ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第二十九話 不運な信徒と共同戦線

士郎は普通のジーパンと白いTシャツとかなり普通な服装に着替え、ジャケットを羽織り、外を歩いていると。

 

「えー、迷える子羊にお恵みを?」

「どうか、天の父に代わって哀れな私たちにお慈悲をぉぉぉぉぉ!」

商店街にバカ二人がそこに居た

 

「(こいつら・・・)」

絶句する士郎。とりあえず物陰から観察する。

「なんでことだ。これが超先進国であり、経済大国日本の現実か。これだから信仰の匂いしない国は嫌なんだ」

「毒づかないでゼノヴィア、路銀尽きた私たちはこうやって、異教徒どもの慈悲なしでは食事も摂れないのよ?ああ、パン一つさえ買えない私たち!」

「もとはといえば、お前が詐欺紛いのその変な絵画を購入するからだ」

喧嘩しかけているバカ二人

「なんだと、異教徒め」

「何よ、異教徒!」

そして、喧嘩を始める二人

「まずは、どうにかして腹を満たそう。そうしなければエクスカリバー奪還どころではない」

「…そうね。それじゃ、異教徒を脅してお金をもらう?主も異教徒相手なら許してくれそうなの」

「寺を襲撃するのか?それとも賽銭箱とやらを奪うか?どちらも止めとけ。ここは剣を使って大道芸でもしよう。どの国でも通じるインターナショナルなご楽だ」

「まぁ、その果物がないわけだが、仕方がない。その絵を切るか」

「ダメ!これはダメよ」

再び喧嘩を始める二人

 

「(絵画騙され、購入するとか…ダメだこりゃ)」

士郎はなんとか、気を取り直して二人のところに向かった

 

「――おい、お前ら?」

「この声は士郎?」

振り向くイリナ

「とりあえず、俺についてこい」

「また外食だな」

 

士郎は、そこいら辺のファミレスに入った

 

それから

「うまい!日本の食事はうまいぞ!」

「うんうん!これよ!これが故郷の味なのよ」

唖然とする士郎。ガツガツとファミレスで注文したメニューを腹に収めていく二人

少し、自分の財布が心配だ

心配ではない――心配すぎて胃痛が…

 

「やはり君は優しいな、それにしても、悪魔に救われるとは、世も末だな」

「それはどうも、お節介さんなんでね、それとこの世が末なのは、元々さ」

周りの奇異な視線はなく、あるのは羨ましそうな視線、そりゃそうだ、美少女にが居るからだ

「あとで、ご飯代は会計に下ろしてもらっておくわ」

急に話が生々しくなる

「いや、大丈夫、ここは俺の奢りでいいさ」

「エッ?また、持ってくれるの?ありがと?」

そういうと抱きついてくるイリナ

 

周りからの視線がものすごく痛い

「とりあえず、こっちから提案があるんだがいいか?」

「ん?なんだ?」

「とりあえず、現状戦力じゃ――おっと、忘れてた」

士郎は結界を貼る

「それで、提案とは?」

「簡単な話だ―戦力の追加を提案したい」

「・・・ということは、赤龍帝の力を借りるのか?」

「聡明だな、エクスカリバーの奪還なら、その中に破壊が含まれているはずだ、そんなら、こちらといっても、私は気が進まないが、意図的に兵藤を暴走させて、一気に肩を付けるという手もあるからな―正直言えば、俺も辛いところがあるからな」

「それならいい」

「ちょっと、ゼノヴィア。いいの?一誠君とはいえ、悪魔なのよ」

「イリナ、いくら彼とはいえ、3本回収とコカビエルの戦闘は辛い」

「それはわかるわ。けれど!」

「落ち着けイリナ」

士郎は興奮するイリナをなだめる

「よく考えてみろ、とりあえず、お前らは3本の聖剣エクスカリバーを破壊して逃げ帰ってくればいいだけだろ?それに、あっちだってこちら側、つまり悪魔、堕天使側にわたるのを恐れているだろ?」

「それは、前説明したぞ」

「それと、信仰は、いつもベストなカタチで動き出すだっけ?――任務を遂行しれ無事帰ることこそが、本当の信仰じゃねぇのか?生きて、これからも主のために戦う――違うか?」

士郎は、問いかけるように言う

「――わかったわ」

イリナが頬を赤らめながら体をもじもじさせ顔を俯かせながら言った

「OK,んじゃあ、俺の仲間でも呼ぶかな?――もしかしたら、お連れ様も来るけど」

そういうと、士郎は電話を入れた。

 

 

prrrr!!prrr!!

