ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第六十三話 家族と戦と

「(さてと、あいつらは行ったか――)」

気配が遠のいたことを感じる士郎。

 

『お主、これでよかったのか?』

「問題ねぇよジルニトラ、これでいいんだ」

『そうか』

その言葉だけ聞いて静かになるジルニトラ。そして、士郎は眼前の敵を見据え、士郎は剣を投影し、魔力を溜め込み構える

「さてと、いっちょやりますか」

と駆け出そうとした時だった。動くなという信号が背中を駆け抜けた。そしてその直後

 

 

 

チュドドドドドォォォン!!ズドォオオオォォオオン!!シュパン!!シュパンッ!シュパンッ!!

轟音と共に、空から無数の魔力が降り注ぐ。それが周囲の敵を一掃する。

「(この魔力の波形は――)」

魔力が飛んできた方を見上げる士郎。すると、そこには3人の女性がいた。――そうエルとアルビスとサツキだった。

 

「エル!!サツキ、それにアルビスも!!」

3人は降りてくる

「やっほー、士郎、助けに来たよ~」

と明るい声でいうサツキ

「生きてる士郎?」

「おぉ、生きてたか――流石士郎」

と同じような皮肉をいうアルビスとエル――3人は地上に降りてくる

「――流石ね、士郎」

「そりゃどうも、まぁ、剣製(ソードメーカー)だからな」

悠々と悪魔の前に立つ4人。そして、士郎は再び剣を構え

 

「そろったんだ――ひと暴れと洒落込もうか!!」

士郎は己の魔力を解放する。それと同時に4人は飛び出していく。

 

「一気に畳み掛けるぞ!」

「「「えぇ!」」」

 

ズガガガガガガガガッ!!

そういうと、士郎は、駆け上がるように空に飛び上がり、上空で黒い翼を展開する。その舞い散る背中の黒い翼の羽の一部を無数の刃に変えて射出する防御不能の飽和攻撃系対人殺傷魔術を繰り出す。

 

「う、うわぁぁ!!」

禍の団(カオスブリゲード)の構成員から悲鳴が聞こえる。直後、サツキが構成員に向かって手をかざすと

 

バシュウゥンッ!!ギュオォォォオオォォンッ!!

 

サツキの放った暗黒の闇に閉じ込められ

「エル!」

「姿を現せ!!龍喰童子切・安綱!!」

ウオォォォォオオオオォォン!!

エルの童子切りから禍々しいまでの雄たけびが聞こえる

「――涅より生じし万龍鬼の王! 神毒龍鬼便の緋き狂血を以って、その御霊を鎮めん――! 童子よ、童子――我が肉を啖い、魔縁となりて現世の大怨を晴らせ!!」

魔力が刀に注がれる、同時に、

「やらせるかっ!?」

それを妨害しようと、ほかの構成員たちが襲いかかってくるが

「こっちは、こっちよ――」

直後、アルビスが空中に無数に光球を出現させて、一斉に敵に向かって発射する

ズドドドドドォォンッ!!

着弾と同時に凄まじい爆発を引き起こす。そして、

「――― 龍 牙 絶 刀 ォォォォォォォォォッッ!!!」

ズドォォオオォオォォォン!!

エルの一撃があたり全てを吹き飛ばした。

 

しかし、それでも構成員たちは山のようにいる。

「しつこいわね暁の聖域(セイント・キャッスル)!!」

ズバァァンッ!!

そういうと、アルビスのカーテナがビームソードのような巨大な剣になり空間ごと敵を一掃してしまう。

 

「なら、こっちも派手なの行くわよ!!宵闇戦姫(サタン)!」

片手を天に突き上げると、黒い刀がサツキの手元に現れ

「さぁ、落ちなさい!!」

そういうと、空中から無数の黒い槍を降らせ、辺りを殲滅する。

ズガガガガガガガガッ!!

まるで雨のようだ。

 

「――ハァァァッ!!」

エルが童子切りから小烏丸に持ち替える。すると小烏丸が真紅色に輝くと同時に、宙へと飛び上がり、紅い半月のような煌きと共に周囲一帯を溶解させるほどの熱量を持つ荒れ狂う劫火を放つ。

ゴォォォンッ!!

「なら、下からだ!!串刺城塞 (カズィクル・ベイ)!!」

ズバァッン!!

