ハイスクールD×D/Re:Zext Night 作:有栖川アリシア
時が少し進み面々が球技大会を練習していた場所。
部長から少し離れていたところに木場。さらに対峙するように紫藤イリナとゼノヴィアがいる。それを囲むように結界が張られている
「では、はじめようか」
黒い戦闘服姿の二人、体のラインが浮き出ていた。紫藤イリナの持つエクスカリバーも日本刀の形になっている
部長の立場的に下僕の対応に困っていたところ、ゼノヴィアが私的決闘の提案を申し込んできたということになる。場所は旧校舎近くの球技大会練習場。朱乃さんとキャスターが結界を貼ってくれてるから、多少の無茶をできる。
士郎自身ではなく、あの二人がだ
「イッセー、士郎、ただの手合いとはいえ、聖剣には十分気をつけなさい!」
「「はい!」」
士郎とイッセーが返事をする
そんな中、木場は不気味なほど薄ら寒い笑みを浮かべていた
「・・・笑っているのか?」
「うん、倒したくて、壊したくて仕方なかったものが目の前に現れたんだ。うれしくてさ。フフフ、悪魔やドラゴンの傍に入れば力が集まるとは聞いてたけど、こんなにも早く巡り会えるなんてね」
「・・・・・・『
ゼノヴィアの問いに木場は答えない
「再開したら懐かしい男の子は悪魔になっていた・・・・・・ショックだったわ」
「そうか、だが間違いだな、さっきも見せたろ・・・・・・」
「まぁ、そうね、けど、かわいそうなイッセーくん、昔のよしみでイッセー君って呼ばせてもらうわ。そして、なんて運命の悪戯!聖剣の適正があって、英国に渡り、晴れて主のお役に立てる代行者となれると思ったのに!あぁ、これも主の試練なんだわ!久しぶりに帰ってきた故郷の地!友達が悪魔となってた過酷な運命!時間の流れって残酷だわ!でもそれを乗り越えることで私は一歩また一歩と真の進行を進めるはずなのよ!さあ、シロウくん!私がこのエクスカリバーであなたの罪を裁いてあげるわ!アーメン!」
そして、木場の足元から剣と鞘の装飾のような魔方陣が現れた。
「――我が剣は、そなたと共にある」
その中から現れたのは闇に染まりし暴君
「あなたは、セイバー・・・いや、アリトリアさん?まさか、協力してくれるんですか?」
木場が殺意をこめながらそういう。
「元よりそのつもりだ。「貴様の憎悪」――― この闇がそうだというのなら、 受け止めよう。身を委ね、貴様に力を貸そう、私にはその義務がある。 私の剣のせいで散った すべての命のために・・・・・・」
「では、お願いしようかな」
木場の周りに黒い魔力が渦巻き、木場の体に黒い鎧が展開される。
それと共に、木場の魔力が格段に上がる
「目が覚めたようだねアルトリアさん。 どう? 僕と融合して 生まれ変わった気分は」
『・・・・・・;長い夢から覚めたようです。目を逸らしていた現実と、ようやく向き合う覚悟ができた』
「驚いたよ。貴女ほどの人が、まさかここまで適合してくれるなんて」
『かつて私は理想を懐き、自らもまた諸人の理想たらんとした王だった。そんな希望に殉じた者だからこそ、真の絶望というものが理解できる さあ裕斗。今よりこの剣は貴方のものだ。貴方の求める絶望を、存分に紡ぎ上げましょう』
「そうだね」
第6感が危険であることを告げる。
「偽物を使う暴君か」
「『笑わせる、偽っているのは貴様の方だ』」
木場とオルタの声が重なる、どうやら深部まで結ばれているようだ。これは士郎でも予測できなかった事態だ。いよいよ状況が不味くなってきた、この状況で双方がぶつかりあったら、流石の俺も二人をかばってまであの状態の木場と交戦する余裕はない、だが、そんなこともおかいまなく
ギイッン!
ゼノヴィアに木場もとい木場オルタが斬りかかる。魔剣と聖剣がぶつかりあい、火花を散らす
「どうやらここは、我々にとって異端視されている神器ばかりだ。悪魔になったのも必然と言えるかもしれないな」
「『我らの力は無念の中で殺されていった同志の恨みが生み出したものである!この力で
「こちらもいくよ!イッセーくん!」
本気で斬りかかるイリナ。士郎も剣を構える。その剣は、
ガラティーンと
「行きますよ!」
ゴォォォォォオオオオオォォォォォン!