イッセーの携帯が鳴ってる

ガヤガヤガヤガヤ

イッセーの隣にいるのは、小猫と生徒会の匙

『――あぁ?もしもし』

イッセーが電話を取ると、聞こえたのはシロウだった

「はい、士郎どうかしたのか?」

『イリナとゼノヴィアから、破壊の許可貰った、今後の方針も話すから、俺のいるファミレスまで来て欲しいんだけど』

「うん?あぁ、タイミングよすぎだろ、俺らも今二人に貰いに行こうとしてたところだ」

『ハハッ、マジか、タイミングよすぎだな、んで、俺らって言うからには誰かいるのか?そっちに?』

「いま、小猫ちゃんと匙がいる」

『OK,十分だ、お前ら今どこにいる?』

「ファミレスだけど」

『どこの?』

「商店街の」

『ハッ?』

「おい、どうした士郎?」

『俺らもいまファミレス』

「マジか?」

『マジだ』

 ・

 ・

 ・

「『ここかよ!』」

 

そういって、士郎は立って、振り向いて探すと

 

いた―――それも士郎らが座っているところから、一個テーブルが離れた左隣の席に

 

 

「―――まぁ、とりあえず話は分かったよ」

コーヒーをすする木場

 

士郎は、木場に"今、聖剣使いといる、ファミレスにこいや"と伝えると文句言わずにファミレスに顔を出してくれた

 

「んで、とりあえず、話をするぞ、木場――よく聞いとけ、それと、イリナ、ゼノヴィア、今から言うことお前らも知っての通りだが、本来はこちら側、つまり悪魔側が知るべき情報じゃない情報を話す」

「「「???」」」

3人とも困惑した表情になる

「聖剣計画における被験者の処分事件――犯人は、教会側で最大級に嫌悪されたもので、当時の責任者は異端の烙印を押され、今は堕天使側の人間だ。当時責任者の名前はバルパー・ガリレイ『皆殺し大司教』と呼ばれた男だ――そして、許可したのが当時ローマ教皇だったのマタイ=リースと ペテロ=ヨグディス枢機卿だ、こいつらもまさかだったが、計画の内容、行程、そして、処分に関することまでしっていた、俗に言う黙認って形でGOサインを出したのはあいつらだ、それと、暗部組織―神の席のフィルセンも計画を黙認していた」

「・・・そんな、教皇様までもが」

ゼノヴィアが顔を引きつらせる

「あぁ、教皇が黙認していた」

 

彼らが所属しているのは、ローマ正教、カトリック・プロテスタントあるがローマ正教は、もともと十字教旧教三大宗派のひとつで、魔術サイド最大勢力。

世界113ヶ国に教会を持ち、実に20億を数える教徒を従えているが、その大半は魔術もしくは悪魔について知らない。

その多勢からか、「世界の管理と運営」という独自の方向性を持っており。 自分達以外の者は、他の十字教宗派も含め全て『異教徒』と断じているかなり過激な思想の集団。 洗礼を受けたローマ正教徒以外の人間と結婚すると、獣姦罪に問われるというのだからたまらない。 『異教徒』であれば何ら処刑も躊躇わない危険人物も多数おり、 同教の者さえも強引に『異端』の烙印を押して処刑してしまう事すらある過激組織なのだ。

 

「まぁ、この流れだと僕も情報を提供したほうがいいようだね。先日、エクスカリバーを持ったものに襲撃された。その際、神父一人を殺害していたよ。やられたのはそちらのものだろうね」

『!』

士郎以外を除いて全員驚いてる

「相手はフリード・セルゼン。この名に覚えは?」

「なるほど奴か」

「フリード・セルゼン。元ヴァチカン法王庁直属のエクソシストだ。十三歳でエクソシストになった天才。悪魔や魔獣を次々と滅していく功績は大きかったわ」

「だが奴はあまりにやりすぎた。同胞すらも手にかけたのだからね。アイツに信仰心なんてものは最初からなかった。あったのはバケモノへの敵対意識と殺意。異常なまでもの戦闘執着。異端に駆けられるのも時間の問題だった」

「それにしても、フリードは奪った聖剣を使って私達の同胞を手にかけていたのか。あの時のツケを私達が払うことになるとはね」

忌々しそうに言うゼノヴィア

「まぁいい、とりあえず、エクスカリバー破壊共同戦線といこう」

そういうと、ゼノヴィアが連絡先を渡し、士郎らは商店街を去った

 

数日後――

表の部活動が終わり、ここからは、士郎らの時間だ

 

