ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第四十四話 テロリスト

対魔力のスキル、それは魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減するスキルだ

 

「・・・おやおや?」

今動けているのは、ミカエルと士郎、それにサーゼクスにグレイフィアさん、アサゼルに、レヴィアタン、それに、ゼノヴィアと木場、それに部長とヴァーリも動けていた

窓の方を見るミカエル、そして、真剣な面持ちで話しているサーゼクスとグレイフィアさん

 

「おっ、赤龍帝の復活だ」

イッセーも復活した

「な、何があったんですか?」

周囲を見渡すイッセー、そんな中

「眷属で動けるのは、私とイッセー、裕斗にゼノヴィアと士郎のようね」

それ以外の部員たちは、止まっていた

「イッセーは、赤龍帝を宿す者、士郎は、言うまでもないわね、裕斗は禁手バランスブレイカーに至り、イレギュラーな聖魔剣を持っているから無事なのかしら。ゼノヴィアは直前になってデュランダルを発動させたのね」

確かに、聖なるオーラを放ち続ける危険きわまりない剣を持っていた

「時間停止の感覚はなんとなく、体で覚えた――停止させられる寸前にデュランダルの力を使えば防げるとおもったのだけど、正解だったな」

 

「それはともかく、部長、何があったんですか」

「どうやら「テロだよ」」

部長の言葉を遮って、アサゼルが言った

「(おいおい、大事な会議中ってのに、テロとは、面白いねぇ)」

そとを見てみると、校庭、空中に至るまで人影らしきものがあった。よーく見てみると、黒いローブを着込んだ魔術師みたいな連中がこちらへ魔力弾を放っていた。幸いにも、新校舎へダメージを与えている様子はない

「魔術師連中だな、悪魔の魔力体系を伝説の魔術師『マーリン・アンブロジウス』が独自に解釈し、再構築したのが、魔術、魔法の類だ」

アサゼルが説明する

「放たれている魔術の威力から察するに一人一人が中級悪魔クラスだな」

士郎のスキル心眼(真)から読み取れたことを言った。

「まぁ、アサゼルさんとサーゼクスさまとミカエルさんが強力無比な結界を貼ってるんだ、それにメディア直伝の結界も貼ってある、あいつらはこの校舎に被害は出させないさ、にしても、多分、ギャスパーの神器が力を譲渡できる系のもの経由で使われたな」

士郎は、アサゼルに目をやると

「あぁ、間違いねぇな、にしても、強制的に禁手状態にしたんだろうな。一時的な禁手とはいえ、ここまで効果が及ぶなんてな、よっぽど、あのハーフヴァンパイアの能力が高いってことか。けど、出力不足だったみたいだな」

「つまり、武器にされていると?」

イッセーがそう聞く

「あぁ、間違いねぇ」

「どこで、私の下僕の情報を得たのかしら、しかも、大事な会談を付け狙うなんて、これほど侮辱される行為もないわっ!」

紅いオーラをほとばしらせている部長

「にしても、この校舎を囲んでいた、天使、堕天使、悪魔の軍勢も全部停止させられている。まったく、リアス・グレモリーの眷属は末恐ろしいぜ」

「だな、なぁ、少し暴れてきていいか?」

「おいおい、やるのかよ?」

アサゼルがそう聞く

「あぁ、なんてったって、集団戦さ、灰も残らず」

そう言うと、会談場所の窓を開き

「やってくるわ」

通信機を耳につけ3階から飛び降りようとすると

 

「全く、気が早いわね――士郎は」

『ッ!?』

サーゼクスとアサゼルとミカエル以外が驚く。無理もないこの場にいない誰かの声がしたのだ。そして、職員会議室の扉から

「私たちがいること、忘れていないかしら?」

そこに現れたのは、サファイアさんを筆頭とするラウンズの面々だった。

「サファイア君――潜り込んでいたのか?」

「えぇ、まぁ、事情は後に説明いたします、さてと、みんなやるわよ」

サファイアの一斉号令が響く。

『了解!!』

「んじゃあ、先に行かせてもらおう」

「同じく、先にいくにゅ!!」

先にリアナとレイが飛び出し――

神器(セイクリッド・ギア)天輪金騎(マグナ・カルタ)!!」

神器(セイクリッド・ギア)蒼氷の天棘(グラキエス・ミリオンエッジ)!!」

黄金の鎧に身を包んだ騎士を巧みに操り周囲の敵を葬っていくリアナとその手に結晶で出来た剣を手に飛び出していくレイ。

 

「なら、さてと、私達も行きましょうか」

「了解」

「さてと、暴れますか」

士郎とサツキとアルビスで言葉を交わし――

「さぁ、ショータイムだ!!」」

そして、士郎サツキとアルビスが校舎の窓から飛び降りていく。

 

暁の聖域(セイント・キャッスル)!!」

カーテナを構えたアルビスが魔力砲撃によって周囲を一掃する。あらかたは片付くもの

「遅いわよ!!」

異界文書(ザ・コード・オブ・アーカシャ)幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)!!」

黒い刀身の刀を持ったサツキが周囲を一掃していく。そして、それをフォローするように士郎も攻撃していく。

 

