ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第七十六話 決戦!!悪神ロキ!!

――決戦の時刻

 

 

すでに太陽は落ちて、周りを夜が支配していた。士郎たちがいるのはとある採掘場にいる。ヴァーリとイッセーがあちらから転送してここにやってくる。

ギャスパーと小猫につけておいた、視覚聴覚スフィアで士郎はその光景を見ていた

『――時間ね』

部長のつぶやく声だ、会談がスタートする

 

『小細工なしか、恐れ入る』

ヴァーリの苦笑とともに、ホテル上空の空間が歪み、大きな穴があいていく――現れたのは、ロキとフェンリルだ

 

『目標確認――作戦開始』

バラキエルさんの声と共に、転移魔法陣が展開される。それと共に、士郎も戦闘準備に入る

「――行くぞ!!」

そう言うと、アルビスはカーテナ、サツキは黒い刀、エルは童子切をそれぞれ武器を構えると同時にそれはやってきた。

 

 

「逃げないのね」

「逃げる必要はない、どうせ抵抗してくるのだろうから、ここで始末してその上であのホテルに戻ればいいだけだ、遅いか早いかの違いでしかない、階段をしてもしなくてもオーディンには退場していただく」

「貴殿は危険な考えにとらわれているな」

バラキエルさんが言う

「危険な考えを持ったのはそちらが先だ、各神話の協力などと、元はと言えば、聖書に記されている三大勢力が手を取り合ったことから、すべてがゆがみだしたのだ」

「話合いは不毛か――」

バラキエルさんが手に雷光を纏わせ始めると共に、イッセーとヴァーリも素早く禁手化する

「これは、素晴らしい!!二天龍と滅神帝がこのロキを倒すべく共同するというのか!こんなに胸が高鳴ることはないぞッ!!」

と言うと――

「忘れるんじゃねぇよ!!異界文書(ザ・コード・オブ・アーカシャ)

それと同時に、士郎は後ろから害なす魔の杖(レーヴァテイン)を携え、前に飛び出していく。同時にヴァーリも仕掛けていく、空中での超高速移動で相手を翻弄し、高速でロキに近づく

空中から、士郎とヴァ―リ、地上からイッセーが迫る

「赤と白と黒の競演ッ!!こんな戦いが出来るのはおそらく我が始めてだろうッ!!」

嬉々としているロキ。ロキは自身を覆うように広範囲の防御式魔方陣を展開させると思いきや、幾重の光の帯となった光線を放ってきた

「――!!」

何も言わず、士郎はそれを避けたりしていく。ヴァーリも回避している

しかし、イッセーは問答無用で突貫する

バリンッ!!

イッセーの突撃でロキを覆う魔法陣が音を立てて消失する――そこへ

「とりあえず、初手だ」

「同じく!!」

士郎の右目には終焉を見通す眼(ミーミル)。それが害なす魔の杖(レーヴァテイン)を強化し

 

バァァァァァアアアァァァァァアァァァァァン!!

士郎とヴァーリのばかげた質量の北欧魔術がロキに向かって掃射された。この採石場の3分の1を吹き飛ばすほどだった。

 

「チッ・・・」

攻撃はやんだが、士郎は舌打ちを付いた。ロキのいた場所はそこの見えない大きな穴だが、士郎はわかっていた。

 

「ふははははは!!」

士郎の舌打ちは確かだった。その方向を見れば空中を漂う人影――ロキだった。

イッセーはそれに気づき、ミョルニルに手を取り魔力を送って手ごろなサイズにする。それにロキが気づき、目元を引き付かせる

 

「・・・ミョルニルにミーミルにレーヴァテインか、レプリカか?それにしても危険なものを手にしている、オーディンはそれほどまでに会談を成功させたいか!」

あちらさまはこっちが、色々持ってる事にキレた様子だったな。イッセーがミョルニルを振り上げ、構え突っ込んでいく――

ゴォォォォオオオ!!

