ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第六十一話 罠

それから数日後

 

丹羽邸宅――士郎自室。

 

「さて、これをどう見る?メディア?」

「これは、完全に黒でしょうね?」

士郎は、ギリシャ神話の魔女メディアと共に、アスタロトの戦闘を見ていた。

「高速詠唱を使ったような痕跡も魔術的刻印もなし、マナによる強化もなし、ほぼといっていい確率で、これはドーピングによるものね」

「やはり、ウロボロスか?」

「えぇ、調べさせてもらってけどあれはマナに干渉することもなし、っていう代物だわ、となると、これはそういうことね?」

「さすがメディアだ、その知識は敬服に値するよ、それでだメディア、魔術でクローン的なものは出来るか?」

「クローン?それは無理よ、そもそも生命はそんな軽くっていうものではないわ、けど、言いたいことわ、わかるわ、魔術の波動から何かまで取り繕うってことかしら?」

「あぁ、最悪ランスロットでもいいがな?」

「問題ないわよ、ホムンクルスを使えばいいわ」

「出来るのか?」

「この私を誰だと思っているのかしら?」

「そうか、なら任せるぞ」

「あら、あなたも立ち会わないの?」

「いんや、ホムンクルスを作るんだったら、何かしらの彼女の物は必要だろ?」

「まぁ、そうね、ならそれは任せたわよ、士郎」

「おう」

そういうと士郎は、部屋から出て夜の帳に飛び出した。

 

 

 

「そろそろ時間ね」

部長がそう言うと、士郎と面々は立ち上がる。決戦日、士郎は深夜駒王学園オカルト研究部部室に来ていた。士郎は駒王学園の制服でだ。

今回のレーティングゲームの相手はディオドラ・アスタロト――現ベルゼブブを出した御家の次期当主だ。

しかも、今回は部長から聞いたがアーシアの結婚がかかっているらしい

中央の魔方陣に集まり士郎たちは転送した

 

魔法陣に転送される――到着したところは、ギリシャのパルテノン神殿みたいなところで――それも出来たばかりのような風景だった。

「……おかしいわね」

部長がそういう、ほかのメンバーは怪訝そうにしていた。

それから、神殿とは逆方向に魔方陣が出現する。それと共に、士郎たちは構えると同時に、とある呪文を唱える。――だが、魔法陣はさらに増えていく

「……アスタロトの文様じゃない!」

木場が剣を構えると同時に朱乃さんも手に雷を走らせる

「……魔方陣すべて共通性はありませんわ、ただ――」

「全部、悪魔、しかも記憶が確かなら」

部長も赤いオーラを纏いながら、厳しい目線を辺に配らせていた。それから、魔方陣から現れたのは――大勢の明らかに士郎たちに殺意を持った悪魔さんたちのご登場だ

「――察するに、『禍の団』――しかも旧魔王派のやつらだな」

士郎の言葉に、部長以外の面々は度肝を抜かす。どうやら、試合乱入らしい

「忌々しき偽りの魔王の血縁者グレモリー、ここで散ってもらおう」

囲む悪魔のひとりが部長に挑戦的な言い方をする

「キャッ!!」

「「アーシア!!」」

「イッセーさん!!士郎さん!!!」

空の方には――アーシアにストーカーをしていると巷で話題のディオドラがいた。

「やあ、リアス・グレモリー、そして赤龍帝、滅神龍帝――アーシア・アルジェントはいただくよ」

ふざけたことを爽やかに言うディオドラ

「アーシアを放せ!!この野郎!!卑怯だぞ!!つーか、どういうことだ!!」

イッセーが叫ぶ

「バカじゃないの?ゲームなんてしないさ――キミ達はここで彼ら『禍の団』のエージェントに殺されるんだよ――いくら力のある君たちでもこの数の上級悪魔と中級悪魔を相手にできやしないだろ?ハハハー死んでくれ、速やかに散ってくれ」

部長が宙に浮かぶディオドラを激しく睨む

「あなた『禍の団』と通じたというの?最低だわ、しかもゲームまで汚すなんて万死に値する!!なによりも私の可愛いアーシアを奪い去ろうとするなんて……!!」

部長のオーラが盛り上がる。士郎も相当頭に来ている。それはフリだけで実際は、士郎は心の奥底で高笑いしている

「彼らと行動したほうが、僕の好きなことを好きなだけできそうだと思ったからね――最後のあがきをしていてくれ。僕はそのあいだにアーシアと契る、意味はわかるかな?赤龍帝?追って来たかったら、神殿の奥まできてごらん、素敵なものが見られるはずだよ」

というディオドラ

 

「イッセーさん!!士郎さん!!」

「「アーシアァァァァァ!!」」

それだけ言うと、空間が歪みディオドラとアーシアの姿が消えた

「イッセー君、士郎君、冷静に!今は目の前の敵をなぎ払うのが先だ!!そのあと、アーシアさんを」

「わかってる、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)!!」

背後の空間が歪み現れたのは剣が一本現れる。

「―――出番だエア、おまえとて不本意だろうが、なに、これも先達としての務めよ、真実を識るものとして、一つ教授してやるがいい……!」

士郎はそれを掴み――抜く

「黄泉路を開く、存分に謳え亡者ども、なに、退屈はさせん、我とてこのような気紛れは一生に一度あるかないかでな、財の出し惜しみはせぬ、夜明けまで命を賭して持ちこたえよ……!」

