ハイスクールD×D/Re:Zext Night 作:有栖川アリシア
目を開けるとそこは、元の部室だった
「ここが、本陣だな」
部長やイッセーたちは観測室に飛ばされていた。
『皆様、この度、丹羽子爵、フェニックス家の「レーティングゲーム」の
校内放送からグレイフィアの声が聞こえる
『我が主、サーゼクス・ルシファーの名の下、戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。今回のバトルフィールドは、フェニックス様の意見に則り、「駒王学園」のレプリカを異空間にご用意いたします』
この部室はまんまそのものだった。空は白く、深夜なのに空は暗くない
『転移された先が本陣でございます』
そこから、グレイフィアさんによる説明が続き
『開始のお時間になりました。このゲームの制限時間は、人間界の夜明けまで、それではゲームスタートです』
ゲーム開始の狼煙が上がり俺は本陣から歩きだした
今回のルールはいたって簡単―どちらかが全滅になったら終了、普通のチェスと変わらない、今回はプロモーションが自由、だから相手は女王が8体来ることもありえる
ゆっくりと士郎は森の中を歩いていく
『おい、シロウ』
「なんだよ、ジルニトラ?」
『相手はあの不死鳥の末裔じゃどういう手を使ってくるかわからん、短期決戦で肩をつけよ』
「不死身ってのと、不死鳥の涙ってところか、わかった気をつけるよ」
いくつか言葉を交わし、士郎は体育館に向かって行く。
ゆっくりと気配を広範囲に漂わせ当たりを王者たる余裕で闊歩していく士郎。なにものにも怯えぬその姿はまさに慢心状態だ。
そう、その姿は―王そのものだ。傲岸不遜で唯我独尊、おまけに傍若無人。自らを「唯一無二の王」と称してはばからない。英雄王であると同時に、性格と高すぎる能力が常時の慢心と油断を生み、「慢心王」とも評される、圧倒的神性を持つ半神半人の、最古にして最強、世界の全てを手中に収めた英雄王を体現していた。故に周りから全てをひれ伏せさせる王気オーラが放たれていた。そして、士郎は堂々と正面から体育館に入り込んだ
「そこにいるのはわかっているわよ、ひとりの子爵様!ここへ入り込むのを監視していたんだから!」
女の声だ。やはりライザーの下僕。壇上の上には女性悪魔が四名。チャイナドレスのおねえちゃんに、双子と小柄な棍棒を持った女の子
「――この俺を監視しているとはなぁ」
王たる余裕を見ているシロウ
士郎は一人で対峙する。チャイナドレスの女性が中国拳法の構えをとり、小柄な子が棍を構え、双子がチェーンソーをニコニコ顔で構えるチェーンソーに火が入る
「(ふーん、チェーンソーねぇ、もっと悪魔らしく鎌とか使えよ)」
呆れながら、見渡す
「解体しまーす♪」
双子が同時に楽しそうに宣言してくる、そのとっても可愛い容姿と明るい声に、俺の嗜虐心を駆り立てる
瞬間的に双子たちの上空に浮いていた、相変わらず士郎は腕を組んでいる
「雑種ごときが、王に刃向かうか無礼者!なら、この
「余興だ。足掻いてみせろ!」
背後の巨大な空間が現れる、その中から数多くの武器がその矛先を双子たちに向けていた
それは、バビロニアの宝物庫と、それに繋がる鍵剣。
持ち主の蔵と空間を繋げる能力を持つ。蔵も中身も所有者の財の量に準ずるため、何もない人が使っても何の意味もない。
英雄王は生前自分の蔵に「宝具の原典」を含めた大量の財宝を収めており、王の財宝でそれらを空間を繋げて自在に取り出したり、射出することが出来る―そして、今、膨大な魔力の投影などにより、その武器や財宝の数は全て
それに驚くこともなく、こちらに向かってくる双子
「快く失せるが良い、道化!」
士郎はそう、言い放ち手を双子の方に向け
「
機関銃のごとく、一秒間に何万発の武器が一斉に双子の方に降り注いだ
ドチュッ!ドチュ!
それが双子に突き刺さる
「無礼者。我が失せろと言ったのだ。疾く自害するが礼であろう」
士郎のセリフが体育館に響いたと同時に光の粒子となってその場から消えていく。
『ライザー・フェニックスさまの「兵士」二名、戦闘不能!』
無情にもアナウンスが響く。
「フフフ…フハハハハ、ハーッハッハッハッハッハ!!」
高笑いする士郎。
「クッ!このやろォォォ!」
チャイナドレスの姉ちゃんが物凄い顔で突撃してくるが、
「我が剣の露と消えるか?」
先程の
「秘剣、燕返し!」
三つの異なる剣筋が同時に(わずかな時間差もなく、完全に同一の時間に)相手を襲った
その攻撃であっという間に、地面にたたき落とされるチャイナドレスの姉ちゃん
「いかがかな?我が秘剣。今生の見納めに相応しいものであれば良いのだが」
「巫山戯るなぁぁ!」
棍棒を持った子も突撃してくるが、士郎はすれ違い様に耳元でこういった。
「白兵戦なら勝機があると?」
その刹那、士郎は
「ふん、たわいもないな」
そういうと、同時に二人とも光の粒子になって消えていく
『ライザー・フェニックスさまの「兵士」一名「戦車」一名、戦闘不能!』
アナウンスが聞こえた瞬間
士郎は、気配を察知してゆっくりと言葉を紡いだ
「――
ドドドッン!突然の爆砕音が近くから発生した
「
しかし、その時には光で出来た七枚の花弁が展開されていた
「あと少し早ければ、おれも危なかったかもしれないな」
「っ!」
謎の声、見上げあげれば、翼を広げて空に浮遊している人影がひとつ。フードを被り、魔導師の格好をしている女性。
あいつは、ライザーの女王だった、いきなり最強のおでましみたいだ
「ど、どうして」
「ハッ!思い上がったな、雑種!!」
「な、なんですって!」
「まぁ、いい―失せろ!」
そういうと俺は、一旦
現れたのは、『
ちなみに、プロモーションされないように本陣近くには、『
それから、士郎は後方からやってきた二人に視線で合図を出す。
「――
ユーベルーナを猛烈な風が襲いかかる。その風に乗って一気にガウェインが一太刀浴びせる。ガウェインと後方のアルトリアに意識が行った一瞬を狙い、懐に士郎が突っ込んでいき
「秘剣・燕返し!!」
三つの異なる剣筋が同時に(わずかな時間差もなく、完全に同一の時間に)ユーベルーナを襲った。まさに三位一体攻撃だ。
燕返しを喰らって吹き飛ばされるユーベルーナ
ドスッ!
鈍い音共に、叩きつけられると共に、先ほどと同様消えていく。
『ライザー・フェニックスさまの「女王」一名、戦闘不能!』
消え去ったのを確認すると、再び士郎は