イッセーがロキを捉えて一気にハンマーを振り下ろす

ドォォォォオオオン!!

ロキに避けられる――地面に多きなクレーターが生まれていた。肝心な雷は発生しなかった

「(どういうことだ――)」

「ふはははは、残念だ、その槌は、力が強く、そして純粋な心の持ち主にしか扱えない、貴殿には邪な心があるのだろ、だから、雷が生まれないのだ、本来ならば、重さすらもなく、羽のように軽いと聞くぞ?」

 

「ご解説どうも――少しは後ろを警戒しなさい!」

「くっ!!」

そういうと、ロキが後ろから吹き飛ばされる、ロキが視線を向けるとそこにはアルビス。どうやら空間切断で切断した空間を圧縮しぶつけたらしい、ロキは体勢を立て直そうとするが

 

バンッ!!バンッ!!

どこからか二発の弾丸が放たれ、それがロキの両足を掠った

 

「ふん・・・掠った程度だ!!」

そういって、再び体制を立て直そうとするが

 

「――なに!?」

ガクリッ!!

ロキが体制を崩した

「ちょっと、動かないでね?」

ロキの視線の先にはサツキとコンテンダー

「ミョルニルとは少々威力は劣るが豊後の国の猛将、立花道雪の刀で雷を切ったという伝説からその名がついたこれは、どうかな?」

どこからか現れたエルが飛び出す

「それに神には少々因縁があるのでな――堕ちろ!!」

高速で迫るエル、その手には雷切だ

「五雷神君奉勅―――五雷神君の天心下り、十五雷の正法を生ず、邪怪禁呪、悪業を成す精魅―――天地万物の理をもちて微塵と成す!十五雷正法、十二散―――禁!!」

バリバリバリ!!ズドォォォン!!

エルの雷切による雷がロキに直撃する。

「くっ・・・さすがだな――しかし、若干火力不足だな」

「そうか――なら、これならどうかな!!」

そして、士郎が飛び出していくと同時に、氷塊の戯槍(ミストルティン)とレーヴァテインにを中心にルーンが現れる、レーヴァテインのほうにはpasndとミストルティンにはahilのルーンが浮かび上がっていく、それが士郎の終焉を見通す眼(ミーミル)と反応する

 

「――破滅の焔剣(レーヴァテイン)!!」

レーヴァテインが業焔に包まれ

 

「――絶零の氷槍(ミストルティン)!!」

ミストルティンがものすごい吹雪に包まれる

 

二つの剣が採掘場を焼き尽くし、凍らせ尽くしていく。二つの剣のルーンが最大限まで浮かび上がり――士郎はそれを振り下ろすと

ズドォォォォオオオォォォン!!キュオォォォォオオン!!

業焔の熱光線と絶対零度の冷気砲がロキを襲った。その攻撃でものすごい爆発が起こる

 

「――ミーミルとレーヴァテインに続きミストルティンまでも・・・」

ロキはところどころ出血している。それにダメージも受けているみたいだが、徐々に回復している。

「・・・こちらも本格的な攻撃に移ろうかッ!!」

パチンッ!!

ロキが指を鳴らすと、今まで様子を見ていたフェンリルが一歩前に進みだした

「――神を殺す牙、それを持つ我が僕フェンリル!!一度でもかまれればたちまち滅びをもたらすぞ!!お前たちがこの獣に勝てるというのならばかかってくるがいいッ!!」

その瞬間、部長が手を挙げる。

「にゃん♪」

黒歌が微笑むと同時に、地面から巨大な大きい鎖が出現した。魔法の鎖、強化型グレイプニルだ。

「ふはははははっ!無駄だ!グレイプニルの対策など、とうの昔に――」

バヂヂヂヂヂッ!