何もかもを燃やす太陽のごとく炎がイリナに向かう
「えっ!ちょ・・・これは!?」
イリナの顔がこわばる
その隣では
「燃え尽きろ!そして、凍りつけ!『
神速の動きでゼノヴィアに攻撃を加える木場に対し、四方八方から斬りかかってくる木場の攻撃を最小の動きだけで受けながしていた
「『騎士』の軽やかな動き、そして炎と氷の魔剣か。だが甘い!」
ギイィィィン!
「――ッ!」
木場の二つ魔剣を粉々にするゼノヴィア
「我が剣は破壊の権化。砕けぬものはない」
聖剣を天にかざし、地面に降り下ろすと
ドォォォォォオオオォォォン!
突然、足場が激しく揺れて、地響きが発生した
そして、ゼノヴィアが聖剣を振り下ろしたところにクレーターが生み出されていた
「これが私のエクスカリバーだ。有象無象の全てを破壊する、『
「(あれが、聖剣の一角か・・・・・・;)」
再び追撃を食らわそうとするゼノヴィアだが
「――ッ!」
一気に距離を空けるゼノヴィア
「ふん・・・逃がさん!」
木場が剣を振り上げると巨大な黒い波動が現れ、ゼノヴィアを吹き飛ばした
「(あれは!
士郎は、木場の繰り出した技を知っていた
「ゼノヴィア!」
叫び声を上げるイリナ
木場の方を見ると、その瞳には憎悪と執念の影は今だ消えてなかった
「よそ見してる暇はあるのかな!?」
相変わらず真顔で攻撃を加えてくる
「破壊――か・・・」
戦闘の中、木場がそう呟く
ゾクゾクゾクッッ!
背中に寒気が走る、うっすらと、木場の姿が揺らぐ
「な、なに・・・この魔力は・・・!」
攻撃をしていたイリナが尻込みをする
「こ、これは・・・な、なんなんだ」
木場は剣を地面に突き立てている、それは黒と紅の
「『踏み砕く!』」
木場の姿が暴君の姿と一瞬重なった
「『誉であろう』」
黒い波動を飛ばして二人をを何度も貫こうとする木場
「巫山戯るんじゃねぇぞ!木場ァァァ!」
「「士郎!」」
それを、投影で出現した
「『我を阻むのか、なら、我が旭光の錆と消えよ!
ドギャァァァァァァン!
どす黒い光が空を貫いた
「持ってくれよ!――
手元から、光で出来た七枚の花弁が展開されるが――
「『侮るな―この剣は幾多の城壁を破った竜の息吹。貴様の手に負えるモノではない。』」
「――まさか!」
ギュォォォォォオオオオオオン!
途端に出力が上がり
「(こりゃ、ヤバい!)」
士郎はイリナとゼノヴィアを万が一のことも考え一気に突き飛ばし
「
ギャリイィィィィイイイイイリリリリィィィィイン!
シュゥゥゥゥゥウウウン!
そんな中、魔力が一気に段違いに下がると共に、手応えがなくなる。どうやら、木場の体力がもたなかったらしい。
ドサッ
「――く、畜生」
そういう言葉と共に、木場がその場から消えた
「深手を負ったか・・・・・・」
士郎は、地面に倒れた
「「「士郎!」」」
ゼノヴィアとイリナ、そして部長の声が重なる
霞む意識の中士郎は、ゆっくりと立ち上がる
「・・・・・・あと一歩というところまで追いつかれるとは・・・・・・戦いには勝った。だが・・・・・・負けたのは、オレの方かもな、しかし、驚いたな・・・・・・なかなか、やるもんだ」
「士郎大丈夫!?」
心配してくれてる部長
「えぇ、とりあえずは大丈夫です」
「治療は?」
「魔力の枯渇なんで、少し家で休ませてもらいますわ」
「わかったわ、十分休みなさい」
「すいません」
そういって、士郎は部長に一礼するとフラフラの足取りで裏の校門から家に向かった