「にしても、こいつら、結界内に入ってきたってことは、内通者がいるんだよな?」

「その可能性はあるでしょうね、『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』の効果を高められたら、私たちも誰かひとりぐらい停止させられる恐れがあるわね。この猛攻撃で私たちをここにとどまらせて、時間を止めた瞬間に校舎ごと屠るつもりだろうでしょうね。あちらは相当な兵力を割いているみたいだし」

戦いながら士郎はアルビスと言葉を交わす。そして、士郎の視線の先には、各所の魔法陣から現れた魔術師

「――キリがないな・・・」

無尽蔵とも言える魔術師の面々。

「(さてと、ではどうしましょうかね)」

と思考をめぐらすと

『士郎、どうするのじゃ?』

ジルニトラが心配になって聞いてくる。

「どうするも何も全体を吹っ飛ばすしかないだろうな」

『そうじゃな――使うか?』

「ここでお前をか?なわけないだろ」

『賢明な判断じゃな――』

と軽くジルニトラと言葉を交わすと

 

 

 

「――転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)!!」

ギィィィンッ!!ギュォォォンッ!!

青少年の声と共に、太陽の光が彼らに降り注ぎ周囲の魔術師が一掃される。

「(ッ!?)」

思わぬことに振り返るとそこには、アルトリアとガウェインとランスロットとモードレッドがいた。

「アルトリアとガウェインにランスロットとモードレッド!?」

「あら、お仲間さん?」

「あぁ、ものすごく楽しみのな――」

アルビスの視線が後方のアルトリアに行く。

「まぁ、そんなところだ、にしても困ったときは頼れって士郎、加勢に来たぞ」

モードレッドが剣を構えながら言う。そして、その後ろには

「士郎、少しは私たちを頼ってください、こういう時のための英霊です」

「――すまんな」

アルトリアの言葉に士郎も再び剣を構えると、すぐ隣にエミヤとクーフーリン、それにディルムッド・オディナが現れる。そして、エミヤが士郎の肩に手を置き

「マスターここは、私とクーフーリンとディルムッド、それにアルトリア率いる円卓の騎士と任せてもらおう」

「いいのか?」

「いいもなにも、逆に俺らにやらせろ、血が疼いてしょうがないんだ」

クーフーリンが紅蓮の赤槍を構えながら言う。

「はっ、そういうことか」

「あぁ、マスターは主であるリアス・グレモリーのところに向かってくれ」

「わかった、頼むぞ」

そういうと、士郎は職員会議室に戻った

 

「――それで、どうするんだ?」

「我々首脳陣は下調べ中で動けない。まずはテロリストの活動拠点となっている旧校舎からギャスパーを奪い出すのが目的となるね」

サーゼクスがそういう

「では、私が行きますわ、ギャスパーは私の下僕です。私が責任をもって奪い返してきます」

「だが、旧校舎までどうする?この新校舎の外は魔術師だらけだ。通常の転移も魔法に阻まれている」

「未使用である残りのコマである『戦車』を保管してありますわ」

「なるほど、『キャスリング』か。確かにこれなら、相手の虚をつける。何手か先んじえるね」

そうなると、ここから瞬間転移が可能だ。ってことは、奇襲みたいな襲いかかることができる

「よし、一人で行くのは無謀だな。グレイフィア『キャスリング』を私の魔力方式で複数人転移可能にできるかな?」

「そうですね。ここでは簡易術式でしか展開できそうもありませんが、お嬢様ともう一人の方なら転移可能かと」

「リアスと誰かか…」

「サーゼクスさま、俺も行きます!」

イッセーが手をあげて進言した。どうやら、大切な後輩を助けたい気持ちからみたいだ

「わかった、アサゼル、噂では神器の力を一定時間扱える研究をしていたな?」

「あぁ、そうだが、それがどうした?」

「赤龍帝の制御は出来るだろうか?」

少しの沈黙のあと、アサゼルは懐から手にはめるリングらしきモノを投げていた。そんな中、

「――サーゼクスさま、どうしますか?わたしも部長の方に向かいますか?」

「そうだな、迎えるんだったら向かって欲しい、しかし、どうやって向かう?」

「そうですね…最悪強行突破というやり方もありますが――一応、出来る方法があります」

「なら、それを行なって欲しい」

「わかりました――部長すこしいいですか?」

そういうと、キャスリング準備に入ってた部長に声をかける

「どうかした士郎?」

リアス部長が聞いてくる。

「時間がありません、詳細な説明はあとでしますから、始めさせてもらいますね、"皆この杯から飲め、これはその罪が許される様にと多くの人のために流す血、契約の血である"」

士郎がいうと同時に、部長の右手の甲とに刻印のようなものが浮かびあがる

「これは…?」

「令呪です、部長は、キャスリング完了し次第、それを使用して俺を呼んでください」

「えぇ、わかったわ」

うなずく部長。そして、面々が動き出した。


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