『巫山戯るなァァァァ!!』

悪魔たちが一斉に士郎めがけて攻撃を開始し始める

それと同時に、士郎の魔力が格段と上がり、それは肉眼で目視できるレベルになってくる。――その魔力が一つの生物のように唸りを上げながら渦巻いていく――魔力が士郎の周りにうずまき始め今乖離剣エアに装填されているのは常闇のような漆黒色の魔力と血のような深紅色の魔力が混ざったもの、その魔力が乖離剣に溜まっていくと同時に乖離剣の金色のところが黒色になり、黒と赤で構成された乖離剣に変化していく

まさに、絶望にふさわしい色だ――それが物凄い勢いで装填されていく――エアから溢れんばかりの恐怖や絶望が悪魔たちを支配し始めてくる。士郎の瞳が赤くそれも真っ赤に光り出す

 

「死に物狂いで謳え雑念―――!」

ギュオォォオオオオオォォン!!

刀身がものすごい速さで回ると同時に、乖離剣エアが一回光る――それは臨界直前の合図だ

ソレと同時に、士郎はその剣先を数百単位の悪魔に向ける

 

 

「――――天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!!」

士郎が一気にその魔力を開放すると同時に、

 

ズドオオオォォオオオオオォォオオオオン!!

 

空間を引き裂かんばかりのエネルギーが悪魔に向かって放たれる

ちなみに、後ろにいる部長たちには熾天覆う七つの円冠(ローアイアス)を展開して巻き込まれないようにしている

 

天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)の攻撃が止む――もちろん、当然の如く上級悪魔を塵を残さず吹き飛ばした

しかし――まだ、悪魔たちはいる――しかし、士郎は使った直後――乖離剣エアを王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の中にしまった

 

「士郎――!!」

「少し待て…落ち着くんだ――」

と部長は焦りながら言う。

「どうして!?早くしないとアーシアが!!」

「わかってる――つか、みんな頭下げろ!!」

そう言うと、反射的にみんな頭を下げる――それと同時に

 

ギュオォォオオオオォォォン!!ズバンッ!!

 

眼前にいた悪魔たちが後ろから放たれた黄金の光によって消滅していく

それを筆頭に、後ろから、幾万の軍勢が現れ――それが悪魔を蹂躙していく

『オォッォォォォォォォォオォォォォォォ!!!!!!!!』

ものすごい声と共にそれは現れた

「――これが…!!士郎の――いつ見ても壮観だな」

そう呟くゼノヴィア、目の前にはそのフィールドを尽くさんばかり士郎の仲間たち

「――見よ、我が無双の軍勢を!――肉体は滅び、その魂は英霊として『世界』に召し上げられて、それでもなお余に忠義する伝説の勇者たち、時空を越えて我が召喚に応じる永遠の朋友たち――彼らとの絆こそ我が至宝! 我が王道! 滅神龍帝たる(オレ)が誇る最強宝具――『王の軍勢(アイオニアヘタイロイ)』なり!!」

 

「それにしても、いつ見ても、この数はすごいわ…」

「まぁ、そうでしょうね――師団長である、英雄王、征服王、騎士王が各800個ぐらい師団を率いてますし、それに――その下にに2,3個率いてる仲間もいますしね」

「それで、総数は?」

「2000万くらいですかね」

「2000万!!それって!?とんでもない量じゃない!!」

「まぁ、そんなものですよ」

そう言いながらも、蹂躙していく士郎の軍勢

そんな中――

パカラ!パカラ!パカラ!パカラ!

 

一騎の騎馬がこっちにやってきた。金髪に騎士の鎧、その姿はまるで

 

「――騎士王」

と木場が言う

「来たか、アルトリア」

『ハッ、――ただいま参上しました士郎』

「急な要請、ありがとう」

『いえいえ――指示を』

「とにかく、このフィールドにいる悪魔を殺ってくれ――躊躇わずにだ」

『はっ、かしこまりました――それと、彼にアレを』

「わかってる――木場」

「ん?なんだい?」

「受け取れ――」

そう言うと士郎の手の空間が歪み木場の手元に一本の剣を置く

「――これは…」

『私が認めたものだけに使用を許可する剣――名をカリバーン』

「これを…ですか?」

『あぁ、少し精度は劣るが――裕斗、君の力になるだろう』

「――ありがとうございます、アルトリアさん」

『なに、気にするな――』

そう言うと、士郎に一礼を告げ、再び走っていくアルトリア

 

「――さてと」

神殿の方には悪魔たち――士郎は彼らを見ながらこう言った

「神への祈りは済ませたか――悪魔たち――では、弔いの鐘を鳴らそう」

そう言うと、士郎は、王の財宝(ゲートオブ・バビロン)から、一本の青い槍を取り出す

それに魔力を貯めると同時に矛先魔方陣が展開される。

 

そして直径4km級の氷塊が悪魔の頭上にに現れる

「――氷塊の戯槍(ミストルティン)!!」

士郎の頭上に合った、氷塊が上空悪魔たちに降り注いだ

「――まだだ!!」

そう言うと、士郎の頭上に剣がたくさん現れ

「――!!」

手を悪魔の方に向けると一斉に剣が発射され、悪魔を打ち砕いた。

 


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