ハイスクールD×D/Re:Zext Night   作:有栖川アリシア

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祝!!\百話達成/


第百話 終幕 京都騒乱編

「ハッハッ!!いい女だぜ!仲間を爆破に巻き込まないように俺の気を逸らそうってか!いいぜ!乗ってやるよォォっ!!」

ヘラクレスは嬉々として高笑いしていた。本丸御殿から離れたロスヴァイセさんは空中で振り向き様、魔法陣を無数に展開する。そして、ヘラクレスからミサイルが一気に撃ち出される。

 

ヒュンッ!!ヒュンッンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッンッ!!

ヘラクレスから打ち出されたミサイルはロスヴァイセさんの方に向かっていた。

そして

ドッゴォォォォオオオオオオオオオオオンッッ!!

無数のミサイルはロスヴァイセさんが展開する魔法陣に直撃した瞬間、空中で巨大な爆発を巻き起こした。そして、激しい爆風が辺り一帯を襲った。イッセーは、ロスヴァイセさんの方に視線を向けると

「全く禁手化(バランスブレイカー)祭り(バーゲンセール)なんて、面白くないな」

ロスヴァイセさんの目の前に"熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)"を展開した士郎がいた。

 

「――滅神龍帝…!?」

曹操が舌打ちする。

「イッセー、こっちは任せろ」

「あぁー任せたぞ…」

そうイッセーにいう士郎。

 

 

「このやろォォォ!!邪魔すんじゃねぇええええ!!」

ズドドドドドドドドドッ!!

先程より数倍の量のミサイルがヘラクレスか撃ち出されるが

 

「――」

士郎は、持っていたバルムンクに魔力を纏わせ、ビームソードのようにし空間ごとミサイル全弾を 一刀両断にしてしまう。

ドドドドドドォォォォォン!!

 

「――なにっ!?」

その光景に驚くヘラクレス

「『超人による悪意の波動(デトネイション・マイティ・コメット)』に『断罪の聖龍(ステイク・ビクテイム・ドラグーン)』と六刀流の『阿修羅と魔龍の宴(カオスエッジ・アスラ・レヴィッジ)』か、揃い揃って、面白いな」

少し微笑む士郎

シュタッ!!

隣に、ジークフリートと戦っていたサツキと八雲がやってきた

「遅いわよ、士郎」

「すまんな、けど、最強の助っ人連れてきたぜ」

そう言うと、士郎の隣に仮面のそれも士郎と同じくらいの背丈の女の子が現れた。4人は互いに背中を合わせる

「さてと…」

怒涛の破壊者(ヘラクレス)監視の聖乙女(ジャンヌ・ダルク)龍殺しの魔剣(ジークフリート)が現れた。

『全く、魂を受け継いだものか』

『このような反社会的行為に関わっているのわ、少し困るものですな』

『――…』

三人は各人を睨みつける

「えっ?・・・えっ!?」

イリナやゼノヴィア、それに九重までもがその光景に驚いていた。

「さて・・・ショーの開幕だ!!So as I pray!!」

「きさまァァァ!!ふざけるんじゃねぇぞ!!」

ヘラクレスが襲いかかってくる

 

「――Unlimited Blade Works!!」

イッセーと曹操と匙と九尾の御大将意外、士郎の空間に吸い込まれた。

 

「・・・ここは・・・?」

剣の突き立つ無人の荒野に降り立つ士郎。そしてジャンヌ・ダルクが周りを見回している中

「――ここは剣戟の極地・・・恐れずしてかかってこい!!」

「そうか、ならこの私の相手をしてもらおうか!滅神龍帝!」

飛び出してくるジークフリート

「よかろう――相手になろう」

「士郎、行くわよ!」

「あぁ!!」

士郎、サツキ、木場、龍殺しの魔剣(ジークフリート)とジークフリートがぶつかり合う。

 

「では、相手になった貰いましょうか、偽物さん?」

『どちらかといえば、あなただと思いますけどね』

皮肉をいう監視の聖乙女(ジャンヌ・ダルク)

