ハイスクールD×D/Re:Zext Night 作:有栖川アリシア
第三十一話 王女と気ままな騎士と
「それにしても、最近は忙しいよな~」
「えぇ~けど、教会にいた時より、ずっと楽しいですよ、イッセーさん」
「だろ?どうする、今日はゲーセンでも行く?アーシア?」
「いいですね~木場さんたちとかも誘っちゃいます?」
「いや、あいつはなんか用があるみたいだったぜ」
「用?ですか?」
「あぁ」
其の時、イッセーはなにかに気づいた
イッセーの方に向かってくるのは怖そうな黒衣の男性
「アーシア・・・」
その、異質さを察知したのか、イッセーの後ろに身をひそめるアーシア
スーツを着た強面の男はイッセーを呼び止めて、むなポケットから少年の写真を見せ
「こいつを知っているな?」
そこに、写されていたのは黒い長い髪、特徴的な中性な顔立ち、いい感じに着こなされた制服の少年が写っていた
「(…この顔は…士郎)――いいや、しらないな」
「そうか…ありがとう」
そういうと、その男性はコートの襟を口元に寄せて
「こちらサルファ、確認できず、第二行動に映る」
その場から立ち去った男性を見送るイッセーであった
学校から帰り、昼飯の支度をしようとしていた頃
ゴトッ!
ポストに手紙が入る音が廊下に響いた
「―――誰からだ?」
上質な紙でできた青い封筒に、金色で宛名が英語で書かれたいた。
宛名は士郎本人だった、差出人を確認すると差出人はなく、封筒の端っこに、小さく鷹とライオンの紋章みたいなのが書かれていた。
「――俺宛だよな、けど、これが示すのって
少し差出人に驚いている士郎、そして肝心の本文を見ると
"来なさい"
文章はそれだけだった
「(来なさいって、おいおい、英国にか)」
直感が何かを告げ、その場からいや、家から抜け出そうとする。士郎は思いっきり玄関の扉を開けて外に飛び出そうとすると
ピンポーン!
唐突に玄関のチャイムが鳴った
あまりにも出来すぎている事象に、少し驚く士郎
「(嫌な予感がしない…)」
無視していてもしょうがないから士郎は応答を返す。
「はーい」
「丹羽士郎様でいらっしゃいますでしょうか?」
「はい、どちらさまで?」
そういいながら、玄関のドアを開けて外に出ると
そこには、巨漢もとい、黒服の男の人がいた
「……あの、どちらさまで?」
「こういうものです」
黒色の手帳を開き、こちらに見せる。そこには、SPと書かれていた
サングラスをつけたその男性は、士郎を拘束しようとする
そんな中
「ったく、あんた達なにやってるの――!?対象が怯えているわよ?」
後ろから女の人の声が聞える、視線をやると、そこには黒髪ロングのパンツスーツを着た女性がそこにいた
「はっ、申し訳ありません」
その女の人に士郎を拘束した男性は謝る。彼女は、近づいてきて、口を開いた
「あぁ~丹羽士郎君ね?」
「はい、そうですけど」
「さっき紹介があったけど、私達はこういうものね」
再び、SPと書かれた手帳を見せてくる
「んで、どのようなご用件で?」
「アレ?もしかして知らされてない?」
「何も知らないんですけど…?」
「あら~んじゃあ、英国王室からなんか手紙とか来たよね?」
「これですか?」
そういうと、その手紙を渡すと
「えぇ、これよ」
「んで、それが何か?」
「あなたを英国まで護衛しなければならないの」
「なぜに!?」
「それが私達の仕事だから」
「はぁ・・・」
「とにかく車に乗って頂戴、成田空港に行くから」
「えっ!?んじゃ、準備!?」
「その必要はないって英国王室から指示が来てるから」
「あっ、はい」
そういうと車に乗る士郎
車に乗る士郎、その隣には、さっき拘束しようとした男性と、話しかけてきた女性が乗った
ちなみに、パスポートは持った
「出して」
そういうと車が走り出した
走り出して数時間後、無事何事もなく成田国際空港に着いた
