ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第七十五話 神々の黄昏前夜

――翌日

 

 

朝食を済ませ、兵藤家の地下の大広間に集まっている士郎たち

「それで、どうなの?」

サツキが聞いてくる。

「あぁ、ジルニトラに言われたとおり、宝具とロンギヌスの並列稼働はなんなくできるようになったさ」

「まぁ、使うことがないといいけどね」

アルビスが紅茶を飲みながら言った。

「そりゃそうだ」

士郎は各宝具、武装のチェックを行なっている。

「オーディンの爺さんからのプレゼントだとよ――ミョルニルのレプリカだ、ったく、クソジジイ、マジでこれを隠してやがった、しかし、ミドガルズオルムの野郎、よくこんな細かいことまで知ってたな」

「ちなみにイッセー、ミョルニルってのは北欧の雷神トールが持つ、伝説の武器のレプリカだ。それには神の雷が宿っているのさ」

士郎が説明を加える

「はい、オーディン様はこのミョルニルのレプリカを赤龍帝さんにお貸しするそうです、どうぞ」

イッセーがロスヴァイセさんから、豪華な装飾やら紋章が刻まれた日曜大工で使うハンマーをもらう

「オーラを流してみてください」

ロスヴァイセさんに言われ、イッセーはオーラを流すと

ズドンッ!!

あまりに大きくなって落下したため、大広間が振動した

「おいおい、オーラ纏わせすぎだ、抑えろ、抑えろ、禁手になれば持てるだろう、とりあえず、一旦やめろ」

イッセーが先生に言われ手を離すと元のサイズに戻った。

「レプリカって行ってもかなり本物に近い力を持っている。本来、神しか使えないんだが、バラキエルの協力でこいつの仕様をあくまでも扱えるように一時的に変更した、むやみに奮ったら高エネルギーでここいら辺が消え去るぞ」

「マジッすか!!うわ、怖い!!」

戦慄するイッセー。

「士郎、ヴァーリ、お前らもオーディンのじいさんになにかねだらいのか?」

「いらないさ、俺は天龍のもともとの力のみきわめるつもりなんでな」

とヴァーリがいう。

「あぁ、俺はベオウルフもレーヴァティンもあるからな、必要がないし、そもそもミーミルあるし」

静かながらも両者は闘志を貯めていたのであった。

 

 

その夜

 

現在――士郎の家

 

士郎は水色の白たま模様パジャマ姿でそこそこ大きい天窓から、夜空に輝く月と星を見ていた

 

「――『神』か」

士郎は、そう呟く

相手は、悪神であろうが神に関わりない――ロキは北欧神話に登場する悪戯好きの神だ。その名は「閉ざす者」、「終わらせる者」の意だ。神々の敵であるヨトゥンの血を引いている。巨人の血を引きながらもオーディンの義兄弟となってアースガルズに住み、オーディンやトールと共に旅に出ることもあった。男神であるが、時に女性にも変化する。 美しい顔を持っているが、邪悪な気質で気が変わりやすい。狡猾さでは誰にも引けを取らず、いつも嘘をつく。「空中や海上を走れる靴」(「陸も海も走れる靴」または「空飛ぶ靴」とも)を持っている。

――士郎が知る限り、神を倒したという記憶は無い、つまり、初挑戦だ。士郎は時たま、このように考えることがある。

 

ボーッ

頭の中でなにも考えられなくなる――睡眠状態に似ているが、似ていないものだ

「・・・」

士郎はうつろな目をしながら、無意識状態のまま数分を過ごしていると

 

ガチャ

そんな中、ふと部屋のドアが開いた

「しろ~」

「士郎、いる?」

やってきたのは、サツキとアルビスだった。ちなみに、ヴォンは一足早く、部屋で寝ている

「あぁ、二人とも、どうした?」

士郎はゆっくりとしか動かない頭を動かす

「ちょっと、さびしくなっちゃてね・・・」

「ね」

「ん?そうか」

そう言うと、士郎はベットの隣を手で少し叩き、こっちにきなというサインをする

二人は言われたとおり、士郎の隣に来る――しかし、

ポンッ

二人がが首に手を回してくる、そしてそのまま、士郎に抱きついてきた。

あまりのことに身動きができない士郎。それにパジャマ姿とはいえ女性特有のやわらかな感触とかで、士郎はなにかにホッとしてしまい、さらに動けなくなる

「――ごめん、いきなりこんなことしちゃって」

「――気にすんな、それにそばにいるから、二人が寂しくなったらいつでも居てやるか、大丈夫だよ」

「ん、ありがと」

「ありがとう」

そっと、二人をゆっくりと抱きしめるのだった。それから、抱きしめること数分

 

いつの間にか3人はその上で寝てしまったのだった。しかし、この時、2人の魔力が士郎に流れ交わっていることなんて知らなかった

 

 

 

「おっぱいメイド喫茶希望です!」

「却下」

部長が嘆息しながらいう隣で

「却下だ」

士郎がものすごい真顔で言った。現在、学園祭で催す出し物について考えている。イッセーの考えることだから学園の二大お姉様+1を前面に出していけばうまい具合に行くのだろうと考えたのだろう――仮に、メイド喫茶になったとしたらどうなるか?部長→グレイフィアさん→お兄さん→サフィアさん→アルビスとサツキとエル=ロクなことにならないだろう。それに大方あの二人に話が回れば、ガチで女の子と見間違われないのである

「でも、そうなるとほかの男子に部長と朱乃さんの胸は見られてしまうんだよ?」

木場の真面目な意見に衝撃を受けるイッセー

「…くっ、無念だ、これじゃ、おっぱいお化け屋敷も無理か……」

「……そんなことを考えてたんですか、どスケベ先輩」

残念がるイッセーを士郎は冷たい視線で見ている

「あのね、イッセー、エッチなのは確かに高いポイント取れそうだわ、けれど、生徒会が許さないでしょうね、教員の方々も却下するでしょうね」

「なら……オカルト研究部の女子、誰が一番人気者か?とか?」

何気ないイッセーの一言に女子が顔を見合わせる、しかし

「却下だ――」

士郎が言い放った言葉に全員が士郎の方をむいた

「全員特色があるんだ、それを否定してどうする?それに一位を決めたところで何も変わるわけないだろ?」

正論をいう士郎に対し、みんな顔を見合わせる

「それなら、士郎は何がいいの?」

「個人的にはケーキ屋とかイッセーの喫茶というのを取り入れるとすれば中華風喫茶とかどうですか?多分、客受けはいいと思いますよ?」

恐ろしく真面目な意見に皆驚いている。

「そうね、それもいいわね」

そんな中――アサゼルが夕暮れを見ながら言った

「…黄昏か」

それを聞いて、士郎も皆も面持ちになった。と同時に部活終了時間のチャイムが鳴り響いた。

神々の黄昏(ラグナロク)にはまだ早い――おまえら、気張っていくぞ」

『はい!!』

そして、決戦時刻になるのであった

 


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