「お願いします」

「助勢する」

『感謝致します』

ゼノヴィアとイリナと監視の聖乙女(ジャンヌ・ダルク)が相対する。

 

「士郎くんのお仲間さん――お願いします」

『あぁ、よろしく頼むぞ白銀の戦乙女(ヴァルキリー)殿と新しい御人』

「・・・」

コクり

紅蓮の髪に仮面の少女と怒涛の破壊者(ヘラクレス)とロスヴァイセさんが相対する。

 

 

「――」

ジャキンッ・・・

士郎はラグナロクと絶世の名剣(デュランダル)、サツキは宵闇戦姫(サタン)龍殺しの魔剣(ジークフリート)幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)を構える。と同時に、あちらさんが動き出したので、士郎とサツキが先に動き、その後ろから木場と龍殺しの魔剣(ジークフリート)が動き出す。

「――ッ」

ジークフリートは、隙の少ない3連撃を繰り出してくる。士郎はそれを、ものすごい速さで突っ込むように避け、居合いのような感じで直線上を剣でジークフリートを一閃する。ジークフリートは、やっとこさ防いだという顔をしているが

「――!?」

シュパァァンッ!!

相手が技を出してから反応してたら間に合わないほど素早い居合を繰り出し、さらに抜身で攻撃してから、鞘での一撃を放つサツキ

ギィィィンッ・・・

ディルヴィゥングとダインスレイヴの二つの剣に無銘弐型の斬撃がぶつかりあい、少し後退りするジークフリート。そして、追い討ちをかけるように

『――幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)!!』

上空から、龍殺しの魔剣(ジークフリート)が襲いかかる

「グッ・・・!?」

かなり厳しそうな顔をするジークフリート、そして、木場も神速で襲いかかる。

「――木場、サツキ!!」

「「うん!!」」

少し距離を明けてから一気に三人で襲いかかる。

「「「ウォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!」」」

士郎は、太陽コロナのように全方向から放たれる二十七の連続の剣閃攻撃。木場は、その俊敏さを以って 星屑のように煌き飛び散る白光と共に連続一六回攻撃、そして、一番最後にサツキは前方の空間の空気すらも弾き飛ばし衝撃を発生させ、唐竹、袈裟斬り、右薙ぎ、右斬上げ、逆風、左斬上げ、左薙ぎ、逆袈裟、刺突の9方向へ同時に斬撃が襲いかかる。

 

ズバァァァンッ!!!

ジークフリートが上空に吹き飛ばされた。

ドサッ・・・

全身剣傷だらけでその場に倒れこむ動かなくなるジークフリート。見れば周りのジャンヌ・ダルクやヘラクレスもかなり傷を負っていた。

 

「まさか――こんなことになるとはな」

空間が元に戻り、擬似空間に戻ってきた直後

 

「吹っ飛べェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!!ドラゴンブラスタァァァァァァァァアアアァァアァァッッ!!」

ズバァァァァアァァァァンッ!!

肩のキャノンから英雄派のほうへ大出量のエネルギーの極大の一発が発射された。

そのキャノンの一撃は、遥か後方に飛んでいき――

ドォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!

空間全体を震わせるほどの大爆発と共に街並みがまるごと巨大なオーラに包み込まれ、エネルギーが広がって、町全体を激しい光が包んいく。そして、光が止んで残ったものは――何もなかった。いや、放たれた先の風景が消滅していた、それにフィールドまでダメージを与えたようで空間が歪んでいた。

「(なんつぅ、威力だよ、こんなの立て続けにやったら空間がぶち壊されかねないぞ…)」

そのバカでかい威力に士郎も驚く

 

「曹操ォォォォォォッ!!――モードチェンジ!!『龍星の騎士(ウェルシュ・ソニック・ブーストナイト)』ッ!!」

イッセーが奴の名を叫び、ドラゴンの翼を羽ばたかせて曹操に向かう。イッセーの背中のブーストの数が倍に増え、盛大に魔力の火を噴出させる。更に速度が上がり

「てめぇに体当りするくらいなら、問題ねぇよなァァァァァァァ!!」

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』

曹操を捉え、正面から突っ込んでいく!