成田空港の一角の席で士郎は両側に男女に挟まれながら座っている
「あの、チケット買ってないんですけど…」
「あぁ~それは大丈夫、今、出国手続きしてるから」
「えっ?チケットは?」
「特別なチケットだから、あなたには無理だわ」
「あの、何で行くんですか?」
「政府特別便だけど・・・?」
一瞬、思考が固まった
「(政府特別便だと・・・)」
「あの、俺ってどんな待遇されてるんですか?」
「う~ん、VIP待遇?かな」
「アハハハ…」
手続きの方を見ると、なにやら受付の人に、手帳となにやら封書を見せていた
それをみて、青ざめる受付の人
その後に、後ろからスーツを来た人がやってきて、黒い巨漢の護衛となにやら物々しい話をしていた
少し笑うしかない士郎。すると、いつの間にか出国手続きは終わっていた
「んじゃあ、乗るけど身体検査があるから」
「了解です」
そういうと、ケータイと財布を乗せ、流す
何事も無く、出国審査は終わり
そして、士郎は警護されながら搭乗ロビーに向かう
「なんかほしい物とかある?」
「いえ、自分で買いますよ」
そういうと、財布を取り出してコーヒーを一杯買った。ちなみに、こういうのは士郎が悪魔稼業で手に入れたお金で買っている。
「あら、BLACK?」
「えぇ、まぁ」
そういうと、士郎はそれを飲み始める。その隣では、護衛の女の人も揃って飲んでいた。遠くから見れば渋い光景だ
そんな中、護衛に一人、フライトアテンダントが近づいてきた
「お客様、手配が完了しましたのでこちらへ」
そして、護衛と共に、飛行機に乗り込んだ
それから二十分後、英国へとエンジン音と共に飛行機は飛び立った
ここからイギリスまでは約12時間の長いフライトの旅だ
飛行機の中
「英国まで12時間よ」
「わかりました」
「ちなみに、機内食が出るけど、こちらで決めちゃったけどいいかしら?」
「特に問題ないのでいいですよ」
そういうと、士郎は本を読み始める。それから、数時間経った時
「何か飲む?」
窓を見ると眼下には雲とユーラシア大陸が見えた。護衛の女の人が話しかけてきた
「んじゃあ、緑茶お願いします」
「わかったわ」
そういうと、後ろに取りに行く女の人。そして、菓子と一緒に緑茶が出された
「ありがとうございます」
お礼をいう士郎。
約9時間後、英国ロンドン国際空港に飛行機は着陸した。
ちなみに、あまり気づかれないようにとのことで黒いスーツ姿に着替え、飛行機を降りた
そして、ロンドン国際空港
どうやら、日本のSPと英国のSSの人がなにやら引き継ぎをしていた。こちらのSSと思われる金髪の女性が、ここまで送ってくれたSPの黒髪の女の人と話していた
「(それにしても、物々しい限りだな……)」
そう思いながら、空港の待合室にいる士郎。引継ぎが終わったのか、SSと思われる金髪の女性がこちらにやってきた。ちなみに、ここは英語圏だが、悪魔の特典の一つで、聞きなれた言語として受け入れられるという特典があるため、日本語を話す聞く感覚で聞いていても問題ないのだ
「あぁ~丹羽士郎君ね?」
「はい」
「王室警護隊特別警察よ、あなたをバッキンガム宮殿まで護衛するわ」
「わかりました」
そういうと、物々しい雰囲気と共に士郎は周りに黒尽くめの人たちに囲まれながら空港の中を歩き出した。というものの
「(王室警護隊特別警察にバッキンガム宮殿って、俺なんかしたか?)」
思わず自分の罪を考えてしまう士郎。
それから、空港の駐車場から出てきた一台の車に乗りこみ、一路バッキンガム宮殿に向かった
「此処がイギリス。曇り空はやはりデフォルトか。」
士郎は空港から出て、車の中からイギリスの街並を見ていた。二階建バスが走っていて、公衆電話が多かった。
道路は石畳で家と家の間が狭かった。全体的に古めかしいし、日本では見られない光景だ