ロキの哄笑空しく、ダークエルフによって強化された魔法の鎖がフェンリルの体に巻きついた

『オォォオオオオォォォォォン!!』

身動きが取れなくなるフェンリル

「――フェンリル、捕縛完了だ」

グレイプニルで動きを封じる。あとはロキだけだ

「スペックは落ちるが――」

ロキの両サイドの空間が激しく歪んで、中から出てくる、士郎はそれがなんだかわかる

「――二つもかよ!!」

それと同時に、ソレが現れた。

「スコル!!ハティ!!」

オォォォオオオオオォォォン!!オォォォオオオオオォォォン!!

ロキの声に呼応するようにその二頭が天に向かって吼えた。夜空の雲が晴れ、金色に輝く満月が姿を現す

「まったく、馬鹿だな――」

全員が驚いている中――士郎は高笑い、ヴァーリは楽しそうにしている。それに、サツキ、アルビス、エルも楽しそうにしているのだった。そんなこと露知らず

「さあ、スコルとハティよ!母を捕らえたのは、あのものたちだ!その牙と爪で喰らい切れ!」

風を切る音と共に、二匹の狼がヴァーリチームとグレモリー眷属のほうへ向かったその時

『オォォォオオオオオォォォォォォォォォォォォオオオン!!』

先ほどのフェンリルの遠吠えとは違った、美しく澄み渡った遠吠えが夜空に響き渡った――

そして、夜空を銀色の光が切り裂き、士郎の肩にそれが現れた

「――サンクス、ヴォン」

「いえいえ、主」

現れたのは真っ白な服に身を包んだ銀髪で紅紫の瞳をした少女だ

「頼めるか?」

「はい」

そういうと、士郎の肩から飛び出していくヴォン

 

士郎が視線を戻すと――ロキが大きい魔術の玉を撃ち出して来る

「――熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)!!」

士郎は真正面から受け止める、士郎は汗一つかかない。

それを見たロキのほうに視線を向けると

「・・・・・・ついででだ、こいつらの相手もしてもらおうか」

ロキの足下の影が広がり、そこから――巨大な蛇いやドラゴンが現れた

「ミドガルズオルムの量産型か――!!」

士郎は驚きの声を漏らす、これまでは予想できなかったからだ。しかも、その数は60体

 

「全く趣味が悪いものだ、士郎いいか?」

エルが背中を合わせながら聞いてくる。士郎は大体の事を理解する

「――ん、思いっきりやっちゃいな」

「サンクス、ありがと 」

士郎は、小声でエルの"おとうさん"という声が聞こえたことにちょっと、ドキリとした

 

「そういうわけだ――お墨付きも貰ったことだし―存分に行かせて貰うぞ!!」

それと同時に、エルの指の五芒星が光り輝き

「牡籥かけ闔す総光の門――七惑七星が招きたる――由来艸阜の勢――武曲零零、急ぎて律令の如く成せ――千歳の儔、真打――"童子切安綱"!!」

エルはそれを取り出す――

「童子切よ――今ひとたび、主の血を糧としてその雄たけびを上げよ!!」

エルの魔力が思いっきり流れ込むと――童子切から放たれる気迫が一変した

「龍喰いと言われし我が力を糧として取り込め!!」

童子切の峰と切羽部分が変化した

それと童子に、彼女の背中から龍の翼が生える

「姿を現せ!!龍喰童子切・安綱!!」

ウオォォォォオオオオォォン!!

武器から禍々しいまでの雄たけび

「――涅より生じし万龍鬼の王! 神毒龍鬼便の緋き狂血を以って、その御霊を鎮めん――! 童子よ、童子――我が肉を啖い、魔縁となりて現世の大怨を晴らせ!!」

エルの魔力が刀に注がれる、同時に、それを妨害しようと、ミドガルズオルムが火を放ってくるが

「――― 龍 牙 絶 刀 ォォォォォォォォォッッ!!!」

ズドォォオオォオォォォン!!