「――速いッ!!」

そして、真正面からのガチンコ勝負を挑み

ドンッ!!

「ごふっ!!」

曹操が軽く吐瀉する。そして、イッセーが曹操を捕まえた。

「――やっと、捕まえたぜ、これなら文句ねぇだろう?」

「全く、君は正面から本当に突っ込んでくるんだなッ!だが、その装甲の薄さで俺の槍は耐えられないだろうッ!?パワーアップ早々悪いが、これで終わりだッ!」

そういって、イッセーに向かっていく曹操だが

「終わりじゃねぇよ!!英雄がァァァァ!?」

士郎とイッセーが一斉に飛びかかる。曹操の槍が二人を捉え、光の刃が向かってくる。しかし、士郎の手には"紅き黄昏の神殺槍(ロンギヌス・ロンゴミアント)"が握られている。

 

バチバチバチバチバチバチ!!

二人の槍先が触れた瞬間、ものすごい爆発を巻き起こす

 

「今だ!イッセー!!」

「あぁ!!おっぱいドラゴンなめんな、このクソ野郎オォォォォォォォォォォォォォォッッ!!」

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!』

ズバァァン!!ドンッ!!

イッセーは、拳に炎を纏わせ曹操を思いっきり殴りつけた。一撃をくらい地面に勢いよく叩きつけられる曹操。士郎は気を緩めることなく構える。

 

「…はぁはぁ」

イッセーは息を上げて、その場に膝をついていた。

 

「(スタミナ切れか――)」

新しい能力を得たから、エネルギーの消費に拍車がかかったのだろう、それに何回も形態変形してればを考えると納得いく。士郎はイッセーの前にでて

 

「…イッセー、よくやった」

少し後ろを振り向きながら言う士郎

「次は――君か、滅神龍帝」

ボロボロの曹操がいう。

「そうだな、少しお相手してもらおうかな?英雄よ」

『グオォォォォォォオオオォォンッ…』

九尾の御大将の叫び声が響く。

「(手早く終わらせて、匙の方に加勢するか…)」

そう考えながら、士郎は原罪(メロダック)赤原猟犬(フルンディング)を構える。

 

バッ!!

先に動いたのは曹操だった。槍の鋒を士郎に向けてくる。

「――」

士郎は、手首から肩、腰を柔らかく動かすことによって 曹操の攻撃を武器で受け流す、そこからカウンターに四回の剣閃攻撃を放つ。しかし、曹操も最小の動きで弾かれる。二人は、距離をとる。曹操は余裕な表情を見せるが、士郎はそれに怯えることなく果敢に飛び出していく。曹操に向けて、紅い半月のような原罪(メロダック)の煌きと共に周囲のを溶解させるほどの熱量を持つ荒れ狂う劫火を放つ。

 

ゴォォォォォンッ!!

「ッ!!」

曹操は槍を使ってそれを相殺しようとするが

ズガァァンッ!!

士郎による曹操の頭上へ飛び上がると同時にその身を縦回転させ、加速度をつけ、魔力を纏わせた二つの剣で斬りつける。ぶつかった瞬間、 魔力を『斬り砕く』のではなく『焼き払う』方向に極大化させて縦一文字に曹操を両断する追い打ち攻撃により、派手に吹き飛ばされる曹操。しかし、空中で体勢を立て直した曹操は、自身の槍の鋒を空に向かって放り投げると轟々しし雷雲が現れその中から槍が士郎めがけて一直線に落下してくる。

「――ッ!!」

士郎はすぐさま二つの剣をしまい、約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)を取り出し

約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!」

聖なる波動とモルガンから放たれた黒い斬撃がぶつかりあいすさまじいドーム状の爆発が起こる。士郎は、片手に原罪(メロダック)を持ち

 

ズバババッババッ!!