大量の槍を展開し、それを敵の足元から突出させて串刺しにし、 さらに巨大な龍の形をした炎ですべてを焼き尽くした。

 

 

「・・・ま、こんなものか」

見渡せば、殲滅された構成員たちの屍

「そうね~やりすぎたかしら?」

「さぁね、ま、そろそろ、頃合か…」

そう言うと、士郎は合図を送るとともに、その翼で神殿の奥に向かって空に羽ばたきだした。

 

 

 

イッセーたちが、たどり着いたのは、最深部にある神殿、その内部に入ってくイッセーたち

内部にあるのは巨大な装置だ。そこに囚われているのは、アーシアだ

 

『アーシアァァァァァァ!!』

叫ぶイッセー、アーシアに外傷などはない。

『やっと来たんだね』

装置の横から姿を現すディオドラ・アスタロト、その優しげな笑はイッセーにとって不快極まりないものだ。

『…イッセーさん?』

イッセーの声を聞いて、顔を向けるアーシア、その目元は涙で泣いて腫れ上がっていた

『ディオドラ…、おまえ、事の顛末をアーシアに話したのか?』

『うん、全部話したよ――全部僕の手のひらで動いていたと知ってたときのアーシアの顔は本当に最高だった、ほら、記録映像も残したんだ、再生しようか?本当に素敵な顔なんだ――教会の女が堕ちる表情は、何度見てもたまらない』

すすり泣きを始めるアーシア

『でも、足りないと思うだ、まだ、アーシアにはまだ希望がある、そう、君たちだ――』

どうやら、小悪党どころか、外道みたいだ、いや鬼畜というべきだろうか?とりあえず、悪い奴に変わりはない。イッセーがブチギレそうにもディオドラは、下劣極まりない言動を止めない。それを上から、視覚素子を通して見ている士郎。

 

『アーシアは、まだ処女だよね?僕は処女から調教するのが好きだから赤龍帝のお古は嫌だな。あぁ、けど寝取るのも楽しそうだ』

士郎もブチギレ寸前である

 

『君の名前を呼ぶアーシアを無理矢理だくのも良いのかも――』

『黙れェェェェェェェ!!』

「Welsh Dragon Balance Breaker!!」

『ディオドラァァァ!!てめぇだけは!絶対許さねぇ!!』

膨大な赤いオーラに包まれていくイッセー、その瞬間全身鎧を纏った姿になるイッセー

その声を聞いた瞬間、士郎は速度をあげて、神殿の奥に向かった。

 

バサッ!バサッ!!

 

4人の魔力でできた羽が加速し始める

「――チィッ!!」

周りには、追いかけてくる悪魔

 

「――侵入されたか!!」

右目の視覚素子からは、イッセーとアーシアが戦っている状況、左目で戦闘を行なっているに等しい

士郎は魔力弾で蹴散らしながら進路を進んでいく

「全く、しつこい男は嫌いよ!!」

ズババッバン!

サツキもアルビスも応戦する

「サツキ、アルビス、エル、集結だ!でかいの一発いくぞ!」

「「「了解!!」」」

そう言うと、彼女たちが一気に士郎に駆け寄る

「詠唱破棄――投影…開始(トレース・オン)!!行け!」

始めに数本の剣が悪魔に襲いかかる。

「終わりだ!無限の剣舞(アンリミテッドブレイドダンス)

そして、士郎の上の空間を埋め尽くすほどの大量の剣が相手に一斉に降り注ぎ、悪魔をメッタ刺しにした。

「――行くぞ!!」

そう言うと、一気に加速し始めた。それと同時に、意識を視覚素子に戻した。

 

 

『イッセー、トドメを刺さないのか?』

ゼノヴィアが、アスカロンの切っ先をディオドラに突き立てている――ゼノヴィアはまさにこいつを殺そうとしている

「(ここで、殺されたら、色々とまずい)」

と考える士郎

『アーシアに、また近づくかもしれない、いまこの場で首をはねた方が今後のためじゃないのか?」

多分、部長かイッセーが応じればすぐさま首を撥ねるだろう――

『……こいつも一応、現魔王の血筋だ、いくらテロに荷担したからといって、殺したら部長や部長のお兄さんに迷惑をかけるかもしれない、もう十分に殴り飛ばしたさ」

というイッセー、部長もイッセーの言葉にまゆをしかめ、瞑目している、部長自身も激怒していたけど、ディオドラの処分は上に任せると心中で決めていたのだろうと察する士郎

『……わかったよ、イッセーが言うなら私はやめる――だが』

『あぁ、そうだ』

イッセーとゼノヴィアは、拳と剣、それぞれをディオドラに向け

『『もう、アーシアに言い寄るな!!』』

二人の迫力ある声にディオドラは瞳を恐怖でうるわせながら、何度も頷いた。そして、二人がディオドラを解放し、アーシアの方に足を向けた途端

 

ギュオォォォオオオォォン!!

 

黒い光線が天井を突き破り、イッセーとゼノヴィアの後ろに落ち

 

「やっと、追いついたか――!!」

そこには、イッセーと同じ兵士が、3人の女の子をつれてやってきた

 


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