エルの攻撃がミドガルズオルムを消し飛ばした

 

 

「――さすがだな…この火力…私も甘く見ていたようだな――」

ロキの体からはいくつもの黒煙、ロキは幾つかダメージを受けている。少し舌打ちする士郎。隣にサツキとアルビスがやってくる。三人は互の顔を見合わせる。

士郎は、害なす魔の杖(レーヴァテイン)をしまい約束された勝利の剣(エクスカリバー)転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)を構える。サツキは、レプリカをしまいエルから小烏丸天国を士郎から原罪(メロダック)を借り受け、それを構える。アルビスは、カーテナを構える。

 

「――日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)!!」

士郎は太陽の輝きを放つ、強力な防御型宝具が展開する。そう、これは光そのものが形となった存在であるため、神々でさえ破壊は困難な物で士郎の肉体と一体化する宝具の一つだ。そして、この宝具を身に纏う限り、彼への攻撃は物理、概念を問わず10分の1しかダメージが届かない。つまり、あの現状のロキでも10分の1しか攻撃が届かない究極の宝具の一つだ。

「ど、どうして、それを!?それは、大英雄カルナの母クンティーが未婚の母となることに恐怖を感じ、 息子を守るためにスーリヤに願って与えた黄金の鎧と耳輪ではないか!?」

「説明どうも――!」

士郎は飛び出していき、エクスカリバーに魔力を流し込み、紅色の光の帯を残しながらロキの懐に飛び込み一閃する。

ギンッ!!

しかし、ロキが作り出したと思われる剣で止められた。

「――なっ、それは!?」

士郎の顔が引き攣る。

「驚いたかね?そうだ、その通りだ、私が持っているのは"真・破滅の焔剣(レーヴァテイン)"だ」

「…まさかな」

それと同時に、少し嬉しい感じもする士郎。

「と、いうことだ」

ダメージを負いながらも、ロキは自身のレーヴァテインで十連擊の攻撃を繰り出してくる。士郎はそれを回避し、強化されたサマーソルトキックを繰り出し、ロキから離れる。それと同時に、後方からサツキが地を這うように刀を払って攻撃をしてくる

「クッ!?」

その攻撃に舌打ちしながら避けるロキ。しかし、その後ろから更にアルビスのカーテナによる五連擊の突きが飛んでくる。それをロキはレーヴァテインでいなし、三人から距離をあけ、三人目がけ強力な雷光を飛ばしてくるロキ

ズガガガ

雷撃が容赦なく飛んでくる。それと同時にロキは、黒きエネルギー球を放ってくる。

それが機雷のように爆発すると同時に、地面に氷の花がさく。

「ッ!!熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)

士郎は光で出来た七枚の花弁でそれを防ぎ、間髪いれずに飛び出していく。

「ハァッァァッ!!」

ものすごい速さで剣戟を叩き込んでいくがロキも負けじとそれを剣でぶつける。ふたつがぶつかりあい、星屑のように煌き飛び散る白光は、空間を灼くかの如き様だ。そして、最後の一撃と共に後ろからアルビスが彗星のごとく全身から光の尾を発しながら 突進して十字を描くように神速の十連続突きを放ってから、フィニッシュとして十字の交差点に一番強烈な十一撃目の突きを放つ"必殺技"を見舞う。そして、サツキの小烏丸が紅い半月のように煌き直後周囲一帯を溶解させるほどの熱量を持つ荒れ狂う劫火を放つ。

「――ッ!!」

ズバァァァンッ!!

三人のコンボ攻撃が士郎にヒットし、爆発が巻き起こる。

 

「……悪魔ごときに、これを使うことになるとはな――ハァァッ!!」

叫び声と同時に、ロキの体の周りに黒い魔力が渦巻き、それが濃密なものとなり

「――本当の恐ろしさを見せてやる!」

士郎は、マズイと感じ、飛び出して攻撃を仕掛けた。

 


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