「――!!」

闇のような黒色の雷球を曹操に向けて放つ。曹操は、それを槍による連続突きで貫き、そこから体を反転させて、飛び上がって落下しながら下に突き刺すように攻撃を繰り出してくる。士郎は曹操に向けて一条の熱線を放つ。曹操には当たらなかったものの、熱戦は直線上にあった触れたものを焼き尽くしつつ打ち砕いていく。そこから士郎は、舞うように連続で二本の剣を振るい、同時に突きを繰り出す。士郎は、すぐさま体勢を持ち直し、その上から紫電の如き斬撃を繰り出す。そして、曹操も槍の閃擊をくりだしてくる。

ズバァァァァンッ

再び巨大な爆発が巻き起こった。

 

二人は、爆風を利用して距離を取る

「あんた、このまま全勢力と激戦するつもりか?」

「冗談――この戦力では長期戦に向かない、一人の力が強くても、流石に各勢力が協力した兵力には勝てないさ、そちらに大損害は出せるだろうが、こちらは全滅だ、不意打ちを狙った一点突破のほうが効果がいい。だから、この組織にいるのは割がいいわけさ」

と曹操が話している中。

バシッ!!バチッ!!

空間を振るわす音が鳴り響く。これは空間を切り裂く音だ。

「どうやら、始まったようだ」

曹操がうれしそうに微笑んだ。

「あの魔法陣、そしてキミと赤龍帝の膨大なパワーが真龍を呼び寄せたのかもしれないな、ゲオルグ、『龍喰者(ドラゴンイーター)』を召喚する準備に取り掛かって「そこまでだ!」なに!?」

言葉を言いかけた曹操の言葉を士郎の言葉が遮った。

 

『グオッォオォォオオッォォンッ!!』

「なに!?」

曹操の顔が引きつったものとなった。見れば、九尾の御大将の動きが完全に封じられていた。九尾の御大将の足元にが、細い水流が無数に発生しており、足元に絡めて移動を阻害させており、上からは、鎖が縛っていた。

「――即席術式、オロチの足枷、うまくいったみたいだな」

「なぜだ…それに、裂け目からのこの闘気……ッ!!」

目を細め空間の裂け目を注視する曹操。

 

オォォォォォォォオオォォォォォンッ!!

空間の裂け目から数十メートルほどの、緑色オーラを発する体が細長い東洋タイプのドラゴンが現れた。

 

「――西海龍皇(ミスチバスドラゴン)王龍(ウーロン)かッ」

五代龍王の一角が現れる。しかし、曹操の視線は、王龍(ウーロン)の背中にいた小さな年老いた男性のほうに向けられていた。その男性は、高さなぞなかったかのように地面に降り立つ。

「大きな『妖』の気流に、それに『覇』の気流と混沌の気流、それらによってこの都に漂う妖美な気質がうねっておったわ」

その人影はこちらに一歩一歩歩み寄ってくる。法衣を纏った黒い肌に金色に輝く体毛のまるで猿のような人。手には棍のような得物、見れば首にはひとつひとつが大きい数珠、しかもサイバーなデザインのサングラスをしていた。煙管を蒸しながら不敵に笑っている。

 

「おー、久しい限りじゃい、聖槍の、あのクソ坊主がデカくなったじゃねーの」

曹操にいうその小柄の男性。

「これはこれは、闘戦勝仏殿、まさかあなたがここに来られるとは、、各地で我々の邪魔をしてくれているそうですな」

「坊主、イタズラが過ぎたぜぃ、儂がせっかく天帝からの使者として九尾の姫さんと会談しようと思っていたのによぉ、拉致ったぁ、やってくれたもんだぜぃ、ったく、関帝となり神格化した英雄もいれば子孫が異形の業界の毒なんぞになる英雄もいる『覇業は一代のみ』とよくいったもんじゃ、のぅ、曹操」

「毒、ですか、あなたに称されるのなら、大手を振って自慢できるものだ」

畏敬の念を持って接している曹操。現れた助っ人は、なんと初代孫悟空だった。

見れば英雄派の連中も重圧を感じているみたいだった。そして、士郎に視線に気付いた。

 

「赤龍帝に滅神龍帝の坊や、よー頑張ったのぉ、いい塩梅の龍の波動だ、もう無理しなくていいぜぃ?儂が助っ人じゃい、あとはこのおじいちゃんに任せておきな――王龍、九尾を頼むぜぃ」

