ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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第十六話 グレモリーvsライザー 決戦前

決戦前日――

 

イッセー含めた部員たちは、特訓を早めに切り上げ部室に集まっていた。

「さてと、みんな特訓お疲れ、今日は大切な話があるわ」

「大切な話?それはなんですか?」

「ライザーとのゲームについてよ」

その言葉に面々に緊張が走る。

「今回のゲームに、士郎は参加しないわ」

『ッ!?』

一斉に士郎に視線が注がれる。

「部長、なんでなんですか?」

イッセーが部長に説明を要求する。そういうと、部長が口を開いたが、士郎が前に出た。

「イッセー、理由は簡単だ――俺がやりすぎたからだ」

「やりすぎた、あれだけでか?」

「あぁ、そもそもレーティングゲームは、戦術と戦略などを使ってお互い戦いあうゲームだ、そんな中に縦横無尽で動けて尚且つ王もひと捻りというやつがいたら、つまらんだろ、まぁ、自慢げにいえばチートになったから参加できないってことだ」

「チートってな…部長は納得したんですか?」

「えぇ、納得できないといけないけど、状況が状況だからね納得せざるを得ないのよ」

部長のその言葉に否応なく納得する。

 

「士郎はいいのかよ?」

イッセーが言葉を振ってくる。

「よくねぇ、に決まってんだろ、その為のあの特訓だ」

「あの特訓って」

「肌で感じただろ、あの殺意――あれが戦闘だ」

「あれが…」

木場がぼそりと呟く。

「そういうことだ、その為に、おまえらも託された筈だ、その力をな」

「力――ですか」

「そうだ、力だ、おまえらの特訓は無意味なものではない、その力でライザーを倒せ、いいな」

「あぁ、絶対アイツを一発殴ってやるよ」

「任せたぞ」

そういう士郎であった。

 

 

 

深夜十一時四十分頃――旧校舎部室

 

イッセー達は、旧校舎の部室に集まっていた。基本的に、アーシア以外の面々は全員学生服だ。

朱乃さんと部長は、ソファに座り優雅にお茶をしている。そして、開始十分前になった頃、部室の魔法陣が光だし、グレイフィアさんが現れる。

 

「皆さん、準備はお済になりましたか?開始十分前です」

グレイフィアさんが確認すると、皆が立ち上がる。

「開始時間になりましたら、ここの魔法陣から銭闘フィールドへ転送されます、場所はご存知の通り使い捨てフィールドなので、思う存分に暴れてください――それと」

「それと?」

部長が聞くと、少しにこやかな顔をしながら

「魔王サーゼクス・ルシファー様の仲介により、丹羽士郎のレーティングゲームへの不参加が取り消されました」

『ッ!?』

「これにより、丹羽士郎様のレーティングゲームへの参加が認められました、ただし――」

「ただし?」

「使用できる武器は、不死性を無効できるハルペ―および戦略級武具、およびスウィンドルになり兼ねない武器は、使用不可とさせていただきます」

「まぁ、妥当なところね」

「けど、ほかに手はある――」

含み笑いをしながらいう士郎

「今回の『レーティングゲーム』は両家の皆様もほかの場所から中継フィールドでの戦闘をご覧になります、さらに魔王ルシファーさまも今回の一戦を拝見されておられます、それをお忘れなきように」

「お兄さまが?……そう、お兄さまが直接見られるのね」

内情を知っている士郎にとっては、色々と考えるところはある。

「そろそろ時間です、皆さま――魔法陣のほうへ」

グレイフィアさんに促され、魔法陣に集結する

「なお、一度あちらに移動しますと、終了するまで魔法陣での転移は不可能となります」

「(帰ってくるときは、勝敗が決しているってことか)」

それから、ゲーム用の紋様が光り、転移が始まった。

 

転送された先は部室、これといって驚く理由がないがイッセーはやはりこの状況に驚いていた―説明が校内放送で流れる。

 

『皆様、この度、グレモリー家、フェニックス家の「レーティングゲーム」の審判役アーピターを担うことになりましたグレモリー家のグレイフィアでございます』

校内放送からグレイフィアさんの声が聞こえる

『我が主、サーゼクス・ルシファーの名の下、戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。今回のバトルフィールドは、フェニックス様の意見に則り、「駒王学園」のレプリカを異空間にご用意いたしました』

この部室はまんまそのものだった、空は白く、深夜なのに空は暗くない

『転移された先が本陣でございます』

そんな中、朱乃さんからイヤホンマイクタイプの通信機器を渡される。それを耳に付けながら部長が言う。

「戦場ではこれで味方同士やり取りするわ」

『開始のお時間になりました。このゲームの制限時間は、人間界の夜明けまで、それではゲームスタートです』

 

キーンコーンカーンコーン

鳴り響く学校のチャイム。これが開始の合図だった。士郎は始まると同時に、その場から姿を消した。

 


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