ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第三十七話 紅に従う影の龍

放課後の部室には、オカルト研究部の面々と生徒会のソーナ会長がいた。

 

「ということなので、しばらくシンガポールに行ってきます」

「えぇっ!?どうして士郎ばっかり!?」

「仕事だって言っただろ、イッセー、それも一週間の」

イッセーと言葉を交わす士郎。

「大体の事情は理解させてもらったわ」

「えぇ、精一杯お仕事してきてください」

そういう部長と朱乃さん。

「まいど、申し訳ありません、部長に朱乃さん」

謝る士郎にソーナ会長が事前にサーゼクスから渡された手紙に目を通す。

「さてと、大体は、理解させてもらいました――生徒会として、一介の生徒を特別視するわけにはいきませんが、状況が状況です、短期留学ということで教職員の方々にこちらから話を通しておきたいと思います、いくつか後で書類を書いてもらいますね」

「ありがとうございます会長、恩にきります」

「いえ、四大魔王様直々の勅令とあらば、こんぐらい容易いことですよ」

「さすがですね」

「では、私はこのあと会議がありますので、これで」

「えぇ、では」

部屋から立ち去っていくソーナ会長を見送る。

 

「さてと――んじゃあ、話も終わったみたいですし、俺は少し気分転換にコーヒーでも飲んできますわ」

「あら、いってらっしゃい」

そういって、部屋を出ようとすると

「士郎君、ぼくもいいかな?」

「ついでに俺も」

木場とイッセーがついてきたがっている

「まぁ、いいぞ」

そういうと男三人、校舎の一階にある自販機に向かってあるく。

 

 

 

自販機前――

 

「さてと、どうしたおまえら?」

「ちょっと、聞きたくてね」

「まぁ、男同士の話ってやつだ」

いつになくかっこつけているイッセーに若干不気味さをおぼえるが、最近では言動と身形が合致してきたので特にいうことはない。

「それで、聞きたいことってなにさ?」

コーヒーを開けながら聞く士郎。

「最近、士郎見てるとな――どうも俺らと違う世界だなって思ってな、士郎、お前はどこの世界に生きているんだ?」

どこぞの漫画のようなセリフを平気(マジ)な顔して聞いてくるイッセー。

「何処の世界と言われても、俺は真っ当な世界に生きているが?」

「真っ当な世界か…なら、士郎君」

「ん?」

今度は木場が聞いてくる。

「その濃密な殺意をコートのように纏っているのは、どう説明つけてくれるのかな?」

「…わかるのか?」

「なめないでほしいこう見えてもグレモリーの騎士だ」

「・・・・・・」

そういうと、士郎は少し大げさにではあるが溜息をつき。

「気付いていたようだな――まぁ、言いたいことはわかった、それにこたえるとしよう、確かに俺は二人の言う通り、この稼業をやり始めてから、人を何人も殺している、この手で」

「「なっ!?」」

「訳は聞くな――いいな」

士郎は二人にそう念をおし、その場から立ち去った。

どこか二人の視線はどことなく心配そうな瞳をしていた。

 


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