指示をだす初代孫悟空のじいさん

『おいおい、来た早々龍使いが荒いぜ、クソジジイ!オイラ、ここに入るだけでチョー疲れてんですけど!てか、白龍皇の仲間の魔女っ子に手助けしてもらったんだけどよ!おわっ!つーか、ヴリトラだ!おいおいおい、狐と戦ってんのヴリトラだと!どれくらいぶりだァ?』

テンションが高いあのドラゴン

「おじいさん、俺も加勢します」

「おじいさんか――おう、滅神龍帝の坊や、王龍と任せたぞぃ」

「えぇ」

士郎は立ち上がって構える。

「王龍――あとで京料理をたらふく食わせる、それでよかろう」

『りょーかい、あとで絶対たらふく食わせろよい!オラオラオラ!龍王さまを舐めんなよ!狐の姉ちゃん!オイラは強ェェぞ!』

 

「出雲に神在り、審美確かに 魂に息吹を 山河水天に天照す 是自在にして禊の証 名を玉藻鎮石 神宝宇迦之鏡也 なんちゃって☆」

飛び出すと同時に、士郎は、水天日光天照八野鎮石を起動させて別系統の妖気による外部からの魔力供給を行うと

ズドォォォンッ!!

 

突如、士郎が爆発した。そのことに驚いているイッセー達

「さてと、狐、にゃんにゃんタイムだ」

『……えっ?』

一同の言葉が重なった。同時に煙の中から士郎が現れた。金色のきつね耳と九本の尻尾、そして巫女服。

『(…うわぁ)』

手には、紅と金で装飾された刀を持っていた。そう、色々と事故っていた。しかし、そんなことを気にせず士郎は王龍と同時に九尾に突っ込んでいく。

 

「あなたの魔力分けて貰いますよ」

九尾の御大将の妖力を直接吸収する士郎。

「――!!」

間髪いれずに九尾に向けて、捕縛結界妖術を使う士郎。広範囲に展開され九尾を拘束する。そして、地面を隆起させ、地面から岩石の柱を出現させそれを牢を作るかのように展開し、擬似牢獄を作りだす。

『グオォォォォォォンッ!!』

唸り声を挙げる御大将。そんな中

「曹操、ここまでにしよう、初代孫悟空は『禍の団』のテロを何度も防いでいる有名人だ、これ以上下手な攻撃はせっかくの人材が傷つくよ、僕も甘かった――強い」

「退却時か、見誤ると深手になるな」

英雄派のメンバーが素早く一箇所に集まり、逃げようとしている。

「ここまでにしておくよ、初代、グレモリー眷属、赤龍帝、滅神龍帝とその仲間よ、再び見えよう」

イッセーは、オーラを集め、左の篭手にキャノンを生み出し

「――お咎め無しで帰れるのと思うのか?こいつは京都での土産だッ!!」

バシュゥゥゥゥゥウンッ!!

イッセーの篭手のキャノンから濃縮された魔力の一撃が撃ち出された。

「しゃらくさい野郎だ!」

曹操の盾になろうとヘラクレスやジャンヌが前に出るが

 

「曲がれぇぇェエエ!」

イッセーが叫ぶと同時に、撃ちだしたキャノンの一撃が、軌道を変え

バシュンッ!!

その一撃は曹操を捉えた。

「ぐぅぅぅぅ……ッ!」

赤い煙を上げながら、曹操が顔を手で覆った。見れば曹操は鮮血を散らしながら、こちらにむける

「……目が……赤龍帝ぇぇぇぇぇっ!!」

顔が赤く染まって狂喜に顔を歪ませる曹操、そして槍を構えて

「――槍よッ!!神を射抜く真なる聖槍よッ!!――」

そう言いかけた時だった。

 

ゴォォォォォオオオォォ……ズドォォォンッ!!

