ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第八十八話 ヴァンディン

――数刻後、午前0時丁度

 

「――さてと、こうなるとは思ってもいなかったな」

「えぇ、けど、士郎にとっては、またとないチャンスじゃないの?」

「チャンスもクソもない、利用したやつに制裁を加えるいいチャンスだ」

「へぇ…」

そういう士郎、ここはロンドン郊外市街地の民家の屋根の上に二人はいた。

眼下には、アイザックス・ヴァンディンが涼しい顔をして歩いていた。

「(サツキを利用した罪――大きいぞ…)」

彼を睨みつけながら

「So as I pray, Unlimited blade works.」

士郎とアルビスとヴァンディンは、剣の突き立つ無人の荒野の風に吹かれた

 

 

 

 

「――君たち、どういうことかな?」

この世界に隔絶されてなお、その冷静沈着な顔を崩さないヴァンディン

「どういう事も何も、復讐だよ」

「復讐――君たちがこの私に復讐?なぜだい?」

ヴァンディンがこちらに問を投げかけてくる。

「しらばっくれるのもいいかげんにしなさいヴァンディン、人工神姫計画及び、第二次計画、神姫複製計画についてはこちらでもう証拠はあるのよ?それに、度重なる議会への証人喚問のバックレ、国税局からの調査の隠蔽――国際法違反、貴方を重要参考人として、連行するわ」

「君たちが?僕を――笑わせてくれるね」

変わらない態度に士郎は、ラグナロクドライバーを護拳付きの柄に回転式弾倉が組み込まれた非常に長い刀と、同じく護拳の付いた刀の二刀一対の黒刃状態にして構える。アルビスはそれを見て、暁の聖域(セイント・キャッスル)を起動させ、カーテナを構える。

 

ジャキッ…

「君たち、頭が高いよ」

それを見て、ヴァンディンは剣を構える。それも異質なもので、二股に別れた刀身が特徴の大型の剣を構える。どう見ても常人が扱えるようなものではないことは明確だった。

 

「化物か――」

士郎は睨みつけながら言うと同時に飛び出していく

 

「ッ!!」

士郎は、連続で刀を振るって攻撃をおこない、最後はおもいっきり上から刀を振り下ろす。そこから、5連続の斬撃をヴァンディン単体を攻撃する。

ギィィンッ!!

刹那の事だったがヴァンディンはそれを涼しげな顔で防いでいた。

「――なっ!?」

士郎の顔が驚き一色になると同時に、後ろからアルビスが踏み込みと共にレイピアによる攻撃を繰り出す。しかし、それは彼の巨大な剣によって防がれる。間髪いれずに、空中に飛び上がり、手持ちの銃から魔方陣のようなものがまとった弾丸を放ってくるヴァンディン

 

士郎は、それを体勢を反らし、華麗に避ける。その後ろからアルビスが飛び出して来てヴァンディンに稲妻のごとく4連撃を放つ

 

「ッ!!」

ここに来て初めて彼の顔が歪んだ。彼は剣で二人を水平に斬りつけるが、士郎はそれを手首から肩、腰を柔らかく動かすことによって ヴァンディンの攻撃を二刀で避ける。その直後、一気に距離を詰め、徒手空拳で士郎を攻撃してくるヴァンディン。士郎は、それを拳に豪炎を纏わせ、彼とすれ違い様に拳を一閃し、拳と拳をぶつけ合う

二人の顔が痛みで歪む――彼は、目の前に魔法陣のようなものを発生させ、 そこから魔力によって極太のエネルギー砲を発射して攻撃してくる。

「アルビスッ!」

「わかってるわよ!!」

後ろから出てきた彼女は、空中に上がり、ビームソードのように巨大になったカーテナで空間ごとビームを一刀両断する。一刀両断された直後、士郎は飛び出しサマーソルトを決めてから、一旦下がり助走をつけ正拳をくらわす。

「ガッ!」

ふたりの連携攻撃に、ヴァンディンは吐血しながら後ろに翔んでいく

ガスンッ!!

彼が壁にぶつかると思われた時だった

 

「――キサマラァァァァァァァァ!!」

荒々しい魔力が周囲一体を支配する。直後、ヴァンディンは空中に無数に光球を出現させ、一斉にこちらに向かって飛ばしてくる。

ズガガガガガガガガガ!!!

その一球一球がものすごい圧縮されたようで、荒野がクレーターと化す。

「――!?」

それを士郎は避ける、そんな中アルビスはカーテナの光線で横方向にに薙ぎ払う。視線をそちらの方に向けるとヴァンディンは人ならざるものになろうとしている。その太くなった腕からは血管が浮き出し、瞳は紅くギラギラと輝いていた。

 

「――やばいな」

「えぇ、これで決めるわよ?」

「あぁ」

そういうとアルビスと士郎はヴァンディンに向けて走り出す。士郎は左、アルビスは右から迫っていく。

『ウォォォォォォォッ!!』

腕を振り上げて、ものすごい速さで振り下ろしてくるがその隙を突いて、中段突き3回、切り払い攻撃の往復、斜め切り上げ、上段への二度突き、 以上の連続八回攻撃を見舞うアルビス。間髪いれずに士郎は、二刀流による連続一六回攻撃をヴァンディンの体に次々と叩き込む。 星屑のように煌き飛び散る白光は、空間を灼くかの如き様だ。その後ろから――アルビスも飛び出して来て、十字を描くように神速の十連続突きを放ち、フィニッシュとして十字の交差点に一番強烈な十一撃目の突きを放つ。そして、士郎が太陽コロナのように全方向から放たれる二十七の連続の剣閃攻撃を放ち、最後に――お互い息の合った、素早い突きの一撃と剣を天にまで伸ばすほど高くそして巨大化させ、 その剣を横に払って一閃をする攻撃をブチ込むと

 

『グアァァァァァァァァ』

士郎とアルビスの攻撃がクリーンヒットした。血をまき散らしながら崩れいくヴァンディンの巨体。それをみて二人は剣を下ろす。

 

「――終わったの?」

アルビスが士郎に問う。

「あぁ、だろうな」

目の前の残骸を見て、そう呟く士郎。士郎は、ヴァンディンから証拠資料を全て入手し、その後に、約束された勝利の剣(エクスカリバー)で、その残骸を燃やし尽くした。


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