ハイスクールD×D/Re:Zext Night 作:有栖川アリシア
「ど、どうして、ここにいるのよ!?」
「どうして、っていわれてもな、ここに親父のセカンドハウスがあるから、それを見に来たんだよ」
「ふ~ん、つまり、ここに別荘があるわけね、けど学校は?」
「あぁ、休んだ」
「休んだってねぇ……まさか、この近く?」
「まぁな、歩いて数分のところだ」
「奇遇ね、私の母親の実家もこの近くで、顔を出しに来ていたのよ」
「あらまぁ~」
という士郎。
「けど、ここまで来るってことは、なんか用でもあったの?」
「まぁ、役所にセカンドハウスの書類一式だしにいかないといけないんだよ」
とりあえず、士郎は立ち上がる。サツキも立ち上がろうとするので、士郎は
「あっ、ありがと」
と顔を赤くしながらサツキはお礼を言う
「そういや、見る限り、ランニングでもやってたの?」
「そうよ、乙女の努力よ」
「おぉ~」
「そういう、士郎は朝なんかやってるの?」
サツキが聞いてくる
「あぁ、腕が鈍らないように英霊達と連戦している」
「連戦…規格外だわ」
「そうか?そうでもないぞ――ためしに「いや、いいわ」おやまぁ」
「それにしても、役所に行くんでしょ?場所わかるの?」
「あぁ、わからない」
士郎はドヤ顔で言った
「だと、思ったわ、ランニングもちょうど終わったし、いったん私、家に帰るけど、来る?」
「家に?ってか、そっちの実家だろ行っていいの?」
「えぇ、構わないわ、だって未来の旦那さんなんだから」
と唐突に告白してくるので、士郎はドキッとし、顔を若干赤らめた。
「んじゃあ、行きましょうか」
「ん、そうだな、行くか」
士郎はそういうと、肩を並べて歩きだした。もちろん、二人の手は繋がれたままだ
それから、歩き出して数分後
「それにしても、まさか士郎がいるなんて思ってなかったわ」
「ん?そうか、魔力を…そういや、消したままだったな」
「まぁそれなら気づかないわ――そろそろね」
士郎はその先にこじんまりとした一軒家…を見つけた。しかし、問題が起きていた
「マジですか…」
士郎は若干顔を青ざめると同時に、サツキの家を指差した
「どうかしたの私の家が?」
「えっ、実をいうとさ」
そう言うと、士郎はサツキを引っ張っていき、それからサツキの家をグルっと一周し、ちょうどサツキの家の裏側のところまでくる
「…まさか」
サツキもようやく気づいたらしい
「士郎の別荘って、ここ?」
「そうなんだよ」
そう、まさにサツキの家の裏に士郎の別荘はあったのだ
「ねぇ、士郎、ベランダ見た?」
「ベランダ?まだだが」
「なら、士郎、申し訳ないんだけどさ、そっちの家のベランダ行ってみてくれる?」
「ん?まぁ、いいが、んじゃあ、ベランダで」
「えぇ、ベランダで」
士郎はそういうと、中に入ると、二階にあるベランダに向かっていく
「さてと、ここだよな…」
ガラガラガラと開けると
「やっほー」
先ほどとは違う服に着替えたサツキがベランダ越しといってもあと少しでくっつくくらいなのだが、そこにいた
「マジか…こういうことだったのか」
「そういう事なんだよ」
そう、現在サツキと士郎は向かい合った状態
「…その、なんだ、小っ恥ずかしいな」
「あら、そう?」
パッ、スタッ!!
着地の音と共に、サツキがこちらのベランダにやってきた
「――恥ずかしいの?これから、一緒なんだよ?」
「一緒ってな、まだ結婚してないだろ?俺ら?」
「そうね~けどさ」
そういうと、彼女は士郎の顔に自分の顔を近づけ
「こんな風なのが私はいいのよ?」
再びドキッとさせられる。しかし、士郎は表情を戻し
「そっか、それもいいかも、ってか、そろそろ窓口が開きそうだから行こうぜ?」
士郎は自分の持っている時計を確認しながら言った
「あら、もうそんな時間?わかったわ、いきましょ」
二人は、お互い手をつなぎながら歩き始めた
「ねぇ、士郎?」
「なに?」
「私が、本気で転校してっていったらどうする?」
「転校ねぇ、まぁ、そこそこの理由があるからだよな?」
「――そう…」
「なぁ、差し支えなけりゃその理由とやらを聞かせてくれないか?」
「ん?士郎と一緒に学校生活過ごせたらな~」
「一緒にか」
士郎は空を見上げる――彼が何を考えているかは未だわからない
「けど、まぁ、こんなのもいいかもね?いないんでしょ?駒王に?」
「あぁ、ちょっと、目が肥えちゃってね」
「もしかして、悩殺されちゃった?」
「まぁ、そんなところさ」
さらりと小恥ずかしい言う士郎だった
丹羽家――別荘(京都)
「はぁ~綺麗にしてみると、結構凄いところだな」
先程まで埃まみれだった別荘は、掃除してみると生活には十分なくらい広い部屋がいくつもあるところだった。
「結構広い別荘だね~」
「別荘というよりセカンドハウスじゃない?」
「あぁ、言えているわ~」
そう言いながら士郎は、綺麗になったソファに寝っ転がる。
「相変わらずね~それ」
「まぁ、いいじゃないか」
「そういえばさ、隣の家ってサツキだけなの?」
「ん、そうだね、ほとんど一人だね」
士郎の近くの椅子に座って紅茶を飲みながら雑誌を読み始める。
「っというと?」
「父親があんまり私とお姉さんは好きじゃなくてね――あれ、士郎、瞳お姉ちゃんのこと知っているよね?」
「・・・知らん」
「あらあら、まあお姉ちゃんがいるんだけど、私とお母さんとお姉ちゃんはあんまりというか父親がキライでね」
そういうと、雑誌を起き、遠くを見つめるサツキ。まあ、何かしらあったのだろうとわかる。
そんな中
prrr!!prrr!!
サツキの携帯が鳴った。携帯を取り出し、出ると
『ハロ~サツキ、元気している?』
「えぇ、元気よ?どうかしたの?」
『テレビ取材の時の写真、手に入れたけどみる?』
「あらいいわね、んじゃあ、くる?」
『えぇ、そのために連絡したのよ?こうも続くとかったる~くなっちゃうわ』
「了解っと、なんかいるものとかある?」
『甘いものが欲しいわね、それで、今どこにいるのおふたりは?』
「ん・・・あっ」
『あってなによ?まさか、ラブホテルにいるとか?』
「な、なわけないでしょ!」
『あら、違うの?ざんねーん』
電話越しで面白がっているアルビス。
「それで話戻すけど、今京都よ?」
『京都?珍しいわね~』
「まぁ、士郎のセカンドハウスにいるわけだけど、いいわ、なら、そっちに士郎が迎えに行くわ」
『あら、嬉しい――んじゃあ、グリーンパークにいるわ』
「了解、じゃあね~」
そういうと、士郎は、サツキに言われたとおり、英国のグリーンパークに