 

「――…」

曹操の周囲に向けて黒く禍々しい高エネルギーの光線が放たる。地面に着弾し地面を紙を破るかのようにと打ち砕いた。

 

バサッ…バササ・・・

マントが翻る音がする。見れば、士郎の頭には禍々しいまでのヤギのような角が生えていた。それに、ギラギラと輝く紅い瞳に黒い甲冑に黒と紅のマント。まさに魔王のような姿だった。

そして、士郎の隣には寄り添うように体を密着させている黒いドレス姿のサツキがいる。二人合わせて、清々しいくらいの禍々しい気が辺り一帯を支配している。

 

「「――」」

ふたりの視線が曹操に向けられる。その瞬間、とてつもない寒気を感じる曹操

「な…なんなんだ…これが、あのロキを葬る寸前まで追いやった滅神龍帝の力なのか――!?」

更に曹操の顔が歪み

「――退却だ、『魔獣創造』のレオナルドも限界の時間だろう、さすがにこれ以上は無理だな、各種調整についても不十分ではあるがデータは得られた、いい勉強にはなったな」

ジークフリートは初代を睨みつける。

「わかっているさ、初代殿、そして赤龍帝、滅神龍帝――否、兵藤一誠に丹羽士郎、ここいらで俺たちは撤退させてもらおう、まったく、ヴァーリのことを笑えないな、彼と同じ状況だ、キミはなぜか土壇場でこちらを熱くさせてくれる――二人共、もっと強くなれ、ヴァーリよりも神よりも、そうしたら、この槍の真の力を見せてあげるよ」

それだけ言い残し、英雄派はここから消えていった。

 

 

それから、英雄派が逃げた後、残ったのは士郎たちとイッセー達と助っ人である初代孫悟空と王龍。そして九尾の御大将だった。

『あー、しんどかった、ヴリトラいなきゃ、辛かった……』

王龍が地面に降り立つ。

 

「――…」

士郎も上空から降り立つと、その場に体勢を崩し膝をつく。見れば、サツキと士郎の顔には疲労の色が濃く出ていた。そんな中

「士郎――!?」

八雲と紅蓮の髪に仮面の少女が士郎の元にやってくる。紅蓮の髪に仮面の少女は仮面を外し

「大丈夫か、士郎?」

仮面を外したリンが心配そうにこちらを見つめてくる。

「ん、少し無理しただけさ――」

士郎はリンに体を預ける

「そうか――」

そういうと、穏やかな表情をするリン

「サツキ姉さんも大丈夫ですか?」

「えぇ、サツキでいいわ」

そういうサツキ。そんな中

 

「……ここは?」

ここにいない声がした。見れば八坂さんが元に戻っていた。ふらりふらりとおぼつかない様子だが、おぼろげながらも意識を取り戻していた。どうやら、イッセーと初代孫悟空がやってくれたらしい。

「母上ぇぇぇぇぇ!母上ぇぇぇぇ!」

「………どうしたのじゃ、九重、お前はいつまで経っても泣き虫じゃな」

八坂さんはやさしく九重を抱き、頭を撫でる。見れば八雲もそっちにいっていた。感動の場面に思わず涙してしまう士郎

「うぅ、九重ちゃん、よかった……」

見れば治療していたアーシアもボロボロに泣いていた。

「ま、何はともあれ、解決じゃい」

初代孫悟空が締めの言葉をいった。言葉通り、解決したのであった。

 

 

激闘を終え――

 

士郎とサツキとリンはホテルの屋上の壁に寄りかかっていた。

「よくやったな士郎、イッセー、お前らは休んでいろ、救護班!グレモリー眷属とイリナ、匙を見てやってくれ!ケガはともかく、魔力と体力の消耗が激しい!」

先生が他のスタッフに指示している。先生の言葉に甘えるべきだと感じる士郎。

「…全く、ついて行くといった矢先、すごいんだな」

しんみりした顔をしながら言うリン

「リン、そんなしみったれた顔をするなって」

そういう士郎

 

「ゴメン、イッセー君、士郎くん、情けないけどお先に」

謝りながら言ってくる木場に士郎とイッセーは、手を上げて"おつかれさん"と答えた。言葉が重なり合い士郎とイッセーは顔を見合わせ、少し笑った。見上げた空には、星が瞬いていた。と同時に、士郎は隣にいるサツキに視線を落とす。