「(あれがビックベン……。魔術的要因やら効果があるのか?)」
士郎は右手にある巨大時計台、ビックベンを見ながら心の中でつぶやく。そんな風に見ているとすぐにバッキンガム宮殿に到着した
「おぉ~」
その大きさや豪華さに少し驚いている士郎、バッキンガム宮殿の屋上、宮殿の屋上に王室旗が掲げられているから女王または王が在宅しているようだ
「これから、接見の間に案内するわ」
「はい…あの、いまだに気になるんですけど、この手紙の主は・・・?」
「手紙?」
「えぇ、なんかここからおくられたみたいなんですけど」
そういうと、日本から持ってきた手紙を見せると
「…これは、王女様からじゃない!?」
「って、ここの王女様からですか!?」
「そうね、見る限るそうだわ」
「(どんだけ…なんか悪い事したか?)」
そう思いながら、護衛の人に連れられ接見の間に向かう。接見の間に向かう廊下の両脇には衛兵がずらりと並んでいた。ものすごく物々しい雰囲気なるそれほど、ここの警備は厳重なのだろう、それを裏付けるように、とある一線を画しした瞬間から、CTスキャンのように何かで体を検査された主に魔術みたいだが、そこは士郎の効果というか、魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。自身の意思で弱め、有益な魔術を受けることも可能。なお、魔力によって強化された武器や、魔術によって作られた武器(士郎の投影魔術など)による物理的な攻撃は効果の対象外の対魔力のスキルを発動させてそれを無効化した。まぁ、少しばかりは怪しまれているのは変わりないが、この状況で対城宝具の約束された勝利の剣エクスカリバーや、無銘にして究極の剣の乖離剣エア、またはワルサーWA2000でも出そう物なら、すぐに蜂の巣にされるのが関の山だ
それにしても、王女様が呼んだって事は、士郎にゆかりのある人物だが、祖先にそんなものすごいことした先祖はいないし、もしいたとしても、それは士郎の耳にすぐに入ってきてるはずだ
「あの、この服でいいんですか?」
「えぇ、王女様がそう申し上げていますので」
「王女様自身が?」
「えぇ」
そういうと、何事もないように接見の間に向かう士郎と護衛の面々
「(あまり、良いことじゃない気がするな・・・そう、なんだろ某英雄目指したやつが外道神父の娘に捕まった時みたいな・・・感じだな)」
ガチャ・・・
豪華な扉を開ける、そこに居たのは、そこいら辺の少女と変わらないフツーの私服?というか少し高そうな洋服に身を包んだ、金髪の少女がいた
「おひさ~士郎、遠路はるばる英国へようこそ~」
この軽いノリ、どこかで聞いたことがある声、それに印象的な金髪、いや白金色プラチナブロンドの髪、サファイアブルーノの大きな瞳に、スッと通った鼻筋。薄クリップを塗った艶やかな薄桃色の唇。間違えるわけがない彼女だ。
「アルビス――」
「そだよ~正確には、英国王女アルビス・ウィンザー・クロイツェフで~す」
「(マジか・・・同僚に王女様だなんて・・・)」
手を顔に当てる、あまりのことに何も言えないのだ。そんな中
「さっそくで、申し訳ないけどお茶淹れてくれる?」
「紅茶?」
「そうよ」
「了解、少し時間がかかるがいいか?」
「えぇ、問題ないわ」
そういうと、紅茶用のティーセットを温めて始める士郎
紅茶を注いだときに、カップのせいで紅茶が冷めるのを防ぐためだ
それから温まった頃合を見て紅茶を入れ始める士郎
どうでも良いが、紅茶を入れる姿がとてもよく似合っている。
士郎は手に持っていた紅茶セット一式とクッキーを載せた皿をテーブルに置いた。
紅茶を入れ終えた士郎はアルビスたちの対面のソファーに腰を下ろす。
アルビスは士郎の入れた紅茶を手に取る。
さすがは英国王室といったところか、その堂々とした所作はさすがというしかない。
「これは・・・」
