ハイスクールD×D/Re:Zext Night 作:有栖川アリシア
その日の放課後――
「や、どうも――」
「(おや、珍しいことだ)」
半眼で兵藤一誠を訪ねて来た男子を見る、どうやらやってきたのは、クラス違いのこの学校一のイケメン王子、木場祐斗だ。
廊下や教室の各所から木場に対して黄色い歓声が沸いている。非常に鬱陶しい。
「で、何のごようですかね?」
「リアス・グレモリー先輩の使いできたんだ」
「(おっと…)」
「――OKOK、で、俺はどうしたらいい?」
「僕についてきてほしい」
まさかの的中に驚く士郎。同時に、女子からもわけのわからない悲鳴があがる。
「あーわかった」
それから、二三言葉を交わし、兵藤一誠は、木場に連れて行かれる。
「(ま、俺は見放されたのかな?)」
と思っていると、今度は男子女子問わず黄色い声が上がる。それに不思議を覚えた士郎は、廊下の方を見てみると
「失礼します、丹羽先輩はいますか?」
教室に現れたのは、この学園のマスコットと名高い銀髪小柄な体型の一見小学生にしか見えない女の子、搭城小猫だった。
「あぁ、俺ならここだ」
ゆっくりと顔を上げる。すると彼女が近づいてくる。
「グレモリー先輩の使いできました、ご同行願います」
「わかった」
とゆっくりと立ち上がると
「カバンも持ってきてください」
「了解」
そういうと、鞄を持って彼女についていく。そして、向かった先はあのいわくつきの旧校舎だった。
旧校舎二階に案内され、最奥の教室に向かい、どうやら到着したらしく足を止める塔城
「ここです」
「ここ?」
プレートには"オカルト研究部"と書かれている。またこれまたおっそろしい名前だなと思いながらいると
「部長、連れてきました」
塔城は、中の確認取ると
「ええ、入ってちょうだい」
中から声が聞こえる。それから、塔城のあとに続いて中に入る士郎。
「(こりゃ、マジかよ――)」
床、壁、天井いたるところに謎の文字が書き込まれいる。そして、特徴的なのは、教室の大半を占める巨大な魔法陣らしきものだ。不気味さと異質さを最大級に感じる中
『おやおや、こりゃ驚いた、久しくやつらの魔法陣などを見ておらんかったからな――』
「(やつらって?)」
『悪魔じゃよ、悪魔――』
「(ふぅーん)」
心の中で会話しながらいると、視界に鼻下を伸ばした兵藤一誠がいた。それから、シャワーを浴び終えたと思わしき服装で、ここに呼んだ張本人が現れる。
「これで、全員揃ったわね、兵藤一誠くん、いえ、イッセーと、丹羽士郎くん」
そして、周りを見わたすリアス・グレモリー先輩。
「は、はい」
「はい」
「私たち、オカルト研究部はあなたを歓迎するわ」
「え、ああ、はい」
ありきたりな返事をした直後
「悪魔としてね」
「(ハハッ――困ったものだぜ)」
その言葉を士郎は純粋に理解できなかった