「……」

確かなぬくもりに士郎はとある決意を固めた。

 

修学旅行最終日――

士郎は、イッセーたちと一緒に疲弊しきった体を引きずって最終日のお土産巡りを敢行して、今は京都駅新幹線ホーム。

ホームには、九重と八雲に八坂さん、それにサツキとリンが見送りに来ていた。

 

「さてと、これからだな」

「えぇ、けど荒方は任せなさい」

「あぁ、瞳さんのほう、頼む」

「えぇ」

サツキと士郎が軽い会話をしたあと

 

「士郎」

「ん、なんだい?」

「またきてね?」

「あぁ、また来るよ」

そう役もと会話をかわす士郎。

ピピピピピピピ

発射の音がホームに鳴り響く。

「(おっと)」

そろそろ行ってしまう。士郎はアサゼル先生の方をみると

「アサゼル殿、赤龍帝、滅神龍帝、そして、悪魔、天使、堕天使の皆々、本当にすまなかった、礼をいう、これから魔王レヴィアタン殿、闘戦勝仏殿と会談するつもりじゃ、良い方向を共に歩んで行きたいと思うておる、二度とあのような輩にこの京都が恐怖に包まれぬよう、協力体制を敷くつもりじゃ」

「ああ、頼むぜ、御大将」

笑顔でいうアサゼル先生

「うふふ、皆は先に帰っていてね☆私はこのあと八坂さんと猿のおじいちゃんと楽しい京都を堪能してくるわ☆」

楽しげなレヴィアタン。

 

そんな中、八雲がこちらに近づいてきて

 

ふわっ……

鼻腔をくすぐるかぐわしい香りと共に、八雲の唇と士郎の頬が触れた。

「(――ッ…!)」

突如のことに驚くと同時に

「ありがと士郎」

笑顔でいう八雲に思わずドキリと心臓が跳ねる士郎

『……』

同時に、アサゼル先生やイッセーから、心底羨ましそうな視線

「じゃあ、待ってるわ」

「あぁ」

士郎は一回ぎゅーっと抱きしめた後、新幹線に乗り込んだ。それから、一路東京に戻ったのであった。

 

 

 

 

そして、兵藤家

「なんで知らせてくれなかったの?――と言いたいところだけど、こちらもグレモリー領で事件が起こっていたものね、でも、ソーナは知っていたのよ?」

説明は全て済んでいた。士郎やイッセー、ゼノヴィアなど、修学旅行組は正座していた。ちなみにイリナもいる。

「は、はい・・・」

少々ご立腹の朱乃さんや小猫ちゃん、ちなみに、なぜか部屋の隅では"あっち(冥界)"にいるはずのアルトリアがスーツ姿で腕を組んで壁に体をよりかけてたっていた。

 

「(あっちもあっちで相当ご立腹だな・・・)」

「こちらに電話した時に、少しでも相談が欲しかったですわ……」

「……そうです、水くさいです」

「で、でも、皆さん無事帰ってきてくれたのですから……」

「「(ギャスパァァァァァア!!庇ってくれるのか!お前はいい後輩だな)」」

「まぁ、イッセーと士郎は現地で新しい女を作ってたからな」

椅子に座る先生が場を混乱させるようなことを口走る。そして、士郎は口を開いた。

「先生――八雲はともかくとして、色々と問題になる発言は――「あぁ、わかってるっつぅの」なら、結構ですが」

「んで、話戻すと、イッセーは九尾の娘、士郎は九尾の妹だ」

「そ、そんなのじゃありませんよ!ったく、人聞きが悪いな、先生は!士郎だって京都駅d――「いうな、イッセー!恥ずかしいからやめろ!!」うるせぇ、テメェも巻き込んでやらァァ!」

若干一触即発の雰囲気になる。

「ってか、あの八坂を見た限りじゃ、将来相当な美人で巨乳に育ちそうだぞ?それに、八雲を見れば一目同然だがな」

士郎の顔が赤くなる

「相変わらずですね、先輩」

「ウフフフ…さすがです士郎くん」

小猫と朱乃さんの目が笑ってないのであった。


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