アルビスが驚いた。
それを見た士郎がしてやったりなニヤリ笑いを浮かべている。
「・・・士郎?」
「はて?北欧の王室の令嬢のお口には合わなかっただろうか?茶葉もこの城にあったものを使ったのだが?」
「いえ、そんなことはないけれど・・・まさか紅茶のゴールデンルールを知っている人がいるなんて・・・ねえ士郎?貴方に個人的にも興味が出てきたんだけど、一体どこでこれほどの技術を?」
「私の母親に当たる人が紅茶にも食べ物にもうるさかったというだけのことだ」
「その人すごいわね?」
「まぁな」
そう言いながら、クッキーを食べながら話し始めるアルビス
「それで、本題に入るけどいいかしら?」
「むしろ、その本題に関係があるから呼んだんだろ?」
「あらあら、お見通しかしら?」
「そこまでのことではないさ――それで?」
士郎が聞くと、アルビスは自分の机デスクに付けられている棚から一枚の写真を取り出す。そこには、西洋の古城のようなものが撮されていた。
「西洋の城に見えるが、なんか新しくないか?」
「あら、わかるの?」
「あぁ、レンガも甘いし、それにこの城の尖塔にアーサーの紋章がないからな」
「鋭いわね~惚れ惚れしちゃうわ」
クッキーを食べながら言うアルビス。
「どうも、それでこの城がどうかしたんだ?」
「実は、数日後ね、ここに調査に入る予定だったんだけど――先遣隊がね」
そういうと、もう一枚の写真を取り出す。そこには、スーツ姿の男性たちが氷漬けにされたり、重度のやけどを負ったりしている姿があった。
「・・・ひどいな」
「えぇ、ひどすぎるわ、こんな事されたら魔術師の評判が下がっちゃうわ」
「だな・・・それで?ある程度仕事の内容は憶測がつくが一応説明頼む」
「言われなくてもね、仕事内容はこの城の調査、邪魔者、妨害者がいれば躊躇うことなくやっていいわ、それだけよ?」
「シンプルで尚且つわかりやすいな」
「えぇ、ぴったりでしょあなたなら?」
「まぁな、言っておくが俺はテロリストや都合のいい清掃業者じゃないからな?」
「わかっているわよ」
紅茶をすするアルビス。士郎は、立ち上がって部屋を去ろうとすると
「まぁ、少し落ち着きなさい士郎、まだ説明は終わっていないわよ?」
「まだ注文でもあるのか?」
「いや、注文っていうよりかは、後処理ってところね、まずにこれ」
そういうと、書類になにやらサインして、士郎に向けてライオンのバッジを放り投げて渡してくる。
「ん?これは?」
「胸元につけておきなさい、なんかの時に役に立つから」
「了解っと、そういや、この状況だと、駒王の方に連絡は行っているのか?」
「えぇ、行っているわ、一応国家公務だしね」
「まさか、公務員バッジかこれ!?」
「なわけないでしょ?もっと上のものよ、現すとすれば
「ちょ・・・偉いところまで行ったな」
「ま、成功したらあげるけど、失敗したら返してよ?」
「今回のって失敗したら、DEAD ENDだから、こっちにまわしたんだろ?」
「う・・・そこいわれるとね」
頬をぽりぽりと掻いて、申し訳なさそうな顔をするアルビス。
「と、とにかく、お願いね士郎!」
「おう、任せておけ」
そういうと、士郎はその部屋を後にした。そして、出口に向かっていると
ザワザワ…ザワザワ…
少し広い広間のところでは、アルビスと同じ髪色のドレス姿のおっとりとした抜群のプロポーションを持つ大人の女性がなにやら、シルクハットの男性やヒゲを生やした男爵さんと思わしき男性たちとにこやかに談笑しているのが見えた。その周囲では、スーツ姿の男性やメイド服姿の女性たちが忙しなく動いていた。士郎は気にせず通過しようとしたとき
「あら・・・」
その女性と目があった。目が合うと同時に、こちらににこやかに笑いかけるその女性。士郎はその時、その人からただならぬ雰囲気を感じ取った。そして、微笑みを返し、士郎はそこから足早に立ち去る。士郎は、庭を抜けて外を出ようとすると