士郎とイリナがいるのは現在商店街近く

「――この殺意・・・」

士郎の直感スキルがそう告げていた、士郎はイリナたちを連れて走り出した

 

 

「ガウェイン――この気配」

「えぇ、王、尋常じゃないですね」

「そうですね、では向かうとしましょう」

バイクに乗った二人、一人は金髪の男性、もう一人は見た目麗しい男装の女性

 

「ふぅ、今日も収穫なしか」

気落ちするように匙が言う

「・・・・・・祐斗先輩」

瞬間的に、イッセー、木場、小猫、匙の全身を寒気が襲う

「上だ!」

匙が叫ぶ、そのほうには長剣を構えた少年神父が降ってきた

「神父の一団にご加護あれってね!」

木場がすばやく魔剣をとりだして、フリードの一撃を防ぐ

「フリード!」

「!その声はイッセーくんかい?へぇぇぇぇ、これまた珍妙な再会劇でござんすね!どうだい?ドラゴンパゥワーは増大してるのかい?そろそろ殺していい?」

相変わらずイカレた調子の神父フリード

全員もと着ていた神父服とかを脱ぎ捨てる

「ブーステッド・ギア!」

『Boost!』

イッセーの力が膨れ上がる

「伸びろ、ラインよ!」

匙の手元から黒く細いラインらしきものがフリードめがけて飛んでいく

「うぜぇっス!」

聖剣でなぎ払おうとするフリード

 

「なら、これだ!」

フリードが腰のホルスターから銃を抜きそれを構えると、フリードの後ろに沢山の魔力球が現れる、その総数はかなり多い

「ヤバイ!」

イッセーたちに直撃コースだ

 

その時

 

『避けてください!』

4人の脳内にそれが響く、その直後、フリードに向かうように上空から膨大な魔力の斬撃がフリードのそれを吹き飛ばした

 

スタッ― イッセーたちの前に現れたのは、髪を解いたアルトリアだった

金色の髪が夜風に靡く、その姿はまさに美少女

「アルトリア・・・さん」

スーツ姿で剣を構えるアルトリア

「フリード・セルゼン、確かに、ハサンの言うとおり、外道ですね」

「外道――んな、こたぁしるか!」

そういうとフリードがアルトリアに斬りかかる

 

ガキッン!

アルトリアとフリードの間に入った白銀の甲冑を身に付けた青年がその剣を跳ね返した

「王を傷つけることは――この太陽の騎士ガウェインがゆるさない」

その瞳は獅子のようだった

 

「ほぅ、太陽の騎士、ガウェイン卿か」

この場に第三者の声が届く、そこには神父の格好をした初老の男が立っていた

「……バルパーのじいさんか」

フリードの言葉にアルトリアとガウェイン以外、全員が度肝を抜かした

「――バルパー・ガリレイッ!」

憎憎しげに木場は初老の男をにらむ

「いかにも」

堂々と肯定する初老の男性

「ここは、撤退だ。フリード」

瞬間的にガウェインの腕から抜け出していたフリード

「逃げさせてもらうぜ!次ぎあうときこそ、最高のバトルだ!」

捨て台詞をはいて逃げ出そうとするフリード

何かを感知したように、アルトリアとガウェインの二人が剣を上空に放り投げる

 

その時、後ろから来る二つの影

「逃がさん!」

すさまじいスピードで通り過ぎていくゼノヴィア

 

「――足止めご苦労!二人とも!」

上空に投げられた剣をダッシュジャンプで掴み、

「「ハァァァァァッ!」」

一気に二人でフリードに切り込んだ

 

「やっほーイッセーくん」

「イリナさん!」

後ろからイリナも駆けつける。

「フリード・セルゼン、バルパー・ガリレイ。反逆の徒め。神の名のもと、断罪してくれる!」

「ハッ!俺の前で憎たらしい神の名をだすんじゃねぇや!このビッチが!」

斬戟を繰り広げる士郎ら

「チッ!撤退だ!コカビエルの旦那に報告しに行くぜ!」

「元からそのつもり」

「あばよ!」

フリードが球体を路面に投げ放つ

カッ!目を覆うまばゆい閃光があたりを包み込み、士郎達の視力を奪った

視力が戻った時には、フリードもバルパーも消えていた

「追うぞ!」

士郎はそう言い出すと、人智を超えた速さで駆け出す

「イリナ!」

「うん!」

二人もついてくる

「僕も追わせて貰おう!逃がすか!バルパー・ガリレイ!」

木場も3人のあとを追って駆け出した


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