ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第七十八話 黄昏の終幕

まず最初に見たのは、白い天井だった。

「(……ここは?)」

ゆっくりと目を覚ます士郎、体を動かそうとすると、全身をダルさが襲ってきた。それに屈することなく士郎はゆっくりと起き上がってみる。少し鈍痛がするものの、問題はない。両隣をみると、サツキとアルビスがスヤスヤと寝息を立てて寝ていた。

「(なにが、起きたんだ・・・)」

士郎は過去のことを思い出すが――如何せん何かに引っかかり思い出せない。そんな中

 

コンコン……

 

「はい」

『士郎、いい?』

声の主は部長だった。

「えぇ、いいですよ」

『失礼するわ』

そういうと、中に入ってくる部長

 

「大丈夫?士郎?」

「えぇ、体は少し怠いですけど、なんとか」

「そう、大丈夫なのね、それでなんだけど、何が起きたかわかる?」

「すいません、覚えていないんですよ、けど、一番最後に見たのは、貼り付けにされているロキの姿でした」

「そこは、覚えているのね…」

「まぁ」

と話していると、アサゼルがやってきた。

「よぉ、お目覚めか、気分はどうだ士郎?」

「んまぁ、そんで、アサゼル先生、何があったんですか?」

「起きたことだけを話すとすれば――得体の知れないとてつもないもので、ロキがやられたったことさ」

「得体の知れないちから?」

「あぁ、感じたままに言うと"清々しいくらいまでに凄絶で神々しく禍々しい何か"ってところだ」

「それってか―「おっと、それは言ってはダメだ士郎」なぜ!?」

「信仰さ――仮に、お前の思っている事態が起これば、オーディンやゼウス、帝釈天がどうでるかわからない」

少し真剣な顔をするアサゼル

「そうですか――んで、話し変わりますけど?ここはどこですか?」

「あぁ、冥界のグレモリーお抱えの最新病院よ」

「んまぁ、訳あって今はすごいことになってるけどな」

部長の言葉に付け足すアサゼル

「すごいこと?」

「天界側の研究班と神を見張るもの(グリゴリ)の精鋭研究チームと悪魔側のな」

「えぇ、アジュカ・ベルゼブブ様率いるね」

「……一体何がっていうのは、無粋ですかね?」

そう言う士郎。

「まぁな、わかっているのならいいさ、それに越したことはない」

「了解ですアサゼル先生」

それを聞いてホッとしたのかアサゼル先生とリアス部長は立ち上がり

「んじゃあ、また来るわね」

「えぇ、では」

部屋を出て行く二人、部屋の扉が締まり

 

 

「(――生きて帰って来れたのか)」

士郎は自分の手のひらを見ながらそう思っていると、

 

 

モゾモゾ・・・モゾモゾ・・・

「ん~…」

サツキとアルビスがほぼ同時に目を醒ました。

「おはよ、サツキ、アルビス」

「おはよ、士郎――ここはどこ?」

「冥界だとさ――」

サツキの質問に答える

「あら、ってことは、私たち生きて帰ってこれたってわけね」

「あぁ、生きて帰ってきたな」

そういう士郎

「それで、士郎――ロキは?」

「無事に倒したらしい」

それを言うと二人の顔が穏やかになる

「そう、勝ったんだ」

「ま、記憶はあやふやだがな」

「いいじゃない、結果オーライよ」

そういうアルビスに三人は互の顔を見合わせ少し笑い合うのであった。

 

 

それから、数日後

 

リビングのソファで、寝っころがりながら士郎は冥界の雑誌を読んでいた。そんな中、サツキとアルビスがやってきた。

「ねぇ、士郎」

見れば、ふたりの顔がうっすらと紅い

「ん、なんだい?」

「ねぇ、今度三人で遊びに行かない?」

「三人で・・・」

士郎はその三人という言葉を少し噛み砕くと、雑誌越しで士郎の顔が赤くなるのがわかった。

「どうなの士郎?」

「ん、お、俺はいいぞ」

「なら、決定ね――んじゃあ、どこか行きましょうか?」

「「えっ!?」」

サツキと士郎の声が重なった

「いやいやいや」

「断らないの、思い立ったが吉日っていうでしょ、行くわよ、どこか?」

そういうと、士郎の瞳に、先程までエルが読んでいた旅行雑誌が目に飛び込んだ

 

「(・・・そこならありかもな)」

そういうと、士郎は手早くしたくをし始めるのであった。

 


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