「すまない」
「ん?」
不意に声をかけられる。士郎はそっちの方を振り返ると車椅子に乗ったゆったりとした白い服を着た黒髪は肩にかかるぐらいで切りそろえており、細面でどこか中世的な印象を与える肌は白くやや痩せている少女がこちらに話しかけてきた。
「どうかされましたかな?」
士郎は彼女に駆け寄る。
「申し訳ないね、少し車椅子を動かすの手伝ってくれてもいいかい?」
「えぇ、いいですよ」
「案内するから、私の部屋まで頼む」
「よろこんで」
ゆっくりと彼女の車椅子を彼女の部屋に向けて押す。とはいえ、士郎は彼女の闘気をひしひしと肌で感じる。
「ありがとう、君の名前は?」
「丹羽士郎です」
「丹羽士郎か、というと日本の?」
「えぇ、ちなみにあなたは?」
「私は、アルフォード・バルムンクさ、よろしく」
「アルフォードさんですか」
彼女に目を落とすと、白い肌から黒い痣が見える。
「(呪い――か)」
と思ったとき
「見苦しいものを見せてしまったね」
「わかるんですか?」
そういうと、彼女から清澄な闘気が放たれるが。言わなくても理解してくれと言いたげだ。
「あぁ、昔は女王陛下の騎士だったんだけどね、数年前の戦いで呪いを一身に受けてしまってね、君も関係者なんだろ?」
「見抜かれていましたか」
「わかるよ――ここだ」
そこは、宮殿のはずれの方の誰もが落ち着いて生活を送れるような場所だった。
「では、ドアを開けますね」
「あぁ、すまない」
ドアを開けると、そこには、最低限の家具しか置いていない簡素な部屋が現れた。壁の一面には煉瓦造りの暖炉がある。
士郎は何も言わず彼女に肩を貸す
「ありがとう」
「いえ」
そういって、彼女を介抱しながらベットに寝かせる。当然のことだが、彼女の顔色は悪い。
「――大丈夫ですか?」
「あぁ、いつものことさ」
「いつものことですか――」
遠くを眺める彼女。そんな中
「あの言いにくいならいいですが、どんな任務だったんですか、その呪いを受けたのは?」
「あぁ、ロンドン北部にある未開の古城の調査に行った時ね――たまたま敵の攻撃を受けてってことさ」
「そうなんですか」
「そういえば、君は?」
「これから古城調査ですよ」
「こう見えても騎士だったから、道先案内を出来るといいんだけどね――ッ!!」
そういうと、急に咳き込みだし、発作を起こす彼女。
「ッ!!」
顔色はだんだんと病的に悪くなっていく。
「一か八かだ!!
そういうと、士郎の周囲に黄金色の粒子が集まり、それが翠色のローブになりそれがベットに横たわる彼女を包み込む。すると、彼女の顔色もかなりよくなる。同時に、その身体の痣が消えていく。
「(こりゃ驚いた、まさか
ゆっくりと息を戻していく彼女。
「(あとは、大丈夫だよな――)」
士郎は、彼女の手をゆっくりと握って脈を測る。
「(問題ないな――)」
確認すると、バッキンガム宮殿から出た。相変らずイギリスは曇り空が定番みたく曇り空だ。周りには観光客もたくさんいる。その中で士郎だけが真っ黒のスーツに真っ黒のコートというなんとも物騒な姿だった。しかも、その外見年齢から周りからは奇異な視線で見られた。
そんな中、周りから見えないように、隣りにアルトリアが現れた。
『ただならぬ雰囲気でしたね』
「あぁ」
道路を歩きながら言う士郎。
『それで、どうされるんですか?』
「どうもこうも、すぐに終わらせるに決まってんだろ?」
『あなたらしいですね、では、その前に腹ごしらえと行きましょうか?何事も、腹が減っては戦はできませんからね』
「お、オススメでもあるのか?」
『えぇ、英国ですが美味しい
「へぇ~なら、そこ言ってから"本丸"にでも行きますか」
『そうですね、そうしましょうか』
そういうと、アルトリアに先導され、その店に向かった。