注意を聞いた士郎はイッセー達より少し早めに京都の街並みに繰り出していた。右には着物を決めたサツキ、左にはセーラー服の八雲の二人が腕を絡めている。

 

「それにしても、龍安寺の石庭は相変わらず不思議な感じがするな~」

「えぇ、枯山水の方丈石庭だからね~」

そう話す士郎とアルビス

「世界遺産だけあるわ~」

感動して、目を輝かせているサツキ。

 

 

「次、どこ行く士郎?」

「任せるわ八雲」

「えぇ、私も」

「んじゃあ、時間もあることだし、少し遠いけど知恩院にでも行きましょうか」

「「おぉ~」」

 

それから、知恩院に向かう三人

「ここか~」

「えぇ、ここよ」

時刻は10時をまわっていた。

 

「ここ知恩院はね、浄土宗の宗祖・法然が後半生を過ごし、没したゆかりの地に建てられた寺院で、現在のような大規模な伽藍が建立されたのは、江戸時代以降であるのよ、徳川将軍家から庶民まで広く信仰を集め、今も京都の人々からは親しみを込めて「ちよいんさん」「ちおいんさん」と呼ばれているのよ?」

「へぇ~」

少し見て回る三人。

「んじゃあ、ちょっと遠いけど二人共、平等院鳳凰堂行くわよ?」

「「おぉ~」」

それから、三人は平等院に向かった。

 

「・・・ねぇ」

「ん、なんだ?」

「私たち、思いっきり家通過したわよね?」

「多分、言っちゃいけないことだと思う」

サツキの言葉にツッこむ士郎。

 

「あれ、サツキちゃんの家ってもしかして近くなの?」

「近くもなにも、実家は、六地蔵よ、私」

「けど、その割には俺の家に住み着いているがな、ちなみにサツキの隣?のところに俺の別荘がある」

「へぇ~まぁ、さておいて、平等院です」

と指を差して教えてくる八雲

「おぉ~」

十円玉と比較しながら驚きの声をあげる士郎

「ここは、藤原氏ゆかりの寺院で平安時代後期・11世紀の建築、仏像、絵画、庭園などを今日に伝え、「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されているだよ!」

「おぉ~素晴らしい解説」

「いえいえ~ちなみに、なお、「鳳凰堂」の呼称は江戸時代からで、当初は「阿弥陀堂」あるいは単に「御堂」と呼ばれていたのよ」

「へぇ~」

紅葉と相まってかなり綺麗な風景だ。

 

「あ、そうだ、写真撮る?」

サツキがデジカメを取り出してくる。

「おう、いいね~」

賛同する士郎

 

「んじゃあ、撮りましょうか」

近くにカメラをセッティングして置くと

 

ヒュルルル~

少し風が吹き

「せ~の、・・・」

ピッ!パシュッ!!

 

シャッターが切られ、撮影される。それから、デジカメで撮れたのを確認すると

 

「おぉ~取れているな~」

「えぇ、そうね~」

写真にはいい感じに紅葉が吹かれ、舞い散る中、三人の写った写真があった。

「んじゃあ、少しお昼しましょうか?」

「えぇ、そうね」

それから、三人は京懐石が美味しくて安い店に